ペニンシュラキッチンとはキッチン本体が片側だけ壁についている対面式キッチンのことです。オープンスタイルなので解放的な空間に仕上がり、料理やお皿洗いなどをしながら家族とコミュニケーションをとれるのが特徴です。今回は、ペニンシュラキッチンの特徴と選び方、メリット・デメリットを解説していきます。
目次
ここからは、ペニンシュラキッチンの特徴について詳しく解説していきます。新築やリフォームなどで採用するキッチンを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
「ペニンシュラ(peninsula)」とは、英語で「半島」を意味します。キッチン本体のどちらか片側のみ壁に接しているペニンシュラキッチンが半島をイメージさせることが由来となっています。
オープンタイプキッチンで比較されることの多いアイランドキッチンはキッチン本体の両サイドに通路がありますが、ペニンシュラキッチンは通路が片方だけにあるので、限られたスペースにキッチンを配置したい場合に適していると言えるでしょう。
ペニンシュラキッチンは、オープンタイプ・セミオープンタイプというふたつの選択肢があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
【オープンタイプ】
キッチン本体がリビングダイニング側から全て見えるので、開放的な印象をもたらしてくれます。片側からだけでなく、両側からも洗い物や調理ができる便利さも選ばれている理由のひとつです。複数人でキッチンを使いたい場合におすすめと言えるでしょう。
【セミオープンタイプ】
キッチン本体に低めの壁を設置したものがセミオープンタイプです。スッキリとした見た目は減ってしまうものの、手元が片付いていなくても生活感が見えにくくなるのがメリットです。また、吊戸棚を取り入れて収納量を増やすというケースもあります。
ペニンシュラキッチンを設置する場合の費用総額は、約90万~190万円が相場です。この費用には、キッチン本体価格と設置工事費用が含まれます。
「キッチンの本体価格」には希望オプション費用、配送料なども含まれ、「設置工事費用」には仮設工事費と付帯工事費、撤去費用などが含まれます。
これから新築住宅を建てる方や、キッチンのリフォームを考えている場合、ペニンシュラキッチンの特徴や使い勝手が気になることでしょう。まずは、メリットとして挙げられる特徴からご紹介していきます。
両サイドに通路を設けるアイランドキッチンに対してペニンシュラキッチンは片側だけに通路を設置すれば良いので、LDKの幅が狭い家でも設置しやすいのがメリットです。
それと同様にペニンシュラキッチンはレンジフードを壁側につけられるので、レンジフードの選択肢も多くなります。限られたスペースを活かしつつ、開放感のある空間にしたい方におすすめと言えるでしょう。
キッチンに立つ人がリビングやダイニングにいる人と対面するため、コミュニケーションが取りやすいメリットがあります。
お皿洗いや調理をしている時でも家族と会話を楽しみながら作業を進めることができ、無理なくお子様や高齢者、ペットなどを見守ることができます。来客が多いご家庭やホームパーティーをすることが多い方にも適しています。
ペニンシュラキッチンは周囲を壁で囲まれている独立タイプのキッチンと比べると開放感があり、空間を広々とした印象にしてくれます。
また、ペニンシュラキッチンには目線を遮ぎる壁がないので、キッチン背面のインテリアも目に入りやすいです。そのため、インテリアにこだわりがある方に適していると言えるでしょう。LDKの雰囲気を統一したい場合にもおすすめです。
ペニンシュラキッチンにすることで得られるメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。ここではデメリットをご紹介していきます。
ペニンシュラキッチンはキッチン全体が見渡せる造りになっているため、作業台が散らかっている場合は目に入ってしまいます。そのため、室内が散らかった印象になるのがデメリットです。
調理後は食材や調味料を片付ける習慣をつけるようにし、カウンターに出しておきたいものは定位置を決めるようにしましょう。片付けるのが苦手という場合は、目隠しとして手元を隠す壁を設置するのもひとつの方法と言えるでしょう。
ペニンシュラキッチンはコンロの前面に壁がないことから、リビング側に油や水がはねるのがデメリットと感じる方は多いです。しかし、ペニンシュラキッチンは一般的なキッチンよりも奥行が広めに設計されていることが多いため、過度に心配をする必要はありません。
それでも油や水がリビング側にはねてしまわないか心配という場合は、コンロの前にクリアタイプの「オイルガード」を設置をするのもひとつの方法です。オイルガードが油や水はねをガードしつつ、ペニンシュラキッチンなではのオープンな見た目を保つことができます。
ペニンシュラキッチンはLDKと一体化しているため、ダイニングやリビングまで調理中のにおいや煙が広がります。においや煙を全て防ぐのは難しいものの、LDKの広さに合うレンジフードを設置し、しっかり換気をすることである程度の臭いや煙の拡散は防ぐことができます。
そのほか、吸い込む力が強い高性能のレンジフードを採用したり、リビングの壁に消臭効果の高いエコカラットを取り入れるなどの対策もおすすめです。
ペニンシュラキッチンは、魅力のひとつである開放感を維持するためにキッチンの上部に吊り戸棚を設置しないケースが多いです。しかし、そのぶん収納が不足しやすいというデメリットがあります。
そのため、吊り戸棚がなければ収納スペースがどのくらい取れるかを考慮し、背面の棚やパントリーなどで収納を確保する必要があります。吊り戸棚を設置するセミオープンスタイルもあるので、必要な収納量を満たしていない場合は検討してみてください。
ペニンシュラキッチンを採用したい方へ向けて、ペニンシュラキッチンを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを解説していきます。
キッチンを設置する場所はキッチンでの導線を考慮して施工しましょう。使用頻度が高い冷蔵庫や食器棚への動線が長いと使いにくくなるため、キッチンでの動線を想定しながら作業に必要となるスペースの広さを測っておきましょう。
ペニンシュラキッチンの横幅は180~270cmくらいが目安です。キッチンの横や背面の収納との間の通路スペースは、最低でも60cmほどを確保すると良いでしょう。2人以上でキッチンに立つことが多い場合は、通路幅が120cm程度あれば作業がスムーズにできます。
キッチンシンクやコンロをつなぐワークトップの天板の素材はステンレスや人工大理石、セラミックなどの素材が使われています。
ステンレスは最も多く使われている素材で、耐久性や耐熱性、耐水性が優れています。お手入れが楽にでき、傷が目立ちにくい加工が施されていることが多いです。
人工大理石は樹脂で本物の大理石の見た目をつくり出してあり、高級感のある見た目が特徴です。最近は耐熱性が高い商品が増えていますが、高温の鍋を置く場合は鍋敷きを敷くと安心です。
セラミックも耐久性や耐熱性、耐水性が優れている素材です。傷や汚れが付きにくく、お手入れが簡単にできるのが特徴です。
コンセントの位置は調理のしやすさなどに影響をもたらすため、よく検討してから位置を決めるようにしましょう。キッチンではミキサーやホットプレート、炊飯器などの電化製品を使う機会が多くあります。しかし、作業台の周辺にコンセントがなかったり、配置が悪いと思うように電化製品を使えなくなってしまいます。
例えば、毎日炊飯器や電子レンジを使用するのであれば、設置する場所の付近にコンセントが必要です。また、たまにミキサーを使うという場合は、作業しやすい場所にコンセントがあると便利です。
このように、普段からご自身が使用する調理家電と使い勝手を想像しながらコンセントの位置や個数を決めることをおすすめします。
オープンタイプのキッチンは洗い物をする時の水や調理中の油がリビングに飛びやすいので、奥行きを広めに設計されていることが多いです。間取り等にもよりますが、80cm程度の奥行きがあると使い勝手と見た目のバランスが良くなります。
次に、作業台の高さは高すぎても低すぎても体に負担がかかりやすくなるため、身長に合わせて高さを決めるのが望ましいです。作業台の理想的な高さの目安は「身長(cm)÷2+5cm」と言われています。身長に合うものを選ぶことで楽に作業ができるので、キッチンに立つ時間が長い人の身長に合わせて選ぶのがおすすめです。
ペニンシュラキッチンの特徴と選び方、費用相場について解説しましたが、いかがでしたか。ペニンシュラキッチンとは片側だけ壁についたキッチンのことで、開放感のあるLDKがつくれるのが特徴です。
両サイドに通路を設けるアイランドキッチンに対してペニンシュラキッチンは片側だけに通路を設置すれば良いので、LDKの幅が狭い家でも設置しやすいのがメリットです。
記事の中ではペニンシュラキッチンのメリットやデメリットをご紹介しました。これから新築やリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。