蜂蜜酒は、人類最古のアルコール飲料と呼ばれることもあります。海外では「ミード」または「ハニーワイン」として知られています。蜂蜜を主原料としているため、栄養価が高いのが特徴です。日本ではあまり飲まれていませんが、近年の健康志向のブームで注目されつつある蜂蜜酒。今回は、おすすめ銘柄をご紹介します。産地やはちみつの種類によって味わいが異なるので、気になる方はぜひ飲み比べてみてはいかがでしょうか。
蜂蜜酒には、はちみつ由来のビタミンやミネラルが含まれているため、栄養価が高く、健康や美容に効果的です。
それだけでなく、鉄分、ビタミンC、ビタミンD、銅、葉酸などが含まれており、いずれも造血作用があるため、貧血に効果があると言われています。また、二日酔いを防ぐ飲み物としても有名です。
しかし、日本ではまだ蜂蜜酒はあまり知られていません。飲んでみたいけど、どれを選べばいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、自分に合った蜂蜜酒の選び方をご紹介します。
蜂蜜酒といえば「甘口」タイプが一般的です。はちみつが好きな方はもちろん、普段から甘酒を飲んでいる方にもおすすめです。食後に飲むお酒を探している方はぜひチェックしてみてください。
「辛口」タイプの蜂蜜酒は甘口タイプに比べると少ないですが、爽やかでさっぱりとした味わいが特徴です。辛口ワインの味わいに、はちみつの甘さがほんのり感じられます。
甘口よりもクセが少ないので、食中酒として頂けます。また、蜂蜜酒にはワインと同じく「スパークリングタイプ」の銘柄があります。
このタイプの蜂蜜酒は、上品で爽やかな泡立ちが特徴で、甘口や辛口タイプよりもサラッと飲めてしまいます。シャンパングラスに注いでいただくのがおすすめです。
例えば、クローバーから作られたはちみつは、フレッシュでクセのない香りが特徴です。例えば、クローバーから作られたハチミツは爽やかでクセのない香り、ハーブの花から作られたハチミツは花のような香りがします。
また、基本的に蜂蜜酒は、はちみつ、水、酵母の3つの材料だけで作られますが、それ以外の材料を使っているものもあるようです。スパイスやハーブを使った蜂蜜酒は、より複雑で個性的な香りが特徴です。
飲みにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、個性的な味を楽しみたい方におすすめです。またリンゴなどの果汁をたっぷり使った商品なら、よりフルーティーで飲みやすくなります。
このタイプの蜂蜜酒は、ジュースのように手軽に飲めるものを探している方にぴったりです。こうしたポイントを確認しながら、ぜひお気に入りの味を見つけてください。
蜂蜜酒は飲みやすい味で、アルコール度数が低いと思われがちですが、アルコール度数が12%程度としっかりアルコール分が含まれています。ワインと同じ程度の度数ですが、蜂蜜酒は熟成期間が長いほどアルコール度数が高くなります。
甘くて飲みやすいからと早飲みしてしまうと、予想以上に酔ってしまうこともあります。飲む前には事前にアルコール度数を確認しておきましょう。また、お酒が苦手な方も注意が必要です。
ミードは醸造される国や地域によって特徴が異なるため、生産地も確認することが大切です。モダン・ミードはイギリスやドイツ、その影響を受けた日本でつくられ、伝統的なミードは主に北欧のポーランドやリトアニアでつくられています。
ヨーロッパ諸国やアメリカ、日本の醸造元からは、モダンなテイストのミードが多く販売されています。なかでもドイツのベアレンメット(Bärenmet)が有名で、次いでカトレンブルガー、フランスのワレンゲム蒸溜所などが挙げられます。
日本では、酒造業が盛んな京都、福島(会津)、高知でミードが生産されています。京都ではミールミード、福島では会津の峰雪、二本松では奥の松、高知では菊水酒造がミールミード製造を手掛けています。
特に「会津ミード」として知られる福島県の「会津ミード花織」は人気商品です。ミード初心者の方は、まずは日本の商品から試してみてはいかがでしょうか。
はちみつだけを発酵させて作るドイツの蜂蜜酒です。無色透明で無香料なので、はちみつの豊かな味わいと香りを楽しむことができます。アルコール度数は10%で、ストレート、ロック、ソーダ割りはもちろん、燗でも美味しく飲めます。
すっきりとした甘さなので、チーズやデザートと一緒に飲むのもおすすめです。2015年にドイツ農産物協会が主催するコンクールで金賞を受賞しています。無添加のものをお探しの方は、候補の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
ポーランドでは、王侯貴族にのみ振る舞われていた秘伝の蜂蜜酒が、17世紀頃から徐々に大量生産が可能になり、庶民の間にも蜂蜜酒が広まりました。このセットでは、ポーランドの定番ミード3種類を飲み比べることができます。
高濃度の「ヤドヴィツァ」は、1Lの水に710gのはちみつを入れ、10年以上熟成させ、ラズベリーとコーヒーシロップを加え、飲みやすくしたものです。
中濃度の「クルプフキ」は、610gのはちみつを使い、4~6年熟成させ、カシスのシロップで酸味と甘みを引き立たせています。
「ピアストフキ」は、420gのはちみつを使って2年ほど熟成させ、アルプスのハーブを加えて軽快な仕上がりになっています。ぜひ、飲み比べてみてください。
古代エジプトでは、クレオパトラが美と健康のために蜂蜜を使い、ミードを愛飲していたと言われています。また、古代ヨーロッパでは、ビールやワインと並んでミードが愛飲されていました。
貴重なアルコール飲料として、新婚夫婦がよく飲んでいたことから、「ハネムーン」の語源にもなっているほどです。
ミードは幸せの象徴であるクローバー蜂蜜を原料とし、お祝いのお酒としてシャンパン風にアレンジされています。爽やかな口当たりとほのかなハチミツの風味をお楽しみください。
奥利根産はちみつのやさしい甘みと、絶妙なフルーティーな香りが特徴です。冷やしてストレートやオンザロックで、現代に蘇った古代の華やかな味わいをお楽しみください。
酒造りの知識と技術を駆使してつくられた、福島のはちみつ酒です。はちみつは、会津の標高600~800mに自生し、樹齢30年以上のトチノキからしか取れない希少な「トチノキはちみつ」を使用し、水は日本百名山の一つである飯豊山の伏流水を使用するこだわりようです。
この蜂蜜と水を酵母で約1ヶ月間じっくりと発酵させることで、上質な白ワインのような味わいに仕上げています。爽やかな甘みと酸味があり、後味もすっきりしています。ストレート、オンザロック、凍らせてシャーベットとしてもお飲みいただけます。
蜂蜜を100%使用した本格的な味わいのミードです。はちみつ本来の香りや味わいを十分に生かした、甘く濃厚な味わいが特徴です。
アルコール度数は7.5%とやや低めですので、強いお酒が苦手な方や、初めてはちみつ酒に挑戦される方は、一度試してみてはいかがでしょうか。お湯や炭酸水、ジュース、牛乳などで薄めて飲むのがおすすめです。
抗生物質不使用の岐阜県産の最高級生はちみつを使用しています。すっきりとした甘みと優しい味わいが特徴です。
国内のガラスメーカーが作ったボトルは高級感のある木箱に入っており、飲んだ後はハーバリウムとして使用することができます。味だけでなく見た目にもこだわりたい方、ギフト商品をお探しの方におすすめです。
「MAHINA」は、タンザニアのキリマンジャロ山麓の大自然で採取された希少な蜂蜜を使用しており、ワインのようなフルーティーな香りと蜂蜜の甘みが感じられる軽やかで心地よい味わいが特徴です。
女性やアルコールに弱い方にも人気があります。そのまま飲むだけでなく、ホットやソーダ割りなど、さまざまな飲み方でお楽しみいただけます。特に寒い季節や冷え性の方は、ホットでいただくと血行促進やリラックス効果、安眠効果も期待できます。
また、はちみつに含まれる果糖はアルコールの分解を助けるため、ミードは二日酔いになりにくいお酒と言われていますので、お酒が好きな方にもおすすめです。
かりんの上品な甘さとはちみつの濃厚な甘さに、ハーブをバランスよく加えた蜂蜜酒です。全容量の22%にはちみつを配合しているため、自然に包まれるようなはちみつの豊かな味わいを楽しめるお酒に仕上がっています。
はちみつは、人気の山田養蜂場の有機はちみつを100%使用し、さらにかりんとはちみつの風味に合う、レモンピール、カモミール、エルダーフラワーなど10種類のハーブを配合しています。ストレート、ロック、お湯割り、紅茶割りなど、かりんとはちみつの相性の良さをお楽しみください。
地元福島の食材を使用したはちみつ酒です。標高600~800mの会津の山々に自生するトチノキの花の蜂蜜と、安達太良山の伏流水で仕込んでいます。栃の実の蜂蜜の華やかな香りと深い甘み、そして上品でなめらかな味わいのお酒です。
蜜のコクを活かすため、アルコール度数は5%と低めに仕上げています。さっぱりとした味わいで、お酒初心者やアルコールに敏感な方にもおすすめです。
蜂蜜酒はそのまま飲んでもおいしいですが、香りと甘みがあるので、ロックやソーダ割りなど、さまざまなアレンジで楽しむことができます。おすすめの飲み方を紹介しますので、気になるレシピがあればぜひ試してみてください。
温めると味が濃くなるので、ホットミードを作る場合は、軽い味のミードを選ぶとよいでしょう。秋から冬にかけて、寝酒や体を温めるためにミードを楽しむのもおすすめです。
はちみつには、アミノ酸やポリフェノールなどの栄養素が含まれています。ただし、加熱しすぎると栄養素が減少する場合がありますのでご注意ください。
蜂蜜酒は様々なカクテルと相性が良いと言われています。カクテルにはちみつ酒を少し加えると、甘みが加わって飲みやすくなります。また、蜂蜜酒自体は他のリキュールほどアルコール度数が高くないこともポイントです。
特におすすめなのは「ロングアイランド・アイスティー」です。ウォッカ、ジン、テキーラをベースにしたカクテルで、紅茶を使わなくても紅茶のような味わいが楽しめます。
このカクテルは飲みやすく、アルコールの強さをあまり感じないとはいえ、実はアルコール度数が高いので、ついつい飲み過ぎないように注意が必要です。
ミルクミードは、蜂蜜酒と牛乳を同量ずつ混ぜて作るだけの簡単レシピです。蜂蜜酒と牛乳は相性が良く、蜂蜜酒と同量の牛乳を加えてミルクミードを作ると、牛乳のまろやかさとミードの甘さの絶妙な組み合わせが楽しめます。
また、氷をたっぷり入れたグラスに注いで、アイスで飲むのもおすすめです。ミルクとハチミツの風味の組み合わせは抜群で、カルーアミルクのような味わいのミード飲料が楽しめます。
ホットミルクミードは、シナモンなどのスパイスを加えて作ることもできます。ホットミルクを加えることで、味はより濃く、香りはよりマイルドになりますので、就寝前やリラックスしたいときに楽しみたいドリンクです。
今回は、日本ではまだマイナーな蜂蜜酒について取り上げましたが、いかがでしたか?興味を持って頂けたでしょうか?
蜂蜜酒にはさまざまな味わい方があり、甘いミードは、そのままストレートで飲むとハチミツ本来の味が楽しめますが、炭酸水で割ったり、シャーベットにしたりするとまた新たな魅力が楽しめます。
近年の健康志向の高まりから注目されているミードですので、ご興味のある方はぜひお試しください。初めて挑戦される方は、日本産のものから始めてみてはいかがでしょうか。