人気アウトドアのひとつ、キャンプでは車で寝泊まりする車中泊もおすすめです。車中泊は大きな車でないとできない、と思っていませんか?
注目度の高いコンパクトカー・フィットでも少し手を加えるだけで車中泊ができるようになります。フィットオーナーでキャンプ好き必見、フィットで快適に車中泊できるアレンジ方法や便利グッズを紹介します。
目次
フィットは車の種類・名前、と把握している方がほとんどですが、そもそもどのような車なのでしょうか。フィットは国内大手の輸送機器メーカー・ホンダが生産・販売する自動車で、2001年6月に登場したハッチバック型のコンパクトカーです。
燃料タンクをフロントシートの下に置くことで車内は広く、車自体をコンパクトにすることに徹底しています。コンパクトカーですが軽自動車ではなく、同メーカーでは最小型になります。走行性能や低燃費に優れ、質の高い内装と高天井で、ファミリー層からの指示も高くなっています。
コンパクトカーにも関わらず車中泊に利用されているフィットは、なぜ車中泊に向いているのでしょうか。車中泊といえば車内スペースが広いハイエースなどのバンタイプに目が行きがちですが、フィットでも快適な車中泊ができる理由があります。
車中泊となれば一般的なドライブとは異なり、ある程度の荷物が必要になります。そこで便利なのが収納の豊富さです。
フィットにはセンターコンソールボックスやボトルホルダーはもちろん、上着などをかけることができるコートフックまであるのでハンガーに衣類やタオルをかけたり、S字フックで小物収納にもおすすめです。また、シートをフルフラットにすることで大きなスペースを作ることもできます。
車中泊もできるフィットにはたくさんのモデルがありますが、そのなかでもおすすめなのが2代目フィットをベースにした後継車・シャトルです。ステーションワゴンタイプで車内が広く、シートをフラットにすれば男性でもゆったりと寝ることができます。
後部座席をフラットにした状態でのルーフは約84cmとなり、圧迫感もほとんどありません。キャンプ以外に釣りやサーフィンなどのアウトドアにも最適で、ソロでの車中泊なら長いアウトドアアイテムも十分に収納できます。
フィットはこれまでに多くのモデルが登場していますが、フィットすべてが車中泊に最適、というわけではありません。車中泊に最適なフィットの中には後部座席をフルフラットにすればゆったりと足が伸ばせるスペースになるモデルもあります。
しかし2020年2月にフルモデルチェンジで登場した4代目の新型フィットは、フロントシートを最大まで前にスライドさせ、後部座席をフラットにした状態でも約165cmほどなので、170cm以上の方が寝泊まりするには少し難しいかもしれません。小柄な方であれば十分に対応できます。
フィットにはガソリン車とハイブリッド車の2タイプがありますが、どちらも燃料効率が良くなっています。特にハイブリッド車の低燃費はトップレベル、給油回数を減らすことができるので遠征にも適しています。
ガソリンスタンドの少ない場所でのアウトドアでも、ガソリン残量を気にすることなく安心して車中泊を楽しむことができます。カタログ燃費はあくまで参考であり、実燃費は運転方法や走行環境によってある程度は異なるので注意してください。
それでもフィットオーナーの実燃費を参考にしたデータでは、カタログ燃費よりも燃費が良いとの声も挙がっています。
【ガソリン車・WLTCモードカタログ燃費】
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費 |
---|---|---|
BASIC | 2WD | 20.4km/L |
BASIC | 4WD | 18.2km/L |
HOME | 2WD | 20.2km/L |
HOME | 4WD | 18.0kn/L |
NESS | 2WD | 19.6km/L |
NESS | 4WD | 17.0km/L |
CROSSTAR | 2WD | 19.4km/L |
CROSSTAR | 4WD | 17.4km/L |
LUXE | 2WD | 19.6km/L |
LUXE | 4WD | 17.0km/L |
【e:HEV(ハイブリット)車・WLTCモードカタログ燃費】
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費 |
---|---|---|
BASIC | 2WD | 29.4km/L |
BASIC | 4WD | 25.6km/L |
HOME | 2WD | 28.8km/L |
HOME | 4WD | 25.2kn/L |
NESS | 2WD | 27.4km/L |
NESS | 4WD | 23.2km/L |
CROSSTAR | 2WD | 27.2km/L |
CROSSTAR | 4WD | 24.0km/L |
LUXE | 2WD | 27.4km/L |
LUXE | 4WD | 23.2km/L |
フィットで車中泊する場合は後部座席などのシートアレンジが必須です。主なアレンジ方法は3タイプで、車中泊はソロがメインとなります。おすすめのアレンジ方法をチェックしてください。
車中泊を視野に入れたフィットの購入では、シートアレンジによってのスペースにもチェックが必要になります。自分の体格に合ったシートアレンジや、どんなモードで利用するかによって使用感は異なるため、車中泊をする前にしっかりと見極めましょう。
1人で車中泊するときは【ロングモード】が良いでしょう。足を曲げることなくゆったりとした就寝スペースを確保することができます。助手席側のシートをすべてフラットにして寝床を確保、運転席側は荷物置き場として活用できます。
ロングモードにするとスペースの長さは約220cm、高身長の方でもかなり余裕があります。ゆったりとした睡眠ができることはもちろん、休憩時にごろ寝するときにも広々と利用できます。
【ユーティリティモード】は2人で車中泊するときのシートアレンジで、後部座席をすべてフラットにする方法です。ロングモードのように伸び伸びとまではいきませんが、前の座席を最大まで前にスライドすることで約170cmほどになり、一般的な身長の方であれば十分寝ることができます。
荷物などは運転席と助手席に置けばOKです。ユーティリティモードは車中泊だけでなく、大きな荷物やサイクリング用の自転車を積むにも適しています。
のんびりとするなら前座席のヘッドレストを外してフラットにした【リフレッシュモード】がおすすめです。スペースは約160cm、小柄な方であれば休憩時だけでなく、そのまま就寝することもできます。
リフレッシュモードは1人でも2人でもOK、小さな子どもの休憩場や長距離移動の仮眠としても利用できます。
フィットは車中泊にも適した自動車ですが、いくつかの注意点があります。より快適な車中泊にするためにも注意すべき点はしっかりと把握しておきましょう。
車内を快適にするために便利なエアコンですが、車中泊のときには注意が必要です。フィットのハイブリット車はエンジンを止めてしまうとコンプレッサーが回転せず、エアコンが停止して送風だけになります。
しかしエンジンをONにした状態でエアコンを稼働させていると、バッテリーが上がるリスクが生じます。また、エンジンONで熟睡した場合に、知らない間にアクセルに足が乗ってしまい空ぶかしによる事故にも繋がります。
さらに長時間エンジンをONにした状態だと、車内に排気ガスが侵入して危険なので、できるだけエンジンはOFFにしておきましょう。
シートアレンジによってロングモードやリフレッシュモードなど、広々とした空間が作れるフィットですが、車中泊で快適に睡眠するためにもマットが不可欠です。
シートをフラット状にすることはできますが、凹凸があるので横になると違和感を感じます。その違和感を解消するためにもフラットにしたシートにマットを置くことをおすすめします。
頻繁にキャンプでテント泊している方であればテントマットを利用しても良いでしょう。車中泊専用マットもありますが、厚みや仕様など使いやすいものを選ぶようにします。
特にドライバーの方は疲れをしっかりとるためにも、マットを敷いてより良い睡眠ができるようにしてください。
フィットでの車中泊は車内だけでなく、車を停める場所にも注意してください。車中泊では一晩中同じ場所に車を停めておくことになります。
私有地に停車することはもちろん、道の駅やパーキングなど他のドライバーに迷惑になるようなところは避けるようにしてください。最近では道の駅やパーキングには車中泊禁止の表示があるところも多くなっていますが、そういった表示がない場合でも車中泊をしないように心がけてください。
また、車中泊する場合は、車の中で就寝するため、できるだけ平坦なところを選ぶようにしましょう。斜めになっている場所に車を停めると、横になったときにどうしても傾いてしまい、寝心地が悪くまります。それだけでなく、坂道で車が勝手に進んでしまうこともあるので気をつけましょう。
そしてできるだけトイレが近い場所がおすすめです。そこに留まるということは、用を足す必要もあり、近くにトイレがないと移動しなければいけません。オートキャンプ場などで車中泊するときは、事前に車中泊できるかどうかのチェックも忘れないようにしましょう。
フィットで快適な車中泊にするための便利グッズもあります。先程紹介したマットもそうですが、車中泊にはいくつかのアイテムを揃えておくことをおすすめします。そこで「これが揃っていればOK!」というお役立ちの便利グッズを紹介します。
フィットの車中泊では先程も記述したように安全面や構造上の問題からエアコンを付けておくことができません。そこで充電式のファンを利用してみましょう。
充電式であればバッテリーから電力を取る必要もなく、いつでも手軽に使うことができます。マキタの充電式ファンなら1充電で12時間以上の連続稼働が可能です。
首振り機能搭載で全身に風を送り、静音化されているため、就寝時でも音が気になりません。走行中に車内エアコンをガンガンに効かせておくことで、送風ファンでも十分快適です。
車内で寝るときは外からの視界を遮るためのサンシェードを使いましょう。夏場の日光から車を保護するためにサンシェードを使う方も多いですが、車中泊でも活躍します。
フィット専用サンシェードなら吸盤式になっているので取り外しが簡単、日光や外部からの視線を遮断しながらエアコンの効率アップ、燃費向上にもおすすめです。
フロントガラス用やサイドドアガラス用以外にピラーガラス用も揃っています。車中泊にカーテンを利用する方も少なくありませんが、フィット専用のサンシェードならサイズもジャストフィット、厚みもあるため車内で着替えをすることもできます。
120,600mAhの超大容量と3種類の出力方法を搭載し、コンセントのない場所でも電力を供給できます。スマートフォンなら約40回、ACコンセントからはノートPCを約15回フル充電可能です。
車中泊に便利なグッズリストにはポータブル電源も追加しておきましょう。ポータブル電源は簡単に言ってしまうとモバイルバッテリーのかなりハイパワーのあるアイテムではないでしょうか。
ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いは蓄電量と端子の種類です。ポータブル電源は自宅で使用するコンセントと同等の出力があり、対応端子はコンセントを差し込むAC電源やDCコンセント、USBと複数の機器に使うことができます。
ポータブル電源があれば電気毛布や扇風機などの家電を利用することができ、車内でも快適に過ごすことが可能になります。大きいものであれば電子レンジなどにも対応、屋外で冷凍食品もOKです。
Ankerのポータブル電源ならスマホやノートパソコンの充電以外にミニ冷蔵庫を7時間稼働させることもできます。
先程も記述したように、車中泊ではマットは必要不可欠な必須アイテムです。いくらフィットが快適に車中泊できる車であっても、就寝時はマットを使ったほうが良いでしょう。
キャンプマットでも良いですが、できれば車中泊専用のマットのほうがおすすめです。10cmの厚みがフラットにしたシートの段差を解消し、快適な寝心地に期待できます。
長さ198cmなので日本人の体型であれば十分に対応可能、2つ並べるときに便利な連結部分もあります。空気バルブを開くだけで膨らみ、収納時はコンパクトに畳めるため収納スペースをとりません。
車中泊ではエンジンをOFFにしておくことが前提となっていますが、季節によってはエアコンなしで窓を開けておくだけでも十分心地良く過ごすことができます。そんなときにおすすめなのが防虫ネットです。
風を通すために窓を開けておくと虫が入って困ますが防虫ネットがあれば安心です。防虫ネットは車中泊だけでなく普段のドライブにも最適、窓を開けて走行するときに利用すれば虫やゴミの侵入を防ぐことができます。
フィットは車内が広く、圧迫感も少ないため車中泊にはおすすめです。ちょっとしたシートアレンジや便利グッズを利用するだけで、快適な車中泊も可能になるでしょう。
人混みを避けて、自分だけの空間になる車中泊はリフレッシュにも最適!フィットを車中泊用に改造して、アウトドアを満喫してみましょう。