朝食はパン派という方は多く、毎朝トースターを利用している家庭も少なくありません。さらにはパンを焼くだけでなく色々な調理に利用する場合もあります。
しかし頻繁に使っているからこそ掃除するタイミングを失い、気付けばありえないほど汚れてしまうことも多々あるでしょう。そこでこちらの記事ではトースターの正しい掃除方法やコツを紹介します。
パンを焼いたり調理に使うトースターですが、掃除をする前にその汚れの原因を理解する必要があります。汚れの原因によって使用する洗剤や掃除の仕方なども異なるため、まずはどのような汚れがあるのか知っておきましょう。
トースタの汚れと聞いてまず最初に思い浮かぶのがパンくずではないでしょうか。そもそもトースターはパンを焼くことがメインであり、特に食パンを焼くと必ず出てくるのがパンくずである食べ物のカスです。
一般的にトースターの内部は幅の広い網状になっているので、食品をそのまま乗せてしまうと隙間から落ちていきます。
落ちる食べ物のカス自体は少しでも、毎日のように使っていれば溜まり、汚れの原因となります。さらにチーズを乗せたピザなどを焼けば具材がこぼれ落ちたり、溶けたチーズが網にくっついてしまうこともあります。
すぐに掃除すれば問題ありませんが、焼き上がった食べ物は温かいうちに食卓に出され、トースター内に残った食べ物のカスはそのままになりがちです。そして溜まったものがトースター内部の汚れとなってしまうのです。
食べ物のカスだけでなく水分や油を含む食材を調理すれば、加熱中に飛んだ汁やこぼれた液体が汚れとなってしまいます。水分の多い食材を調理する場合、付属の天板を使用したりアルミ箔や調理用シートを使うこともあるでしょう。
しかしいくら気をつけていても加熱中の飛び散りや吹きこぼれ、取り出すときにこぼしてしまった汁に気付かずそのまま放置することも珍しくありません。
こぼれた食べ物の汁は次回使用するときに再度温められ、そのまま焦げ付きます。焦げ付いた食べ物の汁は落としにくい汚れとなり、より一層掃除の手間となってしまいます。
トースターの汚れは主に食べ物のカスや汁などになりますが、それ以外にも取っ手部分の手垢や外側についたホコリなど様々な汚れがあります。
汚れをそのまま放置してしまうと、加熱中に発火して火災の原因になる危険性もあります。
怪我や事故に繋がる前に、しっかりと掃除しておきましょう。こちらではトースター掃除の基本的な手順をまとめました。
【分解】
まずは掃除がしやすいように、取り外せる箇所があれば取り外しておきましょう。付属の天板はもちろん、種類によっては焼き網部分も取り外すことが可能です。無理に取り外さず、説明書を確認しながら分解できる部分は分解してください。
【ゴミを取り除く】
トースター内部にある食べ物のカスなど、ブラシなどで簡単に取れるものは先に取り除いておきましょう。パンくずなどは小さなほうきやブラシを使ってかき出すようにすればOKです。
大きな焦げ付きがある場合は金属素材以外のヘラやプラスチック製カードを使ってこそげ取るようにしておきます。フッ素加工されている場所はコーティングを剥がしてしまうため、焦げを無理に剥がさないようにしてください。
【洗剤などを使う】
トースターを掃除する場合には重曹やセスキ炭酸ソーダなどを使用しますが、汚れの度合いに応じてそれぞれを塗布しておきましょう。
頑固な焦げ付きや手垢、油汚れなど、それぞれに適した掃除アイテムを利用することで汚れをスムーズに落とすことができます。天板や焼き網など取り外したものはそのまま台所用洗剤で洗って乾燥させておきます。
【汚れを拭き取る】
重曹やセスキ炭酸ソーダを塗布して浮き上がった汚れを取り除きます。キッチンペーパーや柔らかな布を使い、手が入らない細かい箇所は綿棒や歯ブラシを利用すると良いでしょう。キッチンペーパーを巻いた割り箸なども便利です。
トースターを掃除するには汚れの種類や度合いに応じて、使用する洗剤を使い分けることで汚れが落としやすくなります。おすすめのアイテムと使用方法などをチェックしてみましょう。
近年キッチンの掃除アイテムとしてよく知られる重曹は、受け皿や焼き網に付着した焦げ付きに使えるアイテムで、水を加えてペースト状にすることで頑固な汚れも浮かして落としてくれます。
重曹には『料理用』と『掃除用』の2タイプがありますが、トースター内部を掃除する場合には不純物が少なく、口に入っても安全な料理用を使うほうが安心です。掃除方法は重曹と水を2:1の割合で混ぜ、ヘラなどを使って受け皿や焼き網にたっぷり塗ります。
塗ったあとは乾燥を防ぐためにラップで覆い、60分ほど放置してからキッチンペーパーや柔らかな布で拭き取ります。焼き網が外れない場合にはラップなどを敷いて重曹が落ちないようにしておきましょう。ペーストがゆるい、または硬い場合には水の量を調整してください。
セスキ炭酸ソーダも重曹同様に掃除アイテムとして頻繁に使われることが多いですが、重曹よりもアルカリ性が強く洗浄効果が高いため重曹では落ちない汚れにおすすめです。トースターの掃除には水500mlにセスキ炭酸ソーダを小さじ1溶かしたスプレーを使用します。
そのまま吹きかけるのではなく、キッチンペーパーに染み込ませて汚れに貼り付ける方法で掃除します。取り外した天板や焼き網はセスキ炭酸ソーダ水に直接つけ置きもできます。あとは汚れが浮いてきたら拭き取ります。
セスキ炭酸ソーダを使用する場合には手袋をしましょう。アルカリ性のため肌のたんぱく質を溶かす性質があり、特に肌が弱い、手荒れが気になる方は必ず手袋をするようにして、もし手に付いた場合にはヌル付きがなくなるまでしっかりと手洗いしてください。
人や環境に優しい掃除アイテムならクエン酸がおすすめです。クエン酸は酸性なので水アカやカルシウムなどのアルカリ性の汚れに効果があり、除菌・消臭効果も期待できるので魚の匂いなど、トースター内の消臭剤としても利用できます。
使い方は水200mlにクエン酸小さじ1を溶かしてスプレーにし、汚れに吹きかけて布やキッチンペーパーで拭き取ります。クエン酸スプレーを作ってキッチンに置いておけばシンクの水アカ取りや消臭剤はもちろん、リビングの除菌・消臭剤やペットトイレ周辺の匂い取りにも利用できます。
家中の掃除に便利なオキシクリーンはアメリカ生まれの粉末漂白剤で、過酸化ナトリウムがメイン成分となっています。油汚れに効果的で、50~60度のお湯300mlにオキシクリーン小さじ1を溶かすと酵素の泡が発生、汚れを浮かして落とします。
使い方は取り外した天板や焼き網などはつけ置き、他の場所にはキッチンペーパーに染み込ませて貼り付けます。1時間ほど放置したら水拭きして汚れなどをしっかりと落としてください。
オキシクリーンには界面活性剤が含まれているものと含まれないタイプがあり、界面活性剤不使用を使いたいのであれば日本製のものを探すと良いでしょう。
長年使用しているトースターは汚れもひどく、頑固で落としにくくなっています。そんな頑固汚れを上手に落とすコツがあるのでチェックしてみましょう。
頑固な汚れに上記で紹介したような手順や掃除アイテムをいきなり試してみてもあまりきれいにならない、時間がかかる場合があります。まずは焦げ付きなどはヘラを使ってこそげ取っておきましょう。
塗装が剥げたり表面にキズが付かないように気をつけて落としてください。それでも落ちない場合にはセスキ炭酸ソーダ水の濃度を濃い目にして、放置時間も長くしてみます。
長時間放置すると乾燥して効果が下がってしまうのでラップなどで覆っておきましょう。溝などの細かい隙間のゴミは歯ブラシや刷毛でかき出します。あとは手順に沿って掃除すればOKです。
トースターを掃除するときは気をつけなければいけない注意点があります。誤った掃除方法では最悪の場合、トースターが故障・破損して使えなくなることもあります。
汚れを落とすために便利なセスキ炭酸ソーダですが、掃除箇所の素材がアルミ製の場合には使用できないので注意してください。
アルカリ性であるセスキ炭酸ソーダはアルミを変色させてしまうので、使用する分には問題ありませんが見た目があまり良くありません。セスキ炭酸ソーダ同様に、重曹やオキシクリーンもアルカリ性なので、アルミ素材には使用を控えてください。
その場合は中性洗剤や酸性であるクエン酸を利用しましょう。アルミ素材かどうかを確認するには磁石を使い、くっつかなければアルミの可能性が高くなっています。
内部を掃除するときはヒーター菅に注意してください。ヒーター菅は衝撃や急激な温度変化に弱く、割れやすいため力を入れて掃除するとすぐに破損してしまいます。
しかしヒーター菅にも汚れは付着するので、そのまま放置するわけにもいきません。ヒーター菅を掃除する場合には重曹ペーストやセスキ炭酸ソーダ水をキッチンペーパーに染み込ませてそっと貼り付けます。剥がすときも丁寧に、ゆっくりと剥がして、拭き取りするときも力を入れず優しく扱いましょう。
また、掃除するときは完全に熱が冷めた状態で行うようにしてください。ヒーター菅が割れてしまうとトースターが使えなくなり、買い換えることになります。
汚れてしまったトースターは掃除してきれいにする必要がありますが、そもそも汚れないように工夫するのもおすすめです。こまめに掃除するのが面倒、という方は汚れを防ぐための工夫をしてみましょう。
トースターが汚れる原因は食べ物のカスや汁ですが、それがトースター内部に落ちないようにする方法があります。焼き網の下に受け皿があるタイプは、使うときに受け皿にアルミホイルを巻いておく方法があります。
アルミホイルを巻いて、汚れてきたらそのまま捨てると掃除の手間が省け、トースターも汚れません。また、焼き網に食材を乗せる場合にはアルミホイルを敷いておけば焼き網が汚れる心配もありません。
トースターを購入する際に、掃除しやすいものを選ぶ方法も良いでしょう。掃除がしやすいタイプは焼き網や受け皿、扉、ヒーター菅など取り外しできる箇所が多いものになります。掃除は取り外したほうが簡単で手間もかかりにくく、汚れてしまってもスムーズに掃除をすることができます。
お手入れの頻度はどのくらいがベストなのでしょう。もちろんトースターを使う頻度によって異なりますが、多くの方が年1回、おそらく大掃除のときに掃除しているようです。
しかし毎朝朝食のときにトースターを使う、それに加えて調理でも利用しているのであれば年1回の掃除ではかなりの頑固汚れになりそうです。お手入れの頻度に正解はなく、「汚れてきたかな」と思ったタイミングで掃除すると良いでしょう。
汚れをそのまま放置してしまうと頑固な汚れとなり落ちにくくなるだけでなく、食べ物のカスや汁に引火して火災を引き起こす場合もあるのでトースター掃除は怠らないようにしてください。
トースターの汚れを放置していると火災の原因になるだけでなく、見た目や衛生面でも気になります。汚れにくくするための工夫や、こまめに掃除することを心がけてトースターをぴかぴかにしてみませんか。