床暖房は設置する?しない?メリット・デメリットを徹底解説!

床暖房は足元から部屋を暖めてくれるため、寒い冬には便利な設備です。他にも多くのメリットがある床暖房ですが、実はデメリットも多く、よく検討しないと失敗する可能性があります。床暖房にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。本記事では、床暖房の選び方についても解説していきますので、これからマイホームを建てようと思っている方はぜひ参考にしてください。

床暖房の種類

床暖房は大きく分けて「電気式」と「温水循環式」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

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引用:HOME4U

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床暖房の種類①電気式

「電気式」の床暖房には、大きく分けて3つのタイプがあります。まず、「電熱線タイプ」は、発熱体に電気を通すことで熱を放射するタイプです。設置も簡単なので、省スペース型の床暖房に向いています。

「蓄熱式」は、夜間の電気で蓄熱体を暖め、日中はその蓄熱体を自然発熱させる方式の床暖房です。蓄熱式は省スペースの暖房に適しています。

最後に、「ヒーター式」ですが、これは「自己発熱抑制機能」で無駄な発熱を抑える方式です。発熱パネル自体に温度調節機能があるのもこのタイプの特徴です。

ただし、カーボンを混ぜた有機化学接着剤が膨張・収縮を繰り返すため、劣化すると十分な温度が得られなくなるので注意が必要です。

床暖房の種類②温水式

「温水式」床暖房は、床下にパイプを内蔵したマットを敷き、ガスや灯油で温めたお湯を循環させて床面を暖めます。温度ムラが少なく、部屋全体に均一な暖かさを提供することができます。

また、環境にも経済的にも優しいため、他の床暖房方式に比べて採用例が多い方式です。イニシャルコストは電気式が、ランニングコストは温水式が安い傾向にあります。

床暖房のメリット

冬の寒い季節は、床からの冷たさを感じにくいものです。そんな時、床暖房なら足元から温まるので、床が冷たくなりません。

しかし、床暖房のメリットは暖かさだけではありません。ここでは、意外と知らない床暖房のメリットを4つご紹介します。

床暖房のメリット①足元から温まる

寒い冬は、足元から冷えるのがつらいという方が多いです。エアコンをつけていても、冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすく、床付近はなかなか温まりません。

寒さのために靴下を重ね履きしたり、スリッパを履くと、足が蒸れて不快に感じる方もいらっしゃいます。そんな足元の冷えを解消する方法のひとつに、床暖房があります。

床暖房は足元から徐々に暖めていくので、女性や冷え性の方にもおすすめです。また、床に触れて直接熱が伝わるので、足元の冷えを解消しやすくなります。

床暖房のメリット②掃除の手間が少ない

掃除が楽というのも床暖房のメリットでしょう。夏はクーラー、冬は暖房とエアコンをフル稼働させているご家庭もありますが、エアコンは定期的にフィルターの掃除をしないと、カビやホコリが付着してしまいます。

大掃除の時に大変な思いをされる方も多いのではないでしょうか。その点、床暖房は床下に設置するため、日頃の掃除は必要ありません。

また、寒い季節が終わっても片付ける必要がないため、収納に場所を取らないというメリットもあります。

床暖房のメリット③空気が乾燥しにくい

エアコンやストーブをつけると、室内が乾燥します。室内の乾燥は、肌やのどの調子を悪くする原因になるので、避けたいところです。

その点、床暖房は温風を出さないので、乾燥も防げます。ホコリも舞いにくく、室内の空気は清潔に保たれます。

花粉やアトピー性皮膚炎、喘息の方にも、床暖房はおすすめです。また、ファンの音がしないので、静かに暮らせます。

床暖房のメリット④小さな子供がいても安心

電気ストーブやヒーターは、子どもが触るとやけどの原因になることがあります。特に小さなお子様がいるご家庭では、囲いを設けるなどの配慮が必要です。

その点、床暖房の場合、熱が高温にならないため、やけどの心配がありません。ハイハイの赤ちゃんでも、暖かい床の上なら安心です。

床暖房のデメリット

床暖房を導入するデメリットは主に4つあります。それぞれの特徴を知り、納得のいく形で設置を進めましょう。

床暖房のデメリット①初期設置費用が高い

1つ目のデメリットは、初期投資です。エアコンやストーブに比べ、床暖房は導入費用が高いため、工事時の予算に余裕がないと導入できません。

床暖房の相場は1m2あたり5万円~10万円で、これにポンプなどの設備費用が加算されることになります。

さらに、リフォームやリノベーションで床暖房を導入する場合は、フローリングを剥がす必要があり、これもコストアップにつながります。余裕がない場合は、エアコンやヒーターで十分代用できるので、慎重に考えるようにしましょう。

床暖房のデメリット②メンテナンスが必要

2つ目のデメリットは、床暖房はメンテナンスが必要なことです。電気式は建物と同等の耐久性があり、30年程度はメンテナンスなしで使用することができます。

一方、温水式は以下のように定期的なメンテナンスが必要なので、計画的に資金を用意する必要があります。床暖房は使用するにつれて内部の水分が減少していきます。そのため、定期的に不凍液を補充しなければいけません。

また、機械自体のメンテナンスも10年に1回必要なので、計画的に資金を貯める必要があります。このように、床暖房を導入する際には、ランニングコストを考慮することが重要です。

床暖房のデメリット③低温やけどのの危険性

3つ目のデメリットは、床暖房による低温やけどの危険性です。床暖房は表面温度が高いため、なるべく靴下を履くことが望ましいとされています。

低温やけどは、体温よりやや高い44℃~50℃の温度に長時間さらされることで起こります。低温やけどは通常のやけどと異なり、内側からゆっくりと進行するため、治るまでに時間がかかり、傷跡も残ります。

場合によっては外科的な治療が必要です。床暖房の床全体がこの温度に近くなるため、疲れてうっかり寝てしまったときなど、素肌が長時間床面に触れていると低温やけどの危険性があります。

大人だけでなく、床でハイハイしている乳幼児は特に注意が必要で、親が居眠りをしていて低温やけどを負ったという事例もあります。床暖房はとても快適ですが、そのような心配があると使用を躊躇してしまうかもしれません。

床暖房のデメリット④電気代や光熱費が高い

主流であるガスを熱源とする温水式床暖房の光熱費、つまりガス代は、1日10時間使用した場合、1ヶ月あたり約8,000~9,000円です。

さらに、日本床暖房工業会によると、20畳で6時間以上稼働させた場合の温水床暖房の光熱費の目安は、灯油が約8,850円、ガスが約8,790円です。

一方、電気式床暖房の電気代は、1日10時間程度の稼働で1ヶ月約13,000円と言われています。電気式床暖房はさらに「蓄熱式」「PTCヒーター式」「電熱線ヒーター式」の3種類に細分化されます。

PTCヒータータイプは、熱源が温度を感知して自動的に温度を一定に保つよう調整し、すでに温度が高い場所では発熱量を抑えることができます。

また、電熱線ヒータータイプは、電熱線を取り付けたパネルを敷き詰めるだけのシンプルな構造となっています。設置費用は抑えられますが、深夜電力の代わりに運転時に電力を使用するため、電気代が高くなりがちなのがデメリットです。

床暖房とエアコンの光熱費は、使用する機種や設置場所、使用環境、気温などさまざまな要因によって異なるため、一概に比較することはできません。

しかし、一般的にエアコンの電気代は、床暖房の電気代よりも安い傾向にあります。エアコンの電気代は、1日6~8時間使用した場合、月5,000円程度とされています。

光熱費が月8,000~13,000円程度かかるとされる床暖房と比べると、エアコンの電気代はやはり数千円安くなるようです。

ただし、古い機種を使用していたり、気温が低かったりすると、一般的とされる料金とは大きな差が出る場合があります。

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床暖房の代替えにおすすめの商品

中には、床暖房はいいけど金銭面で負担が大きすぎるとお悩みの方もおられることでしょう。床暖房を手放したくない方は、床下エアコンの設置、ホットカーペットの使用、住宅の断熱性の向上など、代替策を検討する必要があります。

例えば、床下エアコンは、床下の空間にエアコンを設置することで、床下全体を暖める暖房機器です。エアコン1台で家全体を暖めることができるのがメリットです。

ただし、このタイプのエアコンは冷房には向かないので、夏場は別途エアコンを設置する必要があるケースもあることを覚えておいてください。

家族が集まるリビングだけ暖めればいいという場合は、ホットカーペットを使うのがおすすめです。ホットカーペットは数千円から購入できるため、導入コストを抑えることが可能です。

ただし、ホットカーペットはエアコンなど他の暖房器具と併用すると、光熱費が高くなる場合があるので注意が必要です。また、暖房よりも冷気を遮断する方法を使えば、冬も快適に過ごすことができます。

断熱性の高い家であれば、地域によっては暖房器具の使用を最小限に抑えることができるでしょう。費用はかかりますが、外壁と内壁の間に断熱材を入れたり、断熱性の高い窓を使ったりすることも検討することをおすすめします。

床暖房はメリットが大きいがコストが高い

いかがでしたか?当記事でご紹介したように、床暖房には2つのタイプがあります。「電気式」と「温水循環式床暖房」です。

それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身のライフスタイルに合った床暖房を選ぶようにしましょう。

また、熱源によって設置費用やランニングコストも異なるので、長い目で見て比較することが必要です。床暖房の安全性や耐久性の確認も忘れずに行いましょう。

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