家の2階にリビングがあると、「近隣からの目が気になりにくい」「外の眺めが良い」などのメリットがあります。しかし、2階リビングにも少なからずデメリットがあるので、その内容を把握しておくことが大切です。そこで今回は、2階リビングのメリットとデメリット、リフォームの相場について解説していきます。
2階リビングとは、リビングが家の2階部分にある間取りのことを指します。戸建住宅は、1階部分にリビングを配置し、2階に個室を設けのが一般的であるものの、最近では2階にリビングをつくる住宅も増えています。また、3階建て住宅が増加していることも、2階リビングが増えた理由のひとつと言われています。
道路からの目線が気にならず、開放的な印象がある2階リビングですが、実はメリットとデメリットがあります。さっそく、2階にリビングがある家のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
リビングは家族が集ってくつろいだり、コミュニケーションを取ったりする場所です。まずは、リビングが2階にあると、どんなメリットがあるのかを解説していきます。
戸建てでは2階部分の方が日の光が差し込む時間が長いため、2階リビングは日当たりの良さを求める方におすすめの間取りです。日中に個室を使わない場合、1階部分に寝室や子供部屋を配置することで、住む人にとって心地よく過ごせる住環境を整えることができます。
また、周囲の目が気になりにくい2階リビングであれば、広々とした窓を採用してしっかりと日光を取り込むことができるのはもちろん、隣の土地に家が建った場合でも光が遮られる心配が少ないのがメリットです。
当然のことながら、2階リビングは1階にあるよりも高い位置にあるため、リビングからの外の眺めが良いというメリットがあります。
特に、近隣に広場や公園などの開けたスペースがある場合、窓辺から解放感のある外の景色を眺めることができます。
テレビや映画を見たり、家族で談笑することが多いリビングは、どうしても生活音が気になるものです。
しかし、近隣の家も1階リビングである場合、2階リビングを取り入れた家であれば普段の生活音をそれほど気にせずに暮らすことができます。同じように周囲の家から出る生活音も聞こえにくくなるため、特に住宅密集地に有効な方法と言えるでしょう。
リビングが1階の道路側を向いている場合、気軽にカーテンを開けられなくなるなどプライバシーを確保しにくくなることがあります。その一方、2階リビングであれば窓を開けていても歩行者や車と目線が合わないため、1階リビングよりもプライバシー性が高いというメリットがあります。
しかし、リビングが道路側の1階部分にあって人目が気になる場合でも、窓を高い位置に設置するなどの工夫をすることで、周囲の視線を遮ることができます。プライバシーを確保しつつ、外とのつながりを大事にしたいという方は、窓の大きさや位置をしっかり検討することをおすすめします。
2階にリビングがある家は、1階部分に寝室や子ども部屋などの個室を設けることになります。そうすると、1階部分の柱の数が多くなるため、家の耐震性や安定性が高まります。
このように、1階部分が家を支えてくれるため、2階リビングにすることは災害時にも大きなメリットが得られると言えるでしょう。
ここまで2階リビングのメリットをご紹介しましたが、2階リビングの家にも少なからずデメリットがあります。順番に見ていきましょう。
2階リビングの場合、階段の昇り降りをデメリットと感じる方は多いです。1階リビングであれば、外出をするにも階段を使う必要がないためです。
そのため、足腰に不安がある方や高齢者の方、老後のことをふまえて家を建てたい方は、2階リビングを避ける傾向があるようです。
1階から2階にリビングを移すリフォームをする場合、生活導線のことを考えて洗面所や浴室、トイレなどの水まわりも2階に移動するケースが多いです。
しかし、水まわりの設備を2階へ移すには、給排水工事やフロアの補強工事などを行う必要があるため、高額な費用が発生します。まずは複数のリフォーム会社から見積もりを取ってみると良いでしょう。
1階よりも2階の方が窓からの日射が入りやすいため、特に夏場は室内が暑くなりやすいというデメリットがあります。また、直射日光を受けた屋根からの熱が直接伝わることも2階の室内が暑くなりやすい理由のひとつと言えるでしょう。
2階リビングの場合、生活の中心が2階になるため、防犯面に心配が残る間取りと言われることがあります。具体的には、家族が2階リビングで多くの時間を過ごしていると、玄関ドアや1階の部屋の窓から不審者が侵入したとしても気付かないことが多いという懸念があります。
そのため、自宅を2階リビングにするのであれば「1階の戸締りに十分注意する」「1階から侵入しにくいような窓を採用する」といった点に配慮する必要があります。
2階リビングの場合、自然と2階で過ごす時間が多くなるので、1階にある玄関との距離が遠くなってしまいます。そこで発生する問題は以下のようなものがあります。
こういったデメリットもあることを把握しておくことが大切です。特に子育て世帯の場合は、これからのコミュニケーションの取り方等を考慮しながら間取りを考えることをおすすめします。
次に、2階リビングで後悔しないためにおさえておきたいポイントをご紹介します。2階リビングを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
2階リビングのデメリットとされている部分は、間取りを工夫することで改善が期待できます。例えば親子のコミュニケーションが取りにくいという問題は、リビングの一部を仕切って子ども部屋として使うという方法があります。
また、1階から侵入しにくい間取りや窓の大きさ、配置を考慮することで、防犯性を高めることができます。このように、一般的にデメリットとされている部分も、工夫次第でカバーできることを意識して家づくりを行いましょう。
家族が集い、長い時間を過ごすことの多いリビングが2階にあると、場合によっては老後の生活に支障が出ることがあるので注意が必要です。
例えば、リビングから玄関に行くのにも階段の昇り降りをする必要があるため、足腰に不安がある方にとってはかなりの負担になります。また、1階に寝室がある場合、2階のリビングに行く頻度が少なくなってしまうことも考えられます。
そのため、2階リビングを検討する際は、将来を見据えた間取りにすることが大切です。例えば、「階段の勾配をゆるくする」「階段に手すりを設置する」「ホームエレベーターを追加しやすい間取りにする」など、長く快適に過ごせるような方法を考えておくと安心です。
2階リビングにリフォームするにはどのくらいの費用が掛かるか気になりますよね。最後に、リフォーム費用の相場を見ていきましょう。
【2階リビングのリフォーム費用の相場】
上記の相場はあくまで目安ですが、水回りの移動をともなうリフォーム費用は高額になります。思い付きでリフォームをしてしまうと、後で後悔することになる可能性が高いので注意が必要です。
家族にとって居心地が良く、防犯面に配慮した間取りになるように、しっかりと計画を立てるのが望ましいです。
今回は、2階リビングの特徴とメリットとデメリット、リフォーム費用について解説しましたが、いかがでしたか。
2階にリビングがあると、「展望が良い」「生活音が気になりにくい」「日当たりが良い」といったメリットがある一方で、「玄関まで遠い」「1階への出入りが把握しにくい」などのデメリットもあります。そのため、自宅に2階リビングを取り入れるのであれば、生活スタイルに合わせるのはもちろん防犯面にも配慮した間取りにすることが大切です。
記事の中では、2階リビングを採用して後悔しないコツやリフォーム費用についても解説しています。これからマイホーム購入やリフォームで2階リビングを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。