ルーターとは、インターネット回線とデジタル製品を無線で接続できる機器のことです。実はルーターにも寿命があるため、その目安と寿命が来た時に起こりやすい具体的な症状を知っておくことが大切です。そこで今回はルーターの選び方とルーターの買い替えの時期をご紹介します。
ルーターの寿命は見た目では分かりません。また、ルーター本体の寿命だけではなく通信規格やセキュリティにも寿命があります。順番に詳しく見ていきましょう。
ルーターは精密機器であるため、寿命が存在します。精密機器の寿命の目安はおよそ4~5年とされているので、特に使用頻度の高い機器は寿命が来る前に買い替えるのが望ましいです。
あくまで目安なので5年以上使える場合もありますが、4~5年ほど使い続けていると通信速度の低下や接続状態が不安定になるといった不具合が起こりやすくなります。定期的に新製品も出てくるので、買い替えを検討しましょう。
無線LANの通信は暗号化をすることで不正アクセスによる情報の流出を防いでいます。この暗号化方式は2年~5年程で更新されるため、それよりも長く使い続けるとセキュリティ面が弱くなるので注意が必要です。
暗号化解析ソフトなどを使って通信の情報が解析されてしまうと、パソコン内のデータやクレジットカード番号などの個人情報が流失してしまう危険性があります。ルーターの寿命というと通信速度に注目しがちですが、セキュリティ面にも寿命があることを知っておくことが大切です。
ルーターの通信規格は5年前後で新しくなり、性能が向上します。現在は2019年にリリースされた「IEEE 802.11ax」が最新の規格となり、同時にたくさんの台数をつないでも安定した通信ができるのが特徴です。
ウェブサイトを閲覧したり、動画を視聴する程度であれば問題ありませんが、新しい規格が登場したら規格上は寿命が来たと言えるでしょう。規格が新しいほど通信速度が速くて安定するため、スムーズな通信を重視する場合は最新の通信規格が搭載されたルーターを使用することをおすすめします。
ルーターが急に使えなくなると、インターネットの利用に支障が出てしまいます。そのため、ルーターの寿命が来た時に起こりやすい症状を知っておくことが大切です。
ルーターの寿命がくると、通信が不安定になったり、WiFiに接続できなくなる頻度が増えます。ただし、ルーターを再起動させると元に戻ることがあるので、まずは再起動してみましょう。また、スマホなどの端末側の不具合であるケースもあるので、別の端末で接続してみることをおすすめします。
これらの方法を試しても改善されない場合は、ルーターが寿命を迎えている可能性が高いです。買い替えを検討するか、製造メーカーに症状を相談してみましょう。
通信速度の低下も、ルーターの寿命が近づくと起こりやすい症状です。ウェブサイトを開いたり、動画を開いた時に読み込みが遅く感じることが増えた場合は寿命がきている可能性が高いです。
しかし、本体寿命ではなくても何らかの要因で通信速度が低下することがあります。その場合、ルーターを再起動させると改善することがあるので、まずは電源を切ってルーターを一度リセットしましょう。
また、ルーターを買って間もない場合は、契約回線をIPv6接続対応事業者に変更すると速度が改善できる場合があります。まずは再起動をしてみて、それでも改善されない場合は回線の変更を検討すると良いでしょう。
ルーターの寿命の目安をもとに買い替える以外にも、ルーターを変えるのに適したタイミングがあります。詳しくは以下の通りです。
スマホやタブレットの機種変更時も、ルーターの買い替えのタイミングです。最新のスマホやタブレットの多くは最新のWiFi規格に対応しているため、規格が古いルーターでは性能を最大限に活かすことができません。
そのため、スマホやタブレットを買い替えた時点でルーターを数年使っているという場合は、ルーターも最新の機種に変えると良いでしょう。
WiFiルーターには、推奨される最大接続台数があります。例えば推奨接続台数が4台の場合、5台以上の機種に接続をすると通信速度が低下することがあります。
そのためパソコンやタブレット、スマートフォンなどを新しく購入して、接続する端末が推奨接続台数より増える場合は、今よりもたくさんの機器を同時接続できるルーターに買い替えるのが望ましいです。
ご自宅のインターネット回線を光回線の超高速プランに変更した場合もルーターの買い替えのタイミングです。
インターネット回線が高速になったとしても、ルーターの性能が低いとせっかくの通信速度が反映されません。高速回線に変更した場合は、光回線に対応しているルーターに買い替えることで快適な通信を実現することができます。
ルーターは電波を飛ばしているため、安定した通信を実現するためには建物の間取りや建物の構造に適したスペックのルーターを使う必要があります。そのため、引越しをして住環境が変わった時はルーターを変えるタイミングになります。
引っ越す前よりも家が広くなった場合や、平屋から二階建てに引っ越すなど住環境が大きく変わった場合は、今のルーターを問題なく使えるのか確認しましょう。通信が遅く感じるのであれば、ルーターの買い替えをおすすめします。
この項目ではルーターの選び方とおすすめメーカーをご紹介します。これからルーターの買い替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
無線ルーターを選ぶ際は、ルーターごとの推奨環境をチェックすることが大切です。家の広さや壁の厚さとルーターのスペックが合っていないと、WiFiの電波が隅々まで届かないことがあります。
また、同時に接続できる端末の数は商品によって異なるので、家族構成や接続したい機器の数を考えながら選びましょう。その他にチェックしておきたいポイントは以下の通りです。
【通信規格】
2021年現在では無線LAN規格「IEEE 802.11ax(WiFi6)」が最新モデルとなります。しかし、使っているスマートフォンやパソコンが対応していないという場合は、ひとつ前の規格である「IEEE 802.11ac(WiFi5)」でも問題ありません。上位機種であるほど通信速度が向上するため、なるべく新しい無線LAN規格のルーターを選びましょう。
【機能性】
機能性が充実しているほど、通信環境をより快適にすることができます。安定した通信をもたらす機能が豊富なので、欠かせない機能を考慮しながら選びましょう。
ビームフォーミング
ビームフォーミングとは、特定の機器に電波を発射する技術のことです。ルーターから離れた場所や、途中に障害物がある場合でもピンポイントで強力な電波を飛ばすことができます。
バンドステアリング
電波状況に応じてルーターと接続したい機器の周波数帯を自動で切り替える機能のことです。混雑具合に合わせて2.4Ghz帯と5Ghzを切り替えるため、どちらか一方が混雑した場合でもストレスのない通信が行えます。
メッシュWiFi
家全体にメッシュのようにネットワークを構築できる機能です。ルーターから離れた場所にいても高速で安定した通信をすることができます。電波が届きにくい場所を作りたくないという方におすすめの機能です。
ここではルーターの代表的なメーカーをご紹介します。家電量販店にも並んでいるメーカーなので、ぜひ参考にしてみてください。詳細は以下の通りです。
「BUFFALO」
BUFFALO(バッファロー)は愛知県名古屋市に本社を置く、デジタル家電及びパソコン周辺機器の開発・製造・販売を行うメーカーです。
BUFFALOのルーターは高品質でコスパの良い商品が展開されており、AOSS2やハンドステアリングなど機能性が充実しています。
「NEC」
NEC(日本電気株式会社)は東京都港区に本社を置く、有線・無線通信機器やITサービス、自動車通信などを展開するメーカーです。
NECのルーターはモデルの数が多く、WiFi設定引っ越し機能などNEC独自の機能が搭載されている商品もあります。他社製品との違いが分からない場合は、機能性を比較してみましょう。
「TP-Link」
TP-Link(ティーピーリンク)は中国に拠点を置くメーカーで、ネットワーク通信機器の製造・販売を行っています。
TP-Linkのルーターは、他のメーカーと機能性が変わらないものでも安価な商品が多いのが特徴です。一般家庭向けはもちろん、通信の安定性が高いゲームに特化したルーターも展開されています。
「ASUS」
ASUS(エイスース)は、台湾に本社を置くメーカーで、PC、スマートフォン、PC周辺機器などを製造・販売しています。
ASUSのルーターは家庭用からゲーミングルーターまで様々な商品が展開されています。WiFi6に対応したルーターはもちろん家全体にメッシュネットワークを構築できるルーターも販売されています。
今回は、ルーターの寿命と買い替えの時期、選び方についてご紹介しましたが、いかがでしたか。ルーターの寿命はおよそ4~5年とされており、ひとことで寿命といっても「本体の寿命」「通信規格の寿命」「セキュリティ面の寿命」があります。
ルーターは急に使えなくなると困る機器であるため、寿命がきた時に起こりやすい症状を知っておくことが大切です。また、寿命がきた時以外にも買い替えるタイミングがあることを知っておきましょう。
記事の中ではルーターを選ぶ際にチェックしたいポイントもご紹介しました。買い替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。