シューキーパー(シューツリー)は、靴を長く大切に使いたい方におすすめのアイテムです。しかし、どの商品を選ぶかに関しては、素材や構造、つま先の形状など押さえておくべき点がいくつかあり、さまざまなメーカーから販売されているためどれを選べば良いのか分からないという方もいらっしゃいます。そこで、今回は、シューキーパーの選び方のポイントをおすすめ商品とともに解説しますので、購入時の参考にしてください。
シューキーパーとは、靴を型くずれから守るためのアイテムで、靴底の反りを復元したり、アッパー部分(甲)のシワを伸ばしたりするためのものです。
靴を使うだけでお手入れしないなら、ダメージを受けた部分がひび割れたり、剥がれたりしてしまいます。そこで、シューキーパーを活用すれば、アウトソールの反りを直したり、シワを伸ばしたり、靴の形をきれいに保つことができるのです。
また、保護クリームやつや出しワックス等を塗り込むときも、シワの溝の細かい部分に塗りやすくなり便利です。木製のシューキーパーを選べば、除湿効果も期待出来ます。
紳士用の革靴は構造上、湿気がたまりやすいものです。そこで、木製のアイテムを使うことで、湿気や汗による劣化を抑えることができます。
シューキーパーは大切だということが理解できても、種類が多くどれを選べば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、その選び方について解説していきます。
まず一番大切と言われるのが、使用している靴のサイズと合っていることです。型崩れを防ぐという目的を考えればすぐに分かることですが、意外とサイズの合わない製品を使用してしまっている方がおられます。
理想的なのは靴を製造している会社の専用シューキーパーです。しかし、専用のシューキーパーのある靴は多くなく、大抵の場合、自分のサイズに合ったものを市販品から探すことになります。
ほとんどのシューキーパーは25.0cm~26.0cmと幅広いサイズで作られているので、自分の靴に合ったシューキーパーを購入するのがベストです。
ネットで購入する場合、商品紹介欄に書かれている参考シューズサイズを参考に、本来のサイズより大きめのシューキーパーを購入するようにしましょう。値段にとらわれすぎず、どんなお店で買うかも大切なポイントです。
シューキーパーを選ぶ際は、その素材にも注目してみましょう。プラスチック製のシューキーパーは、木製に比べて軽いので、出張や旅行などに持っていくのに便利です。また、木製のものに比べて安価であるため、気軽に試すことができるでしょう。
一方木製ですが、形を整える以外にも、重さがあるのでシワやゆがみを伸ばすのに適しています。また、固さがあるので、靴磨きの下敷きにもなります。
木製のシューキーパーを使うと、シワが伸びやすく、安定感があるので、クリームを塗ったり、靴を磨いたりするのが楽になります。
また、木製のシューキーパーは、湿気を吸収してくれるのも大きな特徴です。吸湿性の良いシューキーパーをお探しの方は、ニスや塗装などの加工がされていない製品がおすすめです。
また、木によって強度が異なることも重要なポイントです。例えば、家具や建材にも使われるブナ材は耐久性に優れています。甘い香りが特徴のレッドシダーは、消臭効果も期待できます。
シューキーパーには構造の違いで種類が異なります。ネジ式、スプリング式、ヒンジ式の違いを確認し、用途に合ったシューキーパーを選びましょう。
まずネジ式シューキーパーは、靴にかけるテンションの強弱を調整できます。テンションをかけすぎても靴が変形しないので、柔らかい靴に使いやすいのが特徴です。モンクストラップやローファーなど、変形しやすい靴におすすめです。
一方、スプリングタイプは、つま先部分とかかと部分をつなぐチューブがバネになっているので、シワになりやすいつま先部分にもしっかりとテンションをかけることができます。
スプリング式のシューキーパーは、細かい調整が必要ないため、初心者の方にも人気があります。ただし、シンプルなスプリング式シューキーパーは、バネ部分を折り曲げて使用するため、方向違いに圧力がかかって靴が変形してしまうことがあるので注意が必要です。
お気に入りの靴専用のシューキーパーをお求めの場合は、ヒンジタイプをおすすめします。つま先部分とかかと部分がヒンジでつながっていて、靴の中に合わせて曲げることができます。
長さの調節ができないので、特殊な靴以外では効果が期待できません。そのため、靴にフィットするアイテムが欲しい場合は、選んだ革靴のブランドのシューキーパーを購入することをおすすめします。
シューキーパーには、先端に割れがあるものがあり、この割れをスプリットと呼びます。つま先部分にも張りを持たせたい場合は、このタイプを選ぶと良いでしょう。
スプリットには、真ん中がハーフラストになっているものと、外側がカットされているサイドスプリットの2種類があります。両サイドにテンションをかけられるハーフラストは、つま先のシワをのばすのに適しています。
ただし、ほとんどのハーフラストでは、甲の部分にテンションをかけることができません。甲の部分までシワを伸ばしたい場合は、サイドスプリットを選ぶのがベターです。
一方、フルラストタイプは、靴のサイズにぴったり合うものが一番効果的です。選ぶ際には、甲幅が靴に合っているかどうかを確認してください。
おすすめのシューキーパーはこちらからご覧ください。老舗ブランドのアイテムや、スニーカー・ブーツ用のアイテムもピックアップしています。ぜひ、お手持ちの靴にぴったりのシューキーパーを見つけてください。
「コルドヌリ アングレーズ(Cordonnerie Anglaise)」は、パリで創業したシューキーパーメーカーです。世界中の高級靴メーカーやトップブランドの靴の木型を製造しており、人気ブランドの革靴にフィットしやすいのが最大の魅力です。
主な素材は、厳選されたフランス産のブナ材を使用。乾燥による変形やひび割れが少なく、耐久性に優れています。さらに、表面には滑らかなワックス仕上げを施しています。
表面は滑らかなワックス仕上げで、靴の中の滑りや傷みを防止してくれます。機能性にも優れたおすすめのシューキーパーです。
「サルトレカミエ シューツリー」は、形状の安定性、素材、サイドテンション、ポリッシュの全ての項目で高い評価を得た優等生的な商品です。
スタイリッシュで端正なフォルムは、イタリアンシューズにぴったりで、甲の幅や高さも標準的で、形状の安定感も抜群です。金属部分には錆びないようにメッキを施しているのもうれしいポイントです。
大きな丸穴で軽量化し、安定感を出すために二重管を使用しています。スタイリッシュなだけでなく、機能的で安定感のあるシューキーパーです。
「ダスコ」のシューテリーは、ライム材を使用した製品で、菩提樹を使用し、木目を生かすため無塗装なので、通気性も損ないません。丁寧に作られており、表面も滑らかなので、靴の中に入れても違和感がありません。
必要なところにしっかりテンションがかかり、かかとのフィット感もよく、形状を維持できます。また、吸湿性もよく、形状は長めに設計されているのが特徴です。
マーケンの「アロマティックシーダーシューツリー」は、ヒノキで作成した横割りタイプです。かかとが小さい形状の靴には不向きです。
靴への出し入れのしやすさも高く評価されており、あまり力を入れなくても簡単に出し入れすることができます。ただし、吸湿性は低いため、湿度の高い時期に使いたい方は別の商品を探されることをおすすめします。
ヨーロッパの本格的な木型をもとに、日本向けのオリジナル商品を開発する「Sleipnir(スレイプニル)」の木型シューキーパーです。
全体のシルエットは、靴幅、甲の高さ、ヒールなどボリュームがあり、日本製の靴にも合わせやすい商品です。素材には、香りが良く、吸湿効果の高い上質なアメリカンレッドシダーを使用しています。
構造は安定性を重視したツインチューブのスプリングタイプです。汎用性の高いシューキーパーをお探しの方におすすめです。
さまざまなサイズを取りそろえており、22.5cmから30cmまでの靴に対応しています。素材には、香りが高く防虫効果も期待できるアロマティックシダーを使用しており、靴の中の湿気を防ぐことができます。取り出しやすく、普段履きの靴のシューキーパーをお探しの方におすすめです。
アメリカの靴文化を象徴する靴メーカー「オールデン」のシューキーパーです。カジュアルシューズやドレスシューズの湿気を取り、型崩れを防ぎ、革靴を長持ちさせるのに最適なアイテムです。
バネを使ったシンプルな構造で、微調整をしなくても簡単にテンションをかけることができるので、初心者でも使いやすいのが特徴です。
また、つま先部分にはハーフラストを使用しているため、しっかりとテンションをかけることができ、つま先の細かいシワもきれいに伸ばすことができます。
レッドシダーを使用したアイテムです。シダーオイル独特の香りを楽しむことができ、防虫・防カビ効果も期待できます。底が平らなので汎用性が高く、使い勝手が良いのも特徴です。
シューツリーは、上質な革靴の型崩れや湿気を防ぐためのケアアイテムとしておすすめです。オーソドックスなデザインで使い勝手が良い製品となっています。靴のシルエットやコンディションをベストな状態に保つことができるアイテムです。
除湿・芳香・消臭に優れた天然木レッドシダー材を100%使用しています。天然レッドシダーは変形や変質しにくい耐久性のある素材なので、長く使うことができます。
一日履いた靴の内側の湿気を素早く吸収すると同時に、天然成分が癒し効果のあるウッディな香りを届けてくれます。そのため靴の中の悪臭が中和され、常に清潔な印象を保つことができます。
いかがでしたか?シューキーパーを使うことで、靴を快適に保つことができ、靴の寿命も延びます。これまで使ったことのない方は、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
記事内でもお伝えしたように、除湿効果を期待する場合やしっかりとしたテンションでシワを伸ばしたい場合は、木製が向いています。
一方、出張や旅行に持っていくなら、プラスチック製のものがおすすめですので、用途によって数種類を使い分けるのが良いでしょう。