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鳶職と左官の仕事の違いは?3つの質問で適正診断!

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「鳶職(とびしょく)」と「左官(さかん)」の違い……ってご存じですか? 近年、さまざまな社会背景の変化を受け「手に職を持つ」仕事が注目されています。中でも、自分の腕1本でモノ作りを成し遂げる「職人」への関心が高まり、メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。そこで、今回は建設現場で注目の「鳶職」と「左官」についてご紹介します。2つの職業の違い・仕事内容・魅力などに迫ってみました!

「鳶職」の基礎知識

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まずは「鳶職」とは?……という基礎知識をご紹介しましょう。

江戸っ子たちのアイドル!鳶職

「鳶職」という言葉が生まれたのは、江戸時代。当時、鳶は「左官」「大工」と並び、江戸時代のアイドルでした。建物の梁(はり)から梁へ軽やかに飛びながら仕事をする姿や、火事現場で延焼を防ぐため鮮やかに家屋の解体を行う姿は、まさに「江戸の町を守るために命がけで働く男たち」として、江戸っ子たちの熱い視線が注がれる存在だったのです。

現在の鳶職の仕事は?

現在でも「天空を駆け抜ける職人」と称され、江戸時代の心意気そのままに高所で作業する鳶職。仕事現場は、主に3種類に分かれています。

【足場鳶】
建設現場で必要な足場を仮設置し、工事終了後に解体する仕事

【鉄骨鳶】
大規模な鉄筋・鉄骨建築現場にて、クレーンで釣り上げた鉄骨を地上数100メートルなどの高所で組み立てる仕事

【重量鳶】
建設現場で、大型機械や工作物などの重量物をクレーンで搬入・設置・解体する仕事

「左官」の基礎知識

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次に「左官」とは?……という基礎知識をご紹介しましょう。

縄文時代からある建築アーティスト

左官業は、建築物の「壁作り」を行う仕事で、起源を遡ると縄文時代からあったとか。「壁」という広い面積の場所を、「耐久性や居住性を高める」「装飾性に優れた美しい仕上がりにする」という両方の視点から作ってきました。左官は、時代と共に変化する、建築物を作る技術や知識の取得だけではなく、材料の良さを最大に引き出すアーティストとしての感性も求められたのです。

現在の左官の仕事は?

現在でも左官の仕事に求められるのは、壁作りの「技能」と「センス」です。主な仕事は以下になります。

【塗り壁仕事】
塗り壁を行う以外の場所をしっかりと覆い、材料を調合しコテを使用して下塗り・中塗り・仕上げ塗りなどを行います。美しく仕上げられるようになるには、技術・知識・美的センスのほかにも、経験と腕が必要です。究極のキャリアが必要とされる「塗り天井」を作ることもあります。

【タイル貼りなど】
建物によっては塗り壁だけではなく、タイル・レンガ・ブロック・コンクリートで仕上げることもあります。高い精度が求められるので繊細な技術力が求められる作業です。

【質問1】鳶や左官の仕事をするには?

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鳶や左官になるには、どうしたらいいのでしょうか。

鳶の仕事をするには?

鳶職のフィールドは多岐に渡りますが、最初は見習いからスタートするのが一般的です。現場で先輩たちに仕事を教わりながらスキルを身に付け、体力・精神力を鍛えます。
また、鳶職にとって「取得が必須」といわれているのが「「玉掛け技能講習」「足場の組立て等作業主任者技能講習」「建物等の鉄骨組立て等作業主任者技能講習」などです。親方として独立する場合は国家資格である「とび技能士」の資格も必要になります。

左官の仕事をするには?

左官の仕事をするには、特別な資格は必要なく見習いからスタートして現場で経験と技術を学んでいきます。ただし、「一人前」になるには国家技能検定である「左官技能士」や「登録左官基幹技能者」の資格取得は必須でしょう。受験条件には実務経験が必要なので、現場で「腕を磨く」ことが大切!資格を有していることで求人応募や独立の際に有利になります。

【質問2】鳶や左官、どんな人に向いている?

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鳶や左官は、どのような人に向いているのでしょうか。

鳶職に向いている人

体力と根性は必須の仕事ですが、高所作業が多いので高所恐怖症でないことも大切です。また、図面を見ながら建築物の出来上がりをイメージしつつ仕事を進める創造力や、素早い判断力も求められます。

左官に向いている人

繊細な技術を身につけることに喜びを感じる人、芸術の域まで腕を磨くことが好きな人は左官職にぴったりです。繊細さと根気が求められる仕事なので、仕上がりをはっきりとイメージしながらデリケートな作業を積み重ねられる人が向いています。

【質問3】鳶や左官、気になる収入は?

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鳶や左官の収入は、どれくらいなのでしょうか。

鳶職の収入

一般的に、鳶職の給料は日給制が多いようです。そして、経験やスキルにより日給は高くなります。仕事先によっても異なりますが、見習いで1日7,000〜10,000円、経験を積んだ職人で1日12,000円、職長クラスで18,000円くらいが平均です。

左官の収入

一般的な左官の平均年収は300〜400万円とされていますが、熟練の職人になると仕事のオファーが多くなるのでそれ以上の人もいます。また、技術だけではなく、施主の希望を汲み取り「提案」ができるようになると、収入アップも見込めるようになるのです。

目指せ!腕1本で未来を創造する職人へ

いかがでしたでしょうか。高学歴・大企業神話が崩壊した近年、自分のスキルで仕事をする「職人」に注目が集まっています。ひとくちに職人といっても、さまざまなジャンルがありますが、今回は、建設現場で働くプロの中から「鳶職」と「左官」を取り上げてご紹介しました。両方とも体力や根性が必要な「職人」ではありますが、実は、経験や技術力はもちろんのこと、イメージ力・創造力・センスが問われる仕事なのです。自分の腕1本で未来を創造する……そんな仕事に携わってみませんか?

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。