引用:アマゾン
ピートモスとは直訳すると「泥炭苔」のことで、苔(こけ)や水辺などで育つ植物が堆積し、泥炭となったものを乾燥して粉砕したものを指します。ピートモスは、保水力に優れ保肥性や通気性を高めるのでガーデニングや園芸の際「土壌改良土」として用いられているのです。ここでは、ピートモスの種類や使い方などとともに、ガーデニングファンの間で人気のピートモス4選と、あると便利な土壌測定器をご紹介しましょう。
目次
土壌改良土としてガーデニングに欠かせないピートモスには、以下の3つの働きがあります。
【1】 土壌を「酸性」よりに変化させる
【2】 水もち(保水力)をよくする
【3】 土を柔らかくして通気性を高める
ここでは、そんなピートモスの種類と使い方をご紹介します。
ピートモスは、「酸性度調節済み」と「無調整」の2種類があります。
【酸性度調節済み】
石灰などをブレンドして、酸性度をph6.0〜ph6.5(※)程度に調整したもので、多くの植物栽培に最適。種まき・育苗・鉢植え用土として使用されることも多い。
【無調整】
酸度を調整していないピートモス。アルカリ性に傾いた土壌の酸性度を改善したいときに使う。酸性土壌を好むブルーベリー・ツツジ・アジサイなどに適している。
※ph:土の酸度のことで、ph4〜6は「酸性土」、ph8〜9を「アルカリ土」と呼ぶ。一般的な植物や野菜などはph6.0〜ph6.5(弱酸性)が理想的。
ピートモスを土に混ぜる前に、たっぷりと水をかけて湿らせ「ピートモスが完全に水を吸いきる」のを待ってから土に混ぜます。使う分量は「土に対して3割程度」の量を混ぜてください。ピートモスを加えると、土壌の保水力が格段にアップするので、水はけの良い土を好む植物の場合は加え過ぎに注意しましょう。
また、ピートモスを加えると土壌は酸性に傾くので「自分が植える植物ががどの程度の酸性度を好むか」を、事前に確認することも大切です。製品の袋に「無調整」「調整済み」の表示がない場合は、土壌の酸性度をph測定器で測定することをおすすめします。
それでは、次の項からは人気のあるピートモス4選をご紹介していきましょう。
この「あかぎ園芸 ピートモス 40L」は、北欧・カナダなどで産出される堆積した水苔で作られているピートモスで、有機物質がたくさん含まれているのが特徴です。土壌の保水性・通気性・保肥力を高め、植物の成長を促進します。一般的な草花や観葉植物に2〜3割ブレンドして使ってください。酸性を好むブルーベリー栽培にも適しています。
カナダを原産地とするピートモスで、寒さの厳しい環境の中、長い年月を経て堆積した水苔を原材料としています。酸性度無調整(酸性度ph3.7〜4.0)なのでブルーベリー栽培にも最適です。一般的な植物に用いるときには、酸性を中和する苦土石灰を10Lあたり20〜30g加えてください。余らせることがない10Lの小さめサイズです。
この「ピートモス 20L無調整」は、エストニア産の水苔を原料としているピートモスです。酸性度無調整(酸性度ph4.0±0.5)なので、ブルーベリーやバラなどの栽培に向いています。さらに、赤玉土や腐葉土、バーミキュライトなどど混合することにより、一般的な草花や吊り鉢、観葉植物、セントポーリアなど幅広く使えます。
酸性度無調整(酸性度ph4.0)なので、いちごやブルーベリーなど酸性の土を好む植物の栽培に最適です。また、赤土玉・腐葉土・パーライト・バーミキュライト・軽石などを一緒に混ぜることにより、一般的な植物や野菜、観葉植物、菊などの栽培もできます。ほぼ無菌なので室内栽培に向いているピートモスです。
「ピートモスの種類と使い方」の項で触れたように、ピートモスを使用するときは「栽培する植物に適した酸性度」の土壌作りをすることが大切です。そこで、土壌の酸性度を測るph測定器が必要になります。おすすめのph測定器をご紹介しましょう。
アマゾンのベストセラーにもなっている「シンワ測定 土壌酸性度計 A72724」は、
わずか1分間土に突き刺すだけでphを測定できる機器です。電池不要で面倒な設定もいらないため、誰でも簡単に使えます。測定範囲はph3〜7、精度は±ph0.5でモニターが大きいため数値が見やすいのも特徴です。
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こちらも、シンワ測定の土壌酸性度計ですが、「A727161」は1台4役の働きをします。土壌酸性度を測定するのはもちろんのこと、地温の測定や土壌の水分測定(5段階で表示)、育成環境の照度測定(9段階で表示)もできるのです。9Vの電池で約12時間連続使用でき、暗い場所でも読み取りやすいバックライト機能もついています。
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測定したい場所の土を、同量の水で溶き上澄みを計測するタイプのph測定器です。土壌に刺して測るタイプよりひと手間かかりますが、水耕栽培など液体の酸性濃度も測れます。また、「CALボタン」で、自動的に校正できる機能も搭載!ペン型なのでポケットに入れて手軽に携帯できるのも魅力です。
「ピートモス4選」のトップバッターでご紹介した、「あかぎ園芸 ピートモス 40L」を販売する「あかぎ園芸」は、昭和47年に腐葉土作りからスタートした園芸用土・肥料を製造、販売する会社です。創業以来46年間に渡り、業界の第一線で培養土の生産販売を行い続け、現在では、培養土や肥料など約500アイテムを展開しています。
また、同社では、花苗・野菜苗・鉢花などのアウトレットセールを開催したり、会社近くの道路や花壇に花や球根の栽培をする「花いっぱい運動」を行ったりなど、積極的に「花文化」普及の活動も推進中です。
ピートモスを購入するときは、どのようなことに気をつけて選べばいいのでしょうか。ポイントを3つご紹介します。
「ピートモスの種類と使い方」の項でご紹介したように、ピートモスは、「酸性度調節済み」か「無調整」か、製品の酸性度を確認してから自分が栽培する植物に合ったものを選ぶことが大切です。特に表示がなければ、製品の酸性度を確認してください。
メーカーによっても異なりますが、ph5.0〜ph7.0位なら「調整済み」、ph4.0〜5.0位なら「無調整」と考えていいでしょう。
そして、もう1つ確認したいのが「容量」になります。特に、海外産の圧縮されているタイプは、水を吸わせたときにほぼ倍の量まで膨らみます。「使い切れなくて困った!」という経験を持つ人も少なくないので、自分の必要な量を調べてから、最適な容量のピートモスを選んでください。
品質の良いピートモスは、キメが細かいのが特徴です。不純物も少ないので水に素早く馴染みます。できるだけ、状態を観察してみてください。
土壌の保水力・保肥性・通気性を高める働きがある「ピートモス」は、植物や野菜などの育成に欠かせません。けれども、効果が高い分だけ使い方を間違えると、大切な植物や野菜を枯らせてしまうこともあるのです。健全な土壌があってこそ、健やかな育成が期待できます。正しい選び方や使い方を把握して、自分が栽培したい植物に合ったピートモスを選んでくださいね。