トラック運転手というと、学歴が問われない職業であることや、ハードな仕事環境で働いている方が多いため、底辺職業だと考えてしまいがちです。では、トラック運転手は本当にみんなが考えているような底辺の職業なのでしょうか。
当記事内では、トラック運転手が底辺という印象を持たれる理由や、トラック運転手は本当に底辺なのかについて検証していきます。この記事を読めば、トラック運転手への見方が変わるかもしれません。
目次
トラック運転手が底辺と言われる理由は何でしょうか。一般的に底辺とみんなが感じている8つの理由について、1つ1つ確認していきましょう。
大型トラックがよく待機する場所や、大型トラックが利用する高速道路のサービスエリアにおいて、生活ゴミまで捨てる運転手が多いという苦情が、数多くSNSに寄せられています。
また、ゴミの分別がされないまま、袋ごとまとめてゴミ箱に突っ込まれているという指摘もあります。トラック運転手のゴミの捨て方1つで、マナーが悪いという印象を持たれてしまっています。
さらに、高速道路で運転マナーが悪いトラックにハイビームであおられるという経験をしている方もいます。車体が大きいトラックにこうした行為をされると、マナーが悪いと感じる人が出るのも無理はありません。
給料が安いことも底辺職だと思われてしまう原因の1つです。日本では過去に規制緩和が実施されたことにより、新しく運送会社を始める会社が一気に増え、過剰な競争状態に陥りました。
倒産の危機に追い込まれた会社の中には、「会社が倒産するよりは、少々ドライバーに負担はかかるけど、頑張ってもらおう」と考える会社が多くなり、結局はドライバーにしわ寄せが行く結果となりました。
このような運送業界の苦難の時期が長引くことで、トラック運転手は待遇面できつい仕事であるというイメージが広まってしまいました。
トラック運転手は、とにかく長時間勤務が多いという印象を持たれがちです。夜勤、長距離運転、なかなか家に帰れないなど、勤務態勢が過酷であることは広く知られています。
実際のところ、トラック運転手の勤務は拘束時間が平均12時間とも言われていて、時にはもっと長く拘束されることもあります。
他の職種と比べても基本拘束時間が長く、その上残業があることも考えると、トラック運転手はきつい底辺の仕事だと認識されてしまいます。
低学歴でも雇ってもらえるという採用条件の緩さから、底辺と思われてしまうことがあります。トラックの運転手になる条件が、運転免許を持っていることや健康体であることなど、誰でもできそうな職種に思われがちです。
身なりが汚い、だらしがない格好をしているなどのクレームも一般的です。運送会社によっては、ジャージ素材の私服で運転することが許されていますし、実際シャツがはみ出ていたりヒゲを整えていない運転手の方もいるのは事実です。
ネット上ではあおり運転や危険な運転をするトラック運転手に対するクレームが多く見られ、そのような危険運転をするトラック運転手を総じて底辺と見なす傾向にあります。
運転スピードが極端に遅いトラックも周りの車をイライラさせる原因になっています。特に、ロングトレーラーや追い越し禁止区間でのノロノロ運転、また追い越し車線がない道路上で運転のスピードが遅いと反感に繋がってしまいます。
トラック運転手は仕事柄ストレスが溜まることも多いため、イライラが直接運転に繋がりやすいと言えます。
では、トラック運転手はどうして底辺というイメージを持たれやすいのでしょうか。また、トラック運転手は本当に底辺の仕事なのでしょうか。
トラック運転手という仕事は学歴に関係なくできるため、トラック運転手イコール低学歴と思われがちです。
実際トラックドライバーとして働く人の多くは、中卒や高卒が多く、学歴に関係なくできる仕事は、誰にでもできる底辺の仕事だと思われやすいです。
しかし、トラックを運転するのは簡単で誰にでもできる仕事ではありません。トラック運転手は特別なライセンスを取得しなければいけませんし、普通の車とは違う運転技術が必要になります。
トラックを運転するという難しい仕事を普通にこなせてしまう運転手は、まさに運転のプロと呼べるでしょう。高度な技術を持ったプロフェッショナルであるトラック運転手を底辺と呼ぶのは大間違いです。
このように、特別な技術が求められる仕事なので、トラック運転手は高収入を得られることが多いです。例えば、年収500万円以上のトラック運転手は多いですし、もっと高額な年収を得ているトラック運転手もたくさんいます。
一般的に底辺職業と見なされているトラック運転手になるには、多大の努力が求められる点にも注目できます。
教習所に通って労力とお金を費やし、大型免許を取得してトラックを運転できるようになるまでには、時間がかかります。誰もが簡単に手を出せる職種でないことは明らかです。
別の点として、トラック運転手が比較的服装や髪型などの身だしなみの点で自由であることも、誤解をまねく要因になっています。
とはいえ、大切なのは任された仕事を責任をもって果たしているかどうかということです。見た目が派手、格好がきちんとしていないなどの理由でトラック運転手を底辺と決めつけるのは、間違っているといえるでしょう。
ここまでで、トラックドライバーにまつわるネガティブなイメージと、そう思われる理由について検証してきましたが、それでもまだトラックドライバーはやはり底辺職業というイメージを払拭できない方も多いのではないでしょうか。
では、少し視点を変えて、トラック運転手という仕事の重要性について考えてみましょう。例えば、当たり前のように毎日食べているお米や野菜ですが、そうした食料はどのようにあなたの手元に届いているでしょうか?
さらに日常的に活用する機会が増えているインターネットでの買い物や、生活に欠かせない身近な存在となっているコンビニ。こうしたお店で販売されている商品は、工場からカスタマーの手元に届くまでに、さまざまな工程を経ていることはご存知のことでしょう。
その大切な配送過程を支えているのが、トラック運転手の存在なのです。個人レベルでも十分に恩恵を受けている訳ですが、それがもっと大きな社会の構造を担う会社や学校、病院、公共の施設などに関係する配送ならどうでしょうか。
トラックがなければ、またトラックを運転してくれるドライバーの方がいなければ、こうした社会の土台さえが揺るがされる事態になりかねません。トラック運転手とは、このように社会的にも意義のある仕事なのです。
トラック運転手はみんな頭が悪いか前科者というイメージも、トラック運転手にはつきものです。免許さえ持っていれば誰でもトラック運転手になれるという誤解から生まれた噂です。
しかし、トラック運転手に次のようなスキルが当然のこととして求められています。たとえば、荷物の配送を依頼するお客様との円滑なコミュニケーションが求められます。
また、定められた輸送ルートに沿って、時間通りに、正確に商品を届けるための管理ができることも欠かせません。会社の看板を背負って仕事しているという自覚とプロ意識、日々運転技術を向上させることも求められます。
トラック運転手は元犯罪者が多いとも言われがちですが、この点に関しては、どの運送会社も他の職種が行うのと同じように面接や審査を行い、過去の事故歴などをチェックしています。
また、トラック運転手は身なりが汚いという意見も多く聞かれますが、今は取引先の会社もきちんとした身なりにの運転手を求めるようになっています。
運転手の身だしなみに関して世論が以前に比べて厳しくなっているため、運送会社も制服を支給しているところが多くなっています。また、仕事を始める前に身だしなみのチェックが行われている会社もあります。
運転が荒いことやあおり運転もしばしば問題として取り上げられます。もちろん、そのような危険運転行為をするドライバーは許されないですし、批判されるのも当然ですが、トラック運転手すべてがそうだと決めつけるのは間違いでしょう。
ほとんどのトラック運転手は安全に、また規則を守った運転を心がけています。あおり運転などが社会的にも問題になっていますので、運送会社でもドライバーの教育をしっかりと行うところが増えています。
最近はインターネットなどの情報通信メディアが発達していますので、乱暴な運転や危険な運転をすれば、すぐに世間からクレームが入るということも、抑止力になっていると考えられます。
トラック運転手だけが底辺と見なされている訳ではありません。では、トラック運転手以外で底辺と思われやすい仕事についても確認しておきましょう。
近年、バス運転手に襲いかかる過重労働のために格安ツアー等で事故が多発しています。そうしたニュースが広く報道されることで、バスの運転は過酷だという認識に繋がるようです。また、バスの運転手の態度が良くないという口コミも多く、底辺とバカにされやすい原因になっています。
世間では厳しい見方をされがちなトラック運転手ですが、実際の声を調査すると、決して底辺な仕事ではないことが分かります。
一部の運転手に底辺と見なされる言動があることは否めませんが、全体としてマナーがしっかりしている方が多いのが事実です。
トラック運転手は世の中になくてはならない大切な職業ですので、偏った見方をしないように注意したいものです。
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