トイレのがんこな汚れにキッチンハイターを使っても良いのか疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。結論から言うとキッチンハイターでトイレ掃除をすることは可能ですが、トイレ専用洗剤として販売されている商品ではないので十分注意して取り扱う必要があります。今回は、トイレ掃除にキッチンハイターが使えるかどうかに加え、掃除方法を詳しく解説していきます。
キッチンハイターは次亜塩素酸ナトリウムが主成分の塩素系漂白剤で、液性はアルカリ性です。結論から言うとキッチンハイターでトイレ掃除をすることは可能で、雑菌も黒ずみもまとめて落とすことができます。
ただし、キッチンハイターはあくまで台所用の漂白剤であり、トイレの掃除用洗剤として販売されていません。間違った使い方をすると、思わぬトラブルや事故を引き起こすことにつながるので、十分注意して取り扱う必要があります。
「キッチンハイター」は、花王株式会社が販売している出ている台所用漂白剤です。花王ではカビハイター・排水溝ハイター・パイプハイターというように「ハイター」とつく洗剤が展開されており、トイレ専用の「トイレハイター」も販売されています。トイレハイターとキッチンハイターの違いは以下の通りです。
【トイレハイターの成分】
【キッチンハイターの成分】
キッチンハイターには液体タイプと泡タイプがあるため、掃除する場所に合わせて使い分けることが大切です。ここではトイレ掃除でのキッチンハイターの使い方を解説していきます。
トイレ掃除にキッチンハイター液体タイプを使う時は、液だれを防ぎながらハイターをつけることが大切です。手順は以下の通りです。
【キッチンハイター液体タイプの掃除方法】
キッチン泡ハイターはスプレータイプになっているため、便座の裏など奥まった部分の掃除がしやすいのが特徴です。ボトルタイプの洗浄液だと奥まった部分にかけるのは難しいですが、スプレータイプであればシュッと吹きかけるだけなので手軽です。キッチン泡ハイターは、以下のような掃除に適しています。
【便器の中と便座裏の掃除】
便器の奥まった部分には水が出てくる穴があります。この穴の周りには黒ずみや汚れがつきやすいため、キッチンハイターを使った掃除が有効です。
軽い汚れであれば、キッチン泡ハイターをつけて5分ほど放置して水を流せば黒ずみや汚れが落ちるはずです。ガンコな汚れの場合は、5分ほど放置した後に使い古した歯ブラシなどでこすり、黒ずみや汚れを落としましょう。
【ウォシュレットの掃除】
ウォシュレットのノズルやノズルが収納されているフタの部分は黒ずみや水垢、汚れがたまりやすい場所です。まずはノズルやフタを不要な歯ブラシでこすります。なかなか落ちない場合はキッチン泡ハイターを吹きかけましょう。
ノズル周辺がきれいになったら、漂白剤が残らないように洗い流します。トイレの水を流しただけではノズルに届かないので、スプレーボトルに水道水を入れてしっかりと洗浄液を流し、ペーパーで水気を拭き取りましょう。
キッチンハイターは家庭用洗剤の中でも臭いが強く、取り扱いに注意する必要があることでも知られています。ここではキッチンハイターを使用する時に注意すべきことを詳しく解説していきます。
ハイターを使ううえで最も重要なのは、「他の洗剤と同時に使わない」ことです。キッチンハイターは次亜塩素酸ナトリウムが主成分の塩素系漂白剤で、液性はアルカリ性です。そのため、酸性の洗剤を上からかけたり、同時に混ぜて使うと有毒ガスが発生したり、爆発する恐れもあるので注意が必要です。そのほか、アルコールやお酢なども同時に使うのは避けましょう。
キッチンハイターを使う時は手袋をして扱い、周囲に液が飛び散らないように注意しましょう。キッチンハイターが肌についたり、目の中に入ったりすると炎症を起こし、最悪の場合失明する場合もあります。
万が一皮膚についた場合はすぐに洗い流し、異常があれば皮膚科を受診してください。また、目に入った場合は15分以上洗い流し、早急に眼科を受診しましょう。
また、ハイターの使用中はお子様やペットが触れることがないように配慮することが大切です。使用後は、お子様の手の届かない場所に保管しておきましょう。
劇物であり、刺激臭がするキッチンハイターをトイレ掃除で使用するときは、窓や扉を空けて換気をし、換気扇を回しながら掃除することが大切です。
換気が十分でない場所でキッチンハイターを使用すると、掃除の最中に気分が悪くなる可能性があるので注意が必要です。また、マスクをつけておくと安心です。万が一、体調が悪くなったり、目が痛くなったりした場合は、ハイターの使用をやめてうがいと洗眼を行いましょう。
キッチンハイターは漂白剤であるため、付着した部分の色が落ちてしまうことがあります。掃除をする際、キッチンハイターが色物や金属などに触れると色落ちや変質を起こす恐れがあるので、注意して使うことが大切です。
便器が白色の場合はそれほど気にしなくて問題ありませんが、キッチンハイターをかける時に周囲に飛び跳ねないように注意しましょう。万が一付着して変色した場合、基本的に元に戻せないので注意が必要です。
キッチンハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。この次亜塩素酸ナトリウムには、ウイルスやカビなどの細菌の細胞膜や細胞壁を破壊する効果が期待できます。
そのため、大腸菌やノロウイルス、黄色ブドウ球菌などを殺菌、消毒する作用やカビ除去効果などが期待できます。家族が病気になった場合に感染予防として取り入れるのもおすすめと言えるでしょう。
キッチンハイターに含まれる塩素系の次亜塩素酸ナトリウムには漂白効果や殺菌効果があります。そのため、便器に付着した黄ばみや黒ずみ対策に適していると言えるでしょう。
次亜塩素酸ナトリウムにはカビを殺菌し、飛び散った尿による黄ばみを漂白する作用があるとされています。白い陶器であれば漂白剤を使用しても色落ちなどの問題がないため、便器やタンクの上にある手洗い器の頑固な汚れを除去するのに効果的です。色付きの便器の場合は、念のため使用を控えてください。
消臭効果を持つキッチンハイターは、トイレの嫌な臭いの対策にも有効です。キッチンハイターが持つ酸化作用でトイレの嫌な臭いを分解してくれます。
そもそも、悪臭を発生させているのは雑菌です。キッチンハイターを掃除に使うことで雑菌が分解され、死滅することで嫌な臭いがしにくくなります。便器の汚れを落とすのはもちろん、トイレの臭いを根本的に消したいという場合におすすめと言えるでしょう。
今回は、キッチンハイターがトイレ掃除に使えるかどうかについて解説しましたが、いかがでしたか。キッチンハイターはトイレ掃除に使用することができますが、取り扱いに十分注意する必要があります。
キッチンハイターは塩素濃度が高いので、軽い汚れであれば吹きかけて数分置いておくだけで簡単に汚れを落とすことができます。また、「消毒除菌・消臭・漂白」効果を持っているため、トイレの嫌な臭いや便器の漂白など気になる部分の掃除に活躍してくれます。
しかし、トイレの取扱説明書には「ウォシュレットやノズルに塩素系漂白剤を使ってはいけない」と書かれていることがあります。トイレ掃除にキッチンハイターを使う場合は、自己責任で使用してください。