乾燥機を使用する目的には、衣類を素早く乾燥させる事と、外気に含まれる花粉やPM2.5の付着を防ぐ事などあります。これらの目的以外でも、外に洗濯物を干すスペースがない、日当たりや風通しが悪い所にお住まいでお悩みの方には、非常に便利な家電です。この記事では、乾燥機の種類・タイプ・メーカ・付加価値などを徹底紹介していきます。
目次
衣類乾燥機は各メーカーから様々な種類が販売されていて、どれを選んでいいのか迷ってしまいます。そこで、選ぶ際のポイントを4つにまとめて解説していきます。まず、乾燥方式には電気とガスの2通りのパターンがあります。これが大きな違いで、あとは容量・タイプ・付加機能を選んでいきます。
どのような家電選びでも同じようなことが言えますが、これらのポイントを抑えて知識を付けておけば、遠回りせず確実に最適なモノを選ぶことができます。では、この4つのポイントそれぞれの注意点や、知っておきたい知識などを分かりやすく解説します。
衣類乾燥機の乾燥方式には、電気式かガス式があります。電気式の方は、設置のために必要な工事は特になく、簡単に設置可能です。本体価格の方も、ガス式に比べると低価格で種類も豊富にあります。一方、ガス式の設置のためにはガス栓が必要で、ない場合は増設工事等を行う必要があります。さらに、湿気を含んだ温風を外に排出する必要があります。そのため「排出パイプ」の設置工事も必要となります。
電気式 | ガス式 | |
---|---|---|
乾燥時間 | 遅い | 早い |
設置工事 | なし | あり |
本体価格 | 安い | 高い |
ランニングコスト | 安い | 高い |
簡単に要点を表にしてみました。乾燥時間を具体的に説明すると、ガス式は電気式と比べて約3倍程度早く乾かすことができます。ちなみに、コインランドリーがこのタイプです。しかしガス式は、設置工事が必要となり、ランニングコストは電気式に比べて高くなります。おすすめできるのは大人数の家庭か、毛布などを頻繁に洗って、素早く乾燥させたい方などです。
容量とは、洗濯物の量を目安に考えるといいでしょう。一般的に、1日当たりの1人の洗濯量は1.5㎏と言われています。従って、4人家族の場合は「1.5㎏×4人=6㎏」という計算になります。しかし、洗濯物全てを乾燥機にかけるか、布団やシーツなど「大型の物も乾燥させたいか」なども考慮して選びましょう。
4人以上の家族構成でも、洗濯物の乾きにくいものだけを乾燥機で乾かしたい、という方は小型の2.5㎏タイプでもいいでしょう。逆に単身や少人数の家族構成でも、まとめ洗いをすることが多い、または布団やシーツも自宅で乾燥させたい方は大型をおすすめします。
画像のタイプが、乾燥機能がついた除湿器です。家庭用の乾燥機と言うと、ドラム式で洗濯機の上に棚を設置して置くタイプを想像する方が多いかと思います。画像のタイプの衣類乾燥除湿器は、主に部屋干しした洗濯物に向けて使用するタイプです。
部屋干し派の方には大変人気で、場所も取らず乾燥・除湿の他にも空気清浄機能や消臭機能が付いたモデルもあります。他にも、冷風を同時に出すモデルもあり、季節を問わずに使うことができます。
このタイプが、ドラム式の乾燥器です。洗濯機の上にスペースがあれば、画像のように簡単に設置できます。注意点として、乾燥機と後ろ側の壁にはスペースを空ける必要があるため、設置する前に必ず設置場所周辺の寸法を把握しておきましょう。
単純に衣類を乾燥させることだけではなく、「素材に合わせた乾燥をする」など付加機能にも注目してみましょう。上記画像の機能とは、2層のステンレスドラムで防音効果を高めた機能です。早朝や深夜でも、ボタンなどがぶつかり、音が鳴りやすい洗濯物を安心して乾燥できます。
代表的な機能では、毛布に対して優しく乾燥する「毛布乾燥」やシワになりにくくする「シワ取り機能」が多くのモデルに備わっています。他には掃除を楽にするフィルターなど、メンテナンスを楽にしてくれる機能があります。
人気の高い衣類乾燥機メーカーの、特徴をご紹介していきます。各メーカー、似たようで少し違う機能であったり、力を入れている機能であったり、それぞれ特徴があります。気に入った機能を持つメーカーから、衣類乾燥機を選ぶ方法もいいかもしれません。
衣類乾燥除湿機には、パナソニックの技術である次世代健康イオン「ナノイーX」を搭載したモデルもあります。これによって、部屋干し時の生乾き臭を抑えることができます。
また、ドラム式の衣類乾燥機では2ヶ所から温風が出る「ツイン2温風」や、ドラム内の温度を75℃まで高めることで除菌する「約75℃除菌コース」、防音効果を高めた「2層ステンレスドラム」、置き場所を選ばない「左右開き」など、役立つ機能も豊富にあります。
日立は、衣類によって乾燥方式を変えられる「ヒーター&風乾燥の2way 乾燥」や、生乾き臭を抑制する「仕上げコース」などあります。さらにシワを防ぐため、衣類の乾燥終了後に取り出すまで約5分ごとに送風運転を行ってふんわり感を保つ「ふんわりガード」と、衣類に優しい機能を搭載した乾燥機を販売しています。
東芝の衣類乾燥機は、衣類に付いた花粉を90%以上除去する「花粉フィルター」を搭載しています。花粉シーズンで、外にはあまり干したくないという時には重宝する機能です。
他には、からみを直してくれる「からみまセンサー」や、ヒーターの強さと風量を上げて乾燥時間を短縮する「ターボ乾燥」などの便利機能もあります。
リンナイは、ガスコンロ・給湯機などでお馴染みのメーカーです。そのリンナイは、ガス器具に特化した技術を乾燥機にも応用し、人気商品「幹太くん」を手掛けています。何と言っても、ガスの力で乾燥するので、時短・仕上がりはコインランドリー並みです。
なお、幹太くんには「デリケートコース」や「くつ乾燥」もあります。多彩なコースで幅広く、洗濯物を乾燥できるのも幹太くんの魅力です。
ランニングコストが高めというのが、ガス乾燥機の欠点ですが、幹太くんはエココース機能を搭載しています。運転時間は長くなるものの、ランニングコストが気になる方にはうれしい機能です。
人気メーカーの電気式乾燥機を、6つご紹介していきます。工事不要で、機能も多彩な電気式乾燥機の中でも、特に人気の高い商品です。それぞれの特徴と機能を、比較しやすいようにまとめていますので、電気式乾燥機選びの際に是非お役立てください。
パナソニックから、乾燥容量6.0㎏の衣類乾燥機 NH-D603をご紹介します。この乾燥機の代表的な機能は、ヒーターと吹き出し口をそれぞれ2カ所備えた「ツイン2温風」で、スピーディーに優しくしふんわり仕上げてくれます。
生乾き臭を抑えてくれる、「約75℃除菌」コースがあり、衣類をしっかり除菌してくれます。さらに、早朝や夜でも運転音が気になりにくい「2層ステンレスドラム」、基本は左開きですが右開きに変更可能な「左右開き対応」と、機能が多彩でおすすめな電気式乾燥機です。
日立の電気式衣類乾燥機DE-N60WV-Wの機能をご紹介します。衣類に合わせて乾燥方式が選べる「ヒーター&風乾燥の2way 乾燥」、生乾き対策の「仕上げコース」、乾燥終了後取り出すまでに、約5分ごとに送風を行い、シワを防いで衣類のふんわり感を保つ「ふんわりガード」などがあります。
さらに、お手入れが楽な「お掃除ラクラクフィルター」や、お掃除のタイミングも見逃さない「フィルター目づまりサイン」など長く愛用するために、あると嬉しい機能も備えています。
東芝の衣類乾燥機 ED-608-Wは、衣類に付いた花粉を90%以上除去するという「新・花粉フィルター」や、出力を上げて乾燥時間を短くしてくれる「ターボパワー乾燥」、からみをほぐしてくれる「からみまセンサー」といった便利機能を兼ね備えています。また、レビューにも「音が静か」など、プラス要素的な意見もあるおすすめな乾燥機です。
おすすめ②で紹介した、日立DE-N60WV-Wは6.0㎏タイプでしたが、こちらは同型の4.0㎏タイプです。機能の数では多少6.0㎏タイプには劣るものの、「ふんわりガード」や「お掃除らくらくフィルター」などは装備しています。
6.0㎏タイプよりも、低価格でコスパの良い乾燥機です。単身世帯や2人世帯の方々には、ほどよいサイズで使い勝手もいいでしょう。
おすすめ③の東芝ED-608-Wは6.0㎏タイプでしたが、こちらは4.5㎏タイプです。基本的な機能も、6.0㎏タイプとほとんど変わりありません。大きな違いで言えば、本体寸法と本体重量です。
本体寸法は、6.0㎏タイプが幅650×奥行525×高さ650mmに対して、4.5㎏タイプは 幅650×奥行468×高さ650mmと、奥行が57mm薄い設計となっています。本体重量は、6.0㎏タイプより4.5㎏タイプは2㎏軽くなっています。中容量タイプで、高性能な乾燥機が欲しい方におすすめです。
ケーズウェーブのMy Wave warm Dryer3.0は、容量3.0㎏のコンパクトで使いやすい乾燥機です。幅490×奥行400×高さ585mmと、かなり省スペースで設置できます。洗濯物の湿度に合わせて温度をコントロールする「自動モード」や、操作しやすい「タッチパネル」などの機能に加えて、壁掛け用の金具も付属しています。
低価格なのに、高パフォーマンスな乾燥機で人気が高まっています。単身世帯の方に、特におすすめできる乾燥機です。
続いては、乾燥機能付き除湿機のご紹介です。乾燥機能付き除湿機とは、ダイレクトで洗濯物に温風を当てて乾燥させていく便利家電です。部屋干し派の強い味方であり、消臭・除菌・空気清浄機能を兼ね備えた製品もあります。
近年ではPM2.5や花粉、排気ガス等が洗濯物に付着することを避けるために、外に干さない方も増えています。そのような部屋干し派の方々にも、人気の高い乾燥機能付き除湿機を4つご紹介していきます。
パナソニックの衣類乾燥除湿機、ナノイーX搭載のF-YHSX120-Nです。このモデルは、梅雨・夏はコンプレッサー方式、秋冬はデジカント方式のハイブリッド方式で、気温に左右されず1年中スピーディーに洗濯物を乾かします。
次世代健康イオン「ナノイーX」が、洗濯物の生乾き臭やペット・タバコ・体臭なども除菌、消臭してくれます。衣類乾燥モードも「おまかせ」「音控えめ」「速乾」「少量速乾」とあり、送風幅も約165㎝のワイド送風と、多機能衣類乾燥除湿機です。
山善の衣類乾燥除湿機です。主な機能に、部屋の湿度を40%~70%まで5%ずつ、7段階で調節できる「7段階湿度設定」があります。この機能で、部屋を乾燥しすぎないよう快適に湿度管理できます。また、24時間何も操作しないと、自動的に運転が停止する「オートオフ機能」も搭載しています。
非常にコスパの良い衣類乾燥除湿機です。レビューを見ても性能の良さは上々で、おすすめの衣類乾燥除湿機です。
カワクーナの衣類乾燥除湿機は、画像を見ての通り一風変わったタイプです。洗濯物をハンガーに干し、下部にある吹き出し口から温風を噴き上げる仕組みです。専用のカバーを覆うように取り付けて乾燥させるため、洗濯物への熱を逃がさず乾燥させる事ができます。
理にかなった衣類乾燥機で、干したものをムラなく乾燥してくれます。子供の体操服やユニフォームなどを、急ぎで乾燥させたい時などに非常に便利でおすすめです。
THANKOシワを伸ばす乾燥機アイロンいら〜ずは、アイロンがけが必要なワイシャツなどのしわを伸ばしながら乾燥してくれる商品です。ワイシャツMサイズを、約30分で乾燥する優れもので、洗ったその日に着ることもできます。
使いこなすには若干の慣れも必要ですが、慣れれば非常に便利な乾燥機です。1着ずつの乾燥にはなるものの、すぐに必要なものを「洗って乾かしたい」と言う時に、力を発揮してくれるでしょう。
最後にガス式の衣類乾燥機をご紹介します。ガス式衣類乾燥機の魅力は、何と言ってもハイパワーな乾燥力です。ガス式衣類乾燥機は電気式衣類乾燥機と比べて、約3分の1の時間で乾かします。時短になることに加え、仕上がりも電気式よりふっくらにしてくれるガス式衣類乾燥機です。
ただし、ガス式衣類乾燥機を設置するためには排気用パイプの設置工事、ガス栓がなければ増設工事と、ひと手間必要となります。それを乗り越えれば、家庭でコインランドリー並みの快適乾燥を体感できる魅力的な家電の一つです。
ガス式衣類乾燥機の代名詞、リンナイ「幹太くん」のスタンダードタイプRDT-80です。ガスのハイパワー温風に加えて、「標準コース」「厚物コース」「デリケートコース」「くつ乾燥」、「エココース」と多彩な機能も搭載している衣類乾燥機です。ガス式の衣類乾燥機を検討されている方に、特におすすめできる製品です。
衣類乾燥機には、電気式・ガス式の2つのタイプがあります。まず、どちらにするかを決めましょう。オール電化の住宅にお住まいの方なら、ガス栓・排気パイプの工事費とガスの新設などを考えると、ガス式はあまりお勧めできません。元々ガスを使用している住宅にお住まいなら、ガス栓増設・排気パイプの設置工事のみで設置できるので、快適に使用できるガス式を選択肢に入れることもいいでしょう。
電気式は種類も豊富にあるため、価格帯も幅広くどれを選んでいいか迷ってしまいます。そのような時は「お手入れのしやすい乾燥機から選ぶ」というのもいいでしょう。どういうことかと言うと、乾燥機はしっかり乾燥すればするほど、ホコリが溜まりやすくなります。その溜まったホコリを、手間なく処理できるタイプの方が、長く安全に使用できるのでおすすめです。