プロテインと聞くと筋肉をつけるために摂取するもの、というイメージがあるかもしれません。実際摂取したほうが効率的に筋肉増量を目指せますが、実はダイエットの際にも効果的に働いてくれるのです。今回は、ダイエットに効果のあるプロテインの飲み方などを解説します。
ダイエットをするとなると、ウォーキングやジョギングなど、運動をしてエネルギーを消費する活動が思い浮かばれがちです。勿論間違いなどではありませんが、そこにプロテイン摂取という工程を挟むと、更に効率的に目標に近づけます。
まずプロテインとは、日本語で言うたんぱく質の事であり、英語読みをしているだけです。肉や魚、乳製品などから摂取可能で、当然ながら普段の食事で摂取することが可能な栄養素の1つに数えられます。
十分な食事をすれば一日に必要なたんぱく質を補うことができますが、一般的な食事にタンパク質のみが含まれているわけではありません。その為、十分なたんぱく質を摂ろうとすると、その分余計な脂質等の栄養分も摂取してしまいます。
なぜタンパク質の塊とも言い換えられるプロテインがダイエットに効果があるといわれているかというと、そこには基礎代謝が関係しています。イメージされやすいように、タンパク質は筋肉を構成する要素でもあり、これを摂取することで筋肉増量につながります。
この筋肉というのが重要で、人間の筋肉はただ存在しているだけでエネルギーを消費します。これが基礎代謝であり、ダイエット中に体脂肪などと同様に減っていく筋肉は基礎代謝を低下させ、リバウンドを起こしやすくなってしまいます。それを防ぐためにも、プロテインを使ったたんぱく質摂取が重要なのです。
ダイエットの目標として、体重の減量が最も大きな要素を占めている事でしょう。体重の増減に関しては、基礎代謝量や身体活動量、そしてそこで消費されるエネルギー量と食事で摂取するエネルギー量とのバランスで決定されます。
当たり前ではありますが、消費するエネルギー量が摂取する量を超えていれば、体重を減少させられます。食事量を控える事で達成することは健康面から考えて非常に難しいため、そのサポートとしてプロテインを有効活用してみましょう。
以上、なぜプロテインがダイエットに効果を発揮するのかについて、簡単にではありますが解説しました。では、実際にダイエットの中に取り入れる場合、どのようにしてプロテインを摂取すべきなのか、飲み方についてご紹介します。
まず、プロテインを摂取するタイミングについてです。ダイエットをする中では何かしらの運動を取り入れる事になりますが、健康的なサイクルでダイエットの成果を出すためには摂るのが何時になるのかも知っておきたいところです。
効果的な摂取のタイミングとしては、食後と運動を行った後の1時間以内が理想的と言われています。まず食事後に摂取するのは、食事で栄養素を補う事で体内でインスリンが分泌され、そこで一緒に摂ったタンパク質も効率的に吸収されていくからです。
運動後は体を動かした直後から、多かれ少なかれダメージの蓄積された筋肉が修復され、この時にたんぱく質を摂るのが最も高い効果を望めるからです。屋外で運動を行う場合には、忘れないように持ち歩けると良いでしょう。
続いて摂取量についてですが、推奨されている一日のたんぱく質摂取量は、体重1㎏に対して1gほどを摂取するのが目安と言われています。あまり運動をする時間が取れない忙しい方の場合、無理に過剰摂取をする事無く、少しずつ摂るようにすることが大切です。
もしもジムに通って本格的なトレーニングをしているのならば、体重1㎏に対し2倍の摂取量が必要になるところです。ですが、仮に20分から40分程度の軽めの運動をしているのなら、1gの倍までの間で調整をしながら摂っていきます。
一度に一日に必要な分をまとめて飲む、というのではなく、一日の間に数回に分けて飲むのが大切になってきます。朝、昼、間食と夜の食事後などに分けて、それぞれで20gずつ程度に飲み分けてみましょう。
プロテインに置き換えをしてダイエットに活用する場合、タイミングと摂取量は効果を発揮するのに重要な要素となります。そしてそれらと同様に、目的に応じたプロテインの種類を選択することもポイントの1つです。
一口にプロテインと言っても、その種類は分かれており、大きくホエイプロテイン、ソイプロテイン、カゼインプロテインの3種に大別されます。例を挙げれば、ソイプロテインなら大豆を原料にしているなど、主原料や成分が異なっています。
成分や原料に違いがあるという事は、期待できる効果も種類ごとに異なっている訳です。筋肉を増量したいのか、あるいは今回紹介しているように、ダイエットや美容のために使いたいのかなど、目的に適したプロテインを選択しましょう。
まずはホエイプロテインから紹介しましょう。これは牛乳に含まれているたんぱく質の一種であり、ヨーグルトの上澄みにできる液体の事を「ホエイ」と呼びますが、この部分に含まれているたんぱく質をこう呼んでいます。
このプロテインの中には筋肉成分の多くを占めているアミノ酸が豊富に含まれており、筋肉の修復効果も高いといわれています。淡泊な味で比較的飲みやすく、体内への吸収速度もスムーズで胃もたれしにくいなどの利点を持っています。
吸収がスムーズである事から筋肉トレーニング後のタンパク質補給に最適と言われており、こうした効果から、ホエイプロテインは筋肉増量の為のトレーニングをしている方にお勧めできます。
続いて、カゼインプロテインです。こちらもホエイプロテインと同じく、主成分に牛乳が使われており、牛乳を構成しているたんぱく質の約8割を占めているのがカゼインです。ホエイプロテインは吸収がスムーズですが、こちらはゆっくりと消化されていきます。
このゆっくりとした消化がされていく点から、満腹感が持続され無駄な間食を挟むことが無い為に、ダイエット中の間食代わりとして、また就寝時のタンパク質補給にお勧めされています。
もう1種のソイプロテインは「ソイ」と名前に入っている通り、大豆を主原料に使っているプロテインです。水分、糖質、脂肪など無駄な成分を排し、出来るだけ純度の高い植物性たんぱく質を摂れるように作られており、値段も比較的安価です。
カゼインプロテインと同様、消化がゆっくりと行われるために、こちらもダイエットに勧められるプロテインです。加えて、大豆に含まれるイソフラボンによって皮膚や血流改善などが期待でき、美容のために飲みたい方にも推奨できます。
この様に、目的に応じた種類のプロテインを適切なタイミング、量で摂取することで、ダイエット効果は十分に期待できることでしょう。但し、目標であるダイエットでの減量を行う為には、注意点も事前に知っておくべきです。
1つは、過剰摂取をしない事です。ダイエットにたんぱく質が大切だからと言って、プロテインばかり摂取していては、その他の炭水化物やビタミンをはじめとする栄養素が不足し、消化吸収や代謝に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
また、糖質と同じく、タンパク質であるプロテインもノーカロリーという訳では無く、1g当たり4キロカロリーのエネルギーがあります。多く摂り過ぎればカロリーオーバーになり、逆に太ってしまう可能性もある事には注意しましょう。
人によって、適切なたんぱく質の摂取量には違いがあります。先に注意点の中で述べた通り、ダイエット効果が期待できるからと言って大量にプロテインのみを飲んだとしても、健康上の問題や逆効果につながる恐れがあります。
何も運動をしていない方なら体重1㎏に対して0.8~0.9g、軽めの運動をしている方なら1.2~1.5g、ジムなどで本格的にトレーニングをしているなら2gと、運動の状況と自分の体重に合わせた摂取量を確認しておきましょう。
正しく運用すれば、プロテインはダイエットの心強い味方になってくれることに間違いはありません。目的や自分の体に合う適切な摂取量などを事前に見極めて、効果的にプロテインをダイエットに運用してみましょう。