駆動部や回転部で使われることの多いボールベアリング。特殊な部品のように思えるベアリングも今や様々なECサイトで購入できるのをご存知でしょうか?
小さな部品なので1個から購入するのは無理なように思えるベアリングは、実は一個から購入できるようになっています。
今回は2018年2月現在、Amazonで発売されているベアリングを厳選して30品紹介するとともに、市販のベアリングをもっと回転するようにできるチューン方法も紹介します。
目次
あなたは機械や回転物に使われているベアリングという部品を見たことはありませんか?
ベアリンクは稼働する箇所に必ずと言っていいほど使われている部品で、最もわかりやすく例を挙げると車のタイヤですね。ベアリングがないとタイヤは回りません。
つまりベアリングとは回転物を小さな力でスムーズに回転させるための部品で生活の一部になっていると言っても過言では無いのです。
このベアリングが実は市販されていることをご存知でしょうか?それも工具専門のサイトやメーカーの専用通販サイトではなく、Amazonなどで購入できるのです。
今回はこのベアリングを交換するのに必要な工具やベアリングをご紹介します。また、巻末には市販のベアリングを更に良く回せるようなチューニング方法も合わせて載せてあります。DIYでリールやスケートボードのベアリングをご自身で交換される方必見です。
ベアリング交換に必要な工具は実はこれと言って実はありません。ベアリングを使ったアイテムは多数あるのですが、回転が悪い、動きが重いといった原因の殆どはベアリングの寿命ではなくオイル切れであることが多くあります。そのため回転部位に油を差してあげれば大抵の不具合は解消します。
しかし注油しても動きが重い、引っかかったような音がするなどの不具合を起こしている場合はベアリングの交換が望ましく、物によってはベアリングプーラーなどの専用工具が必要です。ここではベアリング交換に必要な工具を紹介します。
ベアリングプーラーはその名の通りベアリングがはめられている所から傷つけることなくベアリングだけを外す工具です。サイズ別で売られているので外したいベアリングの外径似合わせて購入が必要です。
プーラーの詳しい記事はこちら!
どんな径のベアリングも同じことが言えるのですが、精密部品になるので素手で触ってはいけません。また、市販のベアリングは油がベッタリとついているので素手で触ってしまうと油まみれになります。
そんな時にはこのニトリル手袋が便利です。薄手で指先までしっかりと保護してくれて、指先も使えて細かい作業がしやすく、手も汚れません。100枚入りなので一箱あると大変便利です。
細かい作業を行うならピンセットも必携だ!
ベアリング交換後には必ずオイルを注しましょう。今回紹介するオイルはスプレータイプのものですが、これでなくても大丈夫。Amazonにはベアリング用の専用オイルも売られているので用途によって使い分けても大丈夫ですよ。
では交換用のベアリングの選定方法と筆者厳選のベアリングを紹介します。
ベアリングを交換する際、実は知っておかなければいけない事があります。それはベアリングのサイズを購入前に確認する事です。
せっかくベアリングを購入してもサイズが合わないと元の物に組み込めませんよね?ベアリングは金属なので多少の間違いがあっても付けばいいというものではありません。
そのため正確なベアリングサイズを知っておく必要があります。
ベアリングには外径、幅、内径と3つ寸法を確認しなければいけません。交換したい物についてきた取扱説明書に解体図面がついていれば、交換箇所のベアリングサイズが書いてあります。
しかし取扱説明書にベアリングサイズが書いていない場合は自分で寸法を調べなければいけません。難しいことはありませんが、採寸するにはノギスという工具があると便利です。
1000円ほどで購入できてベアリングのサイズを図るだけでなく色んな物の寸法を確認できるので便利ですよ。
この工具を用いてベアリングのサイズを確認するには「外径」「内径」「幅」の3点を必ず確認してください。
ベアリングにはオープン型とクローズ型の大きく分けて2種類があります。オープン型は注油作業のメンテナンス性能に優れていますが、ホコリやゴミが入りやすい作りになっています。クローズ型は回転部がシールドされているためホコリやゴミが入りにくくなっています。
どちらが優れているではなくて、屋外で使うならクローズ型、屋内で使用するならオープン型くらいのつもりで使用しましょう。例えばリールやスケートボードはクローズ型、ハンドスピナーやミニ四駆などはオープン型といったところでしょうか。
クローズ型にはカバー部がゴムで覆われているタイプもあります。スケートボードでよく使われているタイプのベアリングですね。
何度も言いますが、どのベアリングが優れていて、もともとクローズタイプのベアリングをオープンタイプのものに交換したからといって性能が上がるわけではありません。
筆者厳選のベアリングを紹介!
では次に筆者が厳選したベアリングを紹介します。ベアリングサイズの確認方法は前記した通りで、今回紹介するベアリングはどのサイズも取り揃っています。型番が違うだけなので、性能や使い方に遜色はございません。お好きなメーカーを選んでいただいて、サイズ別でお探し下さい。
大阪に本社を置くベアリングの国内大手メーカーです。ベアリングの使われ方などを同企業のHP上で公開し、ベアリングをより身近にした功労社でもあります。
旧光洋精工の流れをくむトヨタ自動車グループのベアリングメーカーです。自動車部品メーカーも兼務しているので大きなベアリングは得意な様です。バイクの修理等をご自分でやられる方は必見のメーカーです。
航空機用から小型精密機器のミニチュアベアリングを扱ってるベアリングメーカーです。DIY用のミニチュアベアリングは宇宙開発用のベアリングが出品されていて、転がり性能も高く、非常に評価の高いメーカです。
軸受、自動車部品など幅広い部品を扱うメーカーです。ベアリングメーカーとして国内第3位のシェアを持つ。
工作機械やロボットが有名な富山の精密機器メーカーです。機械関係の方なら一度は耳にしたメーカー名ではないでしょうか?ベアリングも生産していて、極所(寒い所や熱い所)で安定した性能を発揮します。
各社代表的なベアリングを紹介しました。この他にもベアリングメーカーはあるのですが、各社性能的に大差ありません。
価格的にも大差がないため、そのメーカーのベアアリングを使われてもよろしいかと思います。しかし中には粗悪な中国製ベアリングが出回っています。
中国製ベアリングは転がり精度等の数値が過大に報告されていることもあります。一個何百円のアイテムですからしっかりと信頼したメーカーから買いたいですね。
「市販品のベアリングをチューニングして」と個人のブログや口コミの書かれているのを見かけたことがある方はいらっしゃいませんか。市販のベアリングをチューニングするとはどの様な事を指すのでしょう?
ここでは以前筆者が実際に行っていた市販のベアリングチューン方法を紹介します。チューンと聴いてマニアックな感じがしますが、実は全然手軽にチューンできます。でも本格的な方法なのであなたも試してみて下さい。簡単でびっくりするほど効果的です。
ベアリングの洗浄方法は簡単です。それは「中性洗剤でジャブジャブ洗う」。ただこれだけです。
ただしベアリングにもともと塗布してあるオイルをすべて取り除くのでサビが発生するかもしれません。そのため次の工程は日を置かずに行って下さい。
市販の表面処理剤というフッ素コート処理をするとより滑らかに回るようになります。また、表面処理を行うことでベアリング寿命を伸ばすことにもなります。
筆者がおすすめする表面処理剤は「マイクロロン」。F1レースで使われるレースカーのエンジンにも同様の処理を施してあるくらい実績の高いコート剤です。
使い方はドブ漬けして乾燥を3回繰り返します。コツはドブ漬け前に40℃くらいまで温める事です。また、乾燥はドライヤーで乾燥させます。温めながら作業することが最大のコツです。
ただしこの工程はやらなければいけないということはありません。ボールベアリングのライフタイムを伸ばすだけの処理のため、頻繁に交換する方は飛ばしても大丈夫です。
洗浄、表面処理が終わったらオイルを塗布します。
回転数を求めるのであればなるべくサラサラなオイルを、駆動部の動きをいつまでもスムーズに保ちたいのであればグリスを塗布して下さい。
ミニチュアベアリングでしたら一滴か二滴注せば十分です。
ただしグリスを塗るのであればたっぷりと塗りましょう。
ベアリングチューン後に最も気を使わなければいけないのが保管方法です。
ベアリングに塗布したオイルやグリスは空気に触れると酸化します。酸化するとせっかくのチューンが台無しになってしまいます。そのため保管方法は瓶などにオイルを汲んでそこに漬けておきます。空気にさえ触れなければ酸化は起こらないため、使いたい時に取り出せばいいのです。
引用:pixabay
多くの場合、ベアリング交換を自身で行うとメーカー保証が受けられない場合があります。
中古品を自身の楽しみでベアリング交換やチューンするのであればいいのですが、メーカー保証が残っている物を分解したりするのは自己責任でお願い致します。
DIYでできるベアリングチューンや筆者おすすめのベアリングを紹介しました。
ベアリング交換はやってみたらできた、意外と簡単だったと感想を聴きます。また、自作のハンドスピナーを作る方もいるようで今注目を集めています。
あなたもいろいろなベアリングを手に入れてクラフトに挑戦してみたり、動作の鈍いアイテムのベアリングを交換してみたりしませんか?
機械工作も面白いですよ!