大手宅配事業を手掛ける佐川急便は、誰もが知る配送業者です。転職を考えたときに「佐川急便は給料が高い」と聞いた方も少なくありません。
せっかく転職するなら給料の高い企業に勤めたいと考えるのは当たり前ではないでしょうか。そこで佐川急便の給料や年収、実際の仕事内容や昇給、ハードとされる勤務時間や福利厚生などについてまとめてみました。
目次
佐川急便は京都府京都市に本社を構えるSGホールディングスの子会社です。1957年創業、元々は京都・大阪間をメインに運送業を営んでいましたが、1965年に法人として設立され、現在では国内全域を対象としています。
2020年12月時点で国内にある支店・営業所は428営業所あり、2020年3月時点で従業員数56,266人、車両保有台数26,661台となっています。
佐川急便と聞いて思い浮かべる仕事は荷物を運ぶ宅配業務ではないでしょうか。しかし佐川急便には配達以外の仕事もあります。実際に佐川急便に転職した場合にどの仕事がしたいのか、参考にしてみてください。
【カスタマー】
依頼者からの要望を受けて担当ドライバーに連絡をしたり、再度依頼者に連絡するなどの電話業務で、受け取り時間の変更や問い合わせに答える役割をしています。
しっかりとした聞き取りや礼儀正しい受け答えを必要とするため、新人や若年層には厳しい場合もあります。カスタマーに配属されるのは女性が多く、電話対応以外にパソコンを使うのである程度のパソコンスキルが求められます。
また、保険請求や体外文書作成といった事務的なことも行い、場合によっては伝票作成や入金管理の一部を請け負うこともあります。
【配送・フィールド職】
支店・営業所、中継センターで預かった荷物の荷下ろしや分類、積み込み、貴重品など荷物管理を行います。大小様々な荷物を荷下ろしする為腰に負担がかかりやすく、かなり辛い作業も多くあります。
集配された荷物の伝票を確認し、効率良く仕分け作業をして、クール便や割れ物など荷物それぞれに適した発送方法の段取りもフィールド職の仕事です。
また、トラックが到着する時間や出発する時間などのスケジュール管理を把握して遅れや間違いがないように作業します。荷物の流れを管理する重要な仕事であり、適切な判断能力が必要とされます。
【セールスドライバー】
普段良く見かけるおなじみのトラックで荷物を集配する、セールスドライバーの仕事です。一定エリア内にある10件以上の顧客を任され、短時間でのコミニュケーションとスピーディーな集配を求められ、鋭い洞察力と俊敏な機動性を必要とします。
また、担当エリアの顧客からの相談や様々な提案を行う場合もあります。ドライバーとして仕事をするのであれば中型免許必須、佐川急便独自の安全運転教習での指導を受けることが義務付けられています。
【軽四セールスドライバー】
住宅街など狭い道路にも対応できるように、軽自動車での集荷・配達がメインの仕事です。比較的小型の荷物を取り扱うため、体力的な負担が少なめとなっています。
上記セールスドライバーの顧客が企業系に対し、こちらは個人宅が多いため、より細やかな接客態度を求められることがあるため、女性ドライバーも多く活躍している部署です。
運転する軽自動車はAT車もあるので、中型免許がなくトラックが運転できない、マニュアル車の運転が難しい方にもおすすめできます。
【セールスデリバリー職】
商業地区やオフィス街などをメインに集荷・配達を行いますが、上記のセールスドライバーとは異なり車を使いません。その為運転免許証がなくても作業することができ、交通渋滞に巻き込まれることもありません。
集荷・配達と同時に営業活動することもあります。拠点となるサービスセンターではチームワーク力も重要となっています。また、サービスセンターに直接荷物の依頼や引取を行うことも可能な為、訪れた人の対応もします。
様々な職種がある佐川急便ですが、実際に働くとなれば給料がどのくらいなのか気になるところです。こちらでは佐川急便の代表的な仕事であるセールスドライバーの給料をメインにまとめてみました。
記載されている年収・給料はおおよその相場であり、年齢や業績、勤務体制、勤続年数、役職など各要因によって異なるため、必ずしもその額ではありません。
高収入と思われることが多い佐川急便ですが、実際の平均給料は年収450万~500万円前後だと言われています。
佐川急便では営業所によっては週休2日制と週休3日制があり、もちろんそれぞれで月収額が異なります。週休2日制の平均給料は33万~43万円、週休3日制では28万~35万円となっています。
近年ネットショッピング利用の急増により宅配業者も多忙になっているため、給料が上がる可能性もあります。佐川急便の給料は基本給+成果給+各種手当てになります。
そこから積立金や諸々の諸費をマイナスした金額が手取りになりますが、勤続年数やセールスドライバーと軽四ドライバーなど仕事内容によっても異なります。ドライバー以外の平均年収についてはこちらの表を参考にしてください。
【佐川急便の平均年収】
職種 | 平均年収 |
---|---|
カスタマー(正社員) | 260万円 |
カスタマーサービス(正社員) | 300万円 |
セールスドライバー(正社員) | 359万円 |
ドライバー(正社員) | 467万円 |
一般(正社員) | 430万円 |
一般職(正社員) | 370万円 |
主任(正社員) | 500万円 |
セールスデリバリー(契約社員) | 250万円 |
セールスドライバー(契約社員) | 300万円 |
営業(契約社員) | 360万円 |
配送管理課(契約社員) | 140万円 |
給料は年齢よっても変わってきますが、もちろん早く入社することで同じ年齢であっても給料に違いが出てきます。年齢別に年収や給料、ボーナスなどの違いもチェックしてみましょう。
年齢 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
---|---|---|---|
20~24歳 | 235~285万円 | 18万円 | 71万円 |
25~29歳 | 305~355万円 | 22万円 | 89万円 |
30~34歳 | 290~390万円 | 24万円 | 98万円 |
35~39歳 | 341~445万円 | 28万円 | 111万円 |
40~44歳 | 379~500万円 | 31万円 | 125万円 |
45~49歳 | 438~560万円 | 35万円 | 140万円 |
50~54歳 | 490~600万円 | 38万円 | 150万円 |
55~59歳 | 485~595万円 | 37万円 | 149万円 |
60~65歳 | 305~405万円 | 25万円 | 101万円 |
上記の表を見て分かるように、年収・給料がもっとも多いのが50~54歳となっています。これは勤続年数が長い、役職手当などに該当する場合があると考えられています。
給料は最終学歴によっても左右されます。こちらでは高卒・短大卒・大卒の3つを比較していますが、佐川急便では中卒採用者も在籍しています。
正社員では難しいかもしれませんが、準社員やパート・アルバイトなどでは学歴不問とされる場合も少なくありません。
その為現役スタッフが中卒という方もいるようです。比較したのは年収額がもっとも高い50~54歳を対象にしています。
最終学歴 | 年収(50~54歳) |
---|---|
高卒 | 480万円 |
短大卒 | 564万円 |
大卒 | 750万円 |
大卒が一番高い理由のひとつに、本社勤務率が高い傾向にあるからです。これは佐川急便だけでなく、どの企業でも最終学歴別に給料が異なり、大卒がもっとも高くなっています。
巷では佐川急便は高給取り、年収1,000万円という噂がありますが、実際に年収1,000万円という時代もあったそうです。
昔の佐川急便はブラック企業のお手本のような労働環境で、長時間労働や残業はもちろん10日以上の連勤、ひどいときには日付が変わっても働き、徹夜や会社に寝泊まりしている方もいたようです。
そんな劣悪な環境下でも働いた分の給料は支払われていたため、年収1,000万円もありました。しかし現在はそのような労働環境は改善されています。
今でも残業があったり、繁忙期には忙しいこともありますが、休日がない、徹夜するといったこともなく、年収1,000万円はほぼありえません。しかし1,000万円とはいかなくても、運送会社のなかでは高めの年収ではないでしょうか。
佐川急便が高給取りと言われるひとつに退職金があり、定年後の退職金は役職や部署に関係なく1,000万円を超えることがあったそうです。
しかし現在佐川急便では退職金制度を廃止し、【確定拠出年金制度】を取り入れました。そのため退職時にもらえる額は一部で、あとは60歳になってからの引き出しになります。年金の運用によって受給額が異なるため、退職金額の相場予想が分かりにくくなっています。
佐川急便で働く場合、給料面以外の勤務時間や福利厚生などの待遇もチェックしておきましょう。転職したものの、福利厚生に不安がある為再び転職した、ということも珍しくなく、やはり長く働くであれば職場の待遇はしっかりと確認することをおすすめします。
年収1,000万円の時代にはもはや勤務時間以外の労働は当たり前でしたが、現在佐川急便の労働時間は基本的に7時から16時となっています。
しかし仕事の多さや、夜の時間指定がある荷物も増えているので、実働21時までというのも珍しくありません。定時に帰宅することはなかなか難しいでしょう。
大手企業である佐川急便の福利厚生はかなり良い待遇です。社会保険完備と確定拠出年金制度、貸付金制度もあります。
さらに運転免許取得支援や安全運転基礎研修、土地勘のない場所でもサポートしてくれる独り立ち研修制度も整っています。通勤手当や独身寮のある営業所もあります。
佐川急便ドライバーは基本給や残業代以外で給料を増やすためのコツがあります。「もっと稼ぎたい!」という方におすすめの手段をまとめました。
佐川急便では業績がそのまま給料アップに繋がるため、顧客からの信頼度を上げるには接客技術が必須となります。また、新規顧客を得ることができればそのまま仕事が増え、給料が増えます。
さらに作業効率を上げるために常に道路状況を把握して渋滞に巻き込まれないことも重要です。作業効率を上げるためには体力がいるため、身体を鍛えるのも良いでしょう。
これらを身につけるためには独自で習得する以外に、仕事のできるスタッフを見習う方法もおすすめです。
一般的な企業のような会社自体の休みがなく、社員は交代での休みとなります。休みの日は月9日、もし出勤する場合は代休をとらなければいけません。
営業所によって異なりますが、週休3日制、年間休日数155日を導入しているところもあります。しかし佐川急便は忙しい企業でもあるため連休にすることは難しいでしょう。
また、担当エリアによって休める日に偏りがあり、ビジネス街など企業系の顧客が多いエリアは比較的に土日祝日に休みが取りやすくなっています。逆に平日休みが良い場合は住宅街担当がおすすめです。
高給取りと言われる佐川急便では基本給はそれほど高くないものの、残業代で稼ぐことができます。年齢や学歴によって給料に違いがありますが、運送業のなかでは比較的高水準の給料なのではないでしょうか。佐川急便に転職を考えている方は参考にしてみてください。
ドラEVERは、ドライバー求人限定の転職サイト。掲載件数は2,500件近く、ドライバー求人サイトとしては日本最大級の規模を誇ります。
ドラEVERは無料登録でさまざまな求人情報を閲覧できるのが大きな魅力、
1クリックで複数の会社に一括応募できるだけでなく、場合によっては企業から直接スカウトがくることも珍しくありません。
ドラEVERの登録方法はとってもシンプル。以下の情報を入力するだけで、たった1分で完了します!
ドラEVERの優れた点としては、アプリを活用できる点が挙げられます。
地図上に自宅や現在地を入力すれば、近所の求人が一目瞭然に!さらに希望条件などで絞り込めば、近所で理想の仕事を見つけることも決して夢ではありません。