「洗濯にクエン酸を使うとよい」といった話をよく耳にするけれど、どんな効果があるのか、そもそもクエン酸とはなにか疑問に思われる方もいるでしょう。そこで今回は、クエン酸とはなにか、クエン酸で洗濯をするメリットやクエン酸を使って効果的に洗濯をする方法などについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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「クエン酸」という名前はメディアなどでも聞く頻度が高いですが、実際どんな酸なのかは知らないという方も珍しくないでしょう。しかしいまさら聞くのは恥ずかしいと思われる方もいるはずです。
ここでクエン酸についてチェックしてみましょう。クエン酸について正しい知識を手に入れ、生活に役立ててみてください。
クエン酸とはレモンやオレンジなどの柑橘類に含まれる酸っぱい成分のことで、摂取すると疲労回復・血流改善・美肌効果といった効果が得られることで知られています。
疲労や美容対策のサプリメントにもよく含まれているので、健康食品コーナーに並ぶ商品パッケージなどでその名前を見かける機会も多いかもしれません。入浴剤に含まれていることもあります。
このクエン酸ですが、その名の通り「酸」なので、漂白・殺菌・除菌などの効果もあります。もしかするとすでに掃除に活用しているという方もいるかもしれません。
クエン酸はもともと食で摂取する成分なので、万が一口に入れても安心ですし、小さなお子さんがいる家庭でも安心して使える成分なのです。
健康や美容対策だけでなく、クエン酸を活用して衣類の漂白や除菌もしてみましょう。
クエン酸で落とせる汚れと落とせない汚れがあります。ここでクエン酸で落とせる種類の汚れについてチェックしてみましょう。
クエン酸は酸性なので、カルシウムを溶かしたり、アルカリ性の物質を中和したりすることができます。そのため、掃除にもよく使われ、水回りの掃除で水垢を落とすときに大活躍するほか、トイレのアンモニア臭が気になる際にクエン酸を使うと消臭できます。
掃除に役立つイメージのクエン酸ですが、洗濯に使うと衣類に残った余分な洗剤を中和して落としてくれるので、洗い上りがすっきりとします。洗濯においてはクエン酸は洗剤というよりも柔軟剤としての役割が大きくなります。
特に最近流行している肌や環境にやさしいナチュラル系石鹸で洗濯をすると、石鹸カスが衣類の繊維の奥に残ってしまうケースも多々あります。こんなとき、洗濯するときに一緒にクエン酸を入れておけば、クエン酸が石鹸カスをうまく中和して溶かしてくれるので、洗い上りの衣類がふわっと柔らかくなるのです。
クエン酸で洗濯するメリットについて改めて確認していきましょう。毎日の洗濯にクエン酸を役立ててみてください。
クエン酸を使用するメリットとして一番最初に挙げられるのは、環境に優しいということが挙げられます。
最近は香り付きの柔軟剤が多く、中には香りが長続きするという効果をうたっているものも多くみられます。たとえばローズの香りが12時間続くなどと書かれていると、思わず手に取ってしまう方もいるでしょう。
しかし。それらの製品には微小なプラスチック容器であるマイクロカプセルに香り成分を閉じ込めたものが含まれており、化学物質過敏症の一つである「香害」を引き起こすとされています。
また、マイクロカプセルは主にメラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイソシアネートモノマーなどといったプラスチック素材でできており、そのサイズは1㎛(マイクロメートル=100万分の1メートル)と極小です。
花粉症の原因となる花粉のサイズが花粉が約30㎛なので、それに比べると、このプラスチック製のマイクロカプセルがどれだけ小さいのかがわかります。たとえばマスクをしていても、これらのマイクロカプセルはマスクを通過してしまうほど小さいのです。
マイクロカプセルは香りを放出した後も、容器であるプラスチックは分解されずに残り、どんなに水を浄水しても取り切れずに残るので、環境に悪影響を及ぼすとされています。
その点、クエン酸を使えばこういった環境や健康に悪影響を及ぼす香り成分は含まれていませんし、もともと食品に含まれている成分なので吸い込んでも安心です。
どうしても香りが必要であれば、ラベンダーオイルやローズオイルなど自然由来のエッセンシャルオイルなどを洗濯物に使うのも一案です。
生乾きの洗濯物から不快な臭いがすることもあります。雨続きの日などやむを得ず室内干しをする方も多いですが、この室内干しの嫌な臭いをなんとかしたいと考える方も多いはず。
洗濯物の不快な臭いは雑菌の繁殖によりますが、クエン酸を洗濯時に使えば雑菌の繁殖を防いでくれるので、不快な臭いの防止にも役立ちます。
臭いの防止だけでなく、香りをつけたい場合はクエン酸リンスがおすすめです。精製水200mlにクエン酸とグリセリンをそれぞれ大さじ2杯ずついれます。そこにお好みのアロマエッセンスを15滴ほど垂らして混ぜたら出来上がりです。
このクエン酸リンス30mlを洗濯機へ投入し、洗濯機のスイッチを入れたら完了です。洗濯機のなかに入れすぎたり、デリケート素材の洗濯物と一緒に使ったりすると、傷むおそれがあるので気を付けてください。
肌のデリケートな人やお子さんや妊婦などはアロマオイルの刺激で気分が悪くなる可能性もゼロではないので、適量を守るようにしましょう。クエン酸リンスであれば合成香料を使っていないので安心です。
洗剤を入れてしっかりと洗濯をしたはずなのに、干しているときに取り切れていない汚れに気が付くこともあるでしょう。一般的に洗剤はアルカリ性なので、汚れの種類によっては衣類の汚れが取れないこともあります。
また洗剤カスがゆすぎで溶け切らず、繊維の奥にしみこんで残っているケースもあります。
汚れや洗剤カスが取れていないからと言って、洗濯物を2度洗いをすると衣類が傷む原因にもなりかねません。クエン酸であれば、塩素や酸素系の漂白剤を使うよりも衣類に負担をかけることなく、汚れや臭いを一回ですっきりと落とせます。
クエン酸が洗濯に役立つことがわかりましたが、その効果を発揮させるためには効果的な使用方法が大切です。ここでどのようにして使ったらよいのか、具体的に説明するので参考にしてみてください。
洗濯をするときに洗剤と一緒にクエン酸を入れればよいと思われるかもしれませんが、アルカリ性の洗剤と酸性のクエン酸を一緒に入れてしまうとお互いに中和してしまい、洗浄効果などがなくなってしまいます。
面倒かもしれませんが、使うときは、クエン酸と洗剤は別々に使うようにしましょう。
使い方は、いつものように洗濯物を洗濯機に入れ、スイッチを入れます、水が流れ出したらそこにクエン酸を入れます。量は水30リットルに対して30gの粉末クエン酸を入れるようにしましょう。
粉末状の洗剤を使うときのように、洗剤投入口へクエン酸を入れて溶かし入れます。すべて入れたら、あとはいつも通り自動で洗濯機を起動するだけです。洗濯機が終わったら干して終了です。
洗剤を使ったときよりも半乾きの匂いがしにくくなります。洗濯物の臭いが気になったら、クエン酸の出番です。
すでにお話ししたように、クエン酸は柔軟剤代わりに使うことができます。使い方は洗濯機に衣類を入れ、通常の洗濯用洗剤を投入して、いつものようにスイッチを入れます。
そして次に洗濯機がすすぎ段階に入り水が透明になってきたら、一度洗濯機を止めましょう。そしてクエン酸を投入します。クエン酸の量は、水30Lに対し粉末クエン酸3gです。あとはいつものように脱水まで行い干すだけです。
このすすぎのときにクエン酸を入れることにより、衣類がよりふんわりするようになります。入れるタイミングを間違えないようにしてください。
洗濯した後の衣類のごわつきは、衣類の繊維奥に残った洗剤カスが原因の一つだとされています。クエン酸を入れれば残った洗剤カスを中和して溶かしてくれるので、衣類に洗剤カスが残ることもありません。よって衣類が柔らかくなります。
クエン酸は洗剤ではきれいにならなかった衣類のつけ置き洗いにもぴったりです。洗面器やバケツに、200mlの水、もしくはぬるま湯に対して小さじ1杯のクエン酸を混ぜ合わせてください。そこに汚れた洗濯物をつけおきし、汚れが浮いてくるのを待ちます。つけおき後は、洗濯機に入れて30秒ほど脱水にかけてください。
脱水後は、風通しのよい場所に干せば完了です。クエン酸は洗濯物をふんわりさせるだけでなく、消臭や除菌効果もあるといわれています。洗濯ものの気になる臭いがとれない場合にはクエン酸を使ってつけ置き洗いをしてみましょう。
洗濯層の汚れを放置しておくと、内部にカビや雑菌が生え、洗濯したはずの洗濯物がきれいにならずに汚れる可能性もあります。定期的に洗濯層の掃除をすることが大切です。
クエン酸を洗濯層の掃除に使うときは、まず洗濯層の中にあるゴミ取りネットを外して、洗濯機のふちぎりぎりまで水を張りましょう。そして粉末クエン酸を中に入れます。クエン酸の量は、水50Lに対して粉末クエン酸を20~30g入れます。
そして通常の洗いコースで最後まで空回しします。クエン酸の量は汚れ度合いに応じて調節しながら適量を入れるようにしましょう。
洗濯層の中には溶けきらなかった洗剤カスがたまりがちです。クエン酸を入れて洗濯層を回せば、クエン酸が洗濯層に残った石鹸カスをしっかりと溶かしてくれるので、洗濯カスによる雑菌やカビの繁殖を減らす効果が期待できます。
クエン酸を洗濯に使うとき、どんなことに注意しなければいけないのかご紹介します。実際にクエン酸を使う前によく参考にしてください。
クエン酸は酸なので、塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガスを発生する可能性があります。たとえば塩素系漂白剤を使った後の洗面器やバケツにクエン酸粉末を入れるときは、うっかり混ざらないようしっかりとゆすぐようにしましょう。
洗濯機の中で混ざる可能性は少ないはずですが、万が一ということがあるので混ぜて使用してしまわないよう注意してください。
家の中でストックするときも、クエン酸粉末と塩素系漂白剤の入れ物が漏れたり倒れたりして混ざることがないよう注意しましょう。保管場所は離れたところにしておくと安心です。
クエン酸は安心して使える素材ではありますが、お子さんの手が届かないところに保管することがおすすめです。
クエン酸はもともと口から摂取してもよいものですし、健康や環境に害がないということで頻繁に使用したいと考える方もいるでしょう。しかしあくまでも「酸」なので、あまり高頻度で使用すると逆に衣類の繊維が傷むこともあります。
クエン酸を使うのは洗濯物の臭いが気になるときや、洗剤で汚れが落としきれないときなどに使うようにしてください。
健康や環境に悪影響がないからといって、容量を適当にし多すぎてしまうと酸で衣類が傷む可能性があります。洗濯なら水30Lに対しクエン酸10g、柔軟剤として使うときは30Lに対して3gの容量をきちんと守るようにしてください。
また、柔軟剤代わりに使ったときに少しでもふんわり感を残そうと、軽いゆすぎで済ませるのも控えましょう。酸が残っていると肌に刺激を与えチクチクすることもあります。きちんとクエン酸が取り除けるようにしっかりとゆすいでください。
クエン酸といってもどのクエン酸を選んだらよいのか迷ってしまいます。ここで洗濯におすすめのクエン酸3選をご紹介するので、参考にしてみてください。メーカーによって容量や粉末もしくは粒状など形状にも差があるのでチェックしましょう。
お馴染みの激落ちくんシリーズにもクエン酸があります。粉のまま使ってもよいですし、水に溶かしても使えるので便利です。400g入っているので容量もたっぷり、洗濯はもちろん掃除にも活躍するので、一つ家にストックしておくと便利です。
激落ちくんシリーズにはナチュラルクリーニングにぴったりの商品がそろっているので、ライン使いしてみるのも名案です。
粉末まではいかない粒状のクエン酸がたっぷりと800g入った商品です。これ一つで長い期間使えそうです。クエン酸は家中の掃除、洗濯で役立つので大容量のものがおすすめです。
まだクエン酸を使い慣れていないと、最初から大容量入りを買うのは抵抗があるという方もいるでしょう。この「暮らしのクエン酸」は330gとクエン酸を使い始める方にぴったりの容量です。使い慣れてきたらもう少し容量の多いものを探してみるのも一案です。
今回はクエン酸についてご紹介しましたが、いかがでしたか?クエン酸は洗濯用洗剤の代わりとしても使えますし、柔軟剤としても活躍します。洗剤では取り切れない汚れも、クエン酸があれば解決です。
また、洗濯層の掃除や水回りの掃除などにも使えるので、ぜひ一度クエン酸を試してみてください。健康や環境にも優しいクエン酸は、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。