会計事務は、一般事務などからキャリアアップを考えている方に人気のある仕事です。これまでの経験で培ったPCスキルや事務処理能力を活かしながら、会計分野の専門性を高めることができる専門職です。とはいえ、経理事務は自分に向いているのか、経理事務になるにはどうすれば良いのか、そんな疑問をお持ちの方に、参考にしていただきたい経理事務の基礎知識をまとめました。
また、月次・年次の財務諸表を作成することもあります。企業にとって会計業務は、資金の流れや経営状況を把握するために必要不可欠なものです。
時には、経営に近い業務に携わることもあります。その点、経理事務員はやりがいのある職種と言えるでしょう。
具体的には、売上からの入金、経費の支払い、日々の入出金の書類作成などです。これらの会計データは、最終的には税金の支払いに使われるほか、会社の重要な指標や経営管理にも利用されます。単調な作業ではありますが、決しておろそかにしてはいけない仕事です。
月次決算は、四半期ごと、半年ごと、1年ごとにまとめられますので、月次決算書の作成、チェック、報告は重要な仕事となります。
細部までしっかりとチェックした月は、月末の作業もスムーズに進みますが、見落としやミスがあると、月末の請求時に大きな問題やトラブルに発展してしまいます。
任されている仕事が無事に終わったときの安堵感は、翌月の自信とモチベーションにつながります。
漠然と経理事務の仕事に就きたい、一般事務からキャリアアップのために経理事務を何となく目指しているという方もいますが、いざ就職してみると自分には合わないことが分かる場合があります。
そのようなミスマッチを防ぐためにも、まずは適性を判断することをおすすめします。ここでは、経理事務に向いている人の特徴を3つ取り上げます。
飽きっぽい性格の人は、室内で大量の書類を整理したり、長時間パソコンに向き合ってデータ入力をしなければならないので、これらの仕事をつまらないと感じるかもしれません。
また、最初はよくても、毎日毎日、何ヶ月も、何年も同じ環境で同じ作業を黙々と続けるのが耐えられないという人は、経理事務ではなく、変化のある営業やその他の部署での仕事を考えた方が良いでしょう。
会計帳簿は税務上7年間の保存が義務付けられていますが、会社の財務諸表は永久に保存されます。言い換えれば、会社が存在する限り、自分が作成した伝票は残ります。
ミスがないように二重三重にチェックする体制は整っているかもしれませんが、一番良いのはミスがないようにすることです。
経理は毎日、領収書や契約書、稟議書などさまざまな書類を扱い、それらを正確に入力し、ファイリングしていく必要があります。
整理整頓ができる几帳面な性格であれば、オフィスワークを効率的に行うことができます。このように、細かい作業が得意で、それに集中できる人は、経理でも成功しやすいですので、ぜひ経理事務を目指してください。
経理の現場では、経費の処理や決算など、月単位や年単位で定期的に発生する作業があります。そのため、計画的に物事を進めたり、期日までに行うことが得意な人が経理事務に向いています。
日商簿記検定には、3級(初級)、2級(中級)、1級(上級)の3つのレベルがあります。中途採用の場合は、2級以上の取得が望ましいとされています。職種によっては、日商簿記検定2級の取得が求められる場合もあります。
また、基本的なパソコンスキルも身につけておく必要があります。経理事務では、会計ソフトやエクセルを使うことが多いです。
エクセルの基本的な関数の使い方を覚えておくと、経理の仕事を始めたときに使えるようになります。会計ソフトは職場によって使い方が異なるので、入社してから使い方を覚える必要があります。
また、経理の仕事はお客様との交渉はほとんどありませんが、社内の他部署との交渉は多くあります。営業や総務など、他の部署と情報を共有しながら仕事を進めていかなければなりません。そのため、社内でのコミュニケーション能力が求められます。
一般事務員の平均年収は300万円~430万円ですが、経理事務員の年収は、経験を積めば積むほど一般事務員よりも高くなる傾向にあり、専門性の高い仕事であるため、できる仕事が増えれば増えるほど給料も高くなります。
未経験の場合、最初の給料は少ないかもしれませんが、「日常業務」から「月次業務」「年次業務」と徐々に仕事を任せてもらえれば、キャリアを重ねるごとに給料も上がり、やりがいにもつながります。
また、大企業の経理の重要なポジションを任されると、年収が700万円を超えることもあるので、明確なキャリアゴールを設定しやすいと言えます。
経理事務の仕事は専門性が高く、仕事の内容も特殊なため、この業界では経験者が優遇されるのは間違いありません。ただし、未経験者が不可というわけではなく、未経験可の求人も多くあります。
未経験者の場合は、日商簿記などの会計資格を持っている、または勉強していることをアピールして、やる気を見せることが大切です。キャリアアップのためにも、ぜひ経理事務を目指してみましょう。