住宅の外壁にもいろいろとあり、家の外見を決める重要な要素となる為、悩まれることも多いでしょう。そのうちの1つであるタイルはメンテナンスフリーの外壁材とよく言われていますが、果たして本当にメンテナンスは必要ないのでしょうか?今回はその真相や、メリット、デメリットを解説します。
目次
住宅の外壁は、見た目に大きく影響する要素であり、注文住宅等では何にするか迷ってしまう事もあるかもしれません。種類のある中で、メンテナンスフリー外壁材と言われることの多いタイルがありますが、その真相はどうなっているのでしょう。
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結論から言えば、外壁タイルはメンテナンスが全く必要ないという訳ではありません。ならば、メンテナンスフリーとよく言われている理由は何なのかというと、タイルそのものが劣化する事が無い為です。
土や石を約1,000度の高温で焼き固めて作られるのがタイルなのですが、こうして作られた土や石は無機質となり、これらを素材にしたタイルは半永久的に劣化することがありません。その為、タイル単体で言うのなら、メンテナンスが必要無いという言葉は合っています。
しかし、タイルとタイルとをつないでいる目地の部分は無機質ではありませんので、時間の経過とともに劣化していきます。7年から10年に一度ほどのスパンで目地の補修が行われ、他の壁材と比較すれば、メンテナンスは楽と言えます。
外壁材と一口に言っても、種類は様々存在しています。それぞれに特徴がありますので、タイルと併せて特性を覚えておきましょう。
まずは「サイティング」です。平たく長い板状のサイティングを重ねながら貼り合わせたものであり、下見張りや鎧張りとも呼ばれ、西洋風のイメージをもたらすためにカントリースタイルの住宅では定番の壁材に数えられます。
セメントを主原料にしていたり、断熱材やハードボードなどを芯材に金属板で覆ったものなど、サイティングの中でも種類は豊富にあります。工事が簡単で価格も安価であり、耐水性や耐天候性にも優れています。
特徴的な板を横に張り合わせる事で影が壁に落ちる外見は西洋スタイルの外見となり、おしゃれな住宅となります。また、ひび割れなどの劣化が起こりづらく、壁材の品質も均一になりますので機能面で考えても安心して利用できます。
続いては「モルタル壁」です。セメントと砂、水を練り合わせる事で作られたモルタル材を使用しており、外壁以外にも断熱材やタイルの接着剤などに使われてもいますが、主な用途としては住宅の壁材に用いられていることが多いです。
耐久性が非常に優れている壁材である為、ひび割れなどが起こらない様にメンテナンスをすれば、長持ちさせられます。加えて不燃性の物質で作られている為に耐火性にも優れ、継ぎ目も無い為コーキングの必要もありません。
モルタル壁は仕上げの種類が豊富に存在しており、その分外観は多様に変化する為、一見するとモルタル壁とは分からないような仕上げ方もあります。高級感と重厚感のあるスタッコ、表面が砂の様なリシンなどがあります。
そして、今回メリットなどを紹介するタイルです。先に述べた通り、石や砂などの自然素材を使用し、これを1,300度の高温で焼き固めて作られます。元が無機質の素材を使用している為に、劣化とは無縁なのが特徴的です。
このタイルを1枚ずつ貼り付けて仕上げていき、高級感や重厚感のあるデザインは家のイメージに大きく影響します。のちに詳しく解説する耐久性の高さなどが評価され、現在は外壁のみならず、内装や床などにも使われています。
素地や形状などによってさまざまに分類されており、例えば「磁器質」は1,250度以上の高温で焼き固めて作られ、吸水率1%と非常に低いため水に強い性質を持ちます。また「陶器質」は1,000度以上で作られ、他と比較すると変化や劣化がしにくいです。
木製の外壁もあります。マツやスギ、ヒノキなどの木材を板状にして貼り付けたもので、自然由来の壁材である為に昔からよく用いられてきましたが、最近は先に紹介した壁材が使われることが多くなり、見る機会は減りました。
なんといっても天然の木材を使用しているため、木のぬくもりや雰囲気を感じられるのが一番の特徴と言えるでしょう。加えて、年月が経過するごとに木材独特の風合いが増していき、デザイン性の高さから部分的に外壁に使われたりもします。
機能面で言えば、調湿性と断熱性に優れています。周りの湿度が高いと吸収し、低ければ放湿する木材の特長を生かし、湿度を保ってくれます。そして、無数の空気で満たされた細胞から構成されているため、熱を伝えにくくなっています。
各種外壁の種類ごとの特徴について解説しました。どれも素材の特性を生かした独自の特徴を持っていますが、そんな中でもタイルを外壁に利用するメリットは主に以下の3つが挙げられます。
まず1つは、タイルのデザイン性です。作り方については既に解説している通り、土や砂を1,000度を超える高温で焼き、固めて作られます。こうして作られた外壁タイルは、高級感のある独特の風合いを持っています。
最近の住宅の外壁には、初期費用が安く、施工も比較的簡単にできるサイディングが主流になりつつありますが、どうしても安価な見た目になりがちです。その点、タイルの外壁だけが持つ重厚な高級感は、他の外壁では出せないものです。
加えて、種類の中でも述べている通り、外壁タイルの中にも様々な種類がラインナップしており、クラシカルな雰囲気のタイルもあれば、モダンなスタイルの住宅に合わせられるものなどもあり、自分好みのデザインが選べます。
続いて2つ目は、耐久性の高さです。自然素材である土や石を高温で硬く固めたタイルの壁材は、傷もめったにつかず丈夫で長持ちしてくれます。非常に硬質になっているため、こすったり風で舞い上がった砂が当たっても、よっぽどのレベルでない限り無傷です。
寒冷地では、外壁に水分が染み込んで外気温の低さ故に凍結し、亀裂や破損が発生する場合もありますが、タイルは水分をほとんど吸収せず、そうしたトラブルの心配もいりません。特に「磁器質」のタイルは吸水率1%と飛びぬけて低く、ほとんど水が染み込んだりしないのです。
正しい施工を行って、適切なメンテナンスを施すことができれば、20年も30年も施工した時の綺麗な外壁を維持できるという、高耐久な所も優れています。
そして、メンテナンスの手間のかからなさも外せないメリットの1つです。高温で生成したタイルの耐久性が高い事は既に解説していますが、これに加えて強い日差しや雨、雪といった天候の影響にも強いため、色あせや変色などの変化も起こりにくいです。
また、ほとんど水が染み込まないため内部から亀裂が発生したりする事も無く、結果的にメンテナンスは非常に楽になります。ただし完全にメンテナンスが不要な訳では無く、汚れが付いたりカビが発生することはあります。
しかし逆に言えば、そういった汚れを取り除いたりすれば非常に長持ちさせることができます。塗り壁やサイディングなどと比較すると、メンテナンスの楽さは非常に大きく分かる事でしょう。
この様に、タイルは住宅の壁材に用いるには様々なメリットを持っています。特にメンテナンスがとても楽な事や、耐久性の高さは機能面で大きな利点になります。ですが、半面デメリットも抱えている事も覚えておきましょう。
まず1つは、初期費用のコストが高くなるという事です。サイディングなどを外壁に用いる場合、初期費用は安くすることが可能ですが、タイルを外壁に使用する場合、どうしてもこの初期費用はほかの壁材に比べて高くなります。
目安としては、外壁1㎡あたりの金額差は、薫業系のサイディングの場合には3,000円から6,000円程度であるのに対し、タイルは8,000円から10,000円となり、仮に40坪の住宅で考えると、200~300万円程高くついてしまうのです。
ただし、初期費用で考えれば高くなるとしても、長い目で考えればそうではありません。安いサイディングであっても、素材やつなぎ目の劣化に対してのメンテナンスに費用がかかりますが、耐久性とメンテナンスの楽なタイルならば比較的そこに費用はかからず、むしろ長く住む分コスト的には優れるでしょう。
2つ目は、剥離の危険性です。マンションの外壁タイルが剥離、落下して通行人がけがをしてしまった、というニュースが時たま流れます。こうした際の補償等を考えると、剥離や落下がデメリットに数えられるかもしれません。
実際、古い施工方法のマンションの場合にはこうした剥離の危険性が考えられ、貼り付ける接着剤が劣化して落下してしまう事もあります。但し、それは昔の施工の仕方の場合であり、現在の技術では経年劣化で剥離などが起きる事はほとんどなくなっています。
その為、高品質な素材を用いて正しい施工を行えば、めったに落下や剥離などが発生する事は無いといえます。加えて地震耐性も強く、阪神淡路大震災の200%の揺れの中でも一切剥離や落下がしなかったという実験結果もあるほどです。
3つ目は、施工の難しさです。サイディング外壁などと比べると、タイル外壁の施工難易度は高くなっています。故に、技術が未熟な施工業者に依頼をすると、タイルの浮きや歪みが目立ったり、仕上がりが思い通りでは無く見栄えが良くないなども起こり得ます。
こうした点を踏まえて、しっかりした技術のある業者への依頼を出す事が大切になる訳ですが、本等に業者に技術があるのか、難易度故に施工には相当の期間が必要になる、良い業者ならその分施工費用も増すなどのデメリットも考えられます。
ハウスメーカーならば、信頼の置ける直接提携をしている施工業者に依頼を出しますが、その分施工費用は高くつく事になります。安全や理想のタイル外壁を目指すのであれば、業者選びも大切です。
耐久性が高い外壁タイルではありますが、それでもタイル自体や目地部分のひび割れ、全体的な劣化はどうしても発生してしまいます。大抵の業者は目視で確認したり、打診棒で壁を撫でて音で症状と補修方法を確認します。
まず、部分的にタイルがはがれてしまっている場合です。タイルのはがれている箇所が数枚程度であれば、改めて接着剤を剥がれている状態のタイルに塗布し、再度貼り付ける事で修復が行えます。
但し、この方法は1枚1枚のタイルを改めて貼り付ける方法であり、あまり奥のタイルがはがれている場所には不向きです。一定の範囲で剥がれが確認できている場合には、ピンニング工法やアンカーピンニング工法が用いられます。
これらは、タイルと下地の間部分にビスを打ち込んで、生じた隙間部分に樹脂を埋め込んでタイル全体が剥離してしまうのを防止します。この工事の方法であれば、いちいちタイルを剥がす必要も無くなります。
いかに耐久性の高いタイルといえど、時間がたつごとに劣化はしていくものです。建築物の老朽化が進んでタイルが浮き上がってきた場合、その上から新しい外壁をかぶせるという補修の方法もあります。最も良いのはタイルを剥がしてもう一度貼り直す方法ではありますが、実行しようとすれば費用は高額になります。
その為、劣化した外壁タイルの上から新しい軽めの外壁材を貼り付けて補修、という方法が取られます。特殊な接着剤を使用して細かいタイルをまとめて固めるなどの方法もありますが、軽い外壁材を使うとは言っても余分な重量が建築物にかかりますから、耐えられるかどうかも重要です。
楽とは言え、外壁タイルは完全にメンテナンスフリーな訳ではないので、自分でできるメンテナンスを日常的に行う必要があります。使用するのは家庭用のホース、または圧力の高くない高圧洗浄機で、水をかけるのみです。
表面や目地に苔が生えてくると、タイルや目地を侵食して劣化を促進させる原因になりかねませんが、小さな凹凸の多いレンガ調なら、少し強めの圧力で水をかければ十分です。また、手が届く場所の汚れは中性洗剤とスポンジを使って掃除をしてあげましょう。
全くメンテナンスが無いわけではないとはいえ、高級感があり頑丈でほかの壁材と比べてもメンテナンスが楽なタイルは、長い期間使う事の出来るお勧めの壁材と言えます。これから家を建てる予定のある方は、外壁タイルも視野に入れて検討されてみてはいかがでしょうか。