ボーカルや楽器演奏を高音質で録音するために欠かせないのがコンデンサーマイクです。さまざまな種類があり、音質や指向性など録音の状況に応じて適切なモデルが異なるため、選ぶ際には注意が必要です。今回は、コンデンサーマイクのおすすめモデルを中心にご紹介します。初心者に適したモデルからプロが使用するモデルまで、おすすめのモデルとその選び方をご紹介します。
コンデンサーマイクは、音源を高音質で録音するための高性能なマイクです。声やボーカルをクリアで高品質な音で録音することができます。
コンデンサーマイクは、屋外でのイベントやライブに使用されるダイナミックマイクとは異なり、振動や湿度に弱いため、屋外での使用には適していません。スタジオや自宅での録音のほか、「ゲーム実況」や「歌ってみた」などの動画配信にもおすすめです。
ダイナミックマイクは、音による空気の揺れを振動板で捉え、電気信号をコイルで発生させます。ダイナミックマイクは、コンデンサーマイクのように電源を必要とせず、湿度にも比較的強いのが特徴です。
一方、コンデンサーマイクは、湿度や振動には弱いものの、音域が広く、繊細な音を拾うことができます。
そのため、コンデンサーマイクは、レコーディングや映像配信での使用に適しているのに対し、ダイナミックマイクの方はライブハウス、路上ライブなどのシーンで活躍します。
それでは、まずは目的に合ったコンデンサーマイクの選び方をご紹介します。いくら漠然といいマイクが欲しいと思っても、目的や用途、指向性に合っていないと満足のいくマイクを手にするのは難しいでしょう。ここで挙げるいくつかのポイントをマイク選びの参考にしてください。
音源を高音質で記録するコンデンサーマイクは、その音質が重要です。マイクの感度は「dB(デシベル)」で表され、その数値がゼロに近いほど感度が良いとされています。
一般的なモデルの感度表記は、約-30~-40dBです。機種によっては、感度を切り替えられるものもあります。また、周波数特性を確認することも重要です。
コンデンサーマイクで再生できる音の範囲を「Hz(ヘルツ)」で表記していますが、機種ごとに音の範囲が異なるので、確認しておきましょう。
無指向性コンデンサーマイクは、マイクを中心とした360度全方向の音を等感度で集音します。複数のチームが集まる会議の場面や逐一マイクのセッティングを変更できない状況においてのレコーディング等、特定の音を強調せずに多方向から音を拾いたい場合に有効です。
とはいえ、全方向の音を拾うので、環境音も拾いやすく、会議で使うと雑音を拾って話が聞き取りにくくなることがありますが、逆にあえて周りの雑音なども含めて臨場感のある演出をしたいときに使われることがあります。
なお、全指向性コンデンサーマイクで話者の音を集音する場合、ハウリングしやすいので注意が必要です。雑音やハウリングを拾いやすいため、音楽には使われない傾向にあります。
単一方向からの感度が特に高いコンデンサーマイクを単一指向性といいます。最も一般的なコンデンサーマイクは単一指向性で、マイクロホンの前方の音に高い感度を持ち、後方の音に低い感度を持つ特徴があります。
このタイプのマイクは、周囲の騒音の影響を受けにくく、目的の音をピンポイントで聞き取ることができます。たとえば、音楽の分野でボーカルや楽器の音を集めるのによく使われ、一人での動画配信にも適しています。
双指向性は「8の字」とも呼ばれ、マイクの前方と後方からの音を同じ感度で集音するタイプのマイクです。横からの音には感度が低く、マイクの後ろからの音に注意すれば、ノイズが発生しにくくなります。
後ろに音源がない場合は、前からの音だけを拾うことができます。楽器が向かい合っているセッションや、ラジオ風の会話、インタビューなどの録音に適しています。
従来のコンデンサーマイクは、3ピンのXLR端子が主流でしたが、現在はUSBタイプのものが多く出回っています。XLRタイプは、マイクで拾った音をパソコンに入力して編集する際に、ファンタム電源(+48V)に対応したオーディオインターフェースが必要になります。
一方、USBタイプはオーディオインターフェース機能を内蔵しており、パソコンに直接接続できるのがメリットです。高音質が求められる音楽制作にはXLRタイプがおすすめで、USBタイプは便利ですが、あくまでも簡易的なマイクとしてお考えください。
コンデンサーマイクは多くの機種が発売されており、選ぶのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。そのような場合には、何本購入するかということと、大体の予算を決めておくとよいでしょう。
例えば、楽器の集音用にマイクを1組購入するのであれば、少しランクを下げたマイクを購入する必要があります。高音質を求めるのであれば、予算の範囲内でスタンダードで信頼性の高いマイクを選びましょう。ノイマン、Blue、AKGあたりが人気のメーカーで、よく話題にも上ります。
それでは、コンデンサーマイクのおすすめ、15モデルをご紹介します。人気の高いモデルや高音質の定番コンデンサーマイク、コストパフォーマンスを重視したモデルなどを厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
この製品の最大の特徴は、低価格でありながら高音質であることです。余計なソフトをインストールすることなく、PCやゲーム機などの機器にUSB接続するだけで簡単に設定できる、高音質で小型・軽量のUSBマイクです。
低価格ながら、タップ式ミュートセンサーを搭載しており、本体のヘッド部分をタップするだけで簡単にミュートのON/OFFを切り替えることができます。
また、マルチプラットフォームに対応しているので、PCだけでなく、Mac、PS4、PS5などでも使用することができます。
「マランツプロ USB コンデンサーマイク」はスタジオグレードでの録音が可能なUSBコンデンサーマイクです。USBポートを備えたPCに接続することができ、ライブストリーミングやゲーム実況などにおすすめです。
「マランツプロ USB コンデンサーマイク」の特徴は、音の遅延や歪みがない状態でアナログ信号をデジタル信号に変換できることです。
また、単一指向性のためハウリングを抑制し、ボーカルや楽器の録音が可能です。そのため、歌声を高音質で録音したい場面に最適なコンデンサーマイクといえます。
2種類の指向性を切り替えることができるUSBタイプのコンデンサーマイクです。単一指向性と無指向性に対応しており、自由に切り替えることができます。小さくても多機能なコンデンサーマイクとしておすすめの一本です。
会議では無指向性、ライブ配信では単一指向性など、用途に合わせて様々な使い方ができます。独自のマイクカプセルを2つ搭載していますので、ボーカルやゲームプレイ、ビデオ会議などにぴったりです。
ヘッドホンを接続すれば、遅延のないリアルタイムモニタリングも可能ですし、専用ソフトウェアを使えば、感度、音量調整、指向性、モニタリング設定などをカスタマイズすることもできます。
「MAONO USBコンデンサーマイク」は、オーディオインターフェイスを必要としないUSBタイプのマイクで、PCやPS4に接続することで、マイクとして使用することができます。
屋内での使用を想定して設計されており、比較的ノイズが少なく、全体的な音質も良いため、オンライン会議やゲーム実況などに最適です。
「MAONO USBコンデンサーマイク」には、スポンジ、ポップガード、マイクアームが付属していますので、購入してすぐに使えるのも嬉しい商品です。
本製品は、マイクの前面にポップガードを設置した製品です。据え置き型の製品ですが、スタンド部分は二重の防振構造になっており、FPSなどの激しいマウス操作でもノイズが入りにくくなっています。
また、マイクの角度を180度調整できるので、その時の姿勢や体の向きに合わせて声を届けることができます。価格もリーズナブルなので、ポップガードを別途用意するよりも、本製品を使った方がお得です。
マランツプロの「M4U」は、ポッドキャスト、ナレーション、インタビュー、ストリーミング、ボーカルなどを高音質で録音するための、堅牢な設計のマイクです。
「M4U」には、A/Dコンバーター、XLRケーブル、USBケーブル、デスクマイクスタンドが付属しており、USB接続するだけで、すぐに高音質の音声録音を楽しむことができます。
単一指向性の「M4U」は、特定の方向からのみ音を集音することでハウリングを抑え、クリアな録音を実現するローノイズ設計となっています。
また、付属のA/Dコンバーターには専用のヘッドフォン出力があり、レイテンシーのないリアルタイムなマイク音声のモニタリングが可能です。
「Razer Seiren Mini コンデンサーマイク」は、超コンパクトなデザインのコンデンサーマイクです。配信を行う作業机の上に置くのにちょうど良いサイズとなっています。寸法は16.1cm×8cm×9cm、重さは280gで、省スペースで便利に使えます。
単一指向性の超精密なスーパーカーディオイドパターンで、14mmコンデンサーカプセルを採用し、プロ級のクリアな音質を実現しています。
スタンドは、ショックマウントを内蔵したチルトスタンドです。また、マイクスタンドに取り付けることも可能です。
「Razer Seiren Mini コンデンサーマイク」は幅広いシステムに対応していますので、Windows、Mac、PlayStation 5、PlayStation 4などさまざまな用途で使用することができます。ブラックの他に、ホワイトやピンクも選択可能です。
「ZealSound コンデンサーマイク」は、エコー機能付きの無指向性コンデンサーマイクです。Yスプリッターケーブルが不要で、USBマイクのように簡単に使用することができます。PC、タブレット、iphone、Andoroidに対応しています。
「ZENLO コンデンサーマイク」は、音質を重視する方におすすめです。安価な中国製のコンデンサーマイクで、単一指向性なので、主に前方の音を拾います。
価格の割に音質が良いと評判のコンデンサーマイクですので、コスパの良いマイクを探している方におすすめです。テレワークのテレビ会議(ZOOM、Skype等)でもクリアな音声で会話ができるでしょう。
「AKG Lyra-Y3 コンデンサーマイク」の一番の特徴は、「4カプセル・アダプティブ・アレイ」機能です。内蔵の小型コンデンサーマイクを4つ組み合わせることで、4種類の集音モードを選択できます。この機能により、「Lyra」は様々なシーンで使用することが可能です。
フロントパネルには、ヘッドフォン出力のボリュームコントロールノブと、上からミュートボタンが付いています。ミュートボタンを押すと、ボタンの上にある「MUTE」の文字が赤く点灯し、マイク入力が無効になります。
放送中にマイクの位置を微調整したいときなど、ノイズを避けるためにも、フロントパネルにミュートボタンがあると便利です。
AUDIO-TECHNICA「AT2020」は、確かなスタジオクオリティを実現するエントリーモデルとして、高いコストパフォーマンスを誇ります。専用のスタンドマウントも付属しています。「AT2020」は、ボーカル、アコースティックギター、管楽器などの録音に最適です。
ノイマンはもともとハイエンドのコンデンサーマイクで知られていますが、近年ではTLM103のような手頃な価格のマイクもいくつかリリースしています。
トランスレス設計によるクリーンなサウンドは、ボーカルやスピーチだけでなく、ドラムなどの大音量の楽器にも使用できます。憧れのノイマン・クオリティをよりリーズナブルな価格で手に入れたい方にもおすすめです。
フレキシブルな設定が可能なコンデンサーマイクです。金メッキを施した1インチカプセルを採用し、広いダイナミックレンジと低ノイズを実現しています。様々なパラメーターを直感的にコントロールできる、おすすめのコンデンサーマイクです。
丈夫なメッシュヘッドを採用し、過酷な環境下でも安心して使用できます。指向性、ハイパスフィルター、パッドは前面のダイヤルを回すことで無段階に調整できます。
SHURE社は有名なマイクメーカーのひとつです。「SHURE コンデンサーマイク」は、ボーカル用マイクの中でも、コンデンサーマイクでありながら、一見するとダイナミックマイクのように見えるのが特徴です。
ポップフィルターを内蔵しているので、ステージングにも耐えられるのが魅力のひとつです。SHUREのマイクは偽物が多く出回っているので、信頼できるサイトで購入するのが一番です。
ボカロが流行ったときにすごく売れたマイクで、今でも人気のある商品です。このマイクは特にハイトーンの男性ボーカル、女性ボーカルに適しています。
低価格帯のコンデンサーマイクはどれも音の抜けが悪いので、1万円という価格を考えれば、音質はかなり良いと言えるでしょう。
コンデンサーマイクは、プロのレコーディングはもちろん、ゲームのライブ収録や動画配信サービスのボーカルなど、さまざまな場面で使用されています。音質も大切ですが、使い勝手や便利なアクセサリーの有無などもチェックして、お気に入りのモデルを見つけてください。