今、塗装業界を賑わしている下地塗装工法「バリュー工法」。バリュー工法を施した対象物は曲げても折っても塗装が割れず、サビや油に強く、重力に関係なく施工できる夢のような工法だとウワサされています。
このバリュー工法は何が優れていて、どんなシュチュエーションで活躍するのか?開発者の株式会社バリュー・クリエイション社長小西清久氏にお話を伺ってきました。
バリュー工法とは密着力の高い防水下地材「ミラクルプライマーシリーズ」を用いたまったく新しい下地処理の工法です。
従来の工法ではなし得なかった場所や建物の漏水による劣化を防ぐことができる画期的な工法で、床だけでなく天井やコンクリートのひび割れの補修、メタルパレットの防錆材としても使えます。
今まで困っていた建物や駐車場の漏水被害がピタッと治まって、エレベーターや駐車場のクレームが減ったというビルオーナーさんや不動産業者の喜びの声が多数上がっていて、今注目の工法です。
今回はこの「バリュー工法」を開発した株式会社バリュークリエイション社長の小西清久氏に詳しくお話を伺ってきました。
筆者(以下H):では早速ですが「バリュー工法」の特徴を教えてください。
小西社長(以下小):バリュー工法の一番の特徴は「どんなところでも処理できること」です。
H:どんなところでも…と申しますと?
小:はい、床や壁だけでなく、天井、コンクリートの割れた部分、橋脚、観覧車などどこでもです。
H:それは凄いですね!でも塗る前にその場所のハツリ作業(建築現場でコンクリートや壁などの表面を削ったりする作業)が必要なのではないでしょうか?特に店舗の床面は油が乗っていたり水で濡れていたりしますよね?
小:その通りですね。しかし、バリュー工法に関してハツリ作業は必要ないんですよ。
H:え?でも常識的に考えて塗布面削らないと…
小:はい、従来の防錆処理や床の塗り直しはハツリ作業が伴います。しかし、バリュー工法で使うミラクルプライマーは油面や多少水に濡れていても素材に浸透していく浸透剤の役割も兼ねています。そのためハツリ作業を行わなくても、面を少しだけ綺麗にすれば塗布できてしまうのです。
H:ではバリュー工法は工程が減ってしまいますよね?ということは…
小:そうです、工程が減るので納期を短くできます。通常15㎡ほどの床面を防水処理しようと思ったら、床面の塗装をハツリ、面を整えてで1日、下地材を塗って乾燥させて1日、床面の塗装をして乾燥で1日と最低でも3日掛かります。しかしバリュー工法では1日、約8時間ほどで施工できます。この点が従来の防水処理とは大きく違います。
H:それではもし床面の防水施工をお願いしようと思ったら、営業時間外でお願いできてしまうのですか?
小:そうですね、定休日や営業時間外で施工をお願いされることもあります。工程が少ないこともあり、余程大きな面積でなければ従来よりも時間が短縮できます。先程も申し上げましたが、それがバリュー工法の最大の特徴です。
H:工程が短く納まるのは理解できました。しかしサビなどは事前に完全に取らなくてはいけないのではないでしょうか?
小:そうですね…サビをすべて取り除く必要はないですよ。むしろサビの上から塗ってもサビより下にミラクルプライマーが入り込むのでそれ以上サビません。そのためある程度サビを落とし、面を平らにしてからミラクルプライマーを塗って、その上に塗装してしまう、なんてこともできてしまうのです。メタルパレットってわかりますか?大抵サビてますよね?サビの部分を少々はつらなければいけませんが、1日かかる作業ではないですね。しかもミラクルプライマーが剥がれない限り防錆してくれるのです。
H:サビに強いという防錆剤は市販のものでもありますよね?そのミラクルプライマーに絶対の自身を持っている理由はなんでしょう?
小:従来のプライマー、いわゆる錆止め剤は塗布面に乗っかる塗料みたいなものです。しかしミラクルプライマーは塗布面の素材に浸透して密着します。その点が大きく違いますね。浸透して密着することで素材を外気から守り、錆の原因でもある酸化できないようにしています。そのためサビに強いのです。しかもこのミラクルプライマーは非常によく伸びます。メタルパレットで何らかの力が加わり、曲がってしまって塗装がはげたり、そこからサビが発生しているパレットを見たことありませんか?塗装が割れるのは塗装は伸びますが、プライマーが伸びないため割れてしまうのです。そこから水や空気が侵入するのでサビが発生するのです。
しかしミラクルプライマーは曲げても折ってもその素材に浸透密着しているため形に追従します。下地が伸びるため塗装も伸びて割れることがないのです。
対談形式でお話を伺ったのですが、小西社長の言葉がいまいち信じられませんでした。というのも、金属面にミラクルプライマーを塗布した試験片を持ってこられたのですが、本当に折っても曲げても塗布面にクラックが入らないのです。これは地震などの天災でも防水性能を保持できる証明でもあります。
最も特徴的なのはミラクルプライマーの比重。油や水よりも軽いため、その下に入り込むこと、そして素材に浸透すること。この点は非常に優れています。
バリュー工法が採用された建物は数多くあります。最近では東京の「恵比寿ガーデンプレイス地下駐車場」を施工されました。
この地下駐車場は漏水が激しく、しかも高級車が並ぶ駐車場での水漏れ、高級車のオーナーからは苦情の嵐だったところへ依頼があったそうです。
2017年11月に施工して、今までどこの業者が水漏れを処理しても治らなかった所がピタッと止まったのです。
経過観察中とありますが、ビルのオーナーさんからは感謝され、高級車のオーナーさんの苦情はなくなったとか。
バリュー工法の威力を見た事例ですね。
バリュー工法を実施した、もしくはしている建物は恵比寿ガーデンプレイス以外にも多くあります。
例えば横浜のベイエリアにある観覧車は2018年2月からバリュー工法で防水処理が施工されています。
ではバリュー工法は万能なのでしょうか?
その疑問がどうしても湧きますよね?
バリュー工法は絶対に万能な工法ではありません。施工には少しだけ取扱に注意が必要で、以下のような条件下だと十分な効果を発揮し辛くなります。
最も当てはまりやすい注意点は温度ではないでしょうか?表面温度が暑すぎても冷たすぎても施工できない点は注意が必要です。
床や壁、素材は問わずに施工できる点や、短納期で施工できる点は本当に素晴らしいのですが、溶剤の取扱だけは注意が必要とされています。
バリュー工法をお願いするには
バリュー工法工法をお願いするには、GCUという建設業界ユニオンにコンタクトを取る必要があります。
GCUは建設業界に今必要なスキームを数多く備えていて、バリュー工法はGCUの持つスキームの一つです。ご興味ございましたら是非GCUにコンタクトを取ってみて下さい。