一般的にはレストラン等の厨房に設置されている業務用キッチンですが、最近では自宅で導入するケースも増えていて、注目されています。しかし、業務用キッチンを住宅に設置することで、使い勝手に問題はないのでしょうか?当記事では、業務用キッチンを自宅のキッチンに導入するメリットやデメリット、さらに気になる費用に関しても取り上げています。ぜひ参考にしてください。
目次
まず、業務用キッチンとはどのようなキッチンなのかを解説します。住宅用キッチンと何が違うのかに着目してみましょう。
業務用キッチンは一般的にレストラン等の調理に使用されるステンレス製のキッチンを差しています。通常、ワークトップ、シンク、ガスコンロのユニットが組み合わされて設置されます。
システムキッチンのワークトップには、ゴミや水が床に落ちないようにフチがありますが、業務用キッチンは水やゴミが床に落ちるように設計されているので、ワークトップにはフチがありません。
また、業務用キッチンのガスコンロは家庭用よりも強力に作られています。とはいえ最近では、自宅に取り入れたいというニーズから、業務用厨房メーカーの特注品や業務用スタイルの厨房に設置されるケースもあるようです。
とはいえ、一般住宅に業務用厨房を設置しようとすると、法的な制約や使い勝手の問題があります。後述するように、家庭用ガスコンロには食用油過熱防止装置と焦げ付き防止装置の設置が義務付けられています。
ところが、業務用ガスコンロはこの義務が免除されているのです。そのため、安全性に問題があるといえます。その上、必要換気量に合わせた排気フードの設置や壁面からの距離など、防火規制が厳しいことも問題です。
さらに、業務用ガスコンロはユニットとして組み立てるため、継ぎ目部分の使いにくさが目立ったり、一般的なシンクよりも深型なため使いにくいと感じることもあります。
これらの理由から、業務用キッチンに家庭用ガスコンロを採用するのも一つの方法でしょう。また、業務用厨房メーカーに特注で作ってもらうか、スタイルは業務用でも一般家庭用に合わせて作られたキッチンを選択するという方法もあります。
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ここで改めて業務用厨房の利点を整理しておきましょう。業務用厨房には「頑丈」「高火力」「使いやすいシンク」などの機能的なメリットと、「シンプル」「スタイリッシュ」などのデザイン的なメリットがあります。ひとつひとつ見ていきましょう。
無駄なデザインを排除した業務用厨房は、作業面がフラットで掃除がとてもしやすいのが特徴です。しかし、システムキッチンのカウンターは床に水が垂れないように縁が少し盛り上がっていますが、業務用厨房ではそのようなことはありません。
業務用キッチンは一般的に厚みのあるステンレス製です。ステンレス製なら、熱い鍋を直接置いても、たわしでゴシゴシと洗うことができます。
業務用厨房は、日常的に酷使されることを想定しているため、少々のことではびくともしないな頑丈な作りが期待されます。そのため、こねたり混ぜたりするハードな作業にも耐えることができます。
また、ステンレスは錆びにくいので、万が一錆びたり水垢がついたりしても、掃除すれば新品同様になります。
業務用厨房の大きな特徴として、シンクの深さがあります。水が体にかかりにくく、勢いよく洗うことができます。また、思い切り掃除がしやすいのも特徴です。
また、火力が強いのも業務用ガスコンロの魅力です。フライパンを煙が出るまで加熱したり、肉を一気に焼いたりと、業務用ガスコンロは調理に欠かせない存在です。
オープン棚が増えれば、ここに収納するものが限定されなくなります。何でも収納できて、何でも使える便利なキッチンが手に入ることでしょう。
また、業務用キッチンを組み合わせることで、調理台やシンク、ワークスペースなどを思い通りに作ることができます。
特にクックトップは、下段がオープンになっているものだけでなく、引き出しや引き戸もあり、サイズも豊富に用意されています。
業務用キッチンは、一般家庭に設置する際にはデメリットになることもあります。設置前に確認しておきたいデメリットについて見ていきましょう。
ユニット同士の継ぎ目ができてしまうことはデメリットの一つと言えるでしょう。最初は気にならなくても、使い続けるうちにストレスが溜まるということがあります。
継ぎ目がどうしても気になるという方は、メーカーにオーダーメイドで注文する方法もありますが、業務用キッチン風の国産キッチンを設置するというのが手軽でおすすめです。
家庭用キッチンを製造しているメーカーのキッチンは、鍋はここ、トングや箸はここ、お椀はここ、というように住所が決まっていて、とても充実した内容になっています。
その点、片付けが苦手な方は、業務用キッチンのオープン収納の収納方法がわからなくなりがちです。今使っている家庭用のシステムキッチンを便利だと感じる人は、業務用キッチンを使いこなすのは難しいかもしれません。
先に述べたメリットには、深くて良いシンクもありますが、低いシンクというデメリットもあります。低くて深いシンクは、腰痛持ちの方が長時間同じ姿勢でいることが困難な設計になっていることは言うまでもありません。
そのため、見た目のおしゃれさや好みだけで決めず、使用する対象の方が使いやすいキッチンかどうかということも考慮に入れなければいけないでしょう。
業務用ガスコンロには、立ち消え安全装置がついていないものが多くあります。しかし、2008年10月から家庭用ガスコンロにも食用油過熱防止装置と静止時安全装置の設置が義務付けられましたので、対応した製品を選ぶ必要があります。
また、業務用には必要換気量に見合った排気フードを設置する必要があり、壁からの距離や下地、仕上げ材などについても厳しい火災予防の規定があります。
家庭用キッチンメーカーでも業務用厨房機器を扱っているところがありますが、ここでは業務用厨房機器に特化したメーカーを厳選しています。
自分だけのオリジナル業務用厨房を作りたい方は、ぜひフジマックに相談してみてはいかがでしょうか。フジマックには、業務用厨房機器のパイオニアとして、あらゆるノウハウが蓄積されています。
多くのホテルやレストランの厳しい要求に応えてきたプロ仕様のオーダーメイドキッチンを、自分のものにすることができます。
タニコーもまた、業務用厨房の有名メーカーです。タニコーは既製の業務用厨房だけでなく、独自の技術と素材で家庭用のオーダーメード厨房も製造しています。日本全国に多くの店舗を構えています。
ショールームも多いので、自宅に設置する前にいろいろと検討・決定することができるでしょう。まずはイメージ作りからということで、初めて自宅に業務用キッチンを置くという方にもおすすめです。
マルゼンは、業務用厨房機器・設備の製造、販売、設計、施工を行う会社です。1961年の創業以来、学校からコンビニまで幅広いフードサービス業を支える業務用厨房機器の総合メーカーとして活躍しています。
長い歴史があるからこそ、過去の名作も最新のトレンドも取り入れることができると言えるでしょう。ホームページにはサイズや価格が掲載されているので、どんなものがあるのかチェックしてみてください。
北沢産業も、古くから業務用厨房機器を作り続けているメーカーです。家族にはそれぞれのライフスタイルがあります。北沢産業では、そんなライフスタイルを想定した、トータルプランニングのキッチンを提案しています。
機能美にあふれた精錬された機器を輸入・販売しています。日本だけでなく、海外のものを取り入れているのも魅力のひとつです。
北沢産業では、業務用機器や設備を取り入れたオーダーキッチンの製作も可能です。また、ショールームもあるので、相談に行くことも可能です。
業務用厨房の価格は、ユニットの組み合わせによって異なりますが、30万円から100万円程度が目安です。その上工事費も含めると50万円から150万円程度を見積もっておく必要があるでしょう。
工事費には、既存の厨房を撤去して業務用厨房を設置し、内装を修繕する費用と、電気工事費、移転する場合は配管工事費も含まれます。
また、新たな設置ではなく、既存のシステムキッチンを業務用キッチンへと入れ替える工事の場合は、キッチンの奥行きの違いや壁面が見えてしまうため、内装材を変更しないと違和感を感じる場合があります。
そうなると、厨房の壁紙や床材を交換する場合の費用は、約20万円~25万円程度となります。システムキッチンから業務用キッチンへ変更し、キッチンの内装を一新するリフォーム費用は、70万円から200万円弱を目安に考えておくと良いでしょう。
業務用厨房の魅力は、機能的でスタイリッシュな空間を演出できることです。ここでは、業務用厨房、業務用厨房機器メーカーのオーダーメイド厨房、業務用テイストのシステム厨房の事例を紹介します。
ノスタルジックな古民家の再生では、業務用厨房機器メーカーによるオーダーメイドのキッチンで、これまでとは違った表情を見せることができます。
継ぎ目のないオーダーメイドキッチンにIHクッキングヒーターを埋め込めば、業務用キッチンのデザイン性と使い勝手を両立したキッチンが完成します。
また、ステンレスの作業台の上部に木枠をフタのように取り付けて、温かみを出すのもおすすめです。キッチンツールを木箱に収納するなど、全体的に優しい雰囲気に仕上げることができるでしょう。
全体的に温かみのある家庭的なトーンになるように工夫することで、業務用キッチンにもナチュラルな食卓にも合うキッチンを作ることができます。
ナチュラルな雰囲気の空間に業務用テイストのキッチンを設置することで、パッと目を引くキッチンエリアの完成です。
家自体はナチュラルテイストに仕上げたいものの、一般家庭にあるようなシステムキッチンが好みでない場合は、業務用キッチンに近いキッチンを選択するのが良いでしょう。
オールステンレスのキッチンを探して、まずはこのキッチンをどこに置くかを決めて部屋作りを始めるのがコツです。
白いブリックタイルを使ったインダストリアルスタイルのインテリアにオールステンレスキッチンを取り入れると、見栄えのするおしゃれな空間を作ることができます。
また、インダストリアルテイストの住宅に、システムキッチンメーカーの業務用テイストのフレームキッチンを設置するのもおすすめです。
無駄を省いたスタイリッシュなキッチンでは、調理器具を「見せる収納」として壁面に配置することで、見る人にスタイリッシュな印象を与えることができます。
お部屋の印象をクールに演出するために、プロ仕様のステンレスキッチンにこだわって、スタイリッシュな空間を演出しましょう。
プロ仕様のキッチンは、昭和や大正のレトロなインテリアにもぴったりです。使い込んだ木製の食器棚で周囲をコーディネートすれば、ノスタルジックな雰囲気のキッチンを作ることができます。
業務用キッチンを自宅に取り入れるには、木箱や木皿、自然素材のカゴなど、温かみのある素材を取り入れることがポイントです。
さらに、暖色系の雑貨や小物をプラスするのもおすすめです。ダイニングやリビングから見える景色がただの厨房にならないよう、自然素材を加えてリラックスできる空間を作りましょう。
業務用キッチンは、その機能性やデザイン性の高さが魅力です。しかし、業務用キッチンをそのまま設置する以外にも、家庭用コンロを利用したり、業務用厨房機器メーカーのオーダーメイドキッチンを利用したりする方法があります。
さらに、業務用テイストのシステムキッチンを採用することもできるでしょう。業務用キッチンがかっこいいと惚れ込む方は多いですが、長く付き合っていくには使い勝手も大切です。
大きな買い物になりますので、思いつきで決めることなく、さまざまな要素を比較考慮しながら自分に合うキッチンを選ぶようにしましょう。
シンプルなステンレスキッチンが欲しいから業務用キッチンが欲しいという方は、本当に業務用キッチンでないとダメなのか考えてみることをお勧めします。
また、ステンレスキッチンの中でも、業務用キッチンはオールステンレスで何方かと言えば無骨な印象を与えます。
インダストリアル、ブルックリン、マニッシュ、昭和、大正レトロなどのインテリアとコーディネートしやすいですが、そうでない場合は、業務用キッチンはシンプルなステンレスキッチンを選んだ方が良いかもしれません。
メーカーによってはシンプルなテーブルタイプのステンレスキッチンを製造しているところもあるので、合わないインテリアには無理に業務用キッチンを採用する必要はないでしょう。