車一台分程度の狭い土地にも建てられる「スモールハウス」は、通常の一軒家よりも低コストなことから、今注目を浴びています。ここでは、スモールハウスの種類や建てるときの予算・おしゃれな活用方法をご紹介していくので興味のある方は参考にしてください。
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スモールハウスとは、車一台分ほどの狭い土地があれば建てられる小さな家のことで、一般的な一軒家よりも安い価格で建てられることから人気を集めています。この記事では、スモールハウスの種類や建てるときの予算・おしゃれな活用方法をご紹介していくのでスモールハウスの購入を考えている方はどうぞご覧ください。
若い世代を中心に人気を集めるスモールハウスには、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、スモールハウスのメリットをチェックしていきましょう。
スモールハウスのメリットととしてまずあげられるのは、価格の安さです。スモールハウスには、必要最小限の設備のみ備わっています。そのため、使用する建築材料なども少なくて済むのでコストを抑えることができるのです。
また、狭い土地に建てられるところもメリットにあげられます。車一台分の土地があれば建てられるので土地代を抑えることができます。ほかにも、土地や建物が小さい分「固定資産税」などのコストが抑えられるところもポイントです。
スモールハウスには、さまざまなバリエーションがあります。その大きさもさまざまです。ここからは、スモールハウスの種類について詳しく解説していきます。
タイニーハウスとは、Tiny(小さな)+house(家)のことを指します。家賃やローンの負担を減らしシンプルなライフスタイルを目指すそのスタイルは、2008年にアメリカで起きたリーマンショックがきっかけとなり広がっていきました。タイニーハウスは、大きさが10㎡~20㎡(6畳から10畳)ほどの平屋のものが多く、キッチンやトイレ・シャワーといった必要最小限の設備が整っており、1~2名が生活するのに適しています。
トレーラーハウスとは、車で移動や移設ができる小さな家のことで、日本では「建築物」には分類されず「車両」として扱われます。建物として扱われないため固定資産税などはかかりませんが、車検を受けなければならないほか自動車税もかかってきます。
キッチンやシャワーの他にも、リビングや寝室などが設置されているタイプもあり、キャンプなどのレジャーや別荘・店舗などに利用されています。キャンピングカーにはエンジンが付いており、公道を走ることを前提に作られているのに対し、トレーラーハウスの移動はシャーシの上に載っている建物を車で牽引する必要があり、定住することを前提に作られています。
コンテナハウスとは、輸送用のコンテナを利用した住居のことで建築物として認められています。非常に頑強な重量鉄骨で作られているコンテナハウスは、気密性・断熱性・遮熱性に優れており、さまざま環境に耐えることができます。同じタイプのコンテナを複数組み合わせれば、多階層化や増設も可能です。また、必要に応じてコンテナごと移動することもできます。
ツリーハウスとは、生きている樹木の上に建てられた家のことです。インドネシアや中南米などの熱帯雨林地帯では住居として使われることもありますが、日本ではレクリエーションや観光・個人が別荘や子供の遊び場として使用されることが多くなっています。
基礎がないツリーハウスは、住居として認めらず登記や住民票などの取得はできないようですが、基礎を建てるツリーハウスは建築確認申請が必要になるなど条件が違ってくるので、お住まいの自治体に確認するようにしましょう。
スモールハウスは低価格で建てられることから人気を集めており、DIYが得意な方は自分で建てることもできます。ここからは、スモールハウスを建てる時の予算を「業者に依頼した場合」と「キットハウスを利用した場合」「自作DIYした場合」に分けてご紹介していくので参考にしてください。
まずは業者に依頼した場合の予算からみていきましょう。業者に依頼した場合、当然大きさやデザイン・使う材料などによって金額は違ってきますが、100万以内で建てられるものから300万前後の予算で建てるものが多いようです。
続いてはキットハウスを利用した場合の予算をチェックしていきましょう。キットハウスした場合、カット済みの材料が納品され自分で組み立てをしなければならない分、業者に依頼するよりも予算は抑えることができます。キットハウスも大きさやサイズよって価格はことなりますが、6畳程度サイズなら50~60万前後で、10畳程度大きさなら100万~150万ほどで建てることが可能です。
最後に自作DIYした場合の予算をみていきましょう。スモールハウスを自作する場合自分の好きなように作成できるというメリットがありますが、ある程度の専門知識も必要になります。初めから大きな建物をつくるのではなく、小さいサイズのものからチャレンジするのがおすすめです。
また、住宅や商用となると建築法や消防法にも関わってくるので必ず専門家に相談するようにしましょう。3坪ほどのスモールハウスなら20~30万円ほどの材料費で建てられるようです。業者に依頼するにしても自作DIYするにしても、別途土地代がかかることを忘れないでください。
スモールハウスを建てるときの予算を「業者に依頼した場合」と「キットハウスを利用した場合」「自作DIYした場合」に分けてご紹介したあとは、おしゃれに活用!スモールハウスの使い方をご紹介していきます。
スモールハウスは、書類などができる収納スペースや戸棚、大人が数人で作業できるスペースを作ることで「仕事場」として活用できます。
また、新しい働き方として在宅勤務が余儀なくされている今の時代、スモールハウスを仕事場として利用する方もできます。スモールハウスを利用すれば「自宅ではなかなか集中できない」という悩みも解消してくれます。
スモールハウスは「シェルターハウス」として活用することもできます。シェルターハウスは、一般に地震などに強い耐震性の高い建物を指しますが、自宅はとは別に避難グッズを備えておくことで、いざという時に安心して過ごすことができます。
スモールハウスがあれば、多拠点住居が可能となります。多拠点住居とは、決まった場所に住居を持つのではなくさまざまな場所に拠点を構える生活スタイルで、近年関心を示す方が増えています。比較的手軽な価格で購入できるスモールハウスを手に入れることで、仕事ある平日は都内で週末はゆっくり過ごせる場所でという多拠点住居を可能にしてくれます。
スモールハウスは、少人数制の美容室やネイルサロン・小さなカフェなどの店舗して利用することもできます。土地代が安い場所を選べば、毎月家賃を払っていくよりも経費を削減することができそうです。また、内装や外装をおしゃれにアレンジできるところも魅力です。
スモールハウスを、ホテルなどの宿泊施設として利用しているところもあります。室内は狭く、トイレが設置されていなかったりテレビがなかったりと設備は整っていませんが、薪でお風呂を沸かすなど自然に囲まれてゆっくりと過ごすことができるため、人との接触が避けられる今の時代にぴったりの施設です。
ここまでは、おしゃれに活用!スモールハウスのさまざまな使い方をご紹介しました。ここからは、評判の高いおすすめスモールハウスを厳選してご紹介していきます。
評判の高いおすすめスモールハウス1つ目にご紹介するのは「スノーピーク モバイルハウス・住箱 (JYUBAKO)」です。さまざまアウトドア用品を扱うスノーピークから販売されているこの商品は、建築家の「隈 研吾(くま けんご)氏」よって生み出されました。
内装が自分好みにアレンジできるのがほか、床下電源やコンセント・LED天井照明・ベッド床板やエアコンなどさまざまなオプションを付けることができます。
【基本情報】
室内寸法 | 5,600✕1,973✕2,033(h)mm(約6畳) |
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外装 | 材質:ヒノキ合板t12mm 塗装:防腐剤+キシラデコールやすらぎ |
内壁・室内天井 | 材質:ヒノキ合板t12mm 塗装:無塗装 |
室内床 | 材質:ヒノキ合板t12mm 塗装:ウレタン塗装 |
屋根 | 材質:ガルバリウム鋼板 塗装:無塗装 |
断熱材 | 天井・壁:グラスウール密度24k/50mm 床:スタイロフォーム/50mm |
評判の高いおすすめスモールハウス2つ目にご紹介するのは「無印良品の小屋」です。部屋の広さは約9㎡とコンパクトですが、縁側や屋根に傾斜をつけることで3~4人でもくつろげるようにしています。入口の大きな窓には、商店にも使われている引き戸を使用しているので光と風を取り込みます。木材を焼いて強度を高めた100%国産の杉材を採用し、オイルステインで仕上げることで防腐性・耐久性を高めています。
【基本情報】
サイズ | 2,600✕3,510 屋内9.1㎡/縁側3.1㎡ |
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構造 | 木造軸組工法 |
基礎 | 鉄筋コンクリート造・ベタ基礎(防湿シート敷き・床下換気なし) |
材料 | 躯体:構造用製材、構造用集成材(針葉樹) 外壁:焼き杉材(オイルステイン仕上げ) 内壁:構造用合板(芯材)・ひのき材単板(表面材) 床:モルタル仕上げ 屋根:構造用合板(下地)・アスファルトルーフィング(下地)・ガルバリウム鋼板(表面材) 引き戸・小窓:アルミサッシ(単層ガラス) 断熱材:ポリスチレンフォーム(屋根裏のみ) |
評判の高いおすすめスモールハウス3つ目にご紹介するのは「Tiny House KIBAKO」です。外部には耐久性のあるウエスタンレッドシダーを使用しています。内外壁が木でできているので、棚を付けたりデスクをつけたりと自由にカスタマイズできます。
趣味の部屋としてだけでなく、オフィスやゲストハウス・庭先カフェなどさまざまな用途で利用できます。用途に合わせて2種類のタイプから選べるほか、4tトラックが入れる場所ならどこへでも移動可能なところが魅力です。
【基本情報】
外寸 | ノッポ:4,889×2,328×H5,180mm チビタ:4,889×2,328×H2,650mm |
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内寸 | ノッポ:4,603×2,042mm チビタ:4,603×2,042mm |
面積 | 9.99㎡(6畳)ノッポ+ロフト |
構造 | 2×4工法・SPF材・OSB合板 |
基礎 | 敷地形状による(べた基礎他) |
仕上げ | 外壁・デッキ:ウエスタンレッドシダー 屋根:ガルバリウム鋼板葺き 断熱:硬質ウレタンフォームEⅢ 厚20・グラスウール10K厚100 内装:ウエスタンレッドシダー・SPF・OSB表し 窓 :アルミサッシ(ペアガラス) |
評判の高いおすすめスモールハウス4つ目にご紹介するのは「美山里山舍 モバイルハウス」です。手作業で釘や金物を使わずに組み上げる美山里山舍 モバイルハウスは、これまでのスモールハウスやトレーラーハウスを常識を打ち破った作りになっています。屋根以外は、100%国産の檜・杉材を使用することで安心・安全・心地良い空間を生み出しています。
照明スイッチや2口コンセント・多機能薪ストーブ・五右衛門風呂システム・作り付け家具など、オーダーメイドなのでさまざまなオプションに対応してくれます。
【基本情報】
面積 | 3m×4m・ロフト2m×4m(標準仕様) |
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素材 | 柱:国産檜 壁:国産杉 屋根:ポリカーボネート・トタン・板葺き 基礎:鉄・ステンレス・RCブロック・その他 |
評判の高いおすすめスモールハウス5つ目にご紹介するのは「サンパックス 移動型モバイルハウス」です。こちらの移動型モバイルハウスは、ユニック車やクレーンを使用しないため、狭い場所でも搬入・搬出できるのがポイントです。
室内は住居性を高めているため、太陽光パネルと蓄電機能で最低限の電気が使用できるほか、簡易水洗トイレやミニキッチンが装備することで、災害時でも短期的な滞在を可能にしています。
【基本情報】
面積 | 2,380✕4,800✕2,600(h)mm |
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設備 | ミニキッチン・簡易水洗トイレ・折り畳み式カウンター・独立電源蓄電装置(ソーラー)・カセット他 |
ここでは、スモールハウスの間取りについて詳しく解説していきます。スモールハウスの大半は平屋建てで内装もシンプルな作りのものが多くなっています。設備も必要最低限のものが備わっているだけで、用途に応じてキッチンやトイレ・シャワーなどが装備されています。
アメリカが由来となっているため、お風呂はシャワーやユニットバスが多くなっていますが、多拠点住居やセカンドハウスをして利用する場合は浴槽をつけることもできます。このように、自分の思い通りに間取りをカスタマイズできるのもスモールハウスの魅力です。
今回は、スモールハウスの種類や建てるときの予算をご紹介するとともに、スモールハウスのおしゃれな活用と評判の高いおすすめのスモールハウスをご紹介しました。
通常の一軒家よりも低コストで狭い土地にも建てられるスモールハウスは、今注目を浴びています。ここでご紹介したこと参考に、おしゃれなスモールハウスを建てて充実の時間を過ごしてはいかがでしょうか。