結露防止や断熱効果を期待して窓ガラスに断熱シートを貼るとはよくありますが、実際に効果はあるのでしょうか。しかし断熱シートといってもその種類は多く、どんなタイプを選べばよいのか、どうやって貼るのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこでこちらの記事では断熱シートを使うメリットやもたらす効果、選び方・貼り方の他におすすめ断熱シートを紹介します。
断熱シートとはその名の通り、熱を遮断するものなので外気温に影響されません。二重窓のような役割を果たすため、冷房や暖房が効率良く稼働できる、室内温度がキープしやすいメリットがあります。
それに伴い急激な温度変換がないので光熱費がかからず省エネにも繋がります。また、外気温を遮断するため寒い時期に起こる窓の結露対策にもなります。結露対策ができれば湿度が上がらず、カビの発生も抑制ができます。
さらに紫外線カットタイプを利用すれば、畳や家具などの日焼け防止にもなるでしょう。このように断熱シートを利用すれば様々なメリットがあることを理解して、実際に利用するかどうか検討してください。
断熱シートは種類豊富に揃っていますがどれでも良い、というわけではありません。室内のどの窓に貼るのか、どういった効果を求めるのかなど、様々な用途によって選び方が異なる場合があります。断熱シートの選び方で失敗しないポイントをまとめました。
断熱シートは主に夏・冬用とオールシーズン対応の3種類があります。先程のメリットを見れば分かるように、断熱シートには冷暖房を効率良く稼働できる、結露防止、日焼け防止など良い面がありますが、夏に結露防止効果を求めても意味がありません。
夏用は冷房効果アップ、紫外線カット、直射日光の抑制をメインに、冬用は断熱効果により室内の暖かい空気を逃さず快適な温度に保つ、暖房効果アップ、結露防止を目的とした用途があります。
お住まいの気候によっては夏、もしくは冬のみ断熱シートを利用したいという場合にはそれぞれの用途をチェックして選んでください。季節問わず断熱シートを利用するのであればオールシーズン対応のタイプを選ぶと良いでしょう。
断熱シートを貼るとき、専門業者に依頼する方はそれほど多くありません。ホームセンターなどで購入して自分で貼ることがほとんどでしょう。それなら貼りやすさも選び方のポイントになります。
断熱シートはシールタイプと霧吹きを使う水貼りタイプがあります。シールタイプははく離フィルムを剥がして窓に貼るだけなので、初心者にも扱いやすいタイプです。剥がし跡が気になってしまう場合には粘着力の弱いものを選びましょう。
霧吹きタイプは窓に霧吹きで水を付け、そこに断熱シートを貼るタイプです。シールのように糊を使わないので剥がし跡がなく、貼り直しをしても粘着力が弱まることもありません。しかしシールタイプよりも貼る難易度が上がるので最初は苦戦する可能性があります。
選び方で注意が必要なのがサイズです。購入前にしっかりと窓のサイズを確認しておきましょう。少しでもサイズが小さいと断熱シートの効果が発揮できないだけでなく見た目にも影響してしまいます。購入時にはジャストサイズよりも大きめを選ぶようにしましょう。
大きめなら多少ズレてもカットすればOK、調整しながらきれいに貼ることができます。最近では規格外のサイズの窓も増えているため、必ず正確なサイズを把握してから購入してください。
断熱シートはどんな窓にでも貼れると思われがちですが、実は断熱シートが貼れない窓もあります。それが太陽光を反射させる【熱射反射ガラス】、熱を吸収する【熱線吸収ガラス】、ガラス内部に網があり、割れたときのガラス飛散を防止する【網入りガラス】、2枚のガラスの間に真空層をつくった【真空二重ガラス】です。どれも特殊加工された窓で、断熱シートを貼ることで熱割れを引き起こすので注意してください。
断熱シートを貼るときはできるだけシワにならないようにするほうが見栄えも良くなります。また、きれいに貼らなければ断熱シートが持つメリットを効率良く発揮できない可能性も出てくるので注意してください。断熱効果をしっかりと発揮できる貼り方を紹介します。
貼り付けるためには必要なアイテムを準備しますが、必ず揃えたほうが良いものと、あれば便利なものがあるのでチェックしてみましょう。
【準備必須アイテム】
霧吹き:粘着層のない水貼りタイプには必須アイテムで、100均でも購入できるためひとつ準備しておきます。複数の窓に断熱シートを貼る場合には大きめサイズの霧吹きが便利です。
ハサミ:シートを適切なサイズにカットするために使います。カットする前には、シートに印を付けておくと良いでしょう。
定規:窓枠を採寸する、シートに印を付ける場合に必要です。長めの定規が使いやすくなっています。
【あると便利アイテム】
カッター:ハサミでもカットできますが、窓に貼り付けたあとに余分な部分を切り取る場合にはカッターのほうが扱いやすくおすすめです。
油性ペン:シートをカットする際の印付けに使います。印を付けるときはサイズの外側に書くと窓に貼ったときにペンが残りません。
中性洗剤:シートを貼る前には窓をきれいにしなければ、汚れでうまく貼れません。そのため中性洗剤で表面をきれいにしておきます。
雑巾:窓を掃除するときに使いますが、化学雑巾はあらかじめ掃除に適した界面活性剤などが含まれているのでシートが張り付きにくくなるので避けましょう。また、タオル地の雑巾は糸クズがでないようにしてください。吸水性・速乾性に優れたマイクロファイバークロスがおすすめです。
軍手:カッターを使うときにケガを防ぐためにあると安心です。
新聞紙:霧吹きで水を吹き付けるときに床に垂れないように敷いておきます。
必要なものを準備したら実際に断熱シートを張っていきます。こちらでは水貼りタイプの貼り方を紹介していますが、シールタイプでも手順はほとんど変わりません。
断熱シートを貼る際の注意点は手順で記述した以外にもあります。窓の表面が凹凸になっているくもりガラスやすりガラスはきれいに貼ることができないのであまりおすすめできません。
どうしてもすりガラスに貼りたい場合にはすりガラス用を使ってください。また、断熱シートによっては視界を遮るタイプや模様入りもあるので、通常の窓同様に光を取り入れたい場合には透明度の高いものを選びましょう。
断熱シートには種類やタイプなど数多くの商品があります。そのなかでもおすすめ断熱シートをまとめました。こちらで紹介しているのは模様やデザインのないシンプルなタイプとなります。購入する際の参考にしてください。
暖房効率アップにおすすめの断熱シートで、結露抑制にもおすすめです。水貼りタイプで何度でも貼り直し可能、クリアタイプのため日光を遮ることがないので室内が暗くなりません。
若干のぼかし効果もあります。断熱シートを貼って暖房効率を上げたい、冷えや冷気を抑えたいけれど日光を遮ってほしくない方におすすめです。
水貼りタイプでUVカットできる断熱シートです。マジックミラー仕様になっているため、日中は太陽光を室内に取り入れつつ外からの視線を遮ることができます。明るい昼間は外から見えませんが、夜は室内のほうが明るいのでカーテンは必須です。
さらにガラス飛散防止の役割も果たし、地震や台風時の二次災害を防ぐこともできます。紫外線カットと冷暖房の効率アップ可能のオールシーズン対応となっています。
オールシーズン対応の水貼りタイプ、マジックミラー仕様なので昼間は外から見ると鏡のようになっているため視線を遮断してくれますが、夜は室内のほうが明るいので必ずカーテンを使用してください。
ガラス飛散防止と静電気吸着により、地震や台風などで窓ガラスが割れたときでもガラス片が飛び散る心配がありません。紫外線カットのため、畳や家具の日焼けによる変色・劣化軽減の役割も果たします。
水貼りタイプでマジックミラー仕様、外が明るい昼間は鏡のように視線を遮断、目隠しや防犯対策にもなります。夜は室内のほうが明るいのでカーテンを使用しましょう。太陽熱線を85%カット、冷暖房の効率アップにおすすめです。
水貼りタイプで、マジックミラー仕様のシルバーと超遮光にできる真っ黒、ある程度の遮光ができるブラックの3種類があります。それぞれ場所や用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
どのタイプもオールシーズン対応、省エネや断熱、防寒だけでなく飛散防止フィルムとしても使えます。接着剤がないので繰り返しの貼り直しもOK、剥がし跡がないため賃貸の窓にも安心して使用できます。
断熱シートはうまく利用すれば冷暖房が効率良く稼働する、省エネできる、結露対策など色々なメリットがあり、紫外線もカットされるので室内で快適に過ごせるようになります。商品によっては外からの視線も遮断でき、目隠しにもおすすめです。