ルート配送の仕事と聞くと、楽な仕事という印象を持つ方は少なくありません。そのような印象があると、いざ就職してから「考えていたよりもきつい」と後悔することもあります。では、実際のところ、ルート配送は仕事としてどうなのでしょうか。噂通り楽で簡単な仕事なのでしょうか。当記事内では、ルート配送の仕事内容とは、給料はどのくらいなのか、またメリット・デメリットは何かについてご紹介しています。
仕事内容はさまざまな種類があり、一概にこうだということは出来ません。取引先がコンビニなのか、レストランなのか、薬局や病院相手の取引なのかなど、一口にルート配送といっても扱う商品やクライアントが異なります。
とはいえ、共通点もあり、どこに荷物を運ぶにしてもクライアントの指示に沿って、順番に荷物を送り届けていく作業になります。
配達員が1日の中で行う仕事は、まず届け先の確認と使うルートの設定になります。次に、依頼されている荷物を間違えないようにチェックしたら、積み込みを始めます。
ここまでの準備が終わると、いよいよ配送に出かけることになりますが、その際には配送指示書と呼ばれる書類の指示に従って配達を行っていきます。
また、時には営業の仕事を兼ねることもあり、例えば新商品の売り込みやサンプル商品の配布を配達員が行う場合もあります。
もし商品を注文してもらえたら、その時はインセンティブが発生するため、営業力のある方ならさらにやりがいを感じることが出来ます。
このように、さまざまな仕事をこなす配達員のお仕事ですが、楽な仕事と思われることが多いです。では、ルート配送が楽な仕事と捉えられる主な理由を見ていきましょう。
楽と言われる理由の一つ目は、ルートが決まっているということです。確かに、これはメリットだといえます。
どのクライアントに荷物を運ぶかにかかわらず、毎日同じ道順で配りますので、その都度ルート検索をしたり、道を覚える必要がありません。
そのため、そんなに道路事情に慣れていない場所でも、一度覚えてしまえば、あとは比較的楽に運転することができます。
また、荷物は手で積み下ろしが多い仕事とはいえ、ケース入り飲料ボトルの運搬など他の配達と比べて楽だという声もあります。
運ぶ荷物がいつも同じだという点も、楽と言われる理由の一つになります。同じお店宛に、毎回似通った荷物を届けるということで、荷物を何度も運んでいるうちにすぐに慣れることができます。
例を挙げると、ウォーターサーバーを配達するトラックの運転手なら、毎回運ぶのは水の入ったボトルがメインになります。
たまに新しく契約した方に新しいサーバーを届けることもありますが、それにしてもサーバーに関係のない他の商品を運ぶという可能性は低いです。
そのため、毎回の配達では届ける個数や水の種類が間違っていないか、日時は間違えていないかを確認するだけで、基本的な運ぶ内容は変わりません。
勤務時間が短いことも楽だと言われる理由です。トラックの運転手といえば、長時間勤務や長距離運転でブラックなイメージがつきまといますが、そうした同業界の他の職種と比べれば、ルート配送の運転は勤務時間が短いといえます。
また、しっかりと配達プランに従って遅れないように気を配ることで、定められた勤務時間内に仕事を終えることができます。
他の理由としては、ノルマがない点も挙げられます。基本的にはクライアントに指定された荷物を届けるのが勤めですから、たとえ営業の機会が与えられているとしても、それはノルマではありません。
売上があればインセンティブという形で収入のプラスになりますが、あくまで配達がメインの業務です。営業が下手で売上がないことで上司から小言を言われることはあっても、普通配達員にはノルマは設けられません。
他の業界ではこの先の生き残りをかけて必死の対策が練られているところですが、流通に関係する業界では常に仕事があり、職を失う可能性が低いといえます。
オンラインで買い物をする方も増えていますし、この先たとえ今の職場を離れたとしても、同業種で職が探しやすいことも、不安を軽減する要素となっています。
このように、収入面で安定して生活設計がしやすいという意味でも、楽で楽しい仕事だと思われがちです。
年収は、300~400万円程度と言われています。地域によって差があり、例えば関東地方、関西地方など特定の地域では高くなる傾向にありますが、その他の地域では低くなっています。
また、運ぶ商品内容や取引先の会社によってドライバーの収入は大きく変わります。とはいえ、一般的に配達先の決まっているルート配達では、日当が約1~1万5000円程度が相場と言われています。
では、逆にデメリットはあるのでしょうか。一般的にメリットが多いと思われがちですが、デメリットも確認しておくことで、転職を考える際に役立ちます。
毎日同じルートで同じお店に同じような商品を配達、これが楽でメリットなはずですが、中には逆に単調と感じる方もおられます。
それぞれの性格や、仕事に何を求めるかにもよりますが、確かに刺激的でクリエイティブな仕事がしたい方にとっては飽きてしまう可能性があります。
とはいえ、創意工夫で仕事をさらに効率化したり、仕事内容に熟練したりと、自分なりに成長する機会を見つけることは出来ます。
ルート配送業務は、特定の繁忙期に配送件数や貨物量が増加する傾向があり、こうした時期には、ただでさ時間的な制約が厳しい配送スケジュールが、さらに厳しくなる可能性があります。
大型連休や年末年始などの購買意欲が高まる時期は、連日残業が続くことも予想しておかなければいけません。もし家族がおられるなら、家族と休みが合わないなどの問題も起きがちです。
雨の中でも、渋滞でも、疲れている時でも、常に運転への集中が求められるというのは、運転が仕事のトラックドライバーにとっては、デメリットといえます。
ここまでで、メリットとデメリットについて見てきましたが、それでは一体どのようなタイプの方がルート配送ドライバーに向いているのでしょうか。二つのポイントに的を絞って見ていきましょう。
この仕事に向いている方というのは、ズバリ運転が好きな方でしょう。もちろんルート配送は仕事であって趣味ではありませんが、それでも向いていることを仕事に生かすほうがストレスも少ないですし、好きな運転を楽しみながら仕事を行うことができます。
同じルートで同じ時間帯となると、毎日接する方が出てくるはずですので、話し上手だと気に入ってもらえることもあり、相手とのやり取りを楽しみながら仕事をすることができます。
また、時には配達員でも営業をすることがありますので、得意のコミュニケーション能力を生かしてさらなる収入アップにつなげることも可能です。
今回は、ルート配送のドライバーについて取り上げましたが、メリットやデメリット、向いている方についての理解が深まったでしょうか。
他の仕事と同じように、考えなければいけないデメリットもありますが、それでも他の職種と比べてメリットが多く、比較的楽な仕事と言えるでしょう。
また、他の業界は将来的な不況に怯える状況が続いていますが、運送業界は常に需要があり、働き手が必要とされています。
とはいえ、向いていない職業についてしまうとストレスになりますので、当記事を参考にしながら、ルート配送の仕事をやっていけそうかどうか、まずはしっかりと向き不向きを確認して見られることをおすすめします。