身分証明の代表ともいえる「運転免許証」。運転免許証に記載されている12桁の免許証番号はランダムに割り振られているのではなく、全ての数字が意味を持っています。そこで今回は、運転免許証に記載されている12桁の番号が示す意味をはじめ、免許証の有効期限欄の色の意味、免許証が犯罪に悪用されてしまう可能性について解説していきます。
当然のことながら自動車の運転をするにあたって必須であり、役所や銀行、クレジットカードの発行をする際に身分証明にも使われている運転免許証には、12桁の免許証番号が記載されています。免許証番号は免許証の中央あたりに「第〇〇〇〇〇~号」と記載されていますが、この数字はランダムに割り振られたものではなく、全ての数字が意味を持っています。以下の項目で免許証番号の詳細を詳しく解説していきます。
さっそく、運転免許証に記載されている12桁の番号が示す意味をチェックしていきましょう。中には個人情報を保護するために詳細が明かされていないものもありますが、ご自身の免許証番号と照らし合わせてみてください。
免許証番号の左側から1番目と2番目の数字は、運転免許証の交付をはじめて受けた都道府県を意味しています。都道府県公安委員会にはそれぞれ2桁のコードが割り振られており、その数字が免許証番号の最初の2桁に記載されています。
なお、この番号は初めて運転免許証の交付を受けた県の番号が記載されるので、運転免許を取ってから他県に引っ越した場合でも番号が変わることはありません。
免許証番号の左から3番目と4番目の数字は、運転免許証の交付をはじめて受けた「西暦の下2桁」を意味しています。免許が初めて交付されたのが1998年であれば3~4桁目の数字は「98」、2015年だと「15」となります。ただし、免許証の更新手続きに不備があった場合、数字が変更される場合もあります。
12桁の免許証番号のうち、詳細が非公開となっているのが左から5番目から10番目の数字です。5~10桁目の数字は各都道府県の公安委員会が独自の基準をもとに管理するための番号となっており、個人が特定されてしまうのを防ぐために詳しい内容は公表されていません。よって、5番目から10番目の番号を見ただけでその意味を判断するのは難しいと言えるでしょう。
免許証番号の左から11番目の数字は、チェックディジットと呼ばれる検証用数字です。チェックディジットとは、入力ミスを検出するために設定された数字のことで、銀行やクレジットカードを作る際などにも用いられています。この数字は複雑な計算式をもとに作成されており、運転免許証を再発行した場合でも変更されることはありません。
左側から12番目の数字は、運転免許証の再発行をした回数を意味しています。これまで運転免許証の再発行を一度もしたことがない場合の数字は「0」となり、2回再発行をした場合は「2」となります。しかし、免許証を10回再発行した場合は「1」と記載されます。
ここでの再発行とは、運転免許証の紛失や盗難などが理由の再発行のことで、運転免許証の破損や汚れによる再交付ではこの番号は変わりません。なお、免許証番号から分かる情報の中で人に見られたくないのはこの12桁目の数字と言われることが多いです。
日本の運転免許証は、有効期限が書いてある部分の欄が色分けされており「グリーン、ブルー、ゴールドの3種類」があります。実はこの色にも意味があり、区分や更新期間等がそれぞれ異なります。次に、運転免許証の色が持つ意味について解説していきます。
有効期限の欄の色が緑の運転免許証はグリーン免許や新規免許取得者免許証と言われており、はじめて運転免許を取得した人に交付される免許証です。最初の免許証の更新は運転免許を取得して3回目の誕生日の前後1ヶ月です。
最初の更新時は、運転免許歴5年未満かつ運転免許取得後はじめての更新・軽微な違反(3点以下)が1回以下という方は初回講習を受けます。初回更新を受けると免許証の色はグリーンからブルーに変わり、有効期間が3年となります。ただし、グリーンの免許証でも更新期間までに中型や大型などの上位免許証を取得した場合は、初回更新を待たずにブルーの免許証が交付されます。
有効期限の欄の色が青の運転免許証は、「初回更新者・一般運転者・違反運転者」のどれかに当てはまる方に交付されます。免許証の有効期限は3年で、初回更新以降、免許の有効期限が切れる年の誕生日から41日前を起算日とした過去5年間の間に違反があった場合、次回更新時の免許証もブルーになります。ただし、違反の内容が3点以下の軽微な違反が1回以下であった場合は、有効期限が5年間に延長されます。
有効期限の欄の色が金の運転免許証は優良運転者に交付されています。優良運転者用免許証やゴールド免許とも呼ばれており、運転免許更新年の誕生日から41日前を起算日とした過去5年間、無事故・無違反である運転者が該当します。
無事故無違反のドライバーのみに与えられるゴールド免許は免許更新時の講習が最も短く、30分間の優良運転者講習を受講した後に免許証が交付されます。
運転免許証には氏名や本籍、現住所、生年月日など大切な個人情報が記載されていますが、万が一紛失したり、盗難被害に遭った場合に犯罪に使われてしまわないか心配ですよね。
この項目では、運転免許証が悪用されてしまう可能性があるかどうかに加え、運転免許証から過去の犯罪歴や違反歴が分かってしまうのかどうかについて解説していきます。
運転免許証は、金融機関で新たに口座を開設する時やクレジットカードを発行する際、役所での手続きなどの際に身分証明として用いられます。そのため、何らかの理由で自分の運転免許証が悪用され、不正利用されてしまう可能性は大いにあります。
また、携帯電話の契約に使われてしまったり、消費者金融のキャッシングで勝手にお金を借りられてしまった事例もあるため、普段から運転免許証の取り扱いには十分気を付ける必要があります。また、万が一運転免許証の紛失に気付いた場合は最寄りの警察署や交番へ行き、速やかに遺失物届を提出することが大切です。気付いていながら放置してしまうと何者かに悪用されてしまう可能性が非常に高くなるので注意が必要です。
ここまで免許証番号が持つ意味や免許証の色について解説をしてきましたが、運転免許証を見ただけで過去の違反歴や犯罪歴が認識できるのどうか気になるという方もおられるのではないでしょうか。実際のところ、正確な答えを知るには警視庁などに詳細を確認するしかありませんが、現状では運転免許証を見ただけでは過去の犯罪歴や違反歴は判別できません。
なぜなら、運転免許の更新が通常3年~5年という頻度であるのに対し、交通違反や犯罪を犯してしまった時にその都度情報が上書きされているのるかどうか疑問が残るためです。しかし、近年運転免許証のICカード化が進んでいることから、ICチップの中に様々な情報を入れられることは十分に考えられます。ただし、運転免許証を見ただけで得られる情報のひとつである免許番号などでは容易に判別できないと考えて良いでしょう。
今回は、運転免許証に記載されている12桁の免許証番号が持つ意味に加え、運転免許証の有効期限の欄(帯)の色の意味、運転免許証が悪用されてしまう可能性についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
12桁の免許証番号のそれぞれの数字は、運転免許証をはじめて取得した都道府県のコードや運転免許証が交付された西暦、運転免許証の再発行をした回数などの情報が記載されていることが分かりました。その中でも5~10桁目の数字は、各都道府県の基準をもとに個人を管理する数字が記載されており、個人が特定されるのを防ぐために詳細が非公表となっています。
また、記事の中では運転免許証の有効期限が記載されている欄の「グリーン・ブルー・ゴールド」の色が持つ意味や、運転免許証が犯罪に悪用されてしまうかどうかについてもご紹介しています。運転免許証にどのような情報が入っているのか気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。