働いている職場を辞める場合、退職届を提出することがありますが、どのような文章が正しいのか分からない方も少なくありません、また、どのタイミングで退職すればトラブルにならずに済むのでしょう。
実は仕事を辞めるときにこういったことで悩む人は多くいます。そこでこちらの記事では円満退職のための届の書き方や適したタイミングなどを紹介します。
職場を辞めるとき、こちらの都合でいつでも辞める、というのは会社側に迷惑がかかる場合があります。最悪の場合トラブルに発展する可能性もあるので、そうならないための退職におすすめのタイミングを知っておきましょう。
もっとも忙しい時期である繁忙期は、一人でも従業員が減ればそれだけ会社や他の従業員に負担がかかります。繁忙期に退職を願い出ても、「今は忙しいから」と跳ね返されることも少なくありません。
また、忙しいときは上司に掛け合うことも、しっかりと話を聞いてもらうことも難しくなります。それならばあまり多忙ではない閑散期のタイミングを狙うのがベストです。
閑散期であれば上司や周りにも余裕があり、話が通りやすくなるでしょう。よほどの理由がない限り、退職を切り出すのは繁忙期を避けたほうがスムーズに退職できます。
いきなり「明日辞めさせていただきます」というのはNGです。退職するには、前もって上司に伝えるようにしてください。
退職となれば、これまで自分が行っていた業務の引継ぎや、様々な手続きが必須となるので、できれば希望日の1カ月ほど前までにはその旨を伝えましょう。
法律的には2週間前に退職を申し出ればOK、ともありますが、会社によっては3か月前に申し出が必要になる場合もあります。まずは就業規則を確認していつ、退職を言い出すのかチェックしてください。
退職理由はできるだけ明確にするほうが良いでしょう。曖昧な理由では退職を引き止められることもあり、話し合いがスムーズに進まないこともあります。
辞めるに至った理由が人間関係や金銭面、家庭の事情など色々ありますが、円満退職する場合はその理由をしっかりと告げましょう。
会社を辞めるときは多くの方が退職理由を書いて提出します。退職理由は大きく「自分の都合」と「会社の都合」に分かれます。
自分の都合はもちろん家庭の事情や自身のスキルアップのためなど色々ありますが、会社の都合は倒産や解雇になります。それぞれの退職理由の正しい書き方を見てみましょう。
自己都合の場合は会社が何も言ってこないが、自分の意志で辞めるため、多くの方が「一身上の都合により」と書きます。多いのもでは結婚や妊娠、引っ越しや転職によるものです。
また、人間関係や金銭面も自分で納得がいかない、このまま職場に居続けることが困難なため、自己都合に入ります。パワハラやサービス残業なども「一身上の都合」を使います。
結婚や妊娠など、おめでたいことであればその旨を書いても良いですが、必ず書く必要はありません。
倒産や希望退職など会社都合の場合はその理由を明確に書くようにします。倒産であれば「業績不振による倒産に伴い」、人員整理の退職は「事業部門縮小(閉鎖)に伴い」、希望退職はそのまま「希望退職のため」となります。
何故、会社都合の場合に「一身上の都合」を使わないのか、それは失業保険が関係してきます。
失業保険は自己都合と会社都合で取得条件が異なり、自己都合で次の職場が決まっていない場合は失業保険の支払開始日に時間がかかる、支給額や給付日数が少なくなるなどのデメリットがあるのです。
そのため会社都合の場合はその理由をしっかりと書いておきましょう。さらに会社都合の退職は退職届や退職願を提出する必要がないので、提出を求められても断るようにしなければ、最悪自己都合にされるので注意してください。
もしどうしても提出を断れないのであれば、会社都合退職通知書を受けてる、まはた一筆書いてもらうなどしましょう。
会社都合退職はその理由がはっきりしているので、その旨を書くだけですが、自己都合の場合はどのような書き方が良いのでしょうか。実際に退職理由の具体的な書き方をまとめているので参考にしてください。
作業内容が自分に合っておらず退職する場合には「飽き性」と思われないような書き方をしてください。合わない仕事をそのまま続けることは、自分だけでなく会社にもメリットはありません。
これまでも合わないながら精一杯やってきた、という努力を伝えつつ、自分に合った職場に転職するなどを伝えましょう。
単に仕事が合わない、と伝えるだけでは「もう少し続けることで考えが変わる」など、引き止められることもあるため、「これがやりたいから」とポジティブな理由も付け加えるとベストです。
【具体例】
例文①:尽力を尽くしましたが、業務内容が自分に合わず、このまま勤務しても会社へ損害を生じさせる可能性もあり、退職を願いました。
例文②:現在の職種とは異なる分野にチャレンジしたいと考え、退職を決意することにいたしました。
介護や引っ越し、実家の家業を継ぐなど家庭の事情で退職する場合は、その理由を明確にする必要はありませんが、書けるのであれば書いておくと会社側も納得でき、引き止められることも少なくなるでしょう。
【具体例】
例文①:両親が高齢のため家業を継ぐことになり、誠に勝手ではございますが退職したく存じます。
例文②:(介護、パートナーの転勤などで)転居することとなりました。それに伴い退職を願い出ます。
例文③:家庭の事情で仕事を続けることが困難となりました。詳細はプライベートなことのため明確にはできませんが、何卒ご理解お願いします。
病気により仕事をすることが困難な場合は、働きながらの回復ができない、症状によって通勤が難しいなどを伝えましょう。
どのような病気なのか、どんな症状なのか聞かれる場合や、診断書の提出が必要になる場合もあるので、嘘の申告は避けてください。
【具体例】
例文①:体調不良により通院しておりましたが、症状が改善されないためしばらく療養したく、退職という形を取らせていただきます。
例文②:病気のため勤務続行することが不可能となりましたので退職を希望致します。
人間関係が理由の場合は、職場の人と反りが合わないというものだけでなく、パワハラやセクハラなどが原因になることもあります。
しかし退職届に「パワハラ・セクハラがあった」という理由は明確にしにくく、そのまま伝えれば円満退職できない可能性も出てきます。パワハラの場合は会話を録音する、タイムカードをチェックするなど証拠をまとめて、会社都合の退職になるようにしましょう。
また、反りが合わないことを理由にすれば「部署移動するので」と引き止められる場合もあるため、書き方には注意してください。
【具体例】
例文①:前の職場では個人での業務で、チームを組んで仕事をすることがありませんでした。そのため他の方と反りが合わず、業務に支障をきたすため、退職を願います。
例文②:(パワハラによる)耐え難い苦痛のため退職致します。
例文③:上司との関係がうまくいかないため、退職致します。
給料が低く、このままでは生活が厳しくなる場合の退職理由の書き方でもっとも無難なものが「一身上の都合」です。
しかしそれ以外の書き方として、「給料が低い」ということを、もう少し良い感じにすることは可能なので、具体例を紹介します。
【具体例】
例文①:やりがいのあった職場ですが、新たなことに挑戦したいため、退職を願います。
例文②:人事評価制度の整った職場で、より高みを目指すため退職を希望します。
例文③:家族が増え、現在の給料では生活が苦しくなるため、勝手ではありますが退職させていただきます。
結婚の場合は相手の都合で転居することも多く、妊娠は出産や育児があるため、比較的退職がスムーズに受け入れられることが多くなっているため、そのまま伝えても問題ありません。
【具体例】
例文①:私事ではありますが、この度結婚することになりました。パートナーの都合上転居するため、突然ではございますが退職を願い出ます。
例文②:私事で恐縮ですが、この度入籍することとなりました。式を上げる予定はありませんが、相手の仕事の都合で退職させていただきたいと想います。
例文③:妊娠・出産のため退職させていただきます。
退職理由は人によって様々です。しかしどんな理由があっても、正直に書かなければいけない、という決まりはありません。しかしスムーズに、円満退職するためには、書き方にも注意が必要です。
「給料が安い」「ブラック企業」「人間関係が最悪」など、ネガティブな内容は避けるようにしてください。職場環境に不満があって辞める場合でも、悪口のような理由ではトラブルを招く原因にもなります。
どんなにネガティブな理由でも、それをそのまま書くのではなく、ポジティブな言い方に変える、今後のために前向きに辞める理由を使うことで、どちらも嫌な気持ちにならず円満退職に繋がります。
会社側に不満があっても、できるだけ「自分に落ち度があった」ことを伝えたうえで退職しましょう。「辞めるのだから」と一方的な不満ばかりをぶつけても、最悪の場合労働問題に発展し、スムーズに退職できなくなる可能性もあります。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、「尽力を尽くしましたが」「努力及ばず」など、自分にも落ち度があったことを書くようにすれば、円満に退職できるようになります。
退職理由は会社おw辞めるときだけでなく、次に転職した場合にも聞かれることがあります。前職で円満に退職するために、転職先でマイナスイメージを持たれないためにも、退職理由は前向きな印象を与えられるような書き方をしてください。