小回りがきいて女性でも運転しやすい軽自動車は、近年車内が広い車種も多く、車中泊に利用する方が増えました。ここでは車中泊におすすめの軽自動車を厳選紹介、選ぶポイントも併せてご紹介していきます。軽自動車でも車中泊が出来ると行動範囲も増え、いろいろな場所に行きやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
車中泊と言うとファミリーミニバン程の広さなら足も伸ばせるから車中泊出来ると納得されますが、軽自動車では後部座席に丸まって眠ったり、シートを倒して足を曲げて眠るなどでもお子さんや女性しか無理なのでは、と想像される方も多いはずです。
しかし、車種を選べば軽自動車でも大人数は無理でも一人や二人、身長の高い男性でも車中泊することは可能なんです。後部座席に体を曲げて眠ったり、と言うような無理な体勢でなくても、足を伸ばしてしっかり横になって体を休ませることが出来ます。
近年、ウイルスの心配から宿泊や遠出もなかなか出来ないという方でも、車中泊が出来る軽自動車があれば、行動できる範囲も広がるのでおすすめです。
ここからは車中泊に適した軽自動車の選び方をご紹介していきます。軽自動車でもやはり小さく、車中泊には到底向かないという車種もあるので、これから軽自動車の購入を検討されている方や、車中泊できる車をお探しの方は、選び方を参考にしてみてください。
軽自動車でも普通車よりも高い車種も多いので、購入してから車中泊するのに使いにくかったと後悔しないために、ご自分で実物を確認しておくと間違いないでしょう。
選び方1つ目は、車内の広さです。どんな車でも後部座席で丸まったり、シートを倒せば眠れなくはないです。しかし飛行機でもずっと座ったままの状態でよく起こってしまうエコノミー症候群が、同じ姿勢で眠る車中泊でも起きやすいです。
エコノミー症候群は血の流れが悪くなることで血栓ができ、痛みや腫れが出たり、呼吸が苦しいなどの症状が出ます。車が狭いと横になれない、足を伸ばせない、寝返りが打てないなど同じ姿勢で寝ざるを得ない状況になってしまうので、車中泊する方の身長を確認し、横になれる広さがある車種を選びましょう。
選び方2つ目は寝心地です。シートを倒してみたときの凸凹具合は車種によって違いますが、完全に不フラットにするにはマットや段差を埋めるクッションなどが必要になります。シートの寝心地によって、段差を埋めるだけのタイプでもいいか、上からマットを敷かないと感触が悪いなどは人によって違います。
シートもメーカーによって違うので、試乗の際にシートを倒してみたり、実際に横になって確認しておきましょう。車中泊が出来るとうたっている車種は、専用の段差を埋めるクッションやマットが販売されていることもあるので、より快適に車中泊が出来るのでおすすめです。
寝心地が悪いと車中泊も落ち着きませんし、疲れも取れません。試乗で寝心地がいいものから絞ると選びやすくなります。
最後は燃費で選ぶ方法です。移動距離が長い、よく遠出をする方は燃費を気にされる方が多いですが、車中泊をするのに燃費を気にする必要があるのか、と考えられる方もおられるかもしれません。時期が良ければ停車したままでも大丈夫ですが、夏場や冬場はエアコンを入れるためにガソリンを使う場合があります。
長時間使用すればガス欠の心配も出てきてしまうので、燃費のいい車種の方がガソリンをあまり使わずに済みます。もちろん、車中泊をするくらいなので遠出をされる場合も多いため、燃費がいい方がガソリン代が安く済みます。
軽自動車なら実燃費16km/L以上あれば燃費がいいと言えるので、燃費もチェックして選ぶといいでしょう。近年はエンジンと電気モーターを併用して、燃費を向上させているマイルドハイブリッドシステムを採用している車種も増えているため、マイルドハイブリッドかどうかも確認するのがおすすめです。
ここからは大手メーカーの車中泊におすすめの軽自動車をご紹介していきます。CMでもよく見かける車種や街中でも多く走っている車種もあるので、ご存知の車も多いかもしれません。社用車や配達車などにも利用される車種もあるので、ご自分が使いやすい車種を探してみてください。
最初にご紹介するのがダイハツ ウェイクです。ミニバン並みの高いアイポイントで遠くもよく見え、運転しやすいという魅力がある車です。室内長は2,215mmで、シートアレンジはフルフラットモードという全ての座席を倒してフラットにした状態にすると大人二人が横になれる広さが確保できます。
この状態で純正アクセサリーのジョイントクッションを2枚敷けば、しっかり横になれます。他にもフロント用のプライバシーシェード、ラゲージボードというラゲージにセットできるテーブルなども純正アクセサリーにあるので、車中泊に活用できます。
荷室高はアンダートランクも入れると1,485mmもあるので、クーラーボックスなど様々な荷物が入れられます。サイクリング用の自転車も2台載せられるほど室内の広さがあるので、アクティブな車中泊を楽しめる1台です。
おすすめ2つ目は、ホンダのN-BOX+です。ベッドモード言うシートアレンジがあり、後部座席をたたんで、前席の背もたれを後ろに倒した状態でマルチボード2枚を後部にセットすると、身長190cmの方でも足を伸ばして横になれるベッドが完成します。縦200cm×横100cmのマットを上に敷くとピッタリです。
ベッドの下にも収納が可能なので、寝るスペースを十分確保できます。室内高は140cmあるので背の高い荷物も入れられます。また、すべての窓ガラスで紫外線約99%カットと赤外線約70~80%カットをしているので、夏場の遠出や車中泊に心強いポイントです。
前席は寝転んだ時にはフラット感が得られるよう、最適な形が追及された専用設計のシートになっており、シートは低反発の柔らかさを追求し適度の沈むため、寝やすさは抜群です。
続いてのおすすめは、スズキのハスラーです。ハスラーはコマーシャルでご存知の方も多く、街中でも目立つカラフルな色と可愛らしいフォルムでよく見かける人気の車です。室内寸法は長さ2,215mm、幅1,330mm、高さ1,270mmと見た目より長さがあると感じる方も多いかもしれません。
シートは前席と後席を倒して完全にフラットにも出来ます。純正アクセサリーのリラックスクッションを敷けば、ゆったりと寝転がれます。また、ハスラーの純正アクセサリーには車に取り付けられるタープやラゲッジバーなど、アウトドアで大活躍のアイテムが多くあるので、アウトドア初心者にもおすすめです。
リヤシートの背面とラゲッジフロアは汚れにも水にも強い素材なのもポイントです。ボディーカラーは11色あるので、自分好みの色を探しやすいです。
おすすめ4つ目は、N-VANです。助手席を足元に収納すると後部座席を倒した高さと同じ高さに出来るため、フルフラットの状態に出来ます。段差が全くないため、寝やすさは抜群です。床が低いため、上の空間が広く過ごしやすいのもポイントで、1人車中泊をする方におすすめです。
また、マルチボードのリア用とラゲッジ用を組み合わせ、運転席のシートを倒せば2人で車中泊も可能です。こちらは床から1段高い状態になります。N-VANの純正アクセサリーにはハンガーパイプや有効ボードやクロスバーなど、仕事でも車中泊にも役立つアイテムが豊富です。
軽バン初の助手席側センターピラーレスで、開口部が広いので荷物の出し入れもしやすい構造です。N-VANは種類によって、商用車の雰囲気とはまた違うパール系の紫やピンクなどのカラーもあるので、女性でも選びやすい車種です。
ザ・アウトドア用という印象のスズキ ジムニーも車中泊におすすめです。2018年7月に発売された本格派SUV車で、軽自動車とは思えない程、不整地な場所でもしっかり進める頑強な構造の車です。室内寸法は長さ1,795mm、幅1,300mm、高さ1,200mmで、カラーバリエーションはXCタイプなら12色あります。
シートアレンジも豊富で、後席と助手席を倒せば床面がフラットな状態に出来、1人車中泊におすすめです。フロントシートを後方いっぱいに倒せば、大人2人の車中泊も可能なフルフラットに出来ます。アウトドアを楽しみたい、山道でも心配なく運転したい方におすすめです。
続いてはスズキのエブリイです。1BOX型軽商用車の中では荷室サイズがNO1なので、車中泊にもおすすめの1台です。助手席を前に倒した床面長が2,640mm、2名乗車時の荷室床面長が1,955mmと前席を倒さなくても荷台で寝れるほどの長さがあります。
商用車に使われることが多いため、開口部が広く荷物の出し入れがしやすいです。純正アクセサリーも豊富で、シートを倒した上に敷くベッドクッションやプライバシーシェード、ルーフキャリアなどカスタマイズしやすいアイテムが多いのですが、一番の魅力は2段ベッドセットです。
ベッドキット、乗降ボード、ベッドマットがセットになっており、大人4人が足を伸ばして眠れるセットになっています。価格はやや高めですが、家族や友達で車中泊が出来るため、買って損はないセットです。
JOINタイプならカラーバリエーションが6色あり、プライベートでも使いやすい色も選べます。軽自動車の中でも価格が手頃でおすすめです。
おすすめ7つ目のダイハツ クラフトは、あまり知らない方が多いかもしれません。ダイハツグループの葵機械工業株式会社が特装車事業ブランドとして立ち上げたのがダイハツクラフトで、楽旅やくつろぎという車中泊がしっかり出来る装備が付いた車が人気です。
楽旅はハイゼットカーゴクルーズとアトレの2タイプがあり、どちらも組み立てベッドやサイドテーブル、キャビネットなどが付いているので、試行錯誤して車中泊グッズを揃える必要もありません。かなりの頻度で車中泊で出かけるという方におすすめで、とにかく快適です。
また、すでにハイゼットカーゴクルーズかアトレに乗っているという方は、くつろぎの単品セットも購入可能なので、車中泊仕様に今からすることも出来ます。
おすすめ8つ目は、マツダのスクラムワゴンです。1BOXタイプでゆとりある空間が魅力の車で、シートアレンジも豊富です。室内長2,240mm、室内幅1,355mm、室内高1,420mmで荷室がしっかりありますが4名乗っても広さを感じます。
前席も後席も後ろのシートを倒せばフルフラットの状態に出来るので、上に純正アクセサリーのベッドクッションを敷けばしっかり横になれます。車中泊に使いやすいマルチルーフバーやルーフキャリアなどのアクセサリーもあるので、カスタマイズもしやすいです。
続いてはダイハツのハイゼットカーゴです。ハイゼットは発売60年を超える長年売れ続けている車種で、バンタイプは現在のタイプで10代目のモデルになります。助手席を前倒しにしたときのスペース長は2,630mmあり、2名乗車時の荷室フロア長が1,955mmあるので、荷室でも十分車中泊が可能です。
ユースフルナットとユースフルホールが付いているので、アクセサリーのオーバーヘッドネットで小物を収納したり、システムバーセットなどでカスタマイズもしやすくなっています。クルーズ“SA Ⅲ”などはカラーバリエーションが7色あり、燃費もよく価格も手頃です。小回りが利くので運転が得意でない方にも使いやすいでしょう。
コマーシャルでもお馴染みのダイハツ タントもおすすめの1台です。ドアが自動で開いたり、ロングスライドシートで室内での移動が楽、助手席側の開口も大きく乗りやすく使い勝手のいい車です。室内長2,180mm、室内幅1,350mm、室内高1,370mmでXターボタイプならカラーバリエーションが13色もあります。
シートアレンジは前席の背もたれを後ろに倒すだけでも背の低い方なら横になれますが、後席の背もたれを前に倒せばフルフラットの状態になります。日常にもアウトドアにも使いやすい1台です。
おすすめ11個目は、三菱のミニキャブバンです。何と言っても広い荷室が魅力です。2名乗車時の荷室長が1,910mm、4名乗車時の荷室幅が1,385mm、荷室高が1,240mmあるので、前席を倒さなくても車中泊が可能なほか、荷室はフラットなので使いやすいです。
純正アクセサリーにヘッドスペースラックやルーフキャリアがあるので、車中泊用にカスタマイズもおすすめです。Mタイプはカラーバリエーションは2色と少ないですが、車両価格が100万円切るものもあるので、車中泊用に改造したい方にも選びやす車です。
続いてはスズキのスペーシアです。日常でも使いやすい外観と13色の豊富なカラーバリエーションがあり、軽自動車の売り上げ上位に位置する人気の車です。室内長が2,155mm、室内幅1,345mm、室内高が1,410mmあるので自転車も載せられるほどゆとりある空間があります。
シートアレンジは助手席と後席の背もたれを前に倒したり、前席の背もたれを後ろに倒せばフルフラットに出来たりします。純正アクセサリーのリラックスクッションを上に敷けばすぐに車中泊が出来ます。他にもバックドアネットやプライバシーシェードなどのアクセサリーもおすすめです。
マイルドハイブリッドで燃費消費率が22.2km/Lなので、低燃費でエコなのも魅力。ロードノイズも低減している車なので、運転中の車内も静かで快適です。
おすすめ13個目は、日産のクリッパーバンです。商用車として使われることが多いので、開口部が広く荷物の積み下ろしに便利な車です。荷室フロア長が2名乗車時で1,955mm、4名乗車時の荷室幅は1,385mm、荷室高は1,240mmあります。荷室はフラットで長さもあるので、ここだけで十分車中泊が出来ます。
純正アクセサリーにLEDラゲッジルームランプやマルチルーフバーなど車中泊におすすめのアイテムもあります。車中泊用のベッドクッションもアクセサリーにあるので、おすすめです。
4WD車は2WDと4WDを切り替えられるパートタイム4WDを搭載、走行中の衝突回避を支援するインテリジェント エマージェンシーブレーキもあるので、燃費もよく安全性も十分、小回りが利くので日常にも使いやすい1台です。
続いてのおすすめは、スバルのサンバーバンです。MT車、AT車は衝突回避システムのスマートアシストⅢ搭載、最小回転半径4.2mと小回りも利いて安全性もあります。
2名乗車時の荷室フロア長は1,950mm、荷室高1,235mm2名乗車時の荷室幅1,315mmあるので、サンバーバンも荷室だけで車中泊が可能です。フラットで直方体の荷室は仕事でも使いやすいですが、車中泊にも使いやすいのでプライベートでの使用にもおすすめです。
自分仕様にカスタマイズしやすいユースフルナット&ホールが付いているので、純正アクセサリーのオーバーヘッドネットやシステムバーセットなどがカスタマイズ可能です。
最後にご紹介するのが、日産のデイズルークスです。ガソリンや電気を有効に利用するエコシステムを搭載していて、燃費消費率がSやXモデルだと 22.0km/Lとかなりの低燃費です。エマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止アシストも付いているので安全性も高いのも魅力です。
室内長2,235mm、室内幅1,320mm、室内高1,400mmと自転車も載せられるほど室内が広く、前席の背もたれを後ろに倒せば横になれます。カラーバリエーションも豊富で、2トーンタイプも可愛らしさがあります。フロントにスーパーUVカットグリーンガラスを使用しているので、夏場でも安心です。
車中泊が出来る車を購入されて、いざ車中泊に行くことになったら、準備が必要です。車中泊をする際に、快適に過ごすためのアイテムを準備しておくと、今後も車中泊に行きやすいです。車中泊は宿泊施設のように至れり尽くせりという訳に行きませんので、快適に過ごしたいなら自分で用意しなければいけません。
物によっては最初にあった方が良かったと後悔するものもあるので、しっかり眠りたい方は要チェックです。軽自動車での車中泊におすすめの便利グッズをご紹介していきます。
おすすめの便利グッズ1つ目は、ルーフボックスです。1人で車中泊をするなら荷物の置き場がありますが、大人二人で車中泊をするとなると、荷物の置き場がなくなってしまうことがあります。そんなときに、軽自動車の屋根の上に取り付けるルーフボックスがあれば、荷物を収納しておけます。
容量も大きいものを選べば50kgほどまで積載できるタイプなどもあるので、室内を広々と就寝スペースに使いたい場合おすすめのアイテムです。
続いての便利グッズは、マットです。マットは車中泊をする上で、しっかり眠りたいなら必須アイテムというほど重要です。倒したシートの段差を埋める段差用のマットや、倒したシートの上に敷くマットなど形状やタイプも色々ありますが、よりフラットな状態で眠れます。
車中泊用マットは純正アクセサリーとして販売しているものもあって、純正部品の場合はサイズがしっかり合っているので寝心地、フィット感が抜群なのでおすすめです。アクセサリーとして販売されていない車種でも、キャンプや登山用のマットを使って代用も出来ます。
アウトドア用は石があったり凸凹のところで眠ることも想定されて作られているものが多いので、車内の段差もマットを敷くと気にならなくなります。最初から用意して、万全の準備をしましょう。
便利グッズ3つ目は、サンシェードです。車中泊をすると外の明かりや太陽が昇ってくると、場所によっては眩しくて目が覚めてしまいます。サンシェードのフロント用だけは、夏場に車内の熱を上げないために持っていらっしゃる方も多いですが、全面のサンシェードがあった方が車内も暗く出来ます。
また、車中泊をしていると外から覗かれる心配もあるので、目隠しの意味合いでも全ての面にあった方が落ち着いて眠ることが出来ます。食事中や着替えなども視線を気にしないで済むので、おすすめです。
車中泊におすすめの軽自動車や、車中泊に適した軽自動車の選び方をご紹介してきましたが、軽自動車でも大人2人、男性でもしっかり横になれる車は多いと感じた方も多いのではないでしょうか。軽自動車での車中泊と言うと我慢して狭くても眠る、仮眠レベルと思っていた方もイメージが覆されたはずです。
昨今、気軽に県外に遠出したり、大人数でワイワイ旅に出ることも出来ない状況もあります。車中泊にすると人との接触も減らせ、思い立った時に出かけることも可能です。軽自動車でも自分だけのキャンピングカーとして使えば、行動範囲も広がり、楽しみが増えること間違いなしです。お気に入りに軽自動車を見つけて、車中泊を楽しんでください。