自分で何か新しい事業を始めたいと考えた時に、清掃業に興味を持った方もいるかもしれません。そこで今回は、清掃業で開業して成功するために事前に知っておきたいことや実際のメリットや平均年収、開業する方法や成功するためのコツなどについてご紹介します。ぜひ参考にしてみて下さい。
清掃業と言っても、掃除する場所によって様々です。ここでは清掃業の仕事の種類について説明します。自分はどの客層向けにサービスを展開したいのか、最初にビジョンをはっきりとしておくことが大切です。
ビルや店舗の清掃業では、ハウスクリーニングに比べ掃除しなければならない面積が広くなるので、一人で対応するのは困難です。必要なスタッフを確保することがポイントとなります。また、定期的に掃除を依頼されるケースが多いので、一度クライアントと良い関係を築いておけば、安定した仕事の受注にも繋がります。ハウスクリーニングと同様、競合が多いので低価格に設定する必要があります。
そして特殊清掃業では、亡くなった方の部屋や家を専門的に掃除します。高齢者の一人暮らしなど、部屋で誰かに看取られることなく孤独死するケースも年々増えています。亡くなってから発見が遅れた場合、遺体によって床や壁紙などが汚れることもあります。また、高齢者の孤独死の場合、部屋が散らかっているケースも多く、壁紙や床材の張替えなど大掛かりな清掃になるパターンもあるので留意しましょう。
しかし清掃業の場合、資金が少なくとも必要最低限の道具と人員が揃っていれば足りますし、運営のための必要経費が少なくて済みます。店舗を構えなくとも、自宅で開業することも可能です。年齢や性別に関係なく長く働き続けられるのもメリットの一つです。ほかの事業と悩んでいる場合、清掃業のメリットについてよく検討してみることをお勧めします。
独自のノウハウがなく業界でやっていけるか不安な場合は、フランチャイズという方法もあります。フランチャイズであれば与えられたノウハウを元に事業展開をしていくことが可能です。法人化することによって、年商数千万円というのも夢ではありません。
実際に清掃業を開業した場合の平均年収は、関東圏のハウスクリーニングを例にすると平均年収500万円前後だといわれています。人口が少なくハウスクリーニングの需要が少ない地域の場合、年収はもっと下がる可能性があります。ハウスクリーニングを必要とする高齢者や共働き層はどれぐらいいるのか、最初に見極めることが大切です。
ハウスクリーニングのような個人宅の清掃業の場合、月々に買い足したり買い替えたりしなければならない備品も限られており、事業としてはランニングコストが低く、備品を揃えるための支出が少なくて済むというメリットがあります。収益を大きく上げても、ランニングコストが高いと手元に残る金額が少なくなるので、どの種類の清掃業をしたいのか、最初によく検討しましょう。
清掃業を開業するために必要な資格は、特にありません。ハウスクリーニングなど、店舗やビルクリーニング以外の事業をする場合は、税務署に開業届を提出するだけですぐに始められます。開業届を提出したら、毎年確定申告を忘れないようにしましょう。
公的には資格がなくとも開業できますが、クライアントを得るためには外部にアピールできるような資格があると宣伝や信用に繋がります。国家資格である「ビルクリーニング技能士およびハウスクリーニング技能士」などがあるとよいかもしれません。資格取得のために勉強しながら掃除の基礎やノウハウについてきちんと学ぶことができるので、気になる方は通信教育などで始めてみるのも一案です。
清掃業で独立して開業するにはどうしたらよいのか、調べている方もいるでしょう。ここでは清掃業で独立して開業する方法についてご紹介します。
すでにある程度の知識があり、独自のノウハウを持っている場合は個人で開業するのも選択肢の一つです。個人事業主のメリットは法人化しないために独立開業のハードルが低いという点にあります。売り上げが増えてくると、法人化した方が納税する額が少なくなるため、将来的には法人化も視野に入れておきましょう。
個人で開業する場合は、自分でしっかりと宣伝をしクライアントに向けてアピールするテクニックも必要となります。ホームページを作成したり地域でチラシを配ったりするなど、地道な努力も大切です。
清掃業に関するノウハウが少なく、学びながら開業したいという場合には、フランチャイズ契約も一案です。フランチャイズ契約とは、フランチャイズに加盟する方が、フランチャイズ本部から、店の名前と看板、さらにすでに確立されたサービスや商品を使う権利をもらい、その使用料をフランチャイズ本部にロイヤリティという形で支払う仕組みです。
有名な清掃会社の名前を借り、その会社のノウハウに沿って事業を展開していくので、集客に不安があったりどういったサービスを提供していけばよいのか分からなかったりする場合に有効です。フランチャイズでノウハウを学び、後に自分なりのビジネスを展開していくのも一つの方法です。
清掃業で一番大切なことは、仕事を丁寧に行うことです。これはどの仕事にも言えますが、特に清掃業の場合、おおざっぱな作業は目につきやすく、それがクライアントからの信頼の低下にも繋がります。きっちりと丁寧な掃除をしていれば、それを見たクライアントからも評価され、丁寧な仕事ぶりにリピート率がアップするはずです。
口コミで新しいクライアントの開拓にもつながるかもしれません。丁寧な仕事は強力な宣伝にもなります。たとえ長時間の作業になっても面倒くさがらずにきちんとこなすことが大切です。
開業したら宣伝する必要があります。宣伝費をかけ過ぎると支出が増えるだけなので、費用対策効果を考えながら宣伝するようにしましょう。ホームページはもちろん、24時間依頼を受け付けられる専用フォームを設置すると集客に役立ちます。サイト内では料金を明確に表記し、責任者やスタッフのスキルや略歴、顔写真などもあるとホームページをチェックした方も安心します。
実際に電話などで相談を受ける時も、料金体系については明確にするよう心がけましょう。実際に現場を訪れてからオプション料金などを請求すると、相手が不信感を抱くこともあります。基本料金、オプション料金についても細かく設定しておくと、クライアントも安心して依頼することができます。
清掃業の中でもハウスクリーニングの場合、クライアントは自宅というプライベートな空間に家族や友人以外の他人を招き入れることになるので、安心してもらえるようなサイトを作るのがポイントです。
今回は清掃業についてご紹介しましたが、いかがでしたか?清掃業はどの時代もニーズがあり、決してすたれることがない業種の一つです。店舗やオフィス、もしくは個人宅向けサービスを展開したいのか、よく検討してみましょう。ビジネスがうまく軌道に乗れば、自分の実力次第で年収アップも期待できます。今回の記事を参考にして清掃業開業への一歩を踏み出してみましょう。