ブロック塀の固定作業や配管固定の施工の際、セメントが用いられます。セメントを使った左官作業は建築、土木工事には不可欠な作業工程です。DIYでも簡単な土間や床などの補修作業などがあり、その際にもセメントを使うことが殆どだと思います。最近では速乾性能を備えたり、簡単な混錬作業で使用可能なセメントが数多くリリースされています。今回は業務でもDIYでも使用可能なセメントを厳選して5つご紹介します。
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徳島県徳島市に本社を置く「YBK工業」は、自然な土の風合いを持つ路面舗装材など、土木資材を製造販売している会社です。ご紹介する「モルコン」は主力製品の一つで、通常のセメントは砂や砂利と水を混ぜて使用しますが、「モルコン」には最初から砂が均一に配合、混錬されており、水を混ぜるだけで簡単に使用できるインスタントセメントです。プロの方が行う左官作業から、DIYでのブロック固定作業などの作業が簡単に行えるのが最大の特徴です。使用方法は簡単で、モルコン25kgに対し水を3.5~4.0リットルと加え、しっかりと混錬するだけで使用可能な状態となりますので、先に十分な下地水打ちを行い濡らしてからセメントを塗布します。またモルコンの練り置きは約1時間となりますので、早めに使い切るようにして下さい。
トーヨーマテラン株式会社は、愛知県春日井市に本社を置き、乾燥珪砂や土木建築向けのセメントなどを製造、販売している老舗素材メーカーです。ご紹介する「60分速乾インスタントセメント」は、商品の名称通り、混錬が終わって約60分で完全硬化するように作られています。砂と独自技術で生産された特殊セメントを混ぜた状態で梱包してあるため、水を加えるだけで使用することが出来ます。4kgのインスタントセメントに対し、800g~1,000gの水を加え、しっかり混錬するだけで準備完了となり、左官作業が行えるようになります。ただし混錬後約10分~15分で硬化が始まりますので、広範囲の作業をする場合には、少しずつ開封して混錬することをおすすめします。
次にご紹介する「30分速乾性インスタントセメント」は、先にご紹介した「60分速乾インスタントセメント」同様、トーヨーマテラン社からリリースされている速乾性特殊セメントです。混錬してから完全硬化までの時間が、約30分と非常に早く、プロの方であれば水道管の敷設基礎をはじめ、コンクリート外壁の補修作業など、DIYであれば家屋の外にある洗い場や、土間の割れの補修といった感じで、出来るだけ短い時間で固まって欲しい箇所に対する、さまざまな作業に幅広く使えます。インスタントセメント4kgに対し、水800g~1,000g程度を混ぜ合わせるだけで準備完了となり、天候や季節で多少の違いはありますが、混錬完了後約5分~10分程度で硬化が始まりますので、少しずつ混錬して使用する事をおすすめします。
大阪府堺市に本社を置く「サンホーム工業」は、家庭用建材と各種家屋補修材を製造、販売している専門メーカーです。ご紹介する「セメント粘土」は、サンホーム工業の中では特殊セメントに分類されており、高粘度のコンクリート充填補修材となります。水を加えて混錬し、粘土程度の固さになったら手に取り丸めて補修ヶ所に詰めるという使用方法となり、通常タイプのセメントのような垂れが発生難いので、コテや型枠などが不要で手軽に使うことが出来ます。また速乾性のセメントとなり、気温20度~25度であれば完全硬化までに約30分~1時間程で、気温が高い夏場などは、もっと早く硬化しますので作業効率が高いのも特徴の一つです。配管や外壁の穴などを塞いだり、手軽に使用出来ますのでDIYに最適なモデルです。
通常のセメントで、貯水槽内部の水漏れや用水路のヒビ割れを補修する際には、水を抜いて乾燥させてから行う必要があります。でも、どうしても水の遮断が出来ない場合には、サンホーム工業の特殊セメント「超速硬性水中セメント」がおすすめです。通常のセメントは、水中では拡散してしまい全く使用出来ませんが、水中セメントは拡散せずに通常通りの使い方が出来るのが最大の特徴で、水場の補修作業で力を発揮します。使用方法は通常のセメントと同じで、水を加えて混錬するだけと全く同じ工程を行うだけです。さらに水中だけでなく、セメントとしての通常使用も可能で速乾性能を備えており、気温20度で約20分、水温15度の水中でも約3時間で完全硬化するので、水陸両用のセメントとして非常に便利です。
高性能で簡単に使用出来るセメントを厳選5選としてご紹介しました。水を加えて混錬するだけで使用可能なセメントが、数多くリリースされており、業務でもDIYでも気軽に使用できる物が多く、作業効率も高いのが最近の主流となっています。水中で使用できる特殊セメントなど、ひと昔前では考えられない性能を備えている物まであり、驚くばかりです。一度、DIYで気軽に使ってみては如何でしょうか?