近年新聞を取る家庭も減っていますが、それでも毎朝新聞を読むことを日課としている方も少なくありません。そんな新聞配達員に転職、仕事にするためには新聞屋の仕事内容を把握しておくことが大事です。
他にも働くうえで良い面や悪い面、給料の目安など金銭面で気になることなどもまとめてみました。転職を考えている方は参考にしてみてください。
新聞配達の仕事はその名の通り、契約された家庭へ新聞を運ぶ仕事ですが、もう少し細かく言えば販売店から契約している家庭、会社などに定期的に配る仕事です。
新聞は朝刊と夕刊がありますが、稀に重大事件や予期せぬ出来事が起こった場合に号外を配ることもあります。配達時は主にカブと呼ばれるバイクや自転車を使い、ごく少数ですが徒歩で配っている地域もあります。
基本的に朝刊は集合住宅であっても各階を周りドアポストに直接入れることが多く、夕刊は1階にある集合ポストに入れることがほとんどです。
新聞屋の仕事は配達だけではなく、他にも様々な業務があることを知っておきましょう。もちろんアルバイトなどで配達だけをメインに行う作業もありますが、新聞屋に転職する場合にはどんな仕事があるのか把握しておくようにしてください。
新聞は新聞屋ではなく印刷所から配送されてきます。まず最初の仕事として印刷所から運ばれてきた新聞を荷下ろしする作業があります。
販売店によって多少の差はありますが、必要な販売部数の新聞は束になってひとまとめにされているため、かなりの重量であり数も多いので、販売店員全員で荷下ろしを行うところがほとんどです。
また、販売店では特定の新聞のみを扱う【専売店】と複数の新聞を扱う【複合店】、地域全部の新聞を扱っている【合売店】の3種類があります。専売店以外の新聞屋は印刷所から配送されるトラック台数も複数になるため、素早く作業を行う必要があります。
基本的に朝刊にはその日のチラシが一緒に配布されますが、このチラシの折り込み作業、新聞の間に挟む作業も新聞屋の仕事です。
チラシは地元のスーパーや商業施設などの企業と契約しているもので、新聞屋の貴重な収入源でもあるためチラシの折り込み作業は必須となっています。
近年では機械で折り込み作業を行うところもありますが、手作業で行う販売店も少なくありません。チラシは基本的に朝刊に入れますが、稀に夕刊に入れることもあるようです。
新聞屋のメインとなる仕事内容が朝と夕方に新聞を配達することです。朝刊は契約者が起床するまでに配達することが重要なので、朝はかなり早く、夜が明ける前から配り始めます。
夕方に配る夕刊は朝刊よりも部数が少ないことが多く、チラシもないため朝刊よりは手間がかかりません。各販売店によって違いはありますが、仕事のやり方によってはどちらか一方だけを担当することもあるようです。
また、新聞はルート配送であり、毎日決まった場所へポストインしますが、新聞の厚みや折り込みチラシの量、契約数の多さによっては1度で配送することができず、販売店と配送先を往復しなければいけない場合もあります。
新聞屋の仕事には毎月の購読料金を徴収して領収書を渡す集金業務もあります。集金は基本的に月末になることが多く、各家庭によってライフスタイルが異なるため、集金の時間帯は決まっていません。
以前までは新聞屋が直接徴収することがメインでしたが、近年では口座振替やクレジット払いに対応しているところもあります。
個別に徴収するときに契約更新の確認を行う場合や、古紙回収用の袋を手渡すなど、集金以外の業務を同時に行っている販売店もありますが、やはり集金時間の不規則や手間を考え、作業員の負担軽減のために口座振替を推奨するところも増えてきました。
現在契約している顧客の更新や、新規契約などの営業を行う顧客管理も新聞屋の仕事です。すでに契約している場合には、契約期間が終了する前に継続可能かどうかを伺い、できる限り継続してもらうように交渉します。
新規契約は担当エリア内で契約していない家庭や事務所などを訪問し、新たに契約できるように営業する、顧客開拓を行います。また、将来的に契約することが決まっている顧客宅を訪問して、契約の内容などを再度確認するなどの契約状況の調査を行う場合もあります。
異動などで引っ越しの多い時期には新規契約が取りやすい状況になるため、空き家のチェックや転入状況を調査する販売店も少なくありません。チラシの折り込みや配達でアルバイトを雇うことも多いですが、顧客管理に関してはほとんどの販売店で社員が請け負います。
新聞屋に転職しようと考えたときに、その仕事の良い面と悪い面を知っておくことで、すぐに辞めたくなる、仕事が嫌になるなどの不安を取り除くことができます。新聞屋に務めることで得られるメリット、逆にデメリットとなる部分をチェックしてみましょう。
新聞屋は夜が明ける前から仕事を始めるため、朝早く起きるのはもちろん、就寝する時間も早くなります。そのため早寝早起きの習慣がつき、規則正しい生活を遅れるようになります。
また、仕事を始める場合には特別な資格は必要なく、配達に行く際のバイクの免許さえあればOKです。自転車で配達するのであれば、そのバイクの免許すら不要になります。
未経験から開始することにも抵抗なく、配送先のルートを覚えたり、作業する際に気をつけることを覚えていけばあとは経験を積むだけで効率良く仕事ができるでしょう。
配達に慣れてくれば担当地域の地理にも詳しくなり、新規オープンのショップを発見したり、仕事をしながらちょっとした抜け道や四季の移り変わりを楽しむ余裕も出てきます。
これまでの仕事で営業などのコミュニケーションに疲れた、という方は黙々と作業できる仕事でもあるため、やりやすい仕事でしょう。このように新聞屋のメリットは『早寝早起きが習慣付く』『資格不要』『未経験でも始めやすい』『周辺地域を把握できる』『自分のペースで作業できる』など、色々なメリットがあります。
早寝早起きが習慣になることが良い面と捉えることができる方は新聞屋で働くメリットとなりますが、逆に早起きが苦手な方は、朝が早い仕事がデメリットになってしまいます。
夜が明ける前に起き、就寝が早いと偏ったライフスタイルとなり、家族との時間が取れないことも少なくありません。新聞屋は年末年始など、休刊日が決められている以外はシフトにもよりますが休みが取りにくい場合もあります。
また、配達はどんな天気であっても配る必要があるため、悪天候の場合にはかなり大変になります。豪雨や台風、大雪でも配達は休むことなく、滞りなく配達せねばなりません。
そんな悪天候で頑張って配達しても、顧客から『新聞が濡れていた』『届くのが遅い』などのクレームが入ることも珍しくありません。新聞屋で働くデメリットは『家族との生活リズムがずれる』『休みが取りにくい』『天候に左右される』などがあります。
働くうえで良い面や悪い面を知るだけでなく、転職する際に一番気になるのが給料やボーナスではないでしょうか。アルバイトのイメージが強い新聞屋での給料やボーナスですが、他の仕事同様に各地域や販売店によっても差があるので、大体の目安として捉えておきましょう。
新聞屋の給料には時給や完全歩合制、日給、月給の4種類になります。固定給であれば安定した収入を得ることができますが、そうでなければ仕事の出来・不出来によって収入が増減してしまいます。転職するときは給与形態についてもチェックしておきましょう。
【時給制】
アルバイトのように、働いた時間によって収入額が変わってくるのが時給制です。基本的には時給に早朝手当などの歩合が足されることがありますが、安定した収入を得るにはそれなりの仕事量が必要になるでしょう。
【完全歩合制】
配達した新聞の部数や契約顧客数、新規顧客の開拓などによって収入額が左右されます。個人の仕事能力に差があるため、やればやるほど給料が上がることにやる気を見出す方には向いています。
【日給制】
出勤日数によって支給額が変わってくる日給制は、欠勤すればそれだけ給料が下がります。逆に出勤日数が多ければ多いほど支給額が増えます。
【月給制】
安定した収入を望むのであれば、毎月の支給額が決まっている月給制が良いでしょう。出勤日数に左右されることもありますが、早朝手当がついたり、歩合制が足されることで給料アップに繋がります。日給月給制の場合は欠勤や遅刻、早退することで支給額が減りますが、完全月給制であれば支給額が変わりません。
新聞屋の給料は給与形態や地域、販売店ごとに違いがありますが、時給制であれば1時間1,000~1,500円、完全歩合制は月給にすると3.5万~14.5万円、日給制は1日4000~5000円、月給制では14万~15万ほどになります。
新卒で正社員の場合の年収平均は約300万~400万円、ボーナス込みで年収700万円という場合もあるようですが、ボーナスに関しては他企業同様に支給される・されないなどあるので転職前に確認しておきましょう。
昇給を目指すのであればスキルアップも必要になります。新聞屋でスキルアップで給料を上げるためには新規契約や顧客数を増やすなどの他に、様々な業務をこなして経験値を上げることが求められます。他にも配達忘れや集金したお金を盗まれるなどのミスをなくすようにしましょう。
どんな仕事でも向き・不向きがありますが、新聞屋に向いているのはどんな人なのでしょうか。まず時間厳守できることが重要になります。新聞屋は朝が早く、配達時間も限られてきます。
特に朝刊は顧客の起床前に配り終える必要があるので、時間を守れる方は向いているでしょう。また、天候に関係なく配達する、マンションやアパートなど階段を使うこともあり、荷下ろしでは力も要るため体力がある人も向いています。
荷下ろしではスムーズに作業することが求められるので、臨機応変に素早く動けることも重要になり、チラシの折り込み作業や毎回同じルートを通るなど黙々と作業することが好きな方にも良いでしょう。
新聞屋は初任給が低いと感じることもありますが、どんな給与形態であっても顧客数を増やす、新規開拓するなどコツコツと努力し、スキルアップすることで給料を上げることが可能です。資格不要で未経験からでも始めやすい新聞屋、興味のある人は転職を考えてみるのもおすすめです。