エアブラシや噴霧器で塗装する場合、「塗装ブース」があれば、空気中に飛散した塗料を吸収して、安全に作業することができます。塗料の中には毒性の強いものもありますので、換気扇だけでは不十分な場合もありますが、ブースを使えばその心配はありません。そこで今回は、塗装ブースの選び方と、おすすめの人気商品をご紹介します。ペイントブースがあれば、部屋が汚れにくくなり、掃除の苦労が減ります。
塗装ブースがあれば、スプレーヤーやエアブラシでの塗装がより快適になります。ファンや排気口が付いているので、スプレーによる有毒ガスの危険性を減らすこともでき、塗装作業には欠かせないアイテムとなっています。
しかし、「こんなに大きなブースを自分の家に置けない」と悩む方もおられることでしょう。でも実は、机の上に置けるほどコンパクトな商品がたくさん発売されています。また、折りたためるタイプのものを選べば、さらに簡単に収納することができます。
ここでは、ペイントブースを選ぶ際のポイントをご紹介しますので、こうした商品の存在についてあまり知らないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分に合った商品を選ぶためには、使用頻度を考えてタイプを選びましょう。ペイントブースには大きく分けて2つのタイプがあります。頻繁に使用するのであれば、「電動タイプ」がおすすめです。
このタイプのブースには、スプレーされた塗料の余分な部分を吸い取ることができる排気ファンが付いています。作業時に設置することで有害なガスの吸入を防ぐだけでなく、空気中の塗料から作業を保護することができます。
「ダンボール製」は、電動タイプよりもシンプルなタイプです。換気扇はついていませんが、塗料の飛散を防ぐには十分な機能を備えています。
エアブラシやスプレーヤーで塗装する際に、周囲を汚したくない場合に重宝します。たまにしか絵を描く機会がない場合は、このようなタイプのブースで十分かもしれません。
塗装ブースは、ファンの種類によって吸引力や動作音が異なります。使用する環境や目的に応じて適切なタイプを選びましょう。たくさんの塗装を行う場合は、吸引力の強いプロペラファンがおすすめです。
これは、キッチンなどにある換気扇と同じ仕組みです。吸引力が弱すぎると、塗料を完全に吸い込むことができないので、強力なプロペラファンが安心です。
ただし、強力なファンほど音が大きくなるので、アパートやマンションで使用する場合は注意が必要です。騒音レベルはdb(デジベル)という単位で表されますが、プロペラファンはだいたい50db前後です。
一般的な掃除機は60db前後なので、これを目安にするとよいでしょう。アパートやマンションにお住まいで、作業中の騒音が気になる方には、シロッコファンタイプがお勧めです。細長い羽根を円筒形に取り付けた面白い形をしています。
吸引力はプロペラファンよりも低いですが、ポイントは静かなことです。静粛性と吸引力の両方を求める方にぴったりです。騒音は多少大きくなりますが、その分、塗料をしっかりと吸い上げてくれます。
塗装ブースには様々なサイズがあります。塗装する部品の大きさにもよりますが、ブース内に作業できるスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。ブースが狭いと、作業がしづらくなります。
ブースにフードがある場合は、幅40cm以上、高さ30cm以上、つまり一般男性の肩幅くらいの大きさが必要です。大きな部品を扱う場合は、邪魔にならないように短いフードを選ぶと便利です。
逆に、小さなものを塗装する場合は、コンパクトなサイズを選択することで、小ぶりな机の上でも作業をすることができます。ちなみに、コンパクトタイプはフードも小型のものを選ぶと、快適に作業が進みます。
プラモデルやフィギュアの塗装は細かい作業が多いため、ブースの周囲に塗料の飛散を防ぐためのフードが付いているタイプが多く、自然光が入りにくいのが難点です。
塗りムラや塗り残しのない美しい仕上がりにするためには、対象物の状態を確認できるように、ライトが付いているタイプを選ぶとよいでしょう。そうすることで、プラモデルやフィギュアの細かい部分まで見ることができ、仕上がりが良くなり、塗装の効率も上がります。
「ジョーホク 組立式 スプレーブース」は、屋外などのオープンスペースでの使用に適しており、A3サイズなので広々とした空間で作業ができます。また、飛散防止の蓋が付属しており、スプレー使用時には片手で調整することができます。
ファンモーターを搭載した塗装ブースで、中央に回転板があり、被塗装物に触れずに方向転換が可能です。排気ダクトがフラットなので、窓際にも設置しやすいのが特徴です。スプレーミストの飛散を防ぐ仕切りが付いています。
また、ハンドル付きのコンパクトなケースに折り畳むことができます。多機能でありながら低価格なので、初心者から上級者まで幅広く利用できる製品です。
ガンプラなどのプラスチックモデルの製作に特化したタイプで、パーツ同士が絡み合わないように設計されており、塗装後の乾燥作業も便利です。付属品として、曲面ピンセットと直線ピンセットが付いています。また、傾斜のついたL字型のブースでは、各パーツを安定して立てることができます。
強力なファンが室内の臭いや塗料のミストを吸い込み、屋外に排出します。70~170cmまで伸縮可能なダクトは、好きな場所に曲げることができ、先端を窓に挟むだけでOKです。
また、回転式のプレートを採用しているため、モデルに触れることなく向きを変えることができ、3.1kgという超軽量設計のため、折りたたんで持ち運ぶことも可能です。回転板を使って効率よく作業したい方に向いています。
静かな換気扇で、スプレー塗装などの臭いを効率的に外に排出します。塗装ブースはダンボール製なので、汚れが目立ってきたら簡単に交換できて便利です。
交換用フィルターは別売りですが、市販のキッチン用換気扇フィルターを適当な大きさにカットして使うこともできます。ダンボール製で手軽に使えるものをお探しの方は、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。
作業時の静粛性を求めたい方には、シロッコファンがおすすめです。1台のファンですが、独自に設計された仕様により、吹き出しを防ぎ、快適な作業環境を実現しています。
また、分解しやすい構造になっているので、お手入れも簡単です。吸引力が不足していると感じた場合は、ファンユニットを別途購入・追加することができます。
3つのLEDライトを標準装備し、手元を明るく照らし、モデルの詳細を確認しやすくしています。26Wファンモーターを採用し、低騒音で塗料を吸引してくれます。また、スプレーミストの飛散を防ぐために、上部、左右に折りたたみ式の仕切りを装備しています。手元をはっきりと照らしたい方には嬉しいLED照明です。
この塗装ブースは、上部と左右の側面に多数のLED照明を備え付けており、手元を明るく照らしてくれるので、夜間の作業や手元の細かい作業も快適に行えます。
また、その名の通り、ブースに取り付けられたファンが強制的に塗料を排出してくれますし、最大1.7mまで延長可能な排気ダクトのおかげで、窓から離れた場所での作業も可能です。ダクトの先端が平らになっているのも嬉しいポイントです。
プラモデルやフィギュアの塗装をしたいけど、窓から離れているので換気ができないのが悩みという方には、人気メーカー・タミヤの塗装ブースはいかがでしょうか。
このブースには、静音かつ強力な吸引力を発揮するシロッコファンが2台、50cmの排気ダクトホースが4本装備されているので、作業場所が窓から離れていても塗料を排出することができます。
塗装しやすいダンボール製で、ハニカムフィルターを組み合わせるだけで簡単に作ることができます。すでに購入した方のレビューでは、「組み立てが簡単で、折りたたんで収納できる」という声もあります。手軽に塗装ブースを利用したい方にぴったりです。
シロッコファンはプロペラファンに比べて音が小さく、マンションでも騒音が気になりません。また、ファンが2つ付いているものを選べば、吸引力と排気力の両方をカバーできます。
シロッコファンの塗装ブースは、フィルターの交換やホースの清掃をこまめに行うことで、十分な吸引力を発揮し、部屋を清潔に保つことができます。
逆に、メンテナンスを怠ると、吸引力や排気力が低下してしまいます。そうなると、共有スペースへのニオイの漏れが問題になる可能性もあるため、排気された部分が他の人に迷惑をかけていないかを確認するようにしましょう。
アパートに住んでいて、塗装環境が気になるという方は、レンタルスペースを利用するのも手です。レンタルスペースの中には、塗装ブースを備えているところもありますので、一度見てみるといいでしょう。
ペイントブースがなくても、窓のあるレンタルスペースを選べば、ペイントブースを持ち込んで作業スペースを確保することができます。頻繁に絵を描く方は、月単位でスペースを契約し、壁にシートを貼っておくのも良いでしょう。
以上、おすすめの塗装ブースと選び方のポイントをご紹介しました。また、マンション等集合住宅で使用する際の注意点もお伝えしました。これからプラモデルやDIYのペイント作業をお考えの方に参考になれば幸いです。