天然素材の洗剤で洗濯したいという方が増えています。中でも、「セスキ炭酸ソーダ」で洗濯できるという話は、見聞きしたことがあるかもしれません。しかし、「本当にきれいに汚れが落ちるのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。今回は、セスキ炭酸ソーダを使った洗濯方法と、その特徴をご紹介します。
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セスキ炭酸ソーダは、アルカリ性の粉末状の物質です。洗浄力は一般の洗剤に比べて劣りますが、タンパク質を分解する働きがあることから注目されています。
また、肌の弱い方や赤ちゃんには、市販の洗剤よりも使いやすいセスキ炭酸ソーダが人気です。天然の洗浄剤として知られる重曹よりもアルカリ性が強く、水に溶けやすいのが特徴です。
その働きは大きく分けて2つあり、1つは酸性の汚れを落としやすくすること、もう1つはタンパク質を分解することです。洋服の襟や袖についた皮脂汚れは酸性なので、セスキ炭酸ソーダを使うときれいになります。
まずご紹介するのは、パウダータイプの「セスキの激落ちくん」です。これは、セスキの激落ちくんを粉末状にしたもので、水に混ぜて使います。
スプレータイプに比べて容量が大きいので、頻繁に使いたい方におすすめです。ただし、自分で水に溶かさなければならないので、すぐに使いたい人には向いていないかもしれません。
次にご紹介するのは、「セスキの激落ちくん」の泡タイプです。泡状なので、汚れに密着しやすく、小さな汚れにも浸透して浮き上がらせる力があります。
また、液だれしにくいので、壁などにスプレーしても大丈夫です。詰め替え用の商品もあるので、コスパの高い商品といえます。
エコ洗剤といえば、セスキ炭酸ソーダよりも重曹の方が一般的で、近年はメディアでもよく取り上げられているので、知っている方も多いと思います。
重曹はセスキ炭酸ソーダと同じアルカリ性の無機化合物で、たんぱく質や皮脂汚れの洗浄効果が高いなど、重曹との共通点が多くあります。
しかし、セスキ炭酸ソーダには、「重曹よりも洗浄力が強い」「サラサラした結晶状で長期保存に適している」「水に溶けやすく洗濯にも使える」「研磨作用がない」といった特徴があります。
セスキ炭酸ソーダを洗濯に使うメリットですが、皮脂や汚れ、血液の汚れ、軽い油汚れなどを落とすことができます。
例えば、白いシャツの襟や袖の黒ずみ、赤ちゃん用の布おむつ、布ナプキンなどの洗浄に効果があります。
また、CMでおなじみの化学的に作られた洗剤よりも成分がシンプルなので、肌への刺激が少なく、排水による環境への影響も少ないのが特徴です。
セスキ炭酸ソーダは、そのままでも、洗剤に混ぜても使用できます。ここでは、洗濯にセスキ炭酸ソーダを使う際のポイントをご紹介します。
洗剤の代わりにセスキ炭酸ソーダを使うので、必要なのは洗面器だけ。手に優しい素材ですが、乾燥肌の方は念のためにゴム手袋を用意した方がいいでしょう。
【洗い方】
洗濯機に水とセスキ炭酸ソーダを入れます。次に洗濯物を入れて、セスキ炭酸ソーダが溶けるまで約1分間かき混ぜます。
「洗濯」モードでドラムが回転するので、手でかき混ぜないでください。その後、洗濯機を一時停止し、3時間から一晩、洗濯物を放置します。
よく浸み込んで汚れが出てきたら、「洗い」を約3分実行。最後に「すすぎ」と「脱水」をそれぞれ1回ずつ行って完成です。
洗濯物をふんわりさせたいという方は、すすぎの際にクエン酸を小さじ1~2杯入れるといいでしょう。
【洗い方】
まず、スプレーボトルにセスキ炭酸ソーダと水を入れ、よく振っておきます。そして、汚れのひどい部分にスプレーします。しばらく放置した後、洗濯用の石鹸をつけたブラシで汚れをこすります。以上の手順を終えれば、あとは通常通りに洗濯してください。
ワイシャツの襟や袖口にスプレーすると、洗濯の際に汚れが落ちやすくなります。セスキ炭酸ソーダスプレーは、500mlの水に小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを混ぜて作ります。
使い方は、まず部分的な汚れにセスキ炭酸ソーダスプレーを吹き付け、しばらく放置します。次に、洗濯用の石けんをつけてブラシでこすり、いつも通りに洗います。
セスキ炭酸ソーダで洗っても、思うように汚れや黄ばみが落ちないという場合は、セスキ炭酸ソーダに酸素系漂白剤を加えてみるのもいいでしょう。
この2つのアイテムは優しい成分でできていますが、組み合わせると強力なタッグになります。先ほど述べたように、セスキ炭酸ソーダはアルカリ性なので、皮脂や血液の汚れに強いのです。
一方、酸素系漂白剤は、主成分が過炭酸ナトリウムの製品です。洗濯に使用する場合は、粉末タイプをお選びください。
液体の酸素系漂白剤も多くの店で販売されていますが、成分は過酸化ナトリウムではなく過酸化水素です。色柄物やデリケートな生地にも使用できますが、漂白力は劣ります。
過炭酸ナトリウムは、その名の通り、水にジュワッと溶けて汚れに効きます。セスキ炭酸ソーダと同じアルカリ性なので、混ぜて使っても問題ありません。
酸素系漂白剤は、泡で汚れを落とすだけでなく、アルカリ性の洗浄・漂白・黄変防止・除菌効果があります。セスキ炭酸ソーダだけでは落ちない汚れには、酸素系漂白剤を加えてみましょう。
布ナプキンの洗濯も、セスキ炭酸ソーダがあれば簡単です。血液汚れに強いアルカリ度の高い洗剤で、水にも溶けやすいので洗濯には最適です。
無機物なので環境負荷も少なく、ナチュラルなお掃除洗剤としても有名です。重曹はセスキ炭酸ソーダに似ていますが、水に溶けにくいのでおすすめできません。布ナプキンのつけおきには、セスキ炭酸ソーダを選びましょう。
布ナプキンを洗うときは、ぬるま湯で予洗いをして月経血を落とし、汚れを押し出します。そうすることで、洗濯が楽になり、汚れもつきにくくなります。
本洗いは、1.5リットルの水にセスキ炭酸ソーダを大さじ1杯程度溶かします。その容器に使用済みの布ナプキンを入れ、半日~1日放置します。浸け置きとすすぎが終わったら、布ナプキンを洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うか、やさしく手洗いしてください。
洗い方は、浴槽にぬるま湯を張り、セスキ炭酸ソーダを小さじ6杯ほど入れます。浴槽にカーテンを入れて10~15分放置した後、しっかりと洗い流してください。
例えば、色落ちしやすいデニムなどがそうです。また、生地にタンパク質が含まれている場合、セスキ炭酸ソーダのアルカリ性が生地を傷める可能性があります。
ウールやシルクなどの動物由来の素材を使用している衣類には、セスキ炭酸ソーダの使用は避けた方が良いでしょう。
手間のかかる、油でベタベタした換気扇やガスレンジ、魚焼きグリルなどを掃除したい場合は、汚れに直接スプレーしてください。
汚れがひどくて取れない場合は、セスキ炭酸ソーダを染み込ませたキッチンペーパーを汚れた部分に置き、しばらく放置してから拭き取ってください。濃度を濃くして使うのもおすすめです。
環境にやさしいセスキ炭酸ソーダは強アルカリ性で、がんこな汚れの洗浄に最適です。使用方法は、洗濯機に入れておくか、洗剤と一緒に使うだけでとても簡単です。正しい使い方をすれば、セスキ炭酸ソーダは便利なアイテムです。ぜひ、毎日のお洗濯に使ってみてはいかがでしょうか。