パソコンを使って楽曲作成、デスクトップミュージックには、MIDIのキーボードを欠かすことはできません。マウスなどを毎度使わなくとも、直接鍵盤を弾くことで音楽の作成をスムーズに進められます。今回は、そんなMIDIのキーボードの推奨機器を紹介していきます。
MIDIIキーボード、ミディキーボードとは、DTM、デスクトップミュージックにおいて用いられることの多い電子楽器になります。マウスを使ったり、パソコンのキーボードでの入力よりも素早く音を入力し、楽曲の作成に役立てられます。
MIDIとは、電子楽器を用いて作成した音楽データを、デジタルで転送するための規格の事です。MIDIキーボードではこのMIDIデータを作曲に使用するDAWソフト等へと入力し、ピアノを弾くのと同じ感覚で作曲ができます。
MIDIキーボードとはどんなものなのか、どういった用途で用いられるのかについて、まずは簡単にではありますが解説しました。現在では多数のメーカーから様々なモデルがラインナップしていますが、その中から自分に合ったモデルの選び方を解説しましょう。
1つ目は、キーボードの鍵盤の数になります。MIDIのキーボードでは25鍵、37鍵、49鍵、61鍵、そして88鍵の5種類が一般的で、シンセサイザーの音作り、確認などの用途で用いるのであれば、25鍵から49鍵でも足りるでしょう。
得意とは言わないまでも、一定以上の演奏ができるのなら、49鍵から61鍵はあると良いです。そして、演奏に慣れている、得意と言えるレベルの方であれば、61鍵から88鍵あると安心です。ただ、多ければそれだけ占有場所も増えます。
2つ目は、鍵盤のサイズを考えてみましょう。当然ながら先に解説した鍵盤の数が多ければ多い程、本体のサイズも大きくなり、PC周りに十分なスペースを確保できるのであれば、88鍵や61鍵などのキーが多いモデルも置けます。
49鍵になるとパソコン前にも無理なく置ける程度の全長にはなりますが、それでも長さは80㎝程度のモデルが多い為、余裕が必要です。32鍵や25鍵のキーボードであれば余裕をもって作業用のデスクにも置けますし、持ち運んで出先で使う事も苦ではないでしょう。
接続の方式については、大きく分けて有線とBluetoothによる無線方式の2つがあります。MIDIのキーボードに於いては有線式が主流であり、大抵のモデルは接続先から電力を供給できるバスパワー式で簡単に利用できます。
Bluetoothでの無線接続方式のキーボードの場合、ペアリングなどの設定を事前に行う必要はありますが、ケーブルが無いのでPC周りもスッキリした環境になりますし、iPhoneやiPadなどの端末でもペアリングさえすればすぐ使える様になります。
パッド、多目的スイッチフェーダーなど、MIDIキーボードにはコントローラー機能が欠かせません。音量を調整したり、音階や音の種類などをキーボード上でコントロールできるため、こだわってDTMを行いたいのであれば出来るだけ多機能なモデルだと便利です。
鍵盤数が少ないモデルになるほど、このコントローラー機能も限定的になる傾向にあり、逆に多いモデルの場合には機能が豊富にそろっており、それに比例して本体価格も高価になるという特徴は覚えておきましょう。
最後に、サスティンペダル端子があるかどうかについてです。サスティンペダルというのは、踏むことによって音に伸びを加えられる機器であり、MIDIに最初から付属しているものでは無い為、別途オプション的に揃える必要があります。
但し、すべてのMIDIキーボードにこのサスティンペダルを接続させるための端子があるとは限りません。その為、ペダルを自分が使用するのか、そして使うのであれば、キーボード側に端子があるかを事前に確認しておきましょう。
以上、MIDIキーボードはどんなものか、そして選び方の基準についてそれぞれ解説してきました。ここからは、本題である人気メーカー製の推奨MIDIキーボードのモデルを10点紹介します。
まず1点目は、有名メーカーコルグのキーボードです。キー数は25鍵のコンパクトなモデルですが、搭載されたナチュラル・タッチ、キーボードによって弾き心地については本格的な多鍵数のモデルに劣りません。
USBケーブルを使用した有線接続方式ですので、Mac、Windows、iPhoneやiPadなどへも変換アダプタなどを活用すれば接続させられます。オクターブ・シフト・ボタンとキー・トランスポーズを使って、MIDI規格で使えるすべての音域をカバー可能です。
続いて2点目は、こちらも人気メーカーであるローランドのキーボードコントローラーです。縦幅を薄くしたコンパクトな設計のMIDIキーボードであり、鍵数49でグリッサンドや連打といった幅広い演奏法に対応できます。
音楽制作ソフトウェアAbleton Live Liteのライセンスも付属しており、直ぐにDTMをスタートさせられます。こちらもデータ入力にあると嬉しいオクターブ、トランスポーズボタンを搭載、ホールド、エクスプレッションペダル端子もあります。
3点目はエムオーディオからセミウェイトキーボードのご紹介になります。鍵数はスタンダードなピアノと同様の88鍵であり、オクターブシフトなどせずともそのまま演奏を続行でき、再生や停止等のカーソル操作を本体側で行えます。
ProTools、Ableton Live Lite、MPC Beatsなどの全6種ものDAW用ソフトが付属しており、作曲に始まりリミックスやレコーディング等活用の幅は非常に広くなります。
NATIVE INSTRUMENTSのキーボードは、61鍵の十分な音域をカバーできるモデルです。同社が独自で開発したセミウェイテッド・カスタムキーボードによって、本来のピアノ演奏を経験した方にも扱いやすくなっています。
演奏中の微妙な強弱もこの基盤によってつけやすくなっており、繊細な演奏を行いたい方にとっても推奨できます。KOMPLETEやNKSの主だったパラメーターも入っており、高性能ながらリーズナブルですのでDTMを始めたい方にもお勧めです。
アカイプロフェッショナルの25鍵タイプのコンパクトキーボードです。オクターブは上下合わせて4つ移動させられますので、コンパクトながら対応している音域も幅広く、またPCに接続しなくともスピーカーを使っての演奏にも使えます。バスパワーではなく、単3電池駆動方式です。
アートリアの61鍵キーボードになります。Analog Labをはじめとした全3種の音楽制作ソフトウェアが付属しており、RGBバックライト付きのパフォーマンスパッドでドラム演奏等もでき、USB経由でiPhoneなどでも利用可能です。
カワイの木製MIDIキーボードは、本物のグランドピアノの演奏に近い鍵盤のタッチ感を味わえるモデルです。積層木製構造の鍵盤が関係しており、スタイリングも鍵盤とパネルのみとピアノらしくなっています。ソフトウェアを利用して、打鍵感の調整も行えます。
ノベーションの多機能な49鍵キーボードです。アフタータッチ機能によって音色の変化など表現力の幅が広くなっており、フェーダーや再生ストップボタンなどコントローラー部分も充実、主だったDAWに対応しています。
Mオーディオの49鍵キーボードは、コンパクトで仕事用デスクの上に置いても収まります。オクターブシフトで幅広い音域に対応し、有名なDAWソフトウェアも付属、Touch Loopsの2GBのサウンドサンプルを使って曲の色付けもできます。
ラストの10点目はIngbelleの88鍵MIDIキーボードの紹介です。サスティンペダルやマイクロフォンの入力端子があり、PCなどに接続しての楽曲製作はもちろん、電子ピアノとしての立ち位置の方が近く、素のままで演奏の練習にも使えます。
コンパクトながら幅広い音域をカバーするモデルから、多彩な機能を備える多鍵モデルまで、MIDIキーボードの種類は様々です。自分のスタイルに合うモデルをぜひデスクトップミュージックに活用してみて下さい。