引用:アマゾン
古く錆び付いたビスやネジを取り外す際に、ヘッド部分を破損(なめて)してしまう場合が多々あります。そんな時、ねじバイスを使用すれば、比較的簡単に取り除くことが可能で、通常の固定用バイスとしても使用出来ますので、1台数役をこなしてくれる汎用性の高い工具でもあります。今回は、ねじバイスを中心に、逆タップ用のドリルビットなども合わせてご紹介します。
目次
ねじバイスは、ねじやボルトなどのヘッド部分を破損(なめて)した際に、通常のドライバーやスパナなどで取り外すことが出来ない場合の最終手段として使用することの多い工具です。簡単に使い方をご紹介します。
1:取り除きたいねじやビスのヘッド部分の大きさに合わせ、ハンドル後ろにある調整ねじを回してバイス部分の開口幅を調整します。
2:ねじやビスのヘッド部分をバイス部分で挟み、ハンドル部分を握り込むと自動的にロックされます。手順1での開口幅が小さいとハンドルがロック出来ず、大きいと掴む力が弱く上手く固定出来ませんので、調整を確実に行う必要があります。
3:手順2で対象物をしっかりと固定した後は、反時計回りに回して緩めて行けば、破損したねじやビスを取り除くことが出来ます。
4:作業終了後は、ハンドル内部にあるロックを解除すれば終了です。
ねじバイスの使い方は、非常に簡単で慣れれば、女性の方でも破損したねじやビスなどを取り除くことが出来ます。
仮に、ねじバイスでも取り外すことが出来ない場合には、ドリルビットなどを使用し、穴を開けて逆タップ(左ねじ)を作り取り除くことになりますので、その手順も簡単にご紹介しておきます。
1:破損したねじやビスの中心部に、芯直径よりも小さなドリルビットで、出来るだけ垂直に穴を開けます。
2:穴が出来たら、逆タップ(左ねじ)を差込み、タップハンドルで反時計回りに回して左ねじを入れ込むための溝を作ります。
3:手順2でタップ溝が出来上がれば、左ねじを差込んで締め込んでいけば、破損したねじやビスを取り出すことが出来ます。
最近は手順2を行う必要のない、エキストラクターという工具もあり、小さなねじやビスの場合には、ご紹介したような本格的な逆タップを作ることは少なくなりましたが、機械に使われるような大きなボルトを取り外す場合には、逆タップを作ることがありますので、覚えておくことをおすすめします。
次項から、おすすめのねじバイスとドリルビットをご紹介します。
新潟県三条市に本社を構える「トップ工業株式会社」はモンキレンチやプライヤーなどのハンドツールを製造、販売している専門メーカーです。
ご紹介する「バイスプライヤ VP-175」は、バイス部分に挟むことの出来る範囲が0~35mmと大きく、ボルトであれば最大でM22サイズのヘッド部分を掴むことが可能なモデルです。
バイス部分の厚みは約10.6mm、最大トルク94N・mと、破損したねじやビスを確実に保持することが出来るのが最大の特徴で、さらに本体素材にクロムモリブデン鋼を採用していますので、高い耐久性と強度を備えており、長く愛用することが出来ます。
先にご紹介した「TOP工業」と同じく、新潟県三条市に本社を構える「株式会社スリーピークス技研」は、ペンチやラジオペンチなどのハンドツールを製造、販売している専門メーカーです。
ご紹介する「小ねじバイス DS-130」は、バイスの正面部分にも溝が配置しあり、ねじやビスを3点で確実に掴むことが出来るように工夫されているねじバイスです。
対応可能範囲はΦ3~10mmと、小さなねじやビスに対応したモデルで、自動車やバイクなどのメンテナンスに最適です。バイス部分の素材にはクロムモリブデン鋼が採用され、高い強度と耐久性を備えており、安心して使用することが出来ます。
先にご紹介した「小ねじバイス DS-130」と同じく、「株式会社スリーピークス技研」からリリースされている「トラスねじバイス DS-130T」は、その名称通り、ねじのヘッド部分が丸いトラスねじの取り外しにも対応したモデルです。
バイス部分の正面に、独自設計された縦溝を配置することで、トラスねじのヘッド部分を確実に保持して回すことが出来るようになっています。
またグリップ後部の開口調整ねじに、六角穴付きボルトを採用しており、対象物を固定した後でも更に強力に締め込むことが可能で、固着したねじやビスを取り外すのに最適です。
使用可能範囲はトラスねじであればM2~M4、なべねじでM1.6~M6、六角ねじで3~13mmと幅広く対応することが出来るのも特徴の一つです。
大阪府大阪市に本社を構える「株式会社エンジニア」はドライバーをはじめ、ニッパーやハンダごてなど小型のツールを製造、販売しているメーカーです。
ご紹介する「バイスザウルス PZ-64」は、エンジニア社がリリースしている「ネジザウルス」シリーズのバイスグリップタイプの1つです。
ねじの適合サイズはΦ3~9.5mmと小ねじなどに対応したモデルで、バイス部の最大開口サイズは38mmと大きく、さらに素材にクロムモリブデン鋼を採用することで優れた耐久性と硬度と備えており、確実にねじを掴んでくれます。
またバイス正面部分にも、縦溝を施しており縦、横のどちらでも使用することが出来ます。
次項からは、逆タップを作る際に必要なドリルビットをご紹介します。
藤原産業のツールブランドの一つである「イーバリュー(E-Value)」からリリースされている「ドリルセット ETD-21S-T」は、ドリル直径Φ1~10mmまでの合計21種類が同梱されている金工作業用のドリルセットです。
ドリル素材に高速度鋼(ハイス=ハイスピード・スチール)を採用し、さらに表面にチタンコーティングを施すことで、高い耐久性と強度を備えており、
またドリルの刃先にはシンニング加工を施しており、センターポンチの必要がないため、直接穿孔を行うことが出来る作業効率の高いモデルとなっています。
大阪府大阪市に本社を構える「株式会社三共コーポレーション」は、各種工具類をはじめ、園芸用品などを製造、販売しているメーカーです。
ご紹介する「ドリルセット HTD-13」は同社のオリジナルブランドである「H&H」からリリースされており、ドリル直径Φ1.5mm~6.5mmまでの合計13本をセットにしたモデルです。
ドリル素材にはハイス鋼(ハイスピード・スチール)を採用し、さらに表面にチタンコーティングを施すことで、高い耐久性と強度を備えており、金工作業用のドリルとして最適です。
またドリルの先端部分にはクロスシニング加工を施すことで、しっかりと位置決めが出来るように工夫がされており、作業効率の高いモデルでもあります。
兵庫県三木市に本社を構える「株式会社イチネンミツトモ」からリリースされている「六角軸下穴ドリルと両頭ビット10本組」は、タップ用の下穴ドリルビットとドライバービットが同梱されているモデルです。
下穴用のドリルビットは直径Φ1.6~4.8mmの5種類が同梱されており、六角軸付きなので電動ドリルにもしっかりと固定出来るようになっています。
さらにセンターポンチが不要な強ネジタイプなので、作業効率も高くヘッドの破損したねじやビスへの穴あけが楽に出来るのも特徴の一つで、さらにチタンコーティングを施していますので、優れた耐久性と強度を備えています。
破損したねじやビスを取り外すことの出来るねじバイスや逆タップを作る際に必要なドリルビットですが、一緒に使用することで作業効率の上がるアイテムが幾つかありますので、ご紹介します。
日立工機からリリースされている「ドライバードリル FDS14DGL」は、14.4Vのリチウムイオンバッテリーを搭載したコードレスタイプで、DIY向けに設計されたモデルとなります。
低速時の最大トルクは34N・mと十分な能力を備えており、さらにクラッチダイヤルの操作で22段階に締め付けトルクを調整することが出来るため、細かな作業にも適しています。逆タップを作る際の、下穴処理などにも十分に使えますので、おすすめです。
新潟県三条市に本社を構える「株式会社 兼古製作所」は電動ドリルなどの先端工具を専門に製造しているメーカーです。
同社のオリジナルブランドである「アネックス(ANEX)」からリリースされている「エキストラクターセット ANH23」は電動ドライバーに取付けて、ヘッドの破損したねじやビスなどを簡単に取り外すことの出来る先端工具が3本セットになったモデルです。
使い方は簡単で、一方のドリル部分で3~5mm程の下穴を開け、もう一方のエキストラクター部分を差し込んで反時計回り回すだけで、小ねじなどは難なく取り外すことが可能です。
破損したねじやビスなどを取り除くために使用する「ねじバイス」で有名ブランドが幾つかありますので、簡単にご紹介します。
大阪府大阪市に本社を構える「株式会社 エンジニア」はドライバーをはじめ、ニッパーやハンダなどの小型ツールを製造、販売しているメーカーです。
ヘッド部分が破損したねじやビス、ボルトなどを取り外すことが出来る「ネジザウルス」が有名で、今回ご紹介したバイスザウルスやポンプラザウルスなど、さまざまな種類をリリースしています。ウェブサイトを覗いてみると面白いのではないでしょうか。
ウェブサイト:http://www.engineer.jp/
新潟県三条市に本社を構える「株式会社 スリーピークス技研」は、ニッパーやペンチなどのハンドツールを専門に製造、販売しているメーカーです。
ヘッド部分を破損したねじやビスなどを取り除く専用ツールも、ご紹介したバイスタイプだけでなく、ペンチタイプやプライヤータイプなど、さまざまなタイプをリリースしており、ダイヤ型をしたバイス部分などスリーピークス社独自技術が搭載されています。
ウェブサイト:http://www.3peaks.co.jp/index.html
ねじバイスにも、さまざまな種類があり、実際に購入する時に迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
ただ、ねじバイスの選び方は比較的簡単で、固定する対象物の大きさと、バイスの使用調整範囲(ねじの適合範囲)が合っているかを確認するだけで大丈夫です。
ねじバイスには開口部調整ねじが装備されていますので、この範囲内に収まる、ねじやビスであれば、どんな大きさにも対応が出来ますので、汎用性が高いのも特徴の一つです。
ねじバイスや、逆タップを作る際に必要なドリルビットについて、ご紹介しました。古く錆び付いたねじやビスなど、思った以上に簡単に破損してしまうことがありますので、もしもの時のために「ねじバイス」を1本持たれることをおすすめします。基本的な固定用バイスとしても使用出来ますので、汎用性が高くDIYをはじめ、プロの方も使われている方は多く、非常に便利な工具なので、この機会に購入を検討されてみては如何でしょうか。