引用:wikimedia.org
大工道具、DIY工具の代表格であるインパクトドライバー。近年では非常にさまざまなメーカーから販売されており、価格帯も高いものから安いものまで様々です。
安いインパクトと高いインパクトでは、何がどう違うのでしょう?そこで今回は、プロユースからDIYまで、インパクトドライバー選びの基準を徹底解説!マキタ、HiKOKI(旧 日立工機)、リョービ、ボッシュなどおすすめのメーカーもご紹介いたします。
目次
引用:Amazon
それでは、インパクトドライバーの値段の違いがどういうところに現れるのかをシンプルに説明していきます。
※あくまで全体的な傾向ですので、これに当てはまらないことも多々あります。
インパクトドライバーの値段の相場は3〜5万円程度です(セット時)。まずは単純に、これを下回る値段のものを「安いインパクト」とし、この値段帯以上のものを「高いインパクト」ということにしましょう。
充電器を入れたまま充電が可能。下向きでバッテリが下がりにくく、熟練の技をボタン1つで再現できる「楽らくモード」を搭載。
高いインパクトは、建築の現場など、プロユースでの使用を前提として設計されているため、安いものと比べて高機能であることが多いです。
現場でのハードな連続使用を前提としているため、耐久性や剛性が高く設計されています。
インパクトの心臓部であるモーターは、現在ブラシレスモーターが主力となっており、従来型のブラシモーターと比べて軽量・コンパクトなのが特徴です。
バッテリー部には軽量なリチウムイオンバッテリーを採用しているため、従来型のニッケル水素バッテリーやニッカドと比べ、軽いです。
しかし、プロユースを前提として剛性アップや耐久性の強化が図られているため、結果として安いインパクトよりも重いかもしれません。
ハードな連続使用に耐え、駆動に十分なゆとりをもたせてあるので、トルクがあり、パワフルです。
省エネなブラシレスモーターに加え、大容量・効率の良いバッテリーが組み合わされているので連続使用による持ち時間は長いです。
プロユースよりは、ライトユースなDIY等を主なターゲットにしているので高いインパクトドライバーと比べると耐久性は劣ります。
あくまでプロユースのものと比べての話になるので、よほどの安物を購入しない限り、DIYでのハード使用には全然耐えられます。
今はあまり見かけなくなりましたが、バッテリーにコスト面で有利なニッケル水素やニッカドを使用しているのでリチウムイオンバッテリーと比べて重量があります。
また、現在主流のブラシレスモーターではなく、廉価なブラシモーターを採用していることも多く、重量の増加につながります。
しかし、プロユースのインパクトドライバーと比べ、ハードな現場での使用を前提としていないので、その分剛性を減らし、軽量に作られていることが多く、結果的には軽いかもしれません。
DIY用途に対して不十分なトルクではありませんが、パワフルなモーターとは言い難いです。プロの現場でハードに連続使用すると、モーターが悲鳴をあげてヒートアップすることも!?
バッテリーはコストの割合を大きく占めているため、価格を下げればバッテリーの電圧や容量も下がります。そのため、連続使用による持ち時間は短縮されます。
また、主流のリチウムイオンバッテリーと比べ、廉価なニッケル水素やニッカドバッテリーは持ち時間が短くなります。
引用:フォト蔵
ざっと、概要を説明しましたが、いかがでしょうか?
値段帯によって、どのような違いがあるのか、おおよそご理解いただけたかと思います。次は、より細かく、実際に使うとどのような違いがあるのかをご紹介していきます。
現在主力となっているインパクトドライバーのバッテリーパックは、[14.4V]か[18V]になります。
廉価なインパクトでも、最近はリチウムイオンで上記電圧のものも増えました。これは、かつて高価だったリチウムイオンバッテリーの価格が下がったことによる恩恵です。
そのため、今はかなり減りましたが、廉価な従来品のニッケル水素やニッカドを使用した[12V]仕様や、リチウムイオンバッテリーの[10.8V]仕様もあります。
電圧が高いほど、バッテリーの持続時間が長くなります。DIYで使用する分には、どのバッテリーでもさほど不便を感じないと思います。
インパクトの値段の違いに、モーターの性能や機構、トルクの違いがあります。近年では廉価なインパクトでもさほど遜色なくなりましたが、トルクが低いと、打撃による締め付けが比較的早い段階で始まるので、「ダダダダっ」という音が出始めるのが早いです。
個人的な感想としては、ダダダ音がうるさいものほどトルクが弱いインパクトだと言えます。
インパクトは長時間の使用、高負荷な使用によって、性質上、どうしてもモーターが発熱して熱くなります。トルクに余裕がないほど早くヒートアップしますし、そうした高負荷な使用を続けていると、寿命も早まります。
プロユースで考えると、連続使用率が高いので、耐久性は問題になってきますが、DIYユースではさほど問題ありません。熱くなってきたら休ませましょう。
インパクトドライバー本体の他に、予備バッテリーやケース、充電器がフルセットになっているものが基本となりますが、単体で販売されているものは、比較的安く購入できます。
先述した通り、バッテリーの容量や電圧によっても値段が変わります。
「マキタ」や「HiKOKI(旧 日立工機)」のようにインパクト業界で定番とされ、長年の信頼とロングセラーを得ているメーカーのものは値段が高いです。ブランド力で値段を上げているわけではありません。それだけプロユースのあらゆる場面に対応するだけのスペックと耐久性を備えているということになります。
一方で、後発のリョービやボッシュなど、コストパフォーマンスを売りにしているメーカーは価格が低めに設定されています。同じメーカーでも用途がプロユースなのか、DIYユースなのかによって値段帯を設けている場合もあります。
引用:ぱくたそ
そんなことはありません。あくまで用途に合わせて選びましょう。建築の現場で仕事をしている方は、やはりインパクトの連続使用率が高いので、マキタやHiKOKI(旧 日立工機)など、プロユースの定番ブランドをおすすめします。
一方で、DIYとしてライトユースな使い方をするのであれば、むしろコストパフォーマンスを重視したブランドのインパクトをおすすめします。インパクトドライバー入門として、「インパクトってこんなもの」というのを経験するのにはうってつけですし、さほど酷使しないのであれば、トルクや耐久性の問題はあまりこだわる必要がありません。
インパクトのスペックや値段による違いをご理解いただけたところで、各ブランドごとの定番インパクトと、そのメーカーの特色をご紹介していきます。
インパクトドライバーの、ど定番ブランドです。建築業界の職人さんはたいていマキタかHiKOKI(旧 日立工機)を使用しています。マキタの使用率がとても高く、それだけプロの現場での信頼性が厚いメーカーです。
近年ではDIY用途のハイコストパフォーマンスなモデルも出しています。
マキタと並んで多くの業界人に選ばれている老舗のインパクトドライバーブランド。マキタと比べると、高機能で痒い所に手が届く機能性を重視している印象を受けます。
取扱場所も多いので、マキタと並んで購入後のサポートやアフターメンテナンスにも利があります。
近年ホームセンターなどでもよく目にするようになったリョービ。HiKOKI(旧 日立工機)やマキタと比べると低価格で、DIY層をターゲットに展開されていますが、職人さんでも結構使っているのを見ます。
12Vのニッカドバッテリータイプなので、主力のリチウムイオンと比べ若干重たいですが、コストダウンに貢献しています。もちろんバッテリー2個、充電器、ケース付きで、こちらのタイプはビットも付属しています。DIY用途としてはこれ以上ないコスパだと思います。
ドイツのメーカーであるボッシュ。国内では比較的低価格なインパクトのイメージがあり、DIY主力と思われがちですが、プロ用の製品も販売しています。機械製品としては、日本と並んで信頼の置けるドイツ製。しかもホームセンターなど、取り扱い店舗も多く、コストパフォーマンスにも優れているので特にDIYにはうってつけです。
引用:vivahome.co.jp
インパクトドライバーをいくつか紹介してきましたが、DIY用途のハイコストパフォーマンスなインパクトをとっても、さまざまなメーカー・機種があります。
最初は、直感で選んでもよし、形で選んでもよしですが、まずは手にとって、試打してみるというのも良いかもしれません。ホームセンターへ行くと、実際にインパクトの展示品を手に取ることができます。
おすすめは、全国展開で建材メーカー「LIXIL」が運営するホームセンター「ビバ◯ーム」。その中でも「スーパービバ◯ーム」には多種多様なインパクトドライバーが展示されています。一般家庭向けのホームセンターではなく、プロ向けのホームセンターだからこそ、店員さんの知識も豊富です。
ぜひ、インパクトドライバーを手にとって選んでみてください。
インパクトドライバーやソケットについてより詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。