出典:鍛冶屋トヨクニ
鉈(なた)は、キャンプや山林などで枝をはらったり、薪を割ったり、木の皮を剥いだりと、主に木材に対して使用するものと、狩猟用があります。鉈には多くの種類があり、長さも大きさも呼び方もさまざま。1本あるととても便利なのですが、鉈を購入する時は何を基準に選んだらよいのでしょうか?今回は鉈について調査しました!
目次
まず、斧と鉈と鉞の違いです。わかりますか?
斧(おの)は柄が長く、刃の部分も分厚く、両手で持って使用するものです。キャンプ等では手斧も使われますが、こちらは焚き火に使う薪を割るときに使用します。大きな丸太を割るときは「斧」を使います。
鉞(まさかり)は斧の種類のひとつで、大きな斧や刃渡りが広い斧を鉞と呼びます。斧と分類を分けて説明する人もいるくらい、形状が斧と違うものもあります。確かに金太郎さんが担いでいる鉞は幅が広い斧ですね。
鉈(なた)は刃渡りが長く、包丁のような形状をしています。狩猟用と山林用がありますが、とくに山林で使う種類は豊富です。
狩猟用と山林用はどのような違いがあるのでしょうか?また、刃の形状はどのようなものがあるか、簡単にご説明します。
刃が剣のような形状をしています。狩猟で狩った獲物を捌いたり、魚を捌いたりするのに使います。それ以外にも枝や木のツル、草などをはらったり、ロープを切断したりといった使い道もあります。どちらかというとナイフに近い感じです。
腰鉈の刃は四角い包丁のような形状をしています。主に焚き火や薪ストーブに使うときの薪を割ったり、細目の枝を打ったり、藪はらいなどに使います。用途としては斧に近い感じです。
両刃は刃の先に向かって左右の面が斜めになっているものを言います。縦に木を割る時はこの形をしていないと割りにくいです。断面を見るとV字型になっています。用途は「割る」です。
片刃は片方の面だけが斜めになっていて、枝や草をはらったり、紐を切ったりするときに使います。断面はレ型になっています。用途は「切る」です。
種類がありすぎて選べないよ…という方は、用途に合わせて選びましょう。俺はクマやイノシシを捕ってくるぜ!という人は迷わず「剣鉈」を購入してください。でかい丸太を豪快に割ってやるぜ!という人は鉈ではなく「斧」を購入してください。
一般的な用途で鉈が欲しい方は、薪を割りたいなら「両刃」、枝や紐を切りたいなら「片刃」の腰鉈をお選びください。木を割る時は力ではなく鉈の重さで割りますので、重量も大切です。また、刃を研ぐときは片刃の方が簡単ということも覚えておくとよいでしょう。(両刃は左右両方を研ぐので、慣れない人が砥ぐと中心がずれてしまうこともありますよ)
さて、次はおすすめ&人気の鉈をご紹介しましょう。
Amazonでベストセラー入りを果たしている「なたとのこ」は、名前のとおり、鉈とノコギリがセットになっています。鉈は両刃ですがノコギリがセットで付いてくるので、薪を鉈で割り、枝はノコギリで切るといった使い方ができます。軽量なのでキャンプや庭の手入れにおすすめです。
「GWにキャンプで使いました。まきを割るのになたがとても使いやすく、薪を集めるのにのこが役立ちました。切れ味はどちらも必要十分で使用感も手に馴染むしとても良い製品です。」
出典:Amazon
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:165mm |
重量:380g |
高知県の土佐に伝わる、鍛冶の伝統技を受け継ぐ職人が手作りしている逸品で、大量生産している工業製品とは違う手仕事「民藝」のような存在です。白紙鋼(しろがみはがね)と呼ばれる炭素を多く含む鋼を使用しているので切れ味は抜群です。なお、白紙鋼と青紙鋼は高級な刃物に使われる鋼です。白紙鋼は熟練の職人の手にかかれば、どんな刃物にも負けない名品が生み出されるそうです。
「磨かれた刀身は滑りがよく、細竹なんかはスパンスパンと切断できます。直径5cmの竹も十本くらい切りましたが、刃こぼれなしです。」
出典:Amazon
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:210mm |
重量:560g |
こちらは「ほんまもん」というメーカーの火造り鉈で、青紙鋼を使って作られた鉈です。白紙鋼と比べると刃の色が違いますね。竹や小さめの薪などは気持ち良いほどスパスパ割れます。キャンプなどのアウトドアに持っていくにも丁度良い大きさです。
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:180mm |
重量:265g |
日本製・高儀の鉈です。村国という名前がカッコイイですね。大きさもそれほど大きくなく、持ってみると重量感もジャストフィットといった感じです。枝はらいや薪割りに丁度よいサイズです。
「今日裏山の木の枝うちに使用しました 高級感漂うフォルムと重量感 切れ味問題ありません お薦めです。」
出典:Amazon
刃の形状:片刃 |
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刃渡り:180mm |
重量:727g |
刃の先端に突起がある、ちょっと変わった形状のエビ鉈は、石が刃を保護してくれるので下が砂利などでも安心して使えます。使用する場所がいつも平地やキレイな場所とは限りませんから、こういう鉈が1本あるととても便利ですよ。
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:135mm |
重量:340g |
安全にこだわった作りの鉈で、打ちこみ打ち込み防止ガードがあり、薪割りのときに刃の打ちこみを防止してくれます。そのお陰で刃や台を傷つけることがないので、安心して力強い作業ができます。
「枝打ちに使ったり、キャンプで薪割りに使用しました。ヘッドが効いていて打ち込み防止と両刃なので初めての方でも使いやすいと思います。」
出典:Amazon
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:150mm |
重量:757g |
サラリーマンの島耕作さんとは何の関係もございませんが、こちらのツバ付き両刃鉈は重量がずっしりとある、狩猟にも薪割りにも使える剣型の鉈です。ツバが付いているお陰で、握っても手が刃に当たらず、安心して使えます。
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:270mm |
重量:721g |
白鋼を使用していますが、焼入れ硬度は青鋼と同等程度あり、硬さ、切れ味も良く、柔軟性があります。耐久性にも優れています。
「狩猟関係の仕事をしているので、止め刺しやら、藪掃いやらに使えるものを探していましたが、なかなかしっかりした作りで気に入りました。」
出典:Amazon
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:300mm |
重量:460g |
日立安来青紙鋼を軟鉄で両側から挟んで3層の仕立てになっているこちらの鉈は、切れ味はもちろん、砥ぎやすい刃でメンテナンスが楽。山やキャンプに持って行くにも最適の大きさです。何より日本製なので安心して使えます。
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:120mm |
重量:- |
ダマスカス鋼は、木目のような模様が特徴の美しい鋼です。商品名に山遊と付くくらい、フィールドワークに向いています。薪割り、藪こぎはもちろん、魚を捌く時にも使えます。山遊びに使えるよう、刀身のデザインはシンプルになっていて、周囲の人に威圧感を与えないような工夫がされています。
「ダマスカス鋼の紋様に樫のグリップが非常に美しく、所有欲を満たしてくれます。」
出典:Amazon
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:180mm |
重量:390g |
「ヨキ」というのは鉈の中でも大きめのものを言います。刃渡りが270mmで重量も520gと他の鉈に比べると、大きく重さもありますね。こちらは刃物の生産で有名な兵庫県小野市で作られています。ハンドル部がゴムなので枝などを打ったときの衝撃を和らげてくれます。また刃先がカーブしているので、枝をくいっと引き寄せてくれるなど、なかなか便利に使えます。
刃の形状:両刃 |
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刃渡り:270mm |
重量:520g |
刃物を研ぐのは慣れていないと難しいのですが、練習しないと上手くなれません。筆者はカンナの刃を何度も丸く研いでしまい、全く削れなくなった経験が何度もあります(泣)。片刃より両刃のほうがより難しく、コツを掴むまでが大変なのですが、無心に刃を研いでいる時の楽しさは体験してみないと分かりにくいかもしれません。
という訳で、切れ味が悪くなってきたら是非「研ぎ」に挑戦してみてください♪
鎌や鉈、厚刃物や一般刃物(包丁など)の中仕上げ用砥石です。砥石全般に言えることですが、使う前は砥石を水に浸してご利用くださいね。
「思わず料理をするのが楽しくなる。恐る恐る研いで、沢庵が繋がらずに切れた。なんて簡単に切れるのか。毎日少しだけでいい。研ぐのが楽しくなっています。」
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砥石で研ぐのは難しいから嫌!と言う人には、こちらのやすりはいかがでしょうか。鎌・鉈専用の研ぎやすりです。水に濡らさなくても使え、曲がった形状の刃でも楽々砥げます。荒目と仕上げが1本で済む点もいいですね。
「荒砥ぎと仕上げが一本に成っているのが気に入りました。芽切狭を研いだり鎌を研いだり幼稚園の頃使用していた鋏を研いで活躍中です。」
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基本的に鉈は「その他の刃物」に分類され、違反にはなりませんが、刃渡りが5.5㎝以上の場合はキャンプや釣り、野山の整備など明確な理由がなければ、持ち歩くことはできませんのでご注意ください。『私は金太郎です』といった理由はお巡りさんには通用しませんので、純粋にフィールドワークや庭や山林の手入れにご使用くださいね。ぜひ楽しい鉈ライフを!
★★包丁に鋏に鎌にナイフ…刃物の種類って豊富ですね★★