カーペットはインテリアとしてお部屋の雰囲気を簡単に変えることができます。とはいえ、どんなに頻繁に掃除機をかけても、カーペットは汚れてしまうものです。カーペットを買うのを躊躇している方、洗うのが大変だから汚れたら捨てるしかないとあきらめている方もおられることでしょう。そんなカーペットの洗濯にお悩みの方に向けて、今回は、自宅でできるカーペットの洗い方をご紹介します。
目次
カーペットの汚れを放置しておくと、シミや臭いが残ったり、カビやダニが発生したりする危険性があります。それでは、トラブルの原因となる4種類の汚れについて見ていきましょう。
まず、飲み物や食べ物をこぼしたことによる汚れは、カーペットの色が薄い場合、特に目立つシミが残ることがあります。
コーヒーやワイン、ジュースなどの飲み物、カレーやミートソースなどの食べ物、醤油やソース、ケチャップなどの調味料、化粧品などはシミになりやすいと言われています。
2つ目の問題は、カビの可能性です。カーペットにカビが生える原因は2つあります。ひとつは、カーペットとフローリングの間にたまる湿気です。
カーペットを裏返してみたら、裏側がカビだらけだったという場合、その原因のほとんどは湿気と言われています。もう一つの原因は、お菓子のホコリや食べかすが原因で生じるカビです。
エアコンから出る空気に含まれるカビの胞子がカーペットに潜んでいると、カーペットの繊維に残った食べかすや古いホコリを栄養分にしてカビが生えることがあります。
3つ目の危険性は、ダニの温床になることです。繊維でできていて厚みのあるカーペットは、保温性が高く、ホコリやゴミがたまりやすいため、ダニが発生しやすいと言われています。
特に髪の毛やペットの毛、お菓子などの食べかすはダニや黒ずみの原因になることが多いので、小さなお子さんやペットがいるご家庭では注意が必要です。
最後の点として、臭いの問題も見過ごせません。カーペットの上を裸足で歩いたり、カーペットの上に寝転んだりして汗や皮脂が付着し、時間が経つと臭いがこもることがあります。
食べ物や飲み物をこぼした時のシミ、お菓子の食べかす、髪の毛やペットの毛など、目視で確認するだけでなく、カーペットを清潔に保つために、こまめに掃除をするようにしましょう。
カーペットのお手入れをする際には、まずカーペットが洗えるかどうかを確認する必要があります。カーペットの種類によっては、洗濯できないものもあるので、注意が必要です。ここでは、カーペットを洗濯する前に確認すべき3つのポイントをご紹介します。
カーペットが洗えるかどうかは、洗濯表示を確認するようにしましょう。家で洗えることが条件であるなら、購入前に洗濯表示をしっかり確認しておくことが大切です。
洗濯表示とは、カーペットの裏側に付いているタグのことです。このマークには、カーペットが洗えるかどうか、どのように干せばよいか、その他のお手入れ方法が記載されています。
カーペットに洗濯表示タグがない場合は、購入したお店に確認するか、取扱説明書を確認するようにしてください。桶にバツのマークがあるものは、洗えないということです。どうしても洗いたい場合は「失敗したら捨てる」くらいの気持ちで挑戦しましょう。
カーペットが洗濯機に入る大きさであることを確認するのも大切です。「ギリギリ入ったから洗えるだろう」と無理やり洗濯機に入れ、洗濯機の上部がカーペットに擦れて洗濯後ボロボロになってしまった、というような失敗談もあるようです。
カーペットをダメにしてしまわないためにも、本当に洗濯機で洗えるサイズかどうかを確認しましょう。洗濯機で洗えないカーペットの場合は、浴室で踏んで洗うという手もあります。
カーペットを洗う前に下準備をするのがポイントです。まず、汚れを落としやすくするためにカーペットをブラッシングします。
カーペット専用のブラシや不要になった歯ブラシなどを使って、カーペットの黒ずんだ面を落としておきましょう。
次に、掃除機でホコリや髪の毛などのゴミを取り除きます。カーペットの毛並みに合わせてゆっくりかけるのがポイントです。
また、シミや汚れが目立つ場合は、洗剤の原液やシミ抜き専用洗剤を使用すると効果的です。汚れが広がらないように、カーペットの周囲から中心に向かって拭きましょう。
ご家庭でのカーペットの洗い方は、洗濯機を使うパターンと手洗いの2種類があります。カーペットの種類や大きさに合わせて、最適な方法で行ってください。
カーペットを洗濯機で洗う場合は、まずカーペットを屏風状にたたみ、洗濯ネットに入れます。次に、「大物洗いコース」または「毛布コース」を選び、いつも使っている洗濯用洗剤を入れます。
シミや汚れが気になる場合は、あらかじめ洗剤に浸け置きしておくと落ちやすくなります。カーペットを干すときは、風通しのよい日陰で干すようにしましょう。カーペットを洗った後は、完全に乾いてから片付けるようにしてください。
次に、カーペットを手洗いする手順をご紹介します。まず、浴槽に40℃前後のお湯を張り、洗濯用洗剤を溶かします。そしてカーペット全体がお湯に浸かるように浴槽に浸し、1~2時間放置します。
浸け置き洗い後、裸足で浴槽に入り、カーペット全体をまんべんなく踏み洗いしましょう。裏返して同じように踏み洗いをすると、汚れが落ちます。
洗剤の入った浴槽は滑りやすいので、手すりや浴槽の縁につかまりながら作業するとよいでしょう。カーペットを踏んで十分に洗った後、浴槽の水を抜いて再びお湯を張ります。
その後、踏み洗い同様に浴槽をすすぎ、汚れや泡を落とします。水が汚れてきたら、お湯を入れ替えてすすぎます。だいたい、この工程を3~4回繰り返すとよいでしょう。
最後のすすぎの後、完全に水を切ってから、もう一度カーペットを踏んで水を切ります。雑巾のように力強く絞ると、形が崩れたり傷んだりするので注意しましょう。
ある程度水気を切ったら、浴槽の縁に掛けて、水滴が出なくなるまでそのままにしておきます。その後、ベランダの物干し竿に吊るして自然乾燥させます。
カーペットを直射日光に当てると、色落ちしたり、生地が傷んだりすることがあります。カーペットを干すときは、直射日光の当たらない、風通しのよい場所で陰干ししてください。
また、裏面を上にして、日光が当たらないように干すのも色あせを防ぐコツです。また、カーペットを早くしっかり乾かすには、風通しが良いことがポイントです。
カーペットを二つ折りにして一本の竿にかけると、重なった部分の空気が流れず、風通しが悪くなってしまいます。
物干し竿の高さを調節できる場合は、片方の竿を高くして斜めのM字型にすると、より効率的に洗濯物を干すことができます。
物干し竿が1本しかない場合は、あらかじめハンガーを数本掛け、その上にカーペットを敷いて干すと風通しが良くなるでしょう。
カーペットの中には「洗えない」ものがあります。しかし、どうしても汚れが気になる場合は、次の2つの方法を試してみてください。
まずは、部分的な汚れの落とし方をご紹介します。カーペットのシミを布などでポンポンと軽く叩き、布にシミを吸わせます。汚れが固まっている場合は、拭き取るようにしましょう。
次に、ご家庭にある台所用洗剤を水で薄めます。水で薄めた台所用洗剤にきれいな布を浸し、シミの部分をもう一度叩いてシミを落とします。
このとき、あまり大きく叩かず、部分的な汚れの中心を集中的に、軽く叩いて汚れを落とすようにしましょう。
臭い消しには、重曹を使った掃除方法がおすすめです。重曹と掃除機、雑巾を用意したら、手順はいたってシンプルです。まず、重曹をカーペットにまんべんなく振りかけ、しばらく放置します。
あとは数時間後、掃除機で重曹を吸い取るだけです。重曹は空気に触れることで臭いを吸着すると言われています。そのため、特に汗の臭いが気になる場合は、一か所だけよりも全体に重曹を振りかけると効果的です。
また、重曹は長く置いておくほど、消臭効果が高まります。お掃除用の重曹で十分ですので、食用の重曹を使用する必要はないでしょう。
最近のコインランドリーは大型の洗濯機を備えているところが多く、カーペットや毛布の洗濯ができるところも増えています。2~3畳程度のカーペットの場合、洗濯から乾燥まで約60分、時間と料金の目安は1,000円程度です。
絨毯をクリーニングに出すよりも短時間で安く仕上がるため、価格を優先するのであれば積極的にコインランドリーを利用するとよいでしょう。
コインランドリーを利用する前に、まずはカーペットに付いている洗濯表示タグを確認しましょう。「ドライクリーニング、水洗い不可」「洗濯機可」「乾燥機可」「色落ち防止」などの表示があるかどうかを確認します。
洗濯表示タグがない場合は、素材から判断するようにしましょう。シルクやウールなどの高級カーペットは、水洗いしないほうが無難です。
また、裏面に滑り止めのついたゴム製のカーペットなどは、熱に弱いので乾燥機での乾燥は避けた方がよいでしょう。
カーペットの洗濯方法について解説しましたが、いかがでしたか?カーペットのような大きなものを洗うのは大変ですが、洗えるものなら定期的に洗ったほうが快適です。
また、洗えない場合でも、重曹を使った掃除方法でサッパリさせることができます。湿気があるとダニやカビが繁殖しやすいので、洗濯後は十分に乾燥させるようにしましょう。