仕事でストレスを感じるのは普通のことかもしれませんが、退職を考えるほどストレスを受けているなら、それは過度のストレスを浴びている可能性があります。では、ストレスを感じやすい人とはどのような人なのでしょうか。また、ストレスを感じたらどうすればよいのでしょうか。当記事内ではぜひ試していただきたいストレス対処法と、どうしてもダメな場合の円満な退社方法について取り上げます。ぜひ参考にしてください。
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仕事によるストレスは、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。しかし、過度のストレスを感じている人には一般的にいくつかの特徴があるようです。
例えば、誰かが何気なく言ったことが気になる人は、神経質になっているため、ストレスを感じやすい傾向にあります。
周りの雰囲気に敏感で、少しでも雰囲気が悪くなると「自分が悪いことをした」と思い込んでしまい、自分を責めてしまうのです。周囲の目を気にする人も、似たようなタイプといえるでしょう。
また、何が何でも勝ち負けにこだわり、すぐに他人と衝突してしまうような、負けず嫌いな性格の人も、知らず知らずのうちにストレスを感じている可能性が高いです。
この特徴を持つ人が気をつけなければならないのは、負けると気が抜けてしまったり、周囲に攻撃的になってしまったりするパターンです。
また、真面目なタイプの人も、大きなストレスに押しつぶされてしまいやすい傾向があります。このタイプの人の特徴は、責任感が強い傾向があります。
確かに責任感は大切ですが、真面目で責任感が強い分、何でも一人で抱え込んでしまい、「何があっても自分が何とかしなければ」と思ってしまいがちです。
誰にも頼ることができず、自分一人で何とかしなければならないと考えるため、大きなプレッシャーからストレスを感じやすくなることもあります。
ストレスの要因は人によってさまざまですが、一般的にストレスの要因とされる状況がいくつかあります。職場のストレスに対処するためには、まず、どのようなことがストレスの原因になるのかを理解することが大切です。
職場のストレスの原因として代表的なものに「人間関係」があります。職場に嫌いな人がいても、その人とは毎日一緒に仕事をしなければならないのが現実です。
職場にコミュニケーションはつきものですし、好き嫌いに関わりなく仕事上付き合わなければならないので、職場でのストレスは蓄積していきます。
自分か相手のどちらかが職場を去らない限り、問題の解決は難しく、多くの人が退職を希望することになります。
上司からパワハラやモラハラを受けると、大きなストレスを感じることがあります。上司と部下という関係上反論したり逆らうことも難しいですし、誰にも相談できずに我慢してしまう人も少なくありません。
「お前は仕事ができない」「降格させる」といった言葉を言われると、「自分が悪い」と思い込んでしまい、うつ病などの精神疾患を患ってしまう人もいます。
たとえ給料が高くても、毎日の残業で心身ともに疲弊していたら、ストレスで辞めたくなってしまうでしょう。繁忙期に限らず、慢性的に長時間労働をしていれば、「退職して残業の少ない会社に行きたい」と思うのは当然のことです。
残業が続くと、プライベートの時間を楽しめず、ストレスが解消されないというデメリットがあります。労働時間や残業時間については法律で定められているので、もし雇用主が法律違反の労働をさせているのであれば、適切な対処をすることが必要です。
月収が普通の生活を送るのに十分でなければ、ストレスを感じるのは当然でしょう。お金が足りないというストレスを解消するには、副収入を得るか、節約する方法を考えるしかありません。とはいえ、今の会社が長時間労働で残業代も十分に出ないようでは、自宅で副業する時間も確保するのが難しいでしょう。
あまりにストレスが多いと、体に何らかの変化が現れ始めるかもしれません。自分がストレスを受けすぎているかどうかを判断するためには、その症状がどのようなものかを理解することが大切です。
以下のような症状が出た場合は、自分が思っている以上にストレスを感じている可能性がありますので、専門医の診察を受け、適切な対処をしましょう。
ストレスを感じすぎると、ネガティブな感情によって、気分が落ち込んだり、何もやる気が起きなくなったりすることがあります。やる気が出ない、周囲に無関心というのは、強いストレスから自分を守るための逃避行動だと言われています。
つまり、自分が思っている以上にストレスがかかっている証拠です。今まで楽しめていた趣味や好きなことが楽しめなくなった場合、うつ病の可能性がありますので、退職を検討すると同時に、早めに専門機関を受診して治療を受けるとよいでしょう。
ストレスが溜まっていると、質の良い睡眠がとれないことがあります。夜中に目が覚めてしまい、朝になっても疲れているのになかなか寝付けないという人も少なくありません。
心や体が疲れていると、睡眠に影響を与え、寝つきが悪くなります。その結果、「睡眠負債」を作ってしまい、将来的に精神疾患につながる可能性があります。
ストレスでご飯が食べられなくなる、食欲が湧かないことはありませんか?それは摂食障害と呼ばれている体調不良の症状です。
試験やオーディションなどの短期的なストレスはいいのですが、それが仕事となると長期的なストレスになります。その結果、摂食障害が長く続き、社会生活が続けられなくなることもあるのです。
最悪の場合、命に関わることもあります。症状が重い場合は専門の医療機関を受診する必要がありますが、最近では自分のストレス度合いをネットでチェックすることもできます。
過度なストレスは心身にさまざまな影響を及ぼします。温厚でいつもニコニコしていると評判の人でも、ストレス性の病気や睡眠不足が重なると、意外な変化を見せることがあります。その特徴は、怒りや不満といったネガティブな感情です。
さまざまな要因でたまったストレスを解消できないでいると、いつも憤慨してイライラしてしまうこともあるでしょう。そのような状態では、正常な判断ができなくなります。
普段は気にも留めないような周囲の人の発言や行動になぜかイライラしてしまうということなら、心身にストレスがたまりすぎているサインだと考えてください。
そのような状況では周囲に対して攻撃的にならないように気をつけると共に、改善のために速く行動することが大切です。
ストレス解消のためにお酒を飲む人もいますが、飲む量や回数が多くなり、依存症になってしまうことがあります。当然、食べ過ぎと同じように、お酒の飲み過ぎは体に悪影響を及ぼします。
アルコール依存症になり、毎日たくさんのお酒を飲んでしまうと、特に内臓に負担がかかってしまいますし、病気を発症するリスクが高まります。退職したい気持ちをアルコールに振り回されず、何に対してストレスを感じているのかを見極めて、その問題に対処するようにしてみましょう。
何もしなければ、職場のストレスはどんどん溜まっていきます。場合によっては、そのストレスで心身ともに疲弊し、退職に追い込まれることもあるかもしれません。そうならないためにも、まずは職場のストレスを自力で解決してみることが効果的です。
ストレスが多く、心身ともに疲弊している場合は、まず心身を休めることが大切です。有給休暇やバケーションを利用して、体を休め、リフレッシュしてみてください。また、仕事から少し離れることで、落ち着いて今後のキャリアを考えることができます。
とにかく退職しないことにはストレスから逃れられないと思うかもしれませんが、しばらく休みを取って仕事から離れてみると、それほどストレスを感じなくなるかもしれません。
前述のように自分一人ではストレスに対処できない場合は、専門家に相談することをお勧めしますが、ハードルが高いと感じる方もおられることでしょう。
そこで、自分が信頼している友人や家族に相談することで、ストレスと上手に付き合う方法が見つかるかもしれません。ストレスへの対処法が見つからなくても、悩みや愚痴を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
ストレスに対して感情的になってしまうと、退職しか道はないと思いがちです。そのため、冷静な判断ができるように客観的な意見を聞くようにしましょう。
精神的なストレスが自分では抱えきれないほど大きい場合は、躊躇することなく心療内科を受診しましょう。ストレスが限界に達しても、「自分は大丈夫」「落ち込むはずがない」と思い込んでいる人が多くいます。その結果、症状が悪化するまで働いてしまい、うつ病になってしまうのです。
職場のストレスで転職を決意する人の中には、会社に対して強い不満を持っている人もいるでしょう。会社への不満をぶつけたい気持ちがあっても、公にしないほうがよいでしょう。不満をぶちまけて退職すると、トラブルになり、円満退職できない可能性もあります。
円満退職できない場合、スムーズな転職活動に影響が出る可能性もあります。どんなに会社に不満があっても、社会人として円満に退職することをおすすめします。
民法627条では、退職したい日の2週間前までに退職の意思表示をしなければならないと定めています。ただし、会社独自の就業規則により、もっと早い時期に退職の意思表示をしなければならないケースもあります。
そのため、ストレスで退職する場合は、事前に就業規則で退職の期限を確認しておくとよいでしょう。退職の意思表示をすると、担当者から必要な手続きの案内があるのが一般的です。
ただし、退職の手続きをスムーズに行うために、就業規則や一般的な退職手続きについて調べておく必要があります。
退職希望日の2ヶ月ほど前に、直属の上司に退職の意思を伝えておくとよいでしょう。このとき、「退職願」を持参することもできます。退職願があれば、退職の意思が固いという印象を与えることができ、強引な引き止めを防ぐことにもなります。
直属の上司を無視して他の上司に退職の意思を伝えることは避けましょう。また、直属の上司に伝える前に、先輩や同僚に退職の話をするのは、噂が広まる可能性があるので気をつけてください。会社の繁忙期を避けて退職することも、円満退職のコツです。
退職の意思表示をして、退職日や条件が決まったら、退職届を書き提出します。退職届は正式な書類ですので、「仕事でストレスを感じたから」など、退職理由を細かく書く必要はありません。
ただし、退職届の書き方にはルールがありますので、事前に確認し、正しく書くようにしましょう。また、会社によってはフォーマットが決まっている場合もあります。そのような場合は、会社のルールに従いましょう。
人生において、ストレスから逃れることはできません。そのため、自分の性格や特徴がストレスになるのであれば、少し気をつけてみたり、休みの日にはストレス解消法を試すことでまずは自力で対処してみましょう。そうすることで、生活に変化が現れるかもしれません。
とはいえ、ストレスが大きくて精神的に追い詰められる状況が続くのは危険です。そのような場合には、気持ちを切り替えて円満退社できる方向で動いてみることをおすすめします。