家の中で小さな虫を見つけて焦ったことはありませんか?それはもしかしたら『チャタテムシ』かもしれません。チャタテムシはその存在に気付いたときにはすでにかなり発生している、少し厄介な害虫です。家の中に虫が入ってきただけでも不快、それどころか害虫となれば即座に駆除が適切でしょう。そこでチャタテムシの駆除方法や発生を防ぐ予防法をまとめました。
そもそもチャタテムシとはどういった虫なのでしょうか。放っておくとあっという間に大量発生するため、見つけたときはすぐに駆除することをおすすめします。まずはチャタテムシの特徴などをチェックしてみましょう。
チャタテムシは1~1.3cmほどのかなり小さな虫で、肉眼ではその全貌を確認しにくいためダニやシロアリと間違われることもあります。江戸時代に障子に止まったときに鳴る音が、茶せんでお茶を点てる音に似ていることから『茶立虫』と表記されます。
微小な体長でも大量発生して行動すれば人の耳に聞こえるほどの音がし、飛び回ることはないものの活動的なので複数体集まれば視覚的にも気持ちの良いものではありません。
住宅に発生する害虫といえば人を噛むダニを思い浮かべますが、チャタテムシは人を噛みません。そういった意味ではチャタテムシが直接人体に影響を及ぼすことはありませんが、チャタテムシ自体がダニの餌となり、ダニの発生を促してしまいます。
そのためチャタテムシがいる、ということはダニが発生することにも繋がり、ダニによって噛まれたりアレルギー性疾患の原因となってしまうのです。
チャタテムシは日本国内に限らず世界中どこでも見られる虫です。そのなかでも発生しやすい場所や原因を把握して、チャタテムシを発生させないための予防に繋げましょう。
チャタテムシが発生する原因は湿度にあります。高温多湿の日本は特に発生に適した気候であり、最も活動しやすい湿度は75~90%、60%あれば活動・繁殖が活発になります。ジメッとした場所を好みカビを餌とするため、湿気が溜まりやすい場所は特に注意が必要です。
発生しやすい場所は先程も記述したように湿度の高い場所はもちろん、ホコリの多い場所にも発生します。頻繁に掃除をしない押入れやクローゼット、水回りで湿度の高いキッチンだけでなく、湿気のたまりやすい畳のある和室も要注意です。
和室は畳だけでなく障子やふすま、壁紙に発生することもあるので特に気をつけましょう。また、古書や古新聞、ダンボール、革製品も好物のため、それらがある場所にも湧いてきます。高温多湿で掃除が行き届いていない場所は発生場所と認識しておきましょう。
年中発生するチャタテムシですが、時に高温多湿になる梅雨時期や夏は特に多く発生、春~秋は繁殖も活発になる時期でしょう。
しかし現在の住宅は気密性がしっかりされているので、室内は常に暖かく、適度な湿度があるため一年中発生すると言っても過言ではありません。
高温多湿、カビやホコリなどを好むチャタテムシは近年の住宅事情も相まって常に発生する害虫です。直接人に危害を加えなくともダニの発生や温床にもつながるため、発生してしまったものは駆除することが一番です。チャタテムシを見つけたら、以下の方法を試してください。
掃除や手入れのしにくい場所までしっかりと駆除するならくん煙剤を使用する方法があります。くん煙剤は様々な種類があるので、使用方法を確認し、正しく使用してください。
効果は1ヶ月ほど、卵には効かないため2週間後にもう一度くん煙剤を使うと良いでしょう。くん煙剤を使う際はテレビやパソコン、ゲームなどのデジタル家電や食器類、観葉植物にかからないよう保護する必要があります。
また、人体に影響のない薬剤を使っている商品でも小鳥や熱帯魚などの小さなペットには害になるので、別の部屋に移動させてください。
火災報知器がある場合には付属カバーや袋で覆う必要があります。くん煙剤は使用方法をよく読んでから使いましょう。
小さなお子様やペットを飼っているのでくん煙剤の使用を控えたい、という場合には人体に影響のないアルコールスプレーがおすすめです。チャタテムシは繁殖力が強いものの、そこまで抵抗力がありません。
そのためアルコールスプレーを直接吹きかける、拭き掃除をするだけでも効果があります。特にキッチン周りはアルコールスプレーが便利、カビ除去にも繋がるのでおすすめです。
絨毯やカーペットなどは粘着シートを使うと良いでしょう。特にくん煙剤を使用した後は死骸がそのまま残ってしまうので、粘着シートで取り除くことをおすすめします。
掃除機で吸い取る方法もありますが、あまりにも小さいので、フィルターに引っかからない可能性や、排気で吹き飛ばしてしまうこともあるので注意してください。
大量発生してくん煙剤やアルコールスプレーでは対処できない場合には専門業者に依頼しましょう。害虫駆除を専門とした業者に依頼すれば最も適した方法で家中のチャタテムシを駆除できます。
専門業者は複数ありますが、事前に見積りしてくれるところもあるので複数件の業者をチェックして選ぶようにしましょう。
素人では手に負えない状況でも、専門の駆除業者にお願いすれば、大量発生したチャタテムシもしっかりと駆除してくれます。
そもそも厄介な害虫は、発生する前に対処してしまうほうが良いでしょう。少しでも快適な生活空間を保つためには毎日のちょっとしたコツが必要になるです。そのための予防法をまとめているので、試してみてください。
チャタテムシが湿度の高い場所を好むのであれば、家の中に湿気をためないようにするのも予防法の一つです。しのためには湿気を逃がして湿度を上げないように換気をしましょう。
窓を開けるだけでなく、押入れやクローゼットなど、普段閉めっぱなしにしている場所も定期的に風を通すようにしてください。雨の多い梅雨時期など、外の湿度が高いときにはエアコンの除湿機能などを活用するのもおすすめです。
湿気を逃がすことはチャタテムシ発生を予防するだけでなく、カビを抑える効果もあります。また、棚や押入れなどには除湿剤を置く、扉を開けて扇風機で風を送る方法も効果的です。
可能であれば畳を虫干ししたり、布団やカーペットなどをコインランドリーで乾燥させるのも良いでしょう。乾燥機は湿気を逃がすだけでなく、60度近い温度なので、潜んでいるチャタテムシを死滅させることが可能です。
チャタテムシはパスタなどの乾麺やお菓子、小麦粉など常温保存の食料品にも発生します。開封前であればしっかりと密閉されていますが、一度開封されたものは密閉容器やジッパー付きの袋に保存するようにしてください。
特にキッチン周辺は湿気が多く、チャタテムシが発生しやすいため、輪ゴムやクリップで留めるだけでは不十分なので注意しましょう。いくら人体に影響のないチャタテムシでも、口に入ればアレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。
湿気を好むチャタテムシは、春から秋にかけて活発に活動しますが、冬場の結露にも気をつけてください。寒い日の暖かい室内は気温差によって結露が発生します。
結露が発生すれば室内の湿度が上がり、チャタテムシの好む環境になってしまうのです。そのためチャタテムシの発生を予防するのであれば結露対策も必須となるでしょう。
毎日こまめに拭き取る方法もありますが、サーキュレーターで空気を循環させる、エアコンの除湿機能や乾燥機を利用する方法もあります。
また、結露防止スプレーや断熱シート、結露防止シートなどを貼って対策するのもおすすめです。安価で手軽に結露を防ぐなら、寝る前に窓に新聞紙を貼っておく、レールに挟んでおくことで結露を吸い取ってくれます。
古いダンボールや本、新聞紙などを溜め込んでそのまま放置しないことも予防法に繋がります。特にダンボールはチャタテムシが潜むのに絶好の場所、ダンボールはすぐに捨てるか家の外に置くようにしましょう。
また、古い本や古新聞にも注意が必要です。本や新聞紙は湿気がこもるだけでなく適度な温度になるため、チャタテムシの繁殖に最適な環境になるので大量発生の原因となってしまいます。不要な古本や新聞はすぐに処分することで発生予防になるでしょう。
大量発生してしまうと厄介なチャタテムシ、気付いたときには手に負えないこともあります。見つけたらまずは駆除方法を試し、あとは今後チャタテムシを発生させないように、常日頃から換気や掃除、結露対策を行い、湿気を溜め込まないようにして快適な生活空間を保ちましょう。