近年人気急上昇のDIYでは小さなものから大きなものまで、さまざまなDIYにチャレンジする方が増えています。最近では室内の壁をエコカラットにDIYすることにも注目を集めています。壁を変えるとなれば業者に依頼することが当たり前と思われていますが、エコカラットは自分でDIY可能です。ここでは、おしゃれな壁になるエコカラットDIY方法を紹介します。
エコカラットという単語を聞いたことがあるけれど、実際にどのようなものなのか、詳しく知っておきましょう。エコカラットは【多孔質セラミックス】と呼ばれる、目に見えない小さな無数の穴があいている素材で、伝統的な日本家屋にも使用されている土壁を参考に作られた壁材です。
土壁が元となっていますが土壁のようにシンプルで古風な見た目の壁材にならず、デザイン性に優れたものが多く、室内インテリアのアクセントなどおしゃれに利用できるとして人気を集めています。デザイン性だけでなく機能性にも優れ、高温多湿な日本にぴったりの壁材でもあります。
エコカラットは伝統的な壁材である土壁を参考にしたものですが、おしゃれな内装ができるデザイン性だけでなく、室内の壁材としてさまざまな特徴を持っています。その特徴が高温多湿の日本の住宅に最適な理由でもあります。
エコカラットには目に見えないほどの小さな穴が無数にあいていますが、この気孔がペットや生活臭などの臭いや有害物質を吸い込み、空気を清浄化してくれる働きがあります。生活する上でどうしても気になるトイレやゴミ、調理中、タバコやペットなどさまざまな臭いが発生しますが、エコカラットを使うことでこれらの気になる臭いを吸着、脱臭効果を得ることができます。
さらに室内で使用されている施工用接着剤のなかには、人体に悪影響を及ぼす有害物質が含まれていることもありますが、エコカラットはシックハウス症候群の原因になる有害物質も吸着してくれます。空気を清浄化する効果があるので、エコカラットをトイレやキッチンに使うのも良いでしょう。
エコカラットが吸収するのは生活臭や有害物質だけではありません。無数の小さな穴は室内湿度が高いときには湿気を吸い取る働きがあります。この吸湿効果によって、湿気によるカビやダニの繁殖を防ぎ、結露防止に役立ちます。
特に暖房を使う寒い時期には外気との寒暖差による結露が多くなりますが、エコカラットがあると結露を減らすことができるので、ジメジメが軽減できます。しかしエコカラットの特徴はあくまで吸湿効果であり、完全な除湿対策ではないので注意してください。
カビや結露防止の吸湿効果だけでなく、エコカラットは乾燥防止にもおすすめです。エコカラットの気孔は湿気を吸収するだけでなく、室内が乾燥していると湿気を吐き出す放湿効果もあるのです。寒い時期には乾燥しやすく、肌荒れや風邪を引きやすくなるので、エコカラットで加湿するのもおすすめです。
エコカラットによる調湿効果は珪藻土の壁材の約5倍にもなり、常に湿度を40~70%に保つことができます。そのためエコカラットを寝室やリビングに使う方も少なくありません。
エコカラットを施工する場合は、一般的に使用する場所や広さによって価格が異なり、もちろん業者に依頼するか、自分でDIYするかによっても変わってきます。業者依頼とDIYではどれくらの価格になるのかチェックしてみましょう。
エコカラット施工を業者に依頼した場合、もちろん依頼する業者によって多少の価格差はあります。エコカラット施工は主にハウスメーカーやリフォーム業者に依頼することができます。価格は平方メートル単価で計算され、施工費込みでだいたい9,000円台から30,000万円台となっています。
建築材料や住宅設備機器などを扱う大手メーカー・LIXILのエコカラットは施工費込みで9,600~24,000円前後、大手ハウスメーカー・住友林業の場合は施工費や材料費込みで約45,000円、リフォーム業者の場合は1平方メートル20,000~30,000円ぐらいが相場となります。
エコカラットを業者依頼する場合は単価だけでなく、施工費用や材料費、場合によっては交通費や廃材処分費などがかかるので、しっかりと確認するようにしてください。
業者依頼が少し高いと感じるなら自分でDIYすることで施工費や交通費がかからず、コストダウンが可能になります。DIYすればエコカラットや接着剤、部屋を汚さないための養生シートなどにかかる費用だけで済みます。
最近ではエコカラットを自分でDIYする方も増えているため、お得に利用できるスターターキットも販売されています。自分でDIYした場合にかかる費用は1平方メートルあたり10,000円程度なので、業者依頼よりも遥かにコストダウンできます。
もちろん出来栄えの違いや、時間と手間はかかりますが、少しでも安くするならDIYに挑戦してみるのもおすすめです。しかしエコカラットの種類によっては業者依頼のほうが安くなる場合もあるので、材料選びを間違えないようにしましょう。
エコカラットを自分でDIYするときに必要なものをチェックします。エコカラット自体が必要なことはもちろんですが、他にも必要になる道具があるので参考にしてください。
エコカラットDIYに必要なものは面積分のエコカラットや専用の接着剤、、接着剤を伸ばすためのクシヘラになります。他にも必要な道具があるので揃えておきましょう。
養生シート:床が汚れないように施工場所に敷く
鉛筆・消しゴム:エコカラットを貼る面を分かりやすくするためのガイドライン用
墨出し:水平線や垂直線を引く
水平器:線の傾きをチェックする
マスキングテープ:接着剤を塗る範囲を囲う
脚立:高い位置にエコカラットを貼る場合に必要
タッカー:壁紙を剥がさずに施工する場合に壁紙を押さえる
カッター:壁紙を剥がす場合はカッターで施工面を切り取る
押しピン:貼り付けたエコカラットがずり落ちないようにする
上記にエコカラットDIYに必要な材料・道具を紹介しましたが、準備する道具は100均で揃えることも可能です。水平器やマスキングテープなどはもちろん、養生シートの代わりに100均のレジャーシートや自宅にある新聞紙などを利用するとかなりコストダウンできます。
材料や必要な道具を揃えたら、エコカラットを自分でDIYする方法をチェックしてください。手順ごとのポイントを抑えて、丁寧に施工すれば納得できる仕上がりにできるでしょう。施工前に必ずDIY手順すべてに目を通しておくと、全体的な流れが把握でき、スムーズな作業が行えます。
また、購入サイズで使う場合はそのままでも良いですが、サイズ的に小さくしたい場合にはあらかじめカットしておきます。カットするときは直角定規をあてて、カッターを10回ほどスライドすると簡単に割れます。エコカラットは非常に割れやすい素材なので、扱いには気をつけてください。
エコカラットを使う前に、まずは養生することから始めます。接着剤を使ったり、壁紙を剥がすので床や壁などが汚れないように養生シートやレジャーシート、新聞紙などで養生します。柱やスイッチの近くにエコカラットを施工する場合にはマスキングテープで養生して、境目にゴミや接着剤が入り込まないようにしてください。
エコカラットは壁紙の上から施工することもできますが、エコカラットの重量で壁紙が剥がれる恐れがあるので、その場合はエコカラットにする部分にタッカー処理しておきます。壁紙を剥がすときは、エコカラットにする箇所に、鉛筆で印をつけます。
このとき水平器やチョークリールなどを使用してしっかりと水平・垂直を出しておきましょう。鉛筆で線が引けたら5mmほど内側にも線を引き、そこにマスキングテープを貼っておきます。
マスキングテープ内側に沿って定規をあて、カッターで壁紙を切り取り剥がします。剥がしたあとは使うエコカラットのサイズの基準線を書くことで、目印となり作業を楽に行うことができます。
エコカラットは専用の接着剤を使って貼り付けます。マスキングテープを貼って壁紙を剥がした場所に、専用接着剤を塗り、クシヘラなどでまんべんなく伸ばします。そのあとは接着剤が乾燥する前に、素早くマスキングテープを剥がすのを忘れないようにしてください。
接着剤の上から基準線を目印にエコカラットを貼ります。エコカラットは非常にもろく割れやすいので、サイズの大きなエコカラットを貼るときは、強く推したり叩いたりしなようにしてください。エコカラットを貼るときは隙間のないように貼り、接着剤がはみ出したり表面に付着した場合はすぐに取り除きましょう。
エコカラットを貼る作業は接着剤を塗ってから20分程度で終わらせるようにします。貼り終わったら、重みでズレないように一番下のエコカラットの真下に押しピンを刺して支えにしてください。
こちらの動画ではエコカラットDIYの手順を確認することができます。チョークリールを使った線の引き方や、マスキングテープを貼る場所、壁紙の剥がし方など手順ごとのポイントをチェックしてみましょう。
エコカラットはシンプルな壁のデザインやアクセントにぴったりの素材です。おしゃれにするだけでなく、調湿効果や脱臭効果で室内の空気をきれいにしてくれます。自室やキッチン、リビング、トイレ、玄関など、好きな場所をエコカラットDIYでおしゃれな空間にしてみましょう。