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お部屋の壁紙(クロス)は、比較的カンタンに貼替えをすることができて、お部屋の雰囲気をガラリと変えることができる素晴らしいDIYです。
まるで新居にでも引っ越したかのように見違える美しさを得ることができます。戸建・分譲マンションにお住いの方は、是非トライしてみてください!
今回は、クロス本体や貼替えに必要な工具をご紹介。DIYでできるカンタンなクロス貼替えの手順を紹介していきます。
目次
クロスは経年の生活状況によって色合いが変わります。特に喫煙をする場合は、3年もしないうちに真っ白だったクロスが黄ばんでしまうことも。
さて、クロス貼り替えビフォー・アフターを紹介したところで申し訳ないのですが、DIYでクロス貼り替えができるのは、戸建や分譲マンションなど、あくまでもそのお部屋が「自分の所有物」であることが条件です。
賃貸物件の場合、「仮住まい」なので、許可なく勝手にクロス貼り替え等をDIYでおこなうことができません。賃貸にお住まいで壁紙の貼り替えをやってみたい場合は、管理会社、もしくはオーナーに許可をとりましょう。
家の中の湿気を壁を通して排出することで結露を防止します。
(通気性のある下地の場合)
クロス(壁紙)は本来、50m巻で束になったものを、糊つけ機に通してミミをカットしながら糊をつけ、施工します。
ミミの部分の余白をカットしなければ、基本的には貼れません。最近ではホームセンターでメーター売りもされており、上記商品は糊付きで販売されています。これならDIY施工も楽チンです。
参考までに、上記商品は92cm巾で、1メートル単位から切り売りされています。
糊付きの切り売りクロスを注文するとして、まずはお部屋の立ち幅をとりましょう。具体的にクロスがどれだけ必要なのかを測ります。
お部屋の天井から床までの長さを測り、これを「大ばん」とします。壁の高さよりも5センチほど多めにとったほうが施工しやすいです。
続いて、壁の幅を測ります。紹介した92cm巾のクロスの場合、壁の端から端までで大ばんが何枚必要かを計算してみましょう。
次に、小ばんをとっていきます。窓枠の上下や、扉の木枠の上など、小さなところのクロスを測ります。一般的には扉上は巾92cm以下なので小ばんクロスが1枚。窓の下や上は、それぞれ2枚ずつあれば足ります。
さて、クロスを注文する前に、一応クロスの種類と基礎知識のご紹介です。壁紙にはかつていろいろな材質や種類がありました。
今でも非常に高級なお部屋(結婚式場など)には布クロスが貼られていたりしますが、一般家庭で貼るクロスはほぼ、PVC素材でできたビニールクロスが主流です。
今回はビニールクロスを中心に紹介していくわけですが、その中でも「500番台」と「1000番台」という2種類があります。
500番台と比べて値段が高く、薄くて伸縮性の低いものも多いので、施工難易度は上がります。下地処理をちゃんとしないと凹凸が出てしまうことも多く、ジョイント部分も目立ちやすいです。
基本的には500番台の量産クロスから始めることをおすすめします。1000番クロスは、壁全面に貼るようなものではなく、使うとしてもアクセントとしてどこか一面の壁にだけ使うような形が基本です。
クロスは、材質や柄によって貼りやすさが違います。先述した通り、500番台のクロスが基本となり、DIY施工でもゴマカシがききやすいです。厚手なクロスほど下地の凹凸が出づらく、ジョイント(継ぎ目)が目立ちづらいです。
500番台クロスの中でも、色々な厚みのものがあります。1000番台などの柄物は薄い上に、材質的に貼りづらく、柄のリピートがあるものでは、ジョイント部分で柄合わせをしなければいけないものもあります。
さて、それではDIYクロス貼りに必要な工具を紹介していきます。15種類ほどご紹介しますが、その中には既に持っているものもあると思います。今あるもので事足りる場合は揃える必要ありません。
クロスのカットやクロス剥がしなど、基本的にこの小刃カッターを使用します。中刃や大刃では、壁の下地を深く傷つけやすく、あとあとクロスが剥がれてきてしまったりする要因となります。
ここで重要なのは、替刃です。糊のついたクロスをカットしたり、剥がしたりすると、あっという間に刃が切れなくなります。切れない刃で作業を続けると、時間がかかる上に仕上がりが悪くなります。こまめに刃を替えます。
クロスの切れ目や角が、あとあとめくれて浮いてくるのを防ぐ役割があり、同時に隙間を隠す効果もあります。カラーは「ホワイト」だと白すぎるので「ライトアイボリー」がおすすめ。
パテは本来、粉末状のものに水を加えて練っていきますが、DIY施工なので、規模も小さいので、最初から練ってあるパテを使いましょう。
壁のクロスが簡単にはがれるようであれば、必要ありません。どうやっても剥がれないような不運な下地の状態だったら、これを使ってみてはどうでしょうか。
ウエス(布)とスポンジです。タオルや綺麗な雑巾などで代用できますので、ある場合は必要ありません。木枠や建具などについたクロスの糊を拭き取るのに使用します。
ウエスだけではなかなかヌメリ気が拭き取りづらいのでスポンジで拭いてから濡れた布で拭き上げます。
ウエスやスポンジを常に綺麗にしておくために、バケツに水を張って使います。ある場合は購入の必要ありません。
以上が、DIYクロス貼りに必要な工具になります。
それではいよいよクロス貼り実習に入っていきましょう!クロスの貼り方は色々な方法がありますが、今回はDIY施工ということでもっとも難易度の低い「つきつけ貼り」を基本としてご紹介します。
プラスドライバーで簡単に外せますが、電動工具が便利です。
カーテンレールなど、ビスで止められていたものに関しては、器具を外した後、ビスのみ壁に付けておきます。これをしないと新しいクロスを貼った後にもとのビス穴の位置がわからなくなります。
不要なものを外したら、なくならないように一箇所にまとめて置いておきます。
クロスを剥がします。小刃カッターで×印に切れ目を入れ、その交差点から刃を入れてめくります。あとは指で引っ張って剥がします。
剥がれたら、今度は下地とクロスの間に刃を滑らせてクロスだけをめくり、剥がしていきます。部屋の角などは、コークが入っているので切り込みを入れておくと剥がしやすいです。
既に練ってあるパテを使用するので、これを厚手の紙やビニール、養生シートなどの上にあけてパテベラですくって使用します。
パテが必要な箇所にパテを塗りつけ、もう一度ヘラでこすって不要なパテをとります。ビギナーさんの場合、厚塗りしすぎてしまい、逆に段差ができて後からやすりがけが必要になる場合もあります。
目安としては、パテの色が壁にほんのりついたかな?くらいで大丈夫です。乾くとしっかりパテの色になります。初めてのパテ埋めですから、慌てずしっかり薄塗りしましょう。乾いてからまだ段差があるようであれば、もう一度塗ります。
まずは大ばんを角から貼っていきます。壁の角で、コンセント類などの障害物がないところから貼っていくのがオススメです。脚立に立ち、壁の一番上から合わせていきます。
まずは、壁の角にクロスの端を合わせましょう。壁の角はだいだいまっすぐ垂直なので、これに合わせておけば極端にななめる心配がありません。まずは角側のクロスを合わせるので、もう反対側は少したわませて壁にくっつけておきましょう。
クロスの角を壁に合わせたら、なでバケを使ってまずは角側を縦に流します(図の①)。これで完全に角が決まりました。続いて、仮付けしておいたもう反対側のクロスをめくり、クロス全体で見て、ちょうど真ん中あたりを、横に一本、なでバケで流します(図の②)。
なでバケを横に流すのは、これっきり。あとは角側から縦になでバケを反対側に向かって順々に流していき、エアを抜きます(図の③)。真ん中の横一本を基準に、して上下別々にエアを抜いていきます。
すべてのエアが抜けたら、反対側のジョイントをローラーで止め、上下のクロスの余りをカットしていきます。つのベラで天井の角に沿って破れないように優しく流して折り目をつけます。そこに地ベラを合わせ、その地ベラを滑らせるようにしてカッターでカットしていきます。
カットし終えても、油断せず、地ベラは当てたまま、余分なクロスをとります。稀にちゃんと切れておらず、くっ付いていることがあり、ヘラを当てておかないと、切ってない必要な部分のクロスごと破けてしまいます。
カットが終わったら、余分なクロスで糊が付着した箇所をスポンジとウエスで拭き取りましょう。これをしないと時間が経ってから黄ばんだり、そこだけ汚れが目立つ原因となります。
これで、1枚めの完成です。
続いて2枚目を貼るのですが、1枚目のスタートは角に合わせて貼りました。これを、1枚目のクロスのジョイントに置き換えるだけです。先ほど角に合わせたのと同じ要領で1枚目のクロスのジョイントに合わせます。
まずは縦方向を合わせるのですが、1ミリ程度隙間が空いても構いません。先ほどと同じように縦方向をなでバケで流し、「ジョイントローラー」を使ってジョイント部を圧着しながら隙間を埋めていきます。
クロスは伸縮性があるので、ローラーでちょっと引っ張ってあげれば1ミリ弱程度の隙間はなくなります。ジョイント部が空く(すく)ことなく、クロス同士が重ならないようにローラーで決めていきます。
ジョイント部は後から開きやすいので真っ先に決めていき、それがおわったら、仮付けしてあった反対側のクロスを起こして真ん中から横方向になでバケで流します。あとは同じようにすべてのエアを抜き、不要部分をカットしたら2枚目の完成です。
反対側のジョイント部分もローラーでしっかり圧着しておきましょう。これをしておくと、突きつけ貼りの時にクロスとクロスが重なりづらくなります。
さて、後はこのステップ2の繰り返しによって、貼り進めていけば大半のクロスを貼り終えることができます。窓の下や建具上など、どうしても「合わせ切り」が必要になる部分は、この後のステップで紹介します。
ここでは、コンセントの穴あけについて解説します。まずは基本通りクロスを貼り、コンセントの部分だけ突起があるのでぽっこり浮いていると思います。
その突起に合わせてカッターを入れ、コンセントの突起を出してあげればOKです。多少空いてもプレートで隠れる範囲内であれば大丈夫です。穴を開けた後、ハケとローラーでエアをしっかり抜き、ウエスで拭き取りましょう。
カッターは、小出しで、頻繁に刃を折って使います。刃が短くなったら替刃に交換しましょう。
DIYクロス貼りの基本は、「突きつけ貼り」で1方向に貼り進めていきます。時計回りなら角から右に向かって一周。反時計回りなら角から左に向かって一周していきます。
小ばんも突きつけで貼れるものは貼っていきますが、そうするとどうしても、窓枠や木枠の下が余ってしまいます。そこで合わせ切りが必要になってきます。
「合わせ切り」は、本来高等テクニックです。素人がやると、間違いなくあとあとジョイントが開いてきたり、クロスがめくれてくる原因となります。下地ごと切ってしまうからです。
そこで、先ほどご紹介した「ジョイントテープ」を使います。
まずは、合わせ切りするクロスとクロスを3センチくらい重ねて貼ります。重ねた状態でしっかりローラーをかけ、エア抜きしましょう。不要な上下のクロスはカットし、合わせ切りを残すのみの状態にしておきます。
地ベラ、もしくは定規などを使い、重なったクロスの部分をカッターでまっすぐにカットします。この際、刃は必ず新品の状態に折るなどしてください。そして、一度入れた刃は絶対に抜きません。ヘラの長さが足りない場合は、カッターの刃を入れたまま、ヘラだけをずらしてください。一度刃を抜くと、二度と同じ場所には入れれません。
プロは下地を切らずに重なった2枚のクロスのみを切ります。これは1回や2回の練習で出来るものではありませんし、逆に2枚目を切り損なうと、二度と合わせ切りができません。なので今回は下地を気にせず思い切りカットしてください。
しっかり2枚のクロスを切ったら、それぞれ左右の不要なクロスを取り除きます。その後、下地とクロスの間にジョイントテープを挟むことで下紙が剥がれてきてクロスがめくれ上がるのを防ぎます。
最後は、ジョイントローラーをかけて止め、糊を拭き取れば合わせ切りの完成です。極力この合わせ切りが少なくなるように考えて貼っていきましょう。
さて、最後にジョイントコークを入れていきます。入れる場所は部屋の四隅のクロスとクロスの隙間、クロスと窓枠や木枠の隙間、天井の枠(フクビ)とクロスの間、等になります。つきつけしたクロスとクロスのジョイント部分には入れません。
コークを入れたら、指でなぞって慣らしていくと同時に、不要なコークを取り除きます。水性なので乾く前であれば、濡らしたウエスで拭き取れます。指についたコークもウエスで拭き取り、コークのついたウエスはこまめに洗いましょう。
おつかれさまでした。最後に、外したプレートやカーテンレールなどを元に戻して、完成です。
いかがでしたか?クロス貼りはDIYでも十分できる作業で、貼り終えた後の部屋の仕上がりや変化がとても大きいので、満足感も得られます。
無地クロスになれたら、今度は柄物クロスで自分だけのインテリアコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか?