安眠のためには、寝具の正しい選択が重要なポイントになります。とはいえ、どのような基準で選べばいいのか迷う方も多いことでしょう。今回は、ポケットコイルマットレスに焦点を当ててご紹介します。他のマットレスとの違いや選ぶときの注意点など、ぜひ寝具選びの参考にしてください。
目次
ポケットコイルマットレスとは、コイル層にポケットコイルを使用したマットレスです。コイルを縦横に同数ずつ並べた「平行配列」ですので、コイル間の隙間が多く柔らかいマットレスになります。また、体圧分散に優れており、理想的な寝姿勢を保つことができます。腰にフィットしやすく、寝心地が良いため、女性にも好まれるマットレスです。
ボンネルコイルマットレスはポケットスプリングマットレスと比較されることが多いですが、どちらにもメリットデメリットがあります。ここでは、ボンネルコイルマットレスの特徴や両者の違いは何かについて解説します。
ボンネルコイルマットレスとは、各コイルが連結されて1つのベースになっているマットレスのことです。コイル同士がつながって1つのベースを形成しているため、コイル全体が体を受け止める「面」として機能し、緩やかな沈み込みが得られます。
そのため、体重の重い方や体格のいい男性に最適です。また、コイル全体が荷重を受けるので、安定感があって寝返りがしやすく体への負担が少ないので、寝返りの多い方にもおすすめです。
ポケットコイル | ボンネルコイル | |
タイプ | 独立コイル | 連結コイル |
揺れにくさ | 〇 | × |
体圧分散性 | 〇 | △ |
フィット感 | 〇 | △ |
耐久性 | △ (部分的には低め) | 〇 (比較的高め) |
価格 | 高め | 安め |
それでは、ここで一度ポケットコイルタイプのマットレスのメリット・デメリットを確認しておきましょう。購入の際には両方の面を知っておくことで後悔せずにすみます。
スプリングの1つ1つが独立しているため振動の影響を受けにくく、包み込まれるような心地よい眠りを提供してくれるのがメリットの1つです。また、騒音も少なく、寝返りを打ってもギシギシと音がしないのが特徴です。また、振動に強いので、2人で寝るのにも適しています。
一般的に、高密度連続スプリングやボンネルコイルスプリングに比べ、耐久性が劣ると言われています。その理由は、スプリングが独立しているため、それぞれのスプリングにかかる負担が大きくなるという訳です。
また、別のデメリットとしては、通気性が悪いという点が挙げられます。マットレスは汗の影響で湿気がたまりやすいので、通気性の悪さはデメリットになります。
さらに、一般的にボンネルコイルに比べて価格が高くなることが多いようです。ただし、ポケットコイルがすべて高価というわけではありません。
それでは、ポケットコイルマットレスを選ぶ際のポイントに移りましょう。このポイントを押さえておけば、ポケットコイルの良さが発揮されない粗悪品を避けることができます。
マットレスはコイルの数が多いほど(密度が高いほど)、荷重分散や体圧分散に優れています。例えば、楽天で売れ筋の多くは、シングルサイズで約450個のスプリングを使用しており、各社ともその数を宣伝しています。
ただし、高密度=高品質という訳ではありません。目安としては、最低でもシングルサイズあたり450個以上の密度の商品を狙うのがおすすめです。
ポケットコイルはもともと柔らかい素材ですが、コイルの配列の仕方でも違いが出てきます。よりふんわりとした寝心地を求めるなら平行配列、より硬めの寝心地を求めるなら交互配列がおすすめです。
体圧分散を左右する最大の要因は、バネコアの上の詰め物です。中綿に4インチ以上のウレタンフォームを使用したマットレスを選びましょう。粗悪なマットレスの中には、ウレタンフォームが1cm程度しか入っていないものもあります。
そのようなマットレスで寝ると、コイルバネの硬さが腰に当たり、腰痛の原因になります。一方、詰め物がただ分厚ければいいという訳でもありません。寝たときに、コイルの弾力と詰め物の心地よさを感じられるかどうかを基本に、できれば購入前にしっかりと確認するようにしましょう。
バネは、硬いスチールワイヤーでできており、メーカーや製品によってその品質は異なります。バネ自体の品質を「ワイヤーグレード」と呼び、メーカーはこのワイヤーグレードを宣伝していることが多いです。
とはいえ、2017年に品質表示法が改正され、バネの品質(硬鋼線)表示が義務づけられなくなりました。そのため、購入の際は線種のグレードだけに振り回されないようにしましょう。
ポケットコイルマットレスは、体に合わせて沈み込みが簡単に変化するマットレスですので、男女の体型の違いによって、フィットする硬さが異なります。
まず、男性は筋肉質でボディラインが平らな方が多いので、「硬め」のマットレスの方がしっかり支えてくれます。腰に負担がかかる不自然な姿勢で眠り続けると、腰痛の原因になることもありますので注意が必要です。
逆に、女性は「やわらかめ~やや固め」のマットレスを選ぶとよいでしょう。体に合わない硬さのタイプを選ぶと、くびれに沿ってマットレスと体の間に隙間ができてしまい、マットレスが触れる腰に大きな負担がかかってしまいます。
片面マットレスは表側のみ使用可能、両面マットレスは表裏どちらにも使用可能です。片面タイプは裏面にパッドがない分、価格が安くなる傾向があり、1万円から3万円程度のマットレスに多くみられます。
しかし、表と裏の両面で寝ることができれば、マットレスを回転させることで寝る面を変えることができ、ヘタリにくいので、長く使いたい方には両面マットレスがおすすめです。また、両面シーツは裏面にも詰め物がされているため、底付きしにくいという特徴があります。
マットレスの価格は、配送時の梱包によって大きく変わることがあります。最近では、物流コストの高騰により、特に低価格のマットレスが多く販売されているネット通販では、「圧縮梱包」でコンパクトに配送されるケースが増えています。
圧縮マットレスは、梱包を解くとすぐに膨張を始め、3分程度でほぼ元の状態に戻ります。ただし、完全に元の硬さに戻るには1~3日かかりますので、届いたその日から快適に使いたいという方には不向きかもしれません。
ここからは、ポケットコイルマットレスを販売している会社の中でもおすすめの確かな技術を持つメーカーをご紹介します。ベッド選びの参考にしてください。
日本ベッドはマットレスメーカーとして90年以上の歴史があります。日本初の連動式スプリングマットレスの製品化に成功し、1940年(昭和15年)頃からマットレスの本格的な生産を開始しました。
創業90周年を迎えた2016年、日本ベッドはものづくりの原点に立ち返り、ハンドメイドマットレスを生産しました。ハンドメイドマットレスは、針と糸で丁寧に手作業で縫い合わされています。
その手づくりマットレスの中には、今では限られた製品にしか使われていない、馬毛やシルクなどの高級天然素材が使われています。2018年には、今では世界でも珍しい手仕上げ構造の「シルキークチュール」が開発されました。日本が誇るベッド製造会社の1つです。
1870年に創業したシモンズは、長い歴史を持つ世界有数のベッド用マットレスメーカーです。米国で自社製コイルスプリングを使用したベッドマットレスの提供を開始し、その寝心地の良さで評判となりました。
シモンズは世界中で人気のあるブランドですが、その人気の理由は体を点で支える「ポケットコイル」、通気性に優れた「ダブルクッション」、起き上がりが楽な「平行配列」という3つの大きな特徴にあると言われています。
コイルを構成するワイヤーの直径も数種類あるので、きっと好みのマットレスが見つかるはずです。ホテル仕様のマットレスの寝心地を自宅で楽しむために、家庭用マットレスとして選ぶ方も多い信頼できるブランドです。
サータ社のマットレスは海外でも有名で、アメリカでは人気ナンバーワンのマットレスです。その寝心地や耐久性、種類の多さから、日本の一流ホテルでも採用されています。
サータのマットレスは、それぞれのコイルが独立しているポケットコイルを使用しています。硬度の高いコイルを使用し、体圧をうまく分散させるのが特徴です。そのため、ポケットコイル特有の沈み込みを心配する必要がありません。
快適な眠りを提供するのが目的であるホテルで採用されていることからも、その実力が分かるのではないでしょうか。
ここからは、おすすめの商品を厳選して紹介していきます。先ほどご紹介したメーカーの商品をはじめとして、人気の商品ばかりです。それぞれの商品の特徴もぜひご確認ください。
シルキーポケットマットレスは、通常のマットレスの2倍以上のポケットコイルを使用していますが、コイルに使用しているスチールワイヤーは通常より細いものを使用しています。軟質コイルスプリングを多く使用したシルキーポケットマットレスは、体圧分散に優れ、快適な寝心地が得られます。
また、シルキーポケットマットレスはスプリング層があるため、詰め物だけに頼らずとも快適な寝心地が得られます。そのうえで、高級な詰め物を使用することで、薄いマットレスでありながら快適な寝心地を実現しています。
「GOKUMIN マットレス」は十分な数のコイルが体圧を分散し、それぞれのコイルが独立しているので、寝ているときに振動を感じることはありません。隣で寝ている人が寝返りを打っても、振動で目を覚ます心配がなく、快適な睡眠を期待できます。
クッション材には、弾力性に優れたウレタンを採用しており、20cmの厚みがあるので、背中にコイルが当たる心配もありません。厚みを持たせることで、耐久性にも配慮しています。
また、本体のニット生地には抗菌・防臭加工を施しているのもうれしいポイントです。カラーは、ホワイトとブラックの2色から選べます。8年保証もついているので、万が一壊れても安心です。
イノフィアは、これまで蓄積してきた商品へのこだわり、サービス精神、顧客満足を凝縮した理念を一貫して貫き、圧倒的な品質の商品をお客様に提供することを使命として生まれたブランドです。
高耐久性、高反発性、高体圧分散性を実現する多層構造で、快適なハイブリッドマットレスを提供しています。スプリングコイルを1つ1つ独立して配置し、点支持を実現しているのもポイントです。
人間工学に基づき、背骨のラインや体の重みに合わせて設計されていますので、質の高い睡眠と製品の耐久性を求める方にぴったりです。
体型に合わせてコイルが個別に変化し、快適なフィット感と安眠環境を実現するマットレスです。高反発・高密度ウレタンが体圧を吸収・分散し、体への負担を和らげてくれます。
また、耐久性にも優れていて、2~3ヶ月に一度、ベッドマットレスを裏返すことで、マットレスがへたりにくくなり、より長くお使いいただくことができます。
体を支える厚さ17.5cmのポケットコイルマットレスで、465個の独立したコイルが効率よく体圧を分散させます。背骨のS字カーブを維持し、理想的な寝姿勢を実現してくれるのが特徴です。
また、ポケットコイルを並列に配置することで、通気性を良くしています。表面にはボリュームのあるキルティング素材を使用し、高いクッション性と保温性でソフトで肌触りも快適です。
身体を点で支え、体圧分散に優れたマットレスです。通気性の良い平行配列で、湿気がたまりにくいような構造になっていますので、ジメジメした環境でのマットレスのカビが気になる方にもおすすめです。
「Sweetnight」は、快適な睡眠と気持ちの良い目覚めの朝を迎えるための寝具を提供しています。コイルが平行に配置されているため、コイル同士の接触が少なく、揺れを防ぎ、寝返りの際の振動を軽減してくれます。
また、肌に直接触れる表面生地は、柔らかく、肌に優しいと同時に、通気性に優れた生地を採用しています。そのためマットレス内部の空気がスムーズに循環し、寝返りを打つたびにひんやりとした心地よい寝心地が得られます。
465個のコイルを内蔵した高密度ポケットコイルタイプです。体が沈み込み過ぎないため寝返りが打ちやすい高反発マットレスですが、ウレタンフォームを充填しているため、適度な柔らかさがあります。
体の軽い部分は浅く、重い部分は深く沈み込むことで理想的な寝姿勢を提供するとともに、適度な硬さで自然な姿勢を保つので、快適に眠ることができます。また、マットレスの表面にはニット生地を使用しており、肌触りがよく、通気性や弾力性にも富んだ素材となっています。
マットレスには、熱を分散させるジェルメモリー綿をプラスし、より快適で爽やかな眠りを体にもたらしてくれるマットレスです。人体工学に基づいた設計により、眠る方の自然な形に沿い、あらゆる寝姿勢に均等に圧力ポイントを分散させることができます。
また、錆びや変形を防ぐ高品質な独立ポケットコイルを使用していますので、長く使い続けられるのも魅力です。マットレスの表面には、超柔軟な高級ニット生地を使用し、通気性を高めています。
そのため暑い夏でもマットレスが肌に触れることで熱や汗を発散し、汗っかきの方でも安心して眠りにつくことができます。
底付きしにくく、厚さ22CMの極厚マットレスです。また、ボリュームのある20MMの高密度ソフトウレタンを使用しており、普通のマットレスでは味わえないふわふわ感を味わうことができます。
適度な柔らかさが体をしっかりと押し返し、弾力性のあるコイルと相まって、まるで雲の上に浮かんでいるような柔らかさで、朝までぐっすり眠れるマットレスです。
403個のポケットコイルを並列に配置することで通気性に優れ、入眠から目覚めまで人間の睡眠リズムに沿った機能を満載したマットレスです。また、側面には通気性の良いメッシュ素材を使用することで、睡眠中の不快感の原因となるムレを軽減しています。
ムール社のマットレスは圧縮して届けてくれますので、寝室まで運んで広げるだけの簡単設置で、搬入の心配がある狭い住宅等では助かります。
安定した寝心地を提供し、快眠へと導く高機能マットレスです。機能性・品質はそのままに、よりリーズナブルな価格で提供している商品です。マットレスは真空パックで丸めた状態なので、簡単に搬入でき、すぐに使うことができます。
こちらの商品は、耐久性と弾力性に優れたJIS規格最高クラスのスプリングを使用したポケットコイルマットレスです。独立したポケットコイルが体の負担を軽減します。
また、抗菌・防ダニ・消臭加工で、清潔で快適な眠りを届けてくれます。圧縮梱包で、狭い階段や狭い通路でも搬入しやすいのもポイントです。
今回は、ポケットコイルマットレスの選び方やおすすめ商品についてご紹介しました。ポケットコイルマットレスは構造上、低品質のものは劣化しやすく、処分に手間がかかるので、必ず高品質なものを選びましょう。また、信頼できるブランドの製品を選ぶのもおすすめです。