アメリカと日本では、平均年収に大きな差があることをご存知でしょうか。また、日本とアメリカでは、年収を上げるためのプロセスにも大きな違いがあります。このページでは、アメリカの平均年収と平均年収が高い企業について、またアメリカで平均年収を上げる方法について解説しています。転職をお考えの方にぜひ参考になれば幸いです。
目次
まずは、アメリカの平均年収がどのくらいかについて、おおよその概要を把握しておきましょう。結論から言えば、アメリカの年収の方が、概して日本よりも高いという統計結果が出ています。
アメリカの平均年収は450〜500万円程度です。対して、日本の平均年収は420万円ほどです。つまり、アメリカの平均年収が日本より高いことがわかります。ただし、アメリカの平均年収が現在の平均年収になるまでには、リーマン・ショックなどで浮き沈みがありました。
アメリカの平均年収の推移は、2008年から見ていくとわかりやすいのですが、まずリーマンショックが起きた2008年、当時の平均年収は50万円近くも下がっていました。
そこから4年間の停滞期を経て、2013年から徐々に回復していきました。2017年には、リーマンショック前の平均年収と同じ水準まで戻り、完全に回復しています。
それでは、アメリカの平均年収にはどのような特徴が見られるのでしょうか。ここでは3つの特徴を取り上げたいと思います。
米国の年収は、学歴により異なりますが、それだけでなく、保有する資格によっても大きく差が出ます。アメリカと日本の年収の大きな違いといえば、勤続年数による年収の増減システムが挙げられます。
日本ではまだ終身雇用があり、勤続年数で収入が増えることが一般的ですが、アメリカでは実力主義です。そのためアメリカでは実力がある方はどんどん稼ぐことができます。
アメリカでは、日本に比べて男女の年収差が少ないというイメージがありますが、労働者の賃金には多少の差があります。
労働統計局が発表した統計によると、2008年のアメリカのフルタイム労働者の男女間の賃金格差(男性に対する女性の比率)は20.1%ということが分かっています。
上記のデータは古いものなので、現在はさらに賃金格差が小さくなっている可能性もありますが、2008年時点では、女性の賃金は男性よりも低くなっています。つまり、男性の賃金が1万円だとすると、女性の賃金は8千円となります。
ただし、すべての業種で女性の賃金が男性よりも低いとは限りません。職種によっては、男女の差がほとんどない場合もあれば、女性の方が賃金水準が高い場合もあります。
アメリカは、日本に比べて所得格差が非常に大きい国です。年収1,000万円以上の富裕層が多い一方で、年収200万円以下の貧困層も少なくありません。
アメリカでは日本と違って中間層が非常に少ないため、富裕層と貧困層の二極化が顕著になっています。特に、ボストン、サンフランシスコ、アトランタなどの都市では所得格差が大きく、問題となっています。
アメリカの職業の中には、日本と比べて平均年収が高い職種があります。ここでは、平均年収が高い職業の代表をいくつか取り上げます。
歯科医師の平均年収は、日本では約700万円ですが、アメリカでは約1600万円となっています。看護師と同様、医療費の高さが年収の高さの要因の一つですが、アメリカ人の多くが歯の審美性を重視する傾向にあることも大きな要因です。
矯正治療を行う歯科医も多く、人気の歯科医は年収2000万円を超えることもあります。実力主義のアメリカでは、実力のある方が高収入を得ることができます。また、医療費が高額なアメリカでは、歯科医師だけでなく、麻酔科医や外科医、精神科医などの医師の年収も高い傾向にあります。
日本の看護師の平均年収が400~450万円程度であるのに対し、アメリカでは700万円程度です。数百万円以上もの大きな差があるのは驚きではないでしょうか。
アメリカの看護師の年収が日本に比べて高いのは、アメリカの医療費の高さに加えて、アメリカでの看護師の地位が大きく関係しています。
日本の看護師は医師の指示のもとに医療行為を補助するのが原則ですが、アメリカの看護師は自分の判断で行動できる場合もあり、時には医師と対等に議論することもあるほどです。
米国の看護師は、より専門的な知識が求められ、自分の行動に対する責任も大きいため、賃金が高く設定されているのです。
トラックドライバーの平均年収は、日本では400〜500万円程度ですが、アメリカでは600万円程度になります。看護師と同様、日本とアメリカの平均年収には大きな差があります。
アメリカでは、物流の増加に伴いトラックドライバーの需要が高まっているため、トラックドライバーが不足しています。
その結果、需要と供給のバランスの関係から、トラックドライバーの平均年収が上昇しているのです。中には年収1,000万円というトラックドライバーもいます。
アメリカの企業で幹部クラスになると、平均年収も上がります。その平均年収は約1,800万円とも言われていますが、企業の幹部の特徴は、責任が重く、プレッシャーが大きいことです。
そのため、平均年収が高くて当然と言えるかもしれません。しかし、より高い年収を得られるポジションとして、サラリーマンの目指すところとなっています。
ソフトウェア・エンジニアも、米国では人気の高い高収入の職業です。米国のソフトウェア・エンジニアの平均年収は約800万円です。
ソフトウェア・エンジニアには、企業で働く場合と個人事業主として働く場合があり、働き方には多様性があります。ソフトウェアエンジニアには多くの特殊技能が求められるため、年収も必然的に高くなります。
ここでは従業員の平均年収が高いアメリカの企業5社をご紹介します。アメリカの平均年収が高い企業を知ることで、日本国内でもどのような企業を選べば高収入を期待出来るのかが見えてきます。
つまり、給料が上がりそうな日本企業の傾向がわかるのです。傾向がわかれば、自分が何を学ぶべきかイメージしやすくなりますし、学ぶべきことがわかれば、給料アップを目的とした異業種への転職の準備ができます。
また、結婚や育児に備えて給料を上げるためには、今どのような準備をすればいいのかもわかるようになります。これから未来に向けてキャリアアップや転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
最初に取り上げるのは。「パロアルトネットワークス」という会社です。日本ではあまり聞きなれない社名ですが、社員数は約8,000人と、とても大きな会社です。
社員の年収は約17万1000ドル、つまり日本円では約1,800万円にもなります。この会社は、いわゆるサイバー犯罪防止用のソフトウェアを作っていて、主に企業向けに製品を販売しています。
そのため、個人の間ではあまり知られていないのが現状です。裏を返せば、日本国内でも、一般的にあまり認知度のない会社でも、高収入が得られるかもしれないということです。
エヌビディア(NVIDIA)は1993年に設立された大手半導体メーカーです。最近では、任天堂とNintendo Switchを共同開発していることで知られています。
エヌビディア(NVIDIA)が手掛けている主な製品は、コンピュータの処理などを高速化するGPUで、デスクトップPCやノートPC向けの「GeForce」が有名です。
また、スーパーコンピュータ用のプロセッサや、自動運転のための技術開発にも力を入れています。世界の時価総額ランキングでも上位に位置する高収益企業で、時価総額は約9兆円となっています。
自動運転の分野では、トヨタ、テスラ、ダイムラー、ボルボなど自動車業界のリーディングカンパニーに採用されているほか、AIの分野でも注目されています。
多くのユーザーを抱える動画配信サービスを運営するNetflixも、年収の高いアメリカで人気の企業です。Netflixは、2007年にストリーミングサービスを開始した、ストリーミングによるエンターテインメント配信のパイオニアです。
激化を増すストリーミングでのエンタメ市場の中において、ここ数年で会員数を急激に増やしている成功企業と言えます。
世界中でサービスを展開しており、現在も需要は右肩上がりです。平均年収は1,300万円台と高額に設定されており、やりがいと高収入を両立できる企業です。
Googleは、世界的に有名なテクノロジー企業です。世界ナンバーワンの検索エンジン「Google」を運営しており、自由な働き方を実現しています。平均年収は1,500万円~1,800万円と言われており、アメリカでもかなり高い平均年収となっています。
A.T.カーニーはシカゴで設立されたコンサルティング会社です。A.T.カーニーの平均年収は1600万円~1900万円程度となっています。
毎年世界の高給取りランキングに入っており、まさに 「稼げる企業」の代表格と言えるでしょう。実際にアメリカでは、経営学を学ぶ学生の間で非常に人気の高い就職先となっているようです。
アメリカは実力主義なので、自分次第で収入アップを目指すことができます。アメリカで収入を増やすには、「結果を出して実力をアピールする」「資格を取得する」「大手企業に就職する」などの方法があります。
日本との違いは、とにかく実力が求められることです。以下、自分の能力やスキルをどうやってアピールするかを考えてみてください。
アメリカでも日本でも、資格は能力の証明です。どんな仕事をしていても、資格を取得すれば一定の能力があることが証明されます。昇給できるかどうかは本人の能力次第ですが、給料の高い会社に採用されるには資格取得が有効です。
また、アメリカで高収入を得るためには、大手企業で働くことも重要なポイントです。アメリカでは大企業の方が年収が高い傾向にあります。
中小企業と大企業では、財務体質に差があります。そのため、大企業で働いたほうが、自分のスキルが認められたときに収入が増えるため、高収入を得やすいのです。
先ほど述べたように、アメリカは実力主義です。年収を上げるには、成果を出すことが一番です。成果を上げるためには、自分の能力を高めることが大切です。社会人になる前も後も、自分の能力を伸ばす意識を持つことが大切です。
日本からアメリカ企業に就職するための方法はさまざまですが、ここでは、「日本の支社から海外赴任を目指す」「外資系企業に特化した転職エージェントに登録する」「アメリカの転職サイトをチェックする」の3つの方法を取り上げます。それぞれの方法の概要を見ていきましょう。
まずは、「日本の支社から海外赴任を目指す」方法についてですが、日本の大手企業にお勤めの方は、アメリカに支社がある場合があります。
日本の大手企業にお勤めの方は、日本支社からの海外赴任を希望することで、アメリカで働くことができるかもしれません。
給与体系については、会社の方針によりますが、アメリカで生活するのに十分な給与を得ることができるでしょう。
アメリカで成功すれば、地元の別の会社に移ってキャリアアップすることも可能です。外国語を使い、向こうの雰囲気に慣れることで、海外赴任に適応することができるでしょう。
日本からアメリカの給与体系の会社に転職したい場合は、外資系企業に特化した転職エージェントの活用を考慮してみましょう。
外資系企業に特化したエージェントであれば、海外の求人を優先的に紹介してもらうことができます。また、日本国内からの転職方法も教えてもらうことができます。
外資系企業に特化しているため、ある程度のスキルが求められることがありますが、スキルに自信のある方はぜひチャレンジしてみることをおすすめします。
アメリカでの転職を真剣に考えている方は、アメリカの転職サイトを利用する方法もあります。海外の転職サイトですから、当然利用には向こうのジョブマーケットを理解する必要はあります。
とはいえ、日本のサイトやエージェントを利用した就職活動よりは、はるかに多くの情報を得ることができます。
英語に自信のある方は、一度自分が働きたいと思う地域の求人サイトをチェックして、仕事を探してみましょう。
以上、アメリカの平均年収と日本との違いについて説明しました。アメリカの平均年収は450万円から500万円で、日本とそれほど大きくは変わらないのですが、賃金に対する考え方が大きく異なります。
アメリカで高収入を得るためには、実力をつけて結果を出すことが何よりも重要です。自分の能力次第では、日本よりも高い収入を得ることができるかもしれません。転職をお考えの方は、上記の内容を参考に、アメリカでの就職の道を探ってみてください。
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