安い or 高い? インパクトドライバーの値段で質はどう変わる!?

引用:wikimedia.org
大工道具、DIY工具の代表格であるインパクトドライバー。近年では非常にさまざまなメーカーから販売されており、価格帯も高いものから安いものまで様々です。

安いインパクトと高いインパクトでは、何がどう違うのでしょう?そこで今回は、プロユースからDIYまで、インパクトドライバー選びの基準を徹底解説!マキタ、HiKOKI(旧 日立工機)、リョービ、ボッシュなどおすすめのメーカーもご紹介いたします。

安いインパクトと高いインパクトの違い

引用:Amazon
それでは、インパクトドライバーの値段の違いがどういうところに現れるのかをシンプルに説明していきます。
※あくまで全体的な傾向ですので、これに当てはまらないことも多々あります。

インパクトドライバーの値段の相場は3〜5万円程度です(セット時)。まずは単純に、これを下回る値段のものを「安いインパクト」とし、この値段帯以上のものを「高いインパクト」ということにしましょう。

高いインパクトドライバーの特徴

マキタ TD170DRGX 充電式インパクトドライバ 青 18V 6.0Ah

大手電動工具メーカー「マキタ」のインパクトドライバー。

充電器を入れたまま充電が可能。下向きでバッテリが下がりにくく、熟練の技をボタン1つで再現できる「楽らくモード」を搭載。

【高性能】

高いインパクトは、建築の現場など、プロユースでの使用を前提として設計されているため、安いものと比べて高機能であることが多いです。

【耐久性がある】

現場でのハードな連続使用を前提としているため、耐久性や剛性が高く設計されています。

【軽い(※重い)】

インパクトの心臓部であるモーターは、現在ブラシレスモーターが主力となっており、従来型のブラシモーターと比べて軽量・コンパクトなのが特徴です。

バッテリー部には軽量なリチウムイオンバッテリーを採用しているため、従来型のニッケル水素バッテリーやニッカドと比べ、軽いです。

しかし、プロユースを前提として剛性アップや耐久性の強化が図られているため、結果として安いインパクトよりも重いかもしれません。

【パワフル】

ハードな連続使用に耐え、駆動に十分なゆとりをもたせてあるので、トルクがあり、パワフルです。

【バッテリーの持ち時間が長い】

省エネなブラシレスモーターに加え、大容量・効率の良いバッテリーが組み合わされているので連続使用による持ち時間は長いです。

安いインパクトドライバーの特徴

リョービ(RYOBI) 充電式 インパクトドライバー 12V BID-1260 658425A

人気のメーカー「リョービ」。ネジ締め速度を高速から低速に切り替えることができ、グリップは本体を保持しやすい細握りグリップです。ビット先端を照らす、高輝度LEDライト付。
【耐久性が低い】

プロユースよりは、ライトユースなDIY等を主なターゲットにしているので高いインパクトドライバーと比べると耐久性は劣ります。

あくまでプロユースのものと比べての話になるので、よほどの安物を購入しない限り、DIYでのハード使用には全然耐えられます。

【重い(※軽い)】

今はあまり見かけなくなりましたが、バッテリーにコスト面で有利なニッケル水素やニッカドを使用しているのでリチウムイオンバッテリーと比べて重量があります。

また、現在主流のブラシレスモーターではなく、廉価なブラシモーターを採用していることも多く、重量の増加につながります。

しかし、プロユースのインパクトドライバーと比べ、ハードな現場での使用を前提としていないので、その分剛性を減らし、軽量に作られていることが多く、結果的には軽いかもしれません。

【パワーが弱い】

DIY用途に対して不十分なトルクではありませんが、パワフルなモーターとは言い難いです。プロの現場でハードに連続使用すると、モーターが悲鳴をあげてヒートアップすることも!?

【バッテリーの持ち時間が短い】

バッテリーはコストの割合を大きく占めているため、価格を下げればバッテリーの電圧や容量も下がります。そのため、連続使用による持ち時間は短縮されます。

また、主流のリチウムイオンバッテリーと比べ、廉価なニッケル水素やニッカドバッテリーは持ち時間が短くなります。

インパクトドライバーの値段はコレによって決まる!

引用:フォト蔵
ざっと、概要を説明しましたが、いかがでしょうか?

値段帯によって、どのような違いがあるのか、おおよそご理解いただけたかと思います。次は、より細かく、実際に使うとどのような違いがあるのかをご紹介していきます。

バッテリーによる違い

現在主力となっているインパクトドライバーのバッテリーパックは、[14.4V]か[18V]になります。

廉価なインパクトでも、最近はリチウムイオンで上記電圧のものも増えました。これは、かつて高価だったリチウムイオンバッテリーの価格が下がったことによる恩恵です。

そのため、今はかなり減りましたが、廉価な従来品のニッケル水素やニッカドを使用した[12V]仕様や、リチウムイオンバッテリーの[10.8V]仕様もあります。

電圧が高いほど、バッテリーの持続時間が長くなります。DIYで使用する分には、どのバッテリーでもさほど不便を感じないと思います。

モーターのトルク

インパクトの値段の違いに、モーターの性能や機構、トルクの違いがあります。近年では廉価なインパクトでもさほど遜色なくなりましたが、トルクが低いと、打撃による締め付けが比較的早い段階で始まるので、「ダダダダっ」という音が出始めるのが早いです。

個人的な感想としては、ダダダ音がうるさいものほどトルクが弱いインパクトだと言えます。

耐久性、信頼性

インパクトは長時間の使用、高負荷な使用によって、性質上、どうしてもモーターが発熱して熱くなります。トルクに余裕がないほど早くヒートアップしますし、そうした高負荷な使用を続けていると、寿命も早まります。

プロユースで考えると、連続使用率が高いので、耐久性は問題になってきますが、DIYユースではさほど問題ありません。熱くなってきたら休ませましょう。

セット内容の違い

インパクトドライバー本体の他に、予備バッテリーやケース、充電器がフルセットになっているものが基本となりますが、単体で販売されているものは、比較的安く購入できます。

先述した通り、バッテリーの容量や電圧によっても値段が変わります。

メーカーの違い

「マキタ」や「HiKOKI(旧 日立工機)」のようにインパクト業界で定番とされ、長年の信頼とロングセラーを得ているメーカーのものは値段が高いです。ブランド力で値段を上げているわけではありません。それだけプロユースのあらゆる場面に対応するだけのスペックと耐久性を備えているということになります。

一方で、後発のリョービやボッシュなど、コストパフォーマンスを売りにしているメーカーは価格が低めに設定されています。同じメーカーでも用途がプロユースなのか、DIYユースなのかによって値段帯を設けている場合もあります。

結局高いインパクトがいいの?!

引用:ぱくたそ
そんなことはありません。あくまで用途に合わせて選びましょう。建築の現場で仕事をしている方は、やはりインパクトの連続使用率が高いので、マキタやHiKOKI(旧 日立工機)など、プロユースの定番ブランドをおすすめします。

一方で、DIYとしてライトユースな使い方をするのであれば、むしろコストパフォーマンスを重視したブランドのインパクトをおすすめします。インパクトドライバー入門として、「インパクトってこんなもの」というのを経験するのにはうってつけですし、さほど酷使しないのであれば、トルクや耐久性の問題はあまりこだわる必要がありません。

[用途別]おすすめインパクト紹介!各ブランドごとの特色とは?

インパクトのスペックや値段による違いをご理解いただけたところで、各ブランドごとの定番インパクトと、そのメーカーの特色をご紹介していきます。

マキタ (makita)

インパクトドライバーの、ど定番ブランドです。建築業界の職人さんはたいていマキタかHiKOKI(旧 日立工機)を使用しています。マキタの使用率がとても高く、それだけプロの現場での信頼性が厚いメーカーです。

近年ではDIY用途のハイコストパフォーマンスなモデルも出しています。

【プロユースの定番機種】
マキタ TD170DRGXL 充電式インパクトドライバ ライム 18V 6.0Ah

値段と使い勝手、耐久性などのバランスに優れています。業界で最も多くの職人さんが使用しているのではないでしょうか。実際に私も使用しており、たくさんの人に選ばれている確かな品質と手応えを感じます。上記18V仕様の他に14.4Vバッテリーのパッケージもあります。
【DIY用途にハイコストパフォーマンスモデル】
マキタ DIYモデル 充電インパクト 14.4V M697DSX

マキタの品質をしっかりと受け継ぎつつも、近年登場したのがコチラ。上記製品と比べ軽量で、長時間の使用にも手が疲れません。ライトユースにおすすめです。

HiKOKI(旧 日立工機)

マキタと並んで多くの業界人に選ばれている老舗のインパクトドライバーブランド。マキタと比べると、高機能で痒い所に手が届く機能性を重視している印象を受けます。

取扱場所も多いので、マキタと並んで購入後のサポートやアフターメンテナンスにも利があります。

オススメ定番機種
HiKOKI(旧 日立工機) 18V コードレスインパクトドライバ 6.0Ah

プロユースとしてたしかな精度、性能を持ち、複数のモードを備えています。18Vリチウムイオンバッテリーの確かなトルクと、持続時間の長さも魅力的です。
【HiKOKI(旧 日立工機)のベストセラー!DIYにもオススメ!】
HiKOKI(旧 日立工機) 14.4V コードレスインパクトドライバー 充電式 1.3Ah

HiKOKI(旧 日立工機)のインパクトのベストセラーはコチラ。プロユースの上記と比べて軽量で値段も安く、コストパフォーマンスの高さから建築業界で使用する職人さんも多いです。ロングセラー商品なので、近年のDIY向けに販売されているものではありませんが、コストとの兼ね合いも優れているので、DIYに使用するには申し分ないでしょう。ただ、ちょっとパワーがありすぎるのと、指先のトリガーで回転速度の調節がシビアなので、インパクトビギナーさんにはコツがいるかも?!

リョービ (RYOBI)

近年ホームセンターなどでもよく目にするようになったリョービ。HiKOKI(旧 日立工機)やマキタと比べると低価格で、DIY層をターゲットに展開されていますが、職人さんでも結構使っているのを見ます。

【リョービの定番インパクト】

リョービ(RYOBI) 充電式 インパクトドライバー 14.4V

リョービといえばこのインパクト。本体・バッテリーの他に、予備バッテリー・充電器・ケースがついたセットでこの価格は魅力的。国産メーカーなので取り扱い店舗も多く、価格もリーズナブルなのでDIYにはおすすめ。ただし、ビットは別売りなので、インパクト用のビットを別途購入しましょう。

HiKOKI(旧 日立工機) ビット10本セット

六角軸二面幅:6.35mm、ドライバードリル用 0040-1000です。
【インパクト入門機におすすめ!コスパで選ぶならコレ】
リョービ(RYOBI) 充電式 インパクトドライバー 12V BID-1260 658425A

リョービはただでさえ価格設定が良心的ですが、この機種は1万円を完全に切ってしまっています。この値段でしっかりとした信頼できるバッテリー式インパクトはそうそうありません。

12Vのニッカドバッテリータイプなので、主力のリチウムイオンと比べ若干重たいですが、コストダウンに貢献しています。もちろんバッテリー2個、充電器、ケース付きで、こちらのタイプはビットも付属しています。DIY用途としてはこれ以上ないコスパだと思います。

ボッシュ (BOSCH)

ドイツのメーカーであるボッシュ。国内では比較的低価格なインパクトのイメージがあり、DIY主力と思われがちですが、プロ用の製品も販売しています。機械製品としては、日本と並んで信頼の置けるドイツ製。しかもホームセンターなど、取り扱い店舗も多く、コストパフォーマンスにも優れているので特にDIYにはうってつけです。

【ボッシュの定番機種】
BOSCH(ボッシュ) 18Vバッテリー インパクトドライバー PDR18LI-1B

18V仕様のリチウムイオンバッテリーを搭載しながら、この低価格で購入できます。こちらはバッテリー1個に、ケース、充電器が付属したモデルです。※ビットは別売
【フルセットパッケージも】
BOSCH(ボッシュ) 18Vバッテリーインパクトドライバー PDR18LIN

同じ製品のフルセットパッケージです。バッテリー2個、充電器、ケース、両頭のプラスビットがセットになっています。
それでもこの価格ですから、インパクト入門として手の届きやすいパッケージですね。

実際に試打してみよう!

引用:vivahome.co.jp
インパクトドライバーをいくつか紹介してきましたが、DIY用途のハイコストパフォーマンスなインパクトをとっても、さまざまなメーカー・機種があります。

最初は、直感で選んでもよし、形で選んでもよしですが、まずは手にとって、試打してみるというのも良いかもしれません。ホームセンターへ行くと、実際にインパクトの展示品を手に取ることができます。

おすすめは、全国展開で建材メーカー「LIXIL」が運営するホームセンター「ビバ◯ーム」。その中でも「スーパービバ◯ーム」には多種多様なインパクトドライバーが展示されています。一般家庭向けのホームセンターではなく、プロ向けのホームセンターだからこそ、店員さんの知識も豊富です。

ぜひ、インパクトドライバーを手にとって選んでみてください。

インパクトドライバーやソケットについてより詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。



▽他のおすすめツール記事も合わせてご覧ください

インパクトドライバーの買取は工具男子へ

メーカー別!おすすめの人気コンプレッサー20選

値段・メーカー別おすすめインパクトドライバー5選

【スナップオン大辞典】スナップオンを徹底調査

職人がおすすめする工具箱はコレ!DIYする人なら知っておきたい工具箱10選

プロが勧める厳選された溶接機20選

【トラック100選】貨物輸送の主役!軽トラから大型トラックまで

新着記事

親子DIYの魅力とは?みんなで手作りを楽しむ休日のすすめ

「親子で一緒に楽しめ、子どもが…

2024年9月24日

電動ドリルは適切に処分しよう!複数の処分方法について解説

頑丈そうにみえる電動ドリルも、…

2024年8月30日

【2024年】最新工具のトレンドは?次世代ツールの進化について

年々、進化していく「工具」。最…

2024年8月21日

ネジ穴が潰れたら?回せなくなった時の処置方法

「ネジ穴が潰れた!」「ネジ穴が…

2024年8月14日