日本の運送会社の代表のひとつである西濃運輸株式会社。宅配便やチャーター便、特急便、国際宅急便などの運送サービスを展開しています。本記事では西濃運輸の仕事内容をはじめ、ブラック企業というイメージの原因やリアルな口コミ・評判を解説していきます。
目次
西濃運輸株式会社(SEINO TRANSPORTATION CO.,LTD.)は、2005年に設立した日本の運送会社です。2019年3月31日現在の社員数は12,530名と大規模な会社で、日本の全国各地に物流拠点を持っています。
西濃運輸はカンガルー特急便を中心とした商業物流サービス事業を展開しています。宅配便や特急便をはじめチャーター便や引っ越し、国際宅配便など様々な輸送サービスを行っています。
【西濃運輸のドライバーの一日の仕事の流れ】
時間内に仕事が終わらない場合は残業となります。また、朝から夕方までの日勤と、夜勤があります。
運送会社の仕事はブラックだと言われる傾向があるため、西濃運輸の仕事がきつくてブラックなのか気になる方も多いことでしょう。まずは、なぜ西濃運輸の仕事がきついと言われるのか解説していきます。
西濃運輸だけではなく、どの運送会社にも「ドライバーの対応や態度」「指定時間通りに荷物が届かない」「荷物の破損」といったクレームが届きます。クレームは事務所だけではなくドライバーに直接届くことも多く、規模の大きい運送会社はそれだけクレームの数も多くなりがちです。
確かにクレーム対応はストレスにつながってしまう問題ですが、西濃運輸はクレームが多いという噂があったとしても、どの会社にでもあることだと考えて良いでしょう。
運送業はどこも労働時間が長いことで知られていますが、西濃運輸も時間の拘束が長いという口コミが多く見られます。
荷物の量や従業員の人数などに左右されることも多く、朝の5~6時に出社して20~23時頃に仕事が終わるということもあるようです。「たとえ残業代が出るとしても、拘束時間が長いのは苦痛に感じる」という方は注意が必要です。
セールスドライバーはチームで仕事を進めていくため、職場での人間関係が悪いと働きにくくなる原因になってしまいます。それだけではなく、リーダーや管理職からの一方的な指示や、口調がきついといったことに悩みを抱えているケースも多いです。
職場に気が合わない人がいることが原因で仕事を辞める人がいる一方で、チームの関係性が良好な場合もあるので、過度に不安に思う必要はないと言えるでしょう。
取引している荷主からの斡旋販売はよく耳にする話ですが、西濃運輸には自分にとって不要な商品であっても購入するように促される「ノルマを課せられる」問題があります。関係者の口コミでは年3回物販が行われているようなので、従業員の金銭的な負担につながると言えます。
そもそも荷主からの依頼を従業員に押し付けていることが問題であり、いらないものを定期的に買わされる従業員は不満に感じてしまうようです。
西濃運輸のドライバーの月給はおよそ20~40万円とされていますが、その中には残業代が含まれているので注意が必要です。また、給料形態が「基本給と業績給」となっているため、月給の変動が大きいという不満を持っている社員もいます。
その一方で賞与が年二回必ず支給されるので満足しているという方も多く、基本的には年功序列で昇給するので長く働きたい方向きだという意見もあるようです。ただし、支店の業績で給与が変動するのは避けたいという方は給与の仕組みを確認しておく必要があると言えるでしょう。
西濃運輸がブラック企業と言われているのには、過去のある事件が関係しています。それは、西濃運輸でクレーム対応をしていた男性社員が度重なる長時間残業によりうつ病を発症し、自殺をした事件です。男性社員が複数回退職届を出すも拒否されており、遺族から慰謝料と損害賠償として8,100万円の提訴を受けています。
このことで西濃運輸はブラック企業だというイメージが世間に広まり、2013年のブラック企業にノミネートされています。
運送業界全体のブラックな印象に加えて過去の事件によるネガティブなイメージを持たれることの多い西濃運輸ですが、現在はホワイト企業だと言われています。その理由は以下のようなことが考えられます。
西濃運輸は先述した自殺事件後、サービス残業をはじめとする労働環境の改善が行われており、現在では残業代を受け取ることができています。
注意したいのは、全ての事業所でサービス残業が無くなったと言い切れないため、上司の考え方や方針などに左右されることがある点です。また、仕事量が多いことから早朝に出勤することが当たり前というような事業所もあるので、事前に口コミをチェックしたり、面接時に確認することをおすすめします。
西濃運輸は大手企業というだけあって福利厚生が充実しています。社内貯蓄制度や慶弔給付金、資格取得奨励金、退職金制度、持株会制度など手厚い内容で、安心して働くことができます。
そのほか家族手当がつくなど既婚者への待遇が良く、住宅補助も支給されます。社宅や寮が完備されているので出費を抑えながら働くことが可能です。そのため、金銭面で条件の良い会社を探している方に選ばれています。
西濃運輸の募集要項を見てみると、業務未経験でも歓迎と記載されており、実際に必要な資格は普通免許のみです。福利厚生に資格取得奨励金もあるので、業務に必要な資格も取得することができます。
また、入社後は3か月間研修期間となっているので、全く違う分野からの転職を考えている方でも安心して働き始められると言えるでしょう。また、普段はチームで仕事をする場合でも一度配達に出れば一人で作業する時間もあるので、適度な距離感で仕事をすることができます。
ここからは西濃運輸のリアルな口コミをご紹介します。仕事をするうえで外せないポイントは必ずチェックしておきましょう。所属する事業所によって状況が異なりますが、参考にしてみてください。
この仕事は物流の量で給与も忙しさも変わるので、頑張ったら頑張った分返ってくるという部分でやりがいを感じています。引用:キャリコネ
決して給料は良いとは言えないが、一応は上場企業というだけあり、他社(他業界含む)に比べればといいと思う。引用:キャリコネ
大手なのでお給料が安定しているという口コミや、「やればやった分だけお給料に反映される」といった評価も多く見られました。ただし、現状では残業が前提になっているようです。
社会保険、社員寮、企業年金制度、財形貯蓄、社員食堂、資格取得支援、家族手当等もさることながら、労働組合による様々な年代に参加してもらえる様に考えられた行事もあり、福利厚生については企業規模が大きい為に全て網羅しているのではないかと思います。引用:カンパニー通信
一通りの福利厚生はそろっています。寮は用意されていますが、配属される場所によってはお世辞にも住めると言えないような寮もあります。外部で借りた場合の家賃補助はありません。引用:ライトハウス
運送会社にありがちな拘束時間の長さや体力が必要といった点に不満を持っている場合でも、福利厚生には満足している方が多いようです。
この業種では普通な仕事量だと思う。だだ肉体労働なので体調管理は自分でしっかりしなければならない。そうしなければ、ついていけず、体が壊れる。休みは毎月決められた日数あるし、有給はたまに強制的に取らされる。引用:ライトハウス
みなし残業があり、実際にはタイムカード以上に労働をしている。さらに点検や洗車は労働時間とみられていないので、公休をつぶして洗車や整備をしに会社へ行っている人もいます。引用:ライトハウス
仕事は分担をするので、一人に膨大な仕事が与えられるわけではありません。ただし、配達先の不在などが重なった時に予定以上に仕事が増えてしまうことがよくあります。また、洗車や車の点検・整備を休日に行うことがある点に注意が必要です。
休みの日などに会社から連絡が来ることはないので家族サービスに集中できます。引用:長距離トラック運転手倶楽部
自分は半日勤務でしたが、メール便や小荷物の配達で契約時間ぎりぎりまでかかることが多く、早く担当区域の配達が終了した同僚が応援に来てくれました。引用:ライトハウス
セールスドライバーの場合はチームで仕事をするため、どうしても人間関係がつきまといます。こればかりは運もありますが、割り切って仕事をするスタンスでいれば一般的な職業と同程度の人間関係を築きながら業務を行えるでしょう。
また、ドライバーという職業である以上、持ち帰りの仕事がないので休日は自分の時間を取れてオン・オフの切り替えができるようです。
本記事では西濃運輸の仕事内容やブラック企業と言われている理由、口コミや評判をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。過去にブラック企業に認定されたことのある西濃運輸ですが、現在はサービス残業などのブラックな働き方が少しずつ改善されています。また、大規模な会社であることから福利厚生がしっかりしていることを魅力に感じている方が多いようです。
ただし、クレーム対応や営業ノルマ、早朝出勤などを不満に感じている従業員の方もいるので、ブラックと言われている原因も把握することをおすすめします。未経験歓迎の求人も多く出ている西濃運輸への就職や転職を考えている方は、ぜひ実際に働いたことがある方の口コミを参考にしてみてください。