トーニチ(東日)は、手動・動力式トルク機器や、機械・電子式トルク計測機器などで知られる日本のメーカーです。同社の製品はプラントの建設やメンテナンス、建設業界などで愛用されています。また、同社のトルクレンチは、車やバイクの整備に使っている人も多いです。トルクレンチの買い替えや初めての購入を考えている人には、信頼のおけるトーニチの製品をおすすめします。そこで、特に人気のある製品をご紹介しましょう。
目次
トーニチ(東日)のトルクレンチは、「シグナル式トルクレンチ」と「直読式トルクレンチ」の2種類に分類されます。それぞれどのような違いがあるのか、ご説明しましょう。
主に「締め付け作業」に使います。設定したトルクに到達すると「カチッ」と音が鳴り、教えてくれる構造です。以下のタイプがあります。
・トルク目盛り付きのプリセットタイプ
・ミスでトルク設定値を変えられないようにしたプリロックタイプ
・トルク目盛りなしで同一トルクの締め付けに適した単能タイプ
・回転角法締め付け用角度レンチ
・締め付けトルクデータを無線で伝送するタイプ
主に測定・検査作業をし、測定値は数値で表示します。
・デジタル式
・ダイヤル形
・プレート系
・締め付けトルクデータを無線で伝送するタイプ
次の項からは、特に人気の高い「シグナル式トルクレンチ」をご紹介していきましょう。
シグナル式トルクレンチの「トルク目盛り付きプリセットタイプ」で、トーニチ(東日)が世界に誇るグローバルスタンダード・アイテムです。締め付け作業用では、最もオースドックスで「トルクレンチの基本形」ともいえます。QL型は6種類ありますが、この「QL10N」は、トルク調節範囲は最小2〜最大10(N・m)です。設定したトルクに到達すると、トグルが作動し、カチッという軽い信号音で締め付けが完了したことを教えてくれます。
光沢仕上げのボディがきれいな、全身メタルのプリセット形トルクレンチです。油や薬品などで汚れる可能性が高い、厳しい作業現場に向いています。頭部のラチェットは24刻み、15度の振り幅で、狭い場所での締め付け作業では、力を発揮してくれるでしょう。「新副目盛形状」になっているので、汗や油で手が滑りやすくなっているときでも、目盛りがセットしやすくなっています。トルク調節範囲は最小10〜最大50(N・m)です。
「MTQL70N」は、競技用自転車・モーターサイクル・自動車のトルク管理などに適しているプリセット形トルクレンチです。表面は光沢仕上げで、グリップ部分は油が付いても拭き取りやすいようローレット加工(細かい凹凸がある表面加工)がほどこされています。MTQL70Nのトルク調節範囲は最小10〜最大70(N・m)で、トルクは目盛りで簡単に変更可能です。携帯や保管に便利な、樹脂製のハードケースが付いています。
光沢仕上げが美しい「トーニチ モトトルクMT70N」。市販の工具をセットして
トルクレンチとして使用できるアイテムです。取り付けできるのは、スパナ・メガネ・ラチェットハンドル・六角棒レンチで、ホイールレンチをセットすれば、タイヤの締め付けもできます。MT70Nのトルク調節範囲は、最小10〜最大70(N・m)まで締め付けできるワイドレンジです。トルクの変更は、設定トルク変更専用の六角棒レンチ(付属品)で行えます。
シグナル式トルクドライバー「RTD60CN」は、オーバートルクをすることがない「空転式」(設定トルクに達すると空転するシステム)のトルクドライバーです。メンテナンスから量産作業まで、幅広い場所で活躍します。トルクの変更は目盛りで簡単に行えますが、「ロック機構」付きなので作業中にヒューマンエラーで目盛りが動く心配がありません。トーニチ独自のトルク制御メカニズム「トグル機構」を採用しているモデルです。
前項では、シグナル式トルクレンチをご紹介しました。ここでは、トーニチの「直読トルクレンチ」の中から、アマゾンでも取り扱っている大型目盛りで読みやすい「ダイヤル式トルクレンチ」をご紹介しましょう。
大型の見やすい目盛りがついているトーニチの「ダイヤル形トルクレンチDB50N」は、最大値の読み取りに便利な「置針付き」です。トルク調節範囲は、最小5〜最大50(N・m)までのワイドレンジになっています。ダイヤルインジケーターが全周をプロテクターで囲っているので、測定物に傷をつけることもありません。
こちらの「ダイヤル形トルクレンチDB12N4」は、トルク調節範囲は、最小1〜最大12(N・m)です。プレート形のトルクレンチと比較すると変形量が少ないので、作業の疲労が軽減されます。ダイヤル目盛りは回転可能できるため、設定トルクに合わせ「0」で完了することも可能です。
ここで、「トーニチ」とはどのような会社なのかをご紹介しましょう。
「トーニチ」といえば「トルクレンチ」……といっても過言ではないほど、トレクレンチのパイオニアとして有名な東日製作所。1949年に日立製作所の下請けとして東京衡機製造所の片隅で設立しました。同社のトルクレンチは、1952年に「通産省優良自動車部品認定」を受け、翌年には実用新案登録、それに伴い会社も急成長しました。
1960年には、同社のトルクレンチは「自動車整備機械工具推奨品」に指定。以来、東日製作所は飛躍を遂げ、日本のみならずヨーロッパ・アメリカなどに海外子会社や「トルクセンター」を開設しています。2014年には、経済産業省より「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれました。現在では、同社のトルクレンチは「世界のグローバルスタンダード」として、広くその名を知られています。
「トーニチ(東日)トルクレンチの種類」でご紹介したように、トルクレンチには
「シグナル式トルクレンチ」と、「直読式トルクレンチ」があります。
プロの検査現場ではなく、一般の人が車やバイクの整備をする際は、今回ご紹介したようなプリセット型がおすすめです。また、メンテナンスの必要がなく、リーズナブルなプレート型も選択肢として考えてもよいでしょう。締め付けトルクの計測データを残したい場合は、デジタル式のほうがおすすめです。トルクレンチは、いろいろな種類があり、それぞれ使い勝手が異なります。自分の目的や用途にあったトルクレンチを選びましょう。
また、トルクレンチは「測定器」なので狂ってくることもあります。1年に1度くらいはメンテナンスに出しましょう。点検や修理の相談に乗ってくれる国内メーカーがおすすめです。トーニチでは、計測器の調整・修理サービスを行っています。
詳しくは、以下のページをごらんください。
いかがでしたでしょうか?トルクレンチのパイオニア、トーニチ(東日)の製品の中から人気商品をご紹介しました。ひとくちにトルクレンチといっても、いろいろな種類があるので、選ぶ時に迷ってしまいます。どんな用途で使用するのかを決めてから探したほうが、自分にぴったりの相棒が見つかるでしょう。また、トルクレンチは「測定器」なので、ときどきお手入れをしてください。定期的にメンテナンスをしたほうが長持ちします。
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