えごま油は、その健康効果が注目され、雑誌やテレビなどでもよく取り上げられています。そのため、多くの方がえごま油に興味を持っておられますが、いざ購入するとなると、どのような商品を選べば良いのか迷ってしまうものです。そこで今回は、えごま油の選び方や、市販のおすすめ商品を厳選してご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、えごま油をダイエットや健康、美容にお役立てください。
えごま油は、シソ科の一年草である「えごま」の種子から搾った油です。えごまが食用油として注目され始めたのは最近のことですが、飛騨地方では古くからえごまが食用として使われていました。
えごま油の最大の特徴は、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸が豊富に含まれていることです。α-リノレン酸は必須脂肪酸の一つで、体内でDHAやEPAに変換されます。
α-リノレン酸は体内で生成することができないため、毎日の食事で意識的に摂取する必要があるのです。厚生労働省が成人に推奨しているオメガ3脂肪酸の摂取量は1日1.6〜2.4g、えごま油小さじ1杯で摂取できます。
くるみや大豆にもオメガ3系脂肪酸は含まれていますが、えごま油のα-リノレン酸の量には及びません。
亜麻仁油とえごま油の風味は大きく異なります。えごま油も亜麻仁油も基本的には無味無臭ですが、えごま油の方がクセがあるという方もいます。亜麻仁油は、亜麻仁という植物から採れる油です。
亜麻仁油にもオメガ3脂肪酸が含まれていますが、その量はえごま油よりもやや多めです。また、飽和脂肪酸、ビタミンKも亜麻仁油の方が多く含まれています。とはいえ、両者に大きな違いはありません。好みの味で選んでいただくことができます。
えごま油に期待出来る体への効果ですが、注目すべきは、えごま油に含まれるオメガ3脂肪酸が消化管に作用し、代謝を高めて脂肪を燃焼しやすくすることです。
また、腸の働きを活発にするので、便秘の予防にもなります。そのため、適度な運動や食事制限と組み合わせることで、ダイエットをサポートする食品といえます。
摂取量の目安は1日ティースプーン1杯です。摂りすぎると吐き気や下痢を起こすことがありますのでご注意ください。
このように、健康効果が期待出来るえごま油ですが、食事に取り入れてすぐに痩せるわけではないので、効果的なダイエットをしたい場合は、積極的に運動や食事制限も行う必要があります。
ここからは、えごま油の正しい選び方をご紹介します。 商品によって、α-リノレン酸の含有量や搾油方法、産地などが異なりますので、比較すべき要素を確認してみてください。
搾油方法には、大きく分けて「加熱」「非加熱」「抽出」の3種類があります。それぞれ搾油方法や特徴が異なりますので、確認していきましょう。
まず、「低温圧搾法」はコストが安く、栄養素が壊れにくい方法です。えごま油に含まれるα-リノレン酸は、熱に弱い性質を持っています。この製法では、ゴマを約40〜60℃に加熱してから搾ります。
「加熱式」は160〜210℃の高温で油を分離するのが特徴ですが、「低温圧搾」はごまに熱を加えないため、ごまの栄養素を壊さずに済みます。また、比較的値段が安いため、初めての方にも挑戦しやすいと言えます。
次に、「非加熱圧搾法」ですが、この製法は生搾りとも呼ばれ、鮮度を重視する方におすすめです。非加熱圧搾法とは、その名称の通り、熱を加えずに圧力をかけてごまを圧搾する方法です。新鮮なごま油を作ることができるのが特徴です。
他の圧搾法に比べて時間とコストがかかるため、加熱圧搾法ほど多くのごま油を搾ることができず、価格も高くなります。そのため、少々値段が高くても、品質にこだわりたい方に人気の製法です。
最後に取り上げるのは「抽出法」です。大量の油を搾ることができるのが「抽出法」の特徴です。抽出法は、化学溶剤を使って油を溶かし、ゴマから搾り出します。
そのため、大量の油を効率よく搾ることができます。この製法ではほとんどの油分を種から分離することが可能ですが、その分栄養分も破壊されてしまうという欠点があります。
抽出法で搾ったごま油は、商品パッケージやメーカーの公式サイトに搾り方が明記されていない場合があります。健康のためにごま油を使いたい方は、抽出法を避け、圧搾法が明記されているものを選ぶようにしましょう。
えごま油に含まれるα-リノレン酸の量は、製品によって異なります。より少ない油でより多くの量を摂取できるよう、できるだけα-リノレン酸が多く含まれている商品をおすすめします。
α-リノレン酸60%以上と謳っている商品も多いのですが、1日に必要なオメガ3脂肪酸の量は1.6〜2.4gなので、α-リノレン酸が約60%含まれているえごま油なら、小さじ1杯で1日の必要量を満たすことができます。
逆に30%程度しか含まれていない場合は、スプーン2杯のえごま油では足りません。えごま油が体に良いといっても、摂りすぎるとコレステロール値の上昇や体重の増加など、体に悪い影響を及ぼすこともあります。
α-リノレン酸を効率よく摂取したいのであれば、α-リノレン酸が60%含まれている油を選びましょう。
えごま油は光や熱に弱く、品質の劣化が早いのが特徴です。酸化すると味やにおいが変わってしまうので、新鮮なうちに早めに使い切ることをおすすめします。酸化したものは体によくありませんので、無理して長期間使わないほうがいいでしょう。
メーカーによって賞味期限は異なりますが、平均的な賞味期限は1年程度です。賞味期限内であっても、開封してしまうと品質が劣化してしまうので、開封後は1~2ヶ月で使い切ることをおすすめします。
また、酸化劣化を防ぐための取り組みもメーカーによって異なり、「酸化ブロック法」や「フレッシュキープボトル」などがあります。光から守るために黒いボトルを使用している商品や、保存性を高めるために瓶に入っている商品などがおすすめです。
ここからは、えごま油のおすすめ商品をご紹介します。ぜひ先ほどご紹介した選び方のポイントも頭におききつつ、気に入る一本を見つけてください。
「オーサワのえごま油」は、生タイプでクセがないので、ジュースや素焼きの食事に混ぜて使うと便利です。初めてごま油を使う方にも使いやすい商品です。原料はすべて、岡山県と宮城県で栽培された無農薬のえごまです。熱を使わず、ごまの栄養を逃さない製法で搾油しています。
島根県奥出雲町で手摘みされた天日干しのえごま(栽培時に化学農薬や化学肥料を使用していない)のみを使用した商品です。乾燥させたごまを専用の搾油機で低温圧搾し、圧搾後すぐに瓶詰めしています。
溶剤抽出や成分調整などは一切行っていないため、安心して召し上がることができます。1日ティースプーン1杯を目安に、食事と一緒にお召し上がりください。
「飛騨えごま本舗」では、飛騨地方の伝統食品である「飛騨えごま」のみを使用したえごま油を販売しています。
自社でえごまの種を栽培する一方で、飛騨地方の農家と協力して飛騨えごまの種を継承、栽培から搾油、販売まで、すべて飛騨地方で行い、地産地消に努めています。
飛騨えごま本舗で生産されているえごまは、畑に蒔けば芽が出るような「生きた状態」のえごまを、温度と湿度が管理された特別な倉庫で保管しています。
また、注文を受けてから自社の搾油機で油を搾る「受注生産」を行っていますので、、新鮮で搾りたてのごま油を消費者に届けることができます。鮮度にこだわる方にはぜひおすすめの商品です。
「ジュネ」とは、青森県南部地域のえごまの名称です。この商品は青森県田子町で種まきから収穫まで農薬を使わずに手作業で行い、雑穀の町である岩手県軽米町で搾油しています。柑橘系の食材や酢の物と相性が良く、納豆や卵かけご飯にもよく合います。
えごま油の60%以上に含まれるα-リノレン酸は必須脂肪酸ですが、現在私たちが口にする食用油の多くは、同じく必須脂肪酸でありながら過剰に摂取されがちなリノール酸を含んでいます。
その点、「ふくふくファーム田子ジュネオイル」は、抗酸化作用が期待できるαリノレン酸が豊富ですので、安心して摂取することができます。
「朝日えごま油」は、酸化防止効果のある新鮮ボトルを使用したえごま油です。無臭で味にクセがないので、いろいろな料理に使えます。サラダのドレッシングとしてだけでなく、その軽さから和風だしにも使えます。
また、煮物やお味噌汁の上に少し垂らすと、味が引き締まってより一層美味しくなります。ポン酢やマヨネーズなど他の調味料と混ぜることもできるので、活用の幅が広く、えごま油を日常的に使いたい方にもおすすめです。
「紅花食品 有機 荏胡麻油」は、α-リノレン酸を含むえごまを100%搾った油で、有機JAS認証を取得しています。化学溶剤を使わず、60℃以下の低温圧搾法で一滴一滴搾った貴重なオイルです。
α-リノレン酸は不飽和脂肪酸のひとつで、熱に弱く、酸化されやすい性質を持っているため、加熱調理の必要ない料理への使用がおすすめです。
「創健社 えごま一番」は、ごま油を配合した、香り高い一番搾りのえごま油です。ごま油が約3%含まれていますので、より風味豊かな商品となっています。お味噌汁や煮物などに使うと、コクが出て美味しくなります。
また、食品添加物を使用せずに丁寧に作られた一番搾りごま油は新鮮ですので、そのままジュースやヨーグルトにかけるなど、便利にお使いいただけます。
「太田油脂 マルタえごまオイル」は、コスパに優れたえごま油をお探しの方におすすめの商品です。圧搾法でα-リノレン酸を60%含有しているにもかかわらず、比較的安価で初心者にも使いやすいのが特徴です。
ドバッと一気にでないように、少量ずつ垂らすことができる注ぎ口も便利です。たんぱく質との相性がよいので、肉や魚料理の仕上げに使ったり、豆腐や納豆などの大豆製品に加えたりすることができます。また、卵かけご飯に数滴垂らすと、風味と旨味が増します。
「長白工坊 有機えごま油」は、100%生の有機ごま油です。有機JAS認定食品ですので、安心して召し上がることができます。
製法はコールドプレス製法を採用していますので、フレッシュでクセのない味と香りを楽しめます。そのまま使用するのはもちろん、加熱せずにサラダドレッシングや味噌汁、和え物など様々な料理に加えることができます。
また、健康のために意識して摂取すべき必須脂肪酸とされるα-リノレン酸(オメガ3)が豊富に含まれているのもうれしいポイントです。
無漂白のえごまの一番搾りのみを使用していますので、えごま本来の色と風味を楽しめます。また、農薬を使わずにモンゴルで栽培されたえごま100%の商品ですので、無添加商品にこだわる方にもおすすめしたいえごま油の1つです。
ギーオイルやMCTオイルなど、健康に役立つオイルを集めて販売する会社「フラット・クラフト」の商品です。コールドプレス製法を採用し、体への影響が懸念される化学溶剤を使用しない、安心のえごま油で、毎日の食生活に気軽に使用できます。
また、えごま油に独特の臭みを抑えた商品となっていますので、小さなお子さんや臭いに敏感な方にもおすすめです。
テレビで話題になり、注文が殺到している純粋なえごま油です。α-リノレン酸とオメガ3を豊富に含む100%えごまを使用したオイルで、こだわりの熟成焙煎により、香ばしい香りがします。
また、この商品は成分分析試験を実施しているので、安心してお使いいただけます。ほとんど無味無臭なので、さまざまな料理にアレンジしてお使いいただけます。トーストやサラダ、アイスクリームなどに塗って頂くのもおすすめです。
信州・長野県の豊かな自然の中で収穫されたえごまから抽出した無添加のオイルです。数量限定生産のため、在庫が無くなり次第、販売終了となります。
写真のように、国産のえごま油は鮮やかで純粋な黄金色をしています。海外製品と違ってクセがなく、安全な品質ですので、安心して美味しく食べられます。
サラダのドレッシング、お味噌汁、パン、パスタ、焼き魚、納豆などに手軽にかけて使えますので、長続きしやすいのもメリットです。
「天長食品工業 無添加無着色 えごま油」は、初めて購入される方におすすめのえごま油です。無添加・無着色なので、自然派志向の方にも安心してお使いいただけます。
体にいいとは分かっていても、えごま油の独特の匂いや酸味が苦手な方も多いと思いますが、この商品はクセが控えめですので、ティースプーンでそのまま飲むといった使用法が可能です。
「母心 生えごま油」は、ITQI(国際味覚審査機構)の「優秀味覚賞」を受賞した商品です。えごまの種子を加熱せずに、50℃以下で低温圧搾(コールドプレス)して作られています。
サラダのドレッシングとして使えるのはもちろんのこと、サラサラとした食感なのでヨーグルトに混ぜたり、お味噌汁に入れて頂くこともできます。
「味の素 えごま ブレンド油」は、ごま油を30%配合し、コレステロールゼロを実現した栄養機能食品です。加熱に強いコーン油と、オメガ3が豊富なごま油をブレンドすることで、炒め物や揚げ物をよりおいしく仕上げています。
また、開封後も鮮度を保てる新鮮ボトルを採用しているのも特徴です。ボトルは持ちやすく、使用量の調整も簡単です。
「菊池ごま生産研究会」により製造されているえごま油です。熊本県菊池地区(大津町・菊陽町)で無農薬・無肥料で栽培・収穫された黒えごまのみを使用しています。熱に弱いえごまを焙煎せず、コールドプレス製法で生のまま搾り、純粋なえごま油に仕上げています。
また、自社の品質検査と外部機関の食品検査に合格したものだけを商品として販売していますので、安心して生食で頂くことが可能です。
「COCOCURE 黄金えごま油 オーガニック100%」は、こだわりの有機えごまを使い、コールドプレス製法で製造しています。限られた有機JAS規格の100%オーガニック農場で生産されているため、希少性が高く、数量限定です。
また、畑から工場まで一貫して生産されており、味の調整は一切していないため、天然のえごま油の味や色、香りを100%楽しむことができます。えごまの自然な味わいを楽しみたい方にぴったりの商品です。
ここからは、えごま油のおいしい食べ方や注意点をご紹介します。初心者でも簡単に続けられる食べ方や、実際に使い始める前に知っておくとためになる情報ですので、ぜひ参考にしてください。
えごま油の1日の摂取量の目安は、ティースプーン1杯程度です。あくまでも目安ですので、あまり気にせず、摂りすぎには注意しましょう。厳密には、性別や年齢によっても違いがありますので、特に小さなお子さんに食べさせる場合は、摂取量をよく確認してください。
一緒に食べると効果的な食材ですが、えごま油は、タンパク質と一緒に摂ると効果的です。タンパク質を多く含む食品の代表格でありながら手軽に摂取できる、卵や納豆に加えるのがおすすめです。他にも、鶏肉やチーズなど、高タンパクな食品に加えるのもおすすめです。
えごま油は熱に弱く、酸化しやすい性質を持っていますので、なるべく熱を加えないようにすることで、α-リノレン酸を多く残すことができます。そのため、えごま油を効率よく摂取するには、「生」で食べるのがおすすめです。
それでは、えごま油のおすすめの食べ方、使い方を詳しくご紹介します。まずは、「そのまま飲む」方法です。えごま油は、軽くてサラサラとした食感の食用油です。
食事に取り入れることに抵抗がある場合は、ティースプーン1杯分をそのまま飲んでもOKです。飲むタイミングは、胃が荒れないように食後がよいでしょう。
「お味噌汁やコーヒーに入れる」のも良いでしょう。熱に弱いごま油ですが、お味噌汁やコーヒーに入れたり、炊きたてのご飯や温かいパスタにかけたりすることで、熱を加えない方法で摂取できます。えごま油はサラサラしているので、味噌汁やコーヒーに入れても味が悪くなることはありません。
また、「納豆に混ぜる」のもおすすめです。納豆には、タンパク質をはじめ、鉄分やカルシウム、大豆イソフラボンなどの栄養素が豊富に含まれています。この納豆にごま油を加えることで、さらに栄養素のバランスがよくなることが期待できます。
納豆に含まれる良質な植物性たんぱく質には、脳の神経細胞のつながりを強くする効果がありますので、この効果と、えごま油の血流促進効果が相まって、認知症予防にさらに効果を発揮します。
「炊きたてのご飯に混ぜる」方法もあります。特に納豆が苦手な人には、炊きたてのご飯に生卵を加え、ごま油を加える方法がおすすめです。こうすることで、卵のタンパク質とご飯の炭水化物に、ごま油のα-リノレン酸が加わり、栄養バランスが整います。
美容や健康維持のためにえごま油を摂り入れたい方へ、注意すべきポイントをご紹介します。まず、えごま油の過剰摂取に注意しましょう。
えごま油には、体内で合成できないオメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸が豊富に含まれているため、美容や健康維持のためにたくさん摂りたいと考える方も多いでしょう。
しかし、えごま油はやはり植物性脂肪なので、過剰に摂取してはいけませんし、普段の食事に加えてしまうと、脂肪の過剰摂取になってしまう可能性があります。えごま油以外にも、魚介類や肉類、植物油などの脂肪酸をバランスよく摂取することが大切です。
それが難しい場合は、直射日光の当たらない冷暗所で保管するとよいでしょう。商品によって適切な保存方法が異なる場合がありますので、パッケージに記載されている保存方法を確認し、それに従うのがよいでしょう。
今回は、えごま油とはどんな種類の油なのか、またその正しい選び方や、おすすめの人気えごま油をご紹介しました。えごま油は必須脂肪酸が豊富で体にとても良いものですが、摂り方を間違えると体にダメージを与えてしまうこともあります。今回の情報を参考に、自分や家族に合った商品を選び、適切に摂取することで健康に役立てましょう。