バスの運転手の仕事は、子供からすると憧れの仕事かもしれませんが、想像以上にきつくて辞めたいという方も少なくありません。ここではバスの運転手が経験を生かせる転職先や、バス運転手を辞めたくなる理由をご紹介していきます。辞めたいけれど、転職先をまだ考えていない方はぜひチェックしてください。
目次
バスの運転手の仕事は、バスを運転してお客様を目的地まで送り届けることで、バスの種類によって業務が違います。最も身近なのが路線バスで、決まったルートを決まった時間に運転し、停留所でお客様を乗せたり降ろしたりします。
他にも観光客やツアーの団体客を乗せる観光バスや、小学校の社会科見学や遠足などの貸し切りバス、夜間に高速道路を使って長距離を移動して翌朝目的地に到着する夜行バス、企業や病院などへの送迎バスなどがあります。夜行バスは距離によって運転手が2人体制のものもありますが、1人で業務にあたることが多いです。
ここからはバスの運転手を辞めたいと思ってしまう理由をご紹介していきます。辞めたいと思う理由をなかなか人に聞けない方もいるので、ぜひチェックしてください。
辞めたい理由1つ目は、勤務時間の長さです。1日13時間以内の拘束時間という決まりはあるものの、それ以上に働くケースもあります。勤務時間にカウントされるのが運転している時間だけと言うのが大きなデメリットで、お客様を始発のバス停で待つ時間などは拘束時間にカウントされていません。
深夜バスなど2人交代制であっても、バスから降りられるわけではないので、実質的な拘束時間が長い仕事もあります。また、夜中だけでなく早朝からの仕事もあったりと、不規則な勤務時間の仕事内容だと余計に辛くなります。
続いての理由は、給料の安さです。バス運転手の給料は、基本給+インセンティブ(歩合給)のところが多く、インセンティブは走った距離で計算されます。路線バスの運転手は1キロ運転して8円がインセンティブの相場で、観光バスだと1キロ4円程の会社が多いです。
観光バスは高速道路を使って距離を進むので、近い距離を走る路線バスより価格は高いです。しかし、仮に1日片道100キロの距離を往復する観光バスの仕事でも、インセンティブが800円しか付かないので、給料が高くならないのも納得いただけるはずです。
インセンティブの単価が安い高速バスの方が、運転距離が稼げるので路線バス運転手より給料は高くなりがちではありますが、拘束時間が長いのに給料が安いとなると、辞めたいと思う方がいても不思議ではありません。
お客様からのクレームも、辞めたくなる理由の1つです。路線バスの運行をしていると、毎日きっちり同じ時間に全てのバス停に着けないことも多くあります。天気や周りの交通状況なども関わってきてしまうので、若干早く着くこともあれば、遅くなることも仕方ないと言えば仕方ないことです。
しかしいつもの時間に来なかったせいで遅刻した、などのクレームが寄せられることもあります。その方が遅刻しないようにもう1本早いバスを利用すればいいだけのことではありますが、なかなかストレートに正論を言うことも出来ません。理不尽なクレームで苦しくなってしまうと、辞めたい気持ちが膨らみます。
辞めたい理由4つ目は、休日が少ない点です。バス会社にもよりますが、人手不足や繁忙期、様々な理由で1週間に1日休めればいいという会社もザラで、13連続勤務などあり得ない勤務体系もあったりします。基本は求人などにも3勤1休と書いてあっても、なかなかそんなに多くの休みがもらえません。
土日も関係なく仕事なので、家族のいる方や休日に趣味のことをしたいといった方には、仕事以外なにも出来ないという状況は苦痛なはずです。また、連休なども取れないことが多く、多くの方が休む年末年始やお盆にも休みが取れないことも少なくありません。
運転をする仕事をする方には常に付きまとうのが、事故のリスクです。運転する時間が長いほど、一般的に考えても事故に遭遇するリスクは高くなります。また、お客様を乗せている以上、いくら避けようのない事故が起きてしまうと、運転していた人が責任を問われることもあるため、責任重大です。
お客様の命と安全を守りながら、尚且つ快適に過ごしながら目的地までお届けするのは、日々重大なプレッシャーを感じながら仕事をしている方も多いはずです。
トイレに行けないことも、切実な辞めたい理由の1つです。路線バスなど、途中でトイレに行きたくなってもバスを止める訳にもいかないため、運行中は我慢する必要があります。主に水分を取らないようにして、運行中はいかないで済むようにすることが多いようです。
トイレの我慢しすぎは膀胱炎を起こしますし、水分を取らないと脱水も心配です。また、途中で体調を崩してもトイレに行けないという精神的なプレッシャーも辛いものです。
辞めたい理由最後は、ドラレコによる監視です。ドライブレコーダーは近年、あおり運転被害も多いことから乗用車にも取り付けている方が増えましたが、ドラレコは映像記録装置のことで、事故防止対策及びエコドライブを推進する観点からバスにも取り付けられていることが多いです。
バスの車外だけでなく車内の画像と音声が常時記録されているため、常に監視をされながら仕事をしている状態なのでストレスも増えます。仮に事故があったときは、自分に非がない場合には大きな証拠にはなりますが、ドラレコがあることによって日々プレッシャーがかかることも少なくありません。
ここからはバスの運転手を辞めたい時に上手に退職する方法をご紹介してまいります。退職を伝える際に、会社ともめてしまうことも少なくありません。穏便に伝え、いい形で退職出来るようにしましょう。
まずは退職の意向を自分で伝える場合です。退職の意向は直属の上司にまず話す必要がありますが、自分が辞めると決めたことを話すのは同期や後輩などには話さずに、最初に話すのが上司であることが大切です。
周りの同僚に話すと志気が低下して悪影響を与えたり、職場によっては辞めるなんてズルいなどと思いもよらぬ反感を買ってしまうこともあります。何より、先に噂になって上司の耳に入ってしまうと上司もいい気はしないため、嫌な感情を持たれてしまうことも少なくありません。まずはきちんと上司に伝えましょう。
退職の意向を直接伝えられない場合は、内容証明で退職届を送る方法があります。内容証明でないと届いていないなどと白を切られることもあるため、退職届を自分が送って勤務先が受け取ったと証明できるものがあった方が確実です。退職日は民法で退職を告げてから2週間後に成立するので、日付に注意して記入しましょう。
また、今後も書面でのやり取りを希望する旨や退職後の源泉徴収票などの送付に関して等、希望があれば一筆書いて送付するともめることも減ります。そんなやり取りもしたくないという方は、退職代行サービスに依頼するのも手です。
会社と退職者との間に入って退職の手続きを変わりに行うサービスで、数万円の利用料がかかるところが多いですが、スムーズに退職できなさそうな場合などには心強いサービスでしょう。
ここからはバス運転手の経験が生かせる転職先をご紹介していきます。何も知らない分野への転職はかなり勇気がいりますが、バス運転手の経験が生かせるなら転職もしやすいです。バス運転手は辞めたいけれど、転職先をまだ考えていないという方はぜひ参考にしてみてください。
おすすめの転職先1つ目は、タクシー運転手です。タクシー運転手になるには普通第二種免許が必要ですが、バス運転手は大型第二種免許か中型第二種免許が必要で、大型免許を持っていれば中型二種や普通二種も兼ねることが可能なので、新たに資格を取る必要がありません。
1日の拘束時間はバス運転手とあまり変わらない場合が多いですが、隔日勤務のところが多いので、出勤翌日は休めます。休みをしっかり取りたい方におすすめです。
続いては、トラック運転手です。運転が苦痛ではなく、お客様からのクレームが苦痛だった方やトイレの心配があった方なら、トラック運転手ならその苦痛から解放されます。
乗せるのはお客様ではなく荷物なので、コミュニケーションで悩む心配も減り、トイレもトラックが入れるコンビニ等は多いので、自分のタイミングで立ち寄りも出来ます。トラック運転手は仕事中1人の時間も長いですが、コミュニケーションを取るのが苦手な方には気が楽な仕事です。
今の時代の転職先で、この先も需要があると考えられるのが介護タクシー運転手です。介護タクシーは、車いすやストレッチャーのまま乗ることが出来るタクシーで、要介護の方や体が不自由な方が利用出来ます。
介護タクシー運転手は介護職員初任者研修の取得が必須で、運転以外にも乗車または降車の介助をする必要があります。介護タクシーは、通院などでの利用には保険が適用されるため、これからの高齢化社会には欠かせないサービスになってくる見込みです。
一般のタクシーよりも介助が必要な分、大変かもしれませんが、基本的には予約制のため行き先のスケジュールが分かっているため安心感も大きいでしょう。
おすすめ4つ目は、営業職です。お客様とのコミュニケーションが大切な仕事なので、バス運転手で培ったコミュニケーション能力が生かせます。
営業経験がなくても採用してくれる会社も多く、営業成績によってはかなりの年収アップの可能性も期待できます。得意先を車で回るような場合も、バスの運転に比べたら気が楽な方が多いでしょう。
おすすめの転職先、最後は接客業です。接客は運転とかけ離れていますが、バス運転手のコミュニケーション能力の高さを生かせる仕事です。接客業は様々な業種がありますが、お客様との会話を楽しむのが好きな方は、ショップの店員や飲食店がおすすめです。
バス運転手を辞める際に、すんなり会社も辞める了承もしてくれて自分も辞める意思が固まっているとスムーズですが、まだ自分に迷いがあったり、辞めるにあたってトラブルになってしまうこともあります。バス運転手を辞めたい時に考えるべきポイントをチェックしておきましょう。
まずは、バス運転手になるには大型二種免許が必要ですが、入社後に資格を取った方で会社が資格取得の際に代金を仮に払ってくれている場合は注意が必要です。
この代金を数年に分けて給与天引きにしている会社も多いので、短期間で辞めてしまうとかなりの残金が残っていて、ちゃんと支払いができるのかどうかでトラブルにもなりかねません。天引きの残金が残っていないかどうかを確認しておく必要があります。
続いては、観光バスのメリットです。辞めたいと思った際に、これまであった嫌なことでいっぱいになりがちですが、観光バスの仕事の方は様々な場所に行けるという大きなメリットがあったことも考えてみてください。
仕事ですが、あちこち観光にも行けて、他の職種ではなかなか行けないような場所にも行っていることが多いはずです。四季折々の見どころも見れるのは、やはり観光バス運転手の特権ではないでしょうか。この仕事を辞めてしまうと、そんな景色もそう簡単に見れなくなってしまう、それでもいいかどうかを考えてみてください。
最後は地域の人との関係性です。路線バスでも地域密着型の路線や、田舎町のバスだといつも乗車してくれるお客様である地域の人と親しくなるケースも多いです。もちろん自分が辞めたら他の誰かがその時間を運転するので変わりはいるのですが、運転手を辞めてしまうとその関係性が終わってしまう可能性が高いです。
長年続けて常連のお客様とも多く親しくなっていたり、お客様の信用を得ていた方は特に、お客様の存在が原動力になっていた方も多いはずです。それを失う覚悟があるかを今一度考えてみましょう。
バス運転手を辞めたい理由やおすすめの転職先をご紹介してまいりましたが、どの理由が決め手であれ、辞めるときはもめたりせず穏便に済ませたいものです。辞める前に自分の意志をしっかり固め、上手な辞め方を参考に辞める意思を伝えてみてください。
バス運転手で嫌な思いをした方も多いかもしれませんが、経験を生かせる仕事はたくさんあります。バス運転手で培った能力や経験は、必ず他の仕事でも役に立つことでしょう。賢く転職先を見つけて、新たな職場で頑張ってください。
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