「立鎌」とは、読んで字のごとく「立ったまま使う鎌」のことです。一般的に「鎌」というと、刃がカマキリの前脚のように曲がった柄の短い「草刈り鎌」を思い浮かべます。けれども立鎌は、柄が長いのが特徴で、立ったまま使うため草刈り作業が楽にできるのです。柄の長さはメーカーによってさまざまで、刃の形状もいくつかバリエーションがあります。ここでは、立鎌の種類や使い方などとともにおすすめ7選をご紹介しましょう。
目次
立ったまま草刈り作業ができるので、腰への負担が楽になる立鎌。ここでは、立鎌の種類や使い方をご説明しましょう。
立鎌は、「一般的な草刈り鎌の柄をそのまま長くしたもの」のことを指します。けれども、刃が「半月型でくわのような形状になっているもの」も、立鎌と呼ばれることも多いのです(「立鎌ホーZ(※)」「窓ホー」などと表記されることもあります)。メーカーによって、柄の長さや刃渡りなどはさまざまな種類があります。
※ホー:本来は「鍬(くわ)」を意味するが、日本では「万能農具」を意味する
立鎌は、草を刈るというよりも「草を根こそぎ掘り取る」ようなイメージで使います。立ったまま地面を滑らせるようにして刈りますが、動かす範囲が広いので効率的に草刈りができます。
また、立鎌ホーは半月型の頭の中央に穴が空いているので、そこから刈った草がこぼれ絡まることもありません。また、刈った後の草を集めるのも簡単です。
次の項からは、オススメの立鎌7選をご紹介していきましょう。
「GSステンレス草刈りら〜く(立鎌)1534」は、全長1m40cm・刃渡り17cm・刃幅4.5 cmの立鎌です。先端の「鎌部分」は、ストレートな刃物とギザギザの刃物の両面使いとなっていて、持ち方を変えることにより草を切る・草を削る・草を根元から抜く・レーキ(刈った草を集める)の4通りの役割を果たします。軽量で使いやすいので作業もはかどるでしょう。
「手打鋼付 立鎌ホー 09010」は、全長1m20cmの立鎌で、柔らかい草の草刈りに向いているタイプです。先端が半月型になっていて中心に穴が開いているため、刈るたびに外に草を排出でき、刈った草が溜まったり絡まったりすることなくスムーズに作業が進みます。草を刈るだけではなく、草削りや草抜き、土寄せ、土ならしも行える万能立鎌です。
オールステンレスの立鎌です。ハンドル部分は伸縮可能、作業時は1m20cmまで伸ばせるので立ったまま楽に草刈りができ、作業後は70cmまで縮められるので持ち運びや収納もかさばりません。刃幅は18cmで、「SUS420J2」という焼き入れ後の硬度が高いステンレスを使用しているためサビに強いのもメリットです。
強度がありながらも軽量なので、草刈り作業が苦にならないアルミパイプの立鎌です。先端は「窓ホー」になっているので、草刈り・草削り・草取り・土ならしなどとして使用できます。柄は1m20cmと作業がしやすい長さで、先端には握りやすいグリップが付いているため力をかけても手が滑りません。
刃の部分に細かいギザギザが付いているため、柔らかくて細い草も逃さずキャッチして刈ることができます。柄の長さは90cmで、290gという軽量な製品なので女性でも楽に作業ができるでしょう。また、柄は木材ですが「滑り止め加工(微細砥粒混合塗装)」をほどこしているため作業中に手が滑るのを防止してくれます。
長野県で作られた手打ち鍛造鋼を使用した立鎌です。先端は「窓ホー」になっているので草刈り・草削りだけではなく、畑の畝作りや穴開け作業にも活用できます。刃先は15cmと小さめなので、力のない女性でも扱いやすいでしょう。持ち運びや保管に便利な牛革のケース付きです。
鍛冶文化の町と知られる、新潟県燕三条の職人が作った切れ味の鋭い刃物を用いた立鎌です。手前はストレートな刃で背中の部分はギザギザになっているため草刈り・草取り・草集めに活用できます。柄の部分は1m5cmと短めになっているので小柄な人や女性でも使いやすいサイズです。
立鎌の切れ味を保つためには、お手入れが欠かせません。基本的には、草刈りをした後に乾いた雑巾などで泥や土、水分をていねいに拭くことです。そして、ときどき刃を研ぐと購入直後の切れ味を保つことができます。そこで、立鎌のお手入れに必要な「研ぐ」道具をご紹介しましょう。
鎌砥ぎ用の砥石で、特殊砥材を用いているため品質が劣化することなく保たれます。使う前には3分間ほど水に浸して砥石に十分な水分を含ませてから使いましょう。
#3000・#8000という微細な研磨用砥石を2種類使用し、研磨と仕上げの両方ができる両面砥石です。滑り止め用のゴム台がついているので研ぐ作業も楽にできます。
立鎌など、園芸関係の刃物道具が有名なブランドをご紹介しましょう。
「千吉(せんきち)」は、大工道具・電動工具・DIYツールなどを展開する藤原産業株式会社の園芸道具専門オリジナルブランドです。藤原産業株式会社の創業は明治30年(1897年)、初代が日本剃刀の製造を始めて以来、120年以上も金物などを中心に大工道具・作業道具・園芸道具などを製造し続けています。
そして、同社の「千吉」が展開する園芸用刃物道具、葉や草・枝などを掃除する道具などは、園芸のプロから一般のガーデニングファンまで多くの人が愛用中です。
中でも特に有名なのが「刃物」で、立鎌・草取り鎌・剪定鋏・太枝鋏などは「すべて千吉ブランドで揃えている」という人も少なくありません。アマゾンでベストセラー入りしている商品も幾つかあるほどです。
立鎌はメーカーによってサイズや形状など違いがあります。そこで、選ぶときのポイントをご紹介しましょう。
「立鎌の種類と使い方」でご紹介したように、立鎌には「一般的な草刈り鎌が長くなったタイプ」と「半月型のホーと呼ばれるタイプ」があります。前者はシンプルに草刈りをする道具、後者は草を切る・草を削る・草を抜く・レーキ(刈った草を集める)など複数の役目を果たす道具と考え、自分の目的にあった製品を選んでください。
立鎌は、メーカーによって重さや長さが異なります。立ったまま使用する道具なので、自分の身長に合った製品を選びましょう。身長の高い人は140cm前後、低い人は100cm前後のものが使いやすいでしょう。また、立鎌は左右前後に振りながら作業するので重たく感じないものを選ぶことも大切です。重量もチェックしてくださいね。
立鎌などの道具を保管できる専用の道具置き場がある場合はいいのですが、庭先やガレージなどほかの道具と一緒に収納する場合は、ちょっと注意してください。鎌の頭は刃物が付いているのでそのまま無造作に置くと危険です。特に小さいお子さんやペットがいるご家庭では注意しましょう。ケース付きの製品を選ぶ、保護ケースを別途購入するなどで安全性にも気をつけてください。
立鎌に変えてから、「草刈りが楽になった」「腰に負担がかからなくなった」という人はたくさんいます。立鎌は、立ったまま草刈り作業ができるので、しゃがみっぱなしでやるよりも足腰に負担がかかりません。しゃがんだ姿勢からいきなり立ち上がって「腰を痛めた!」という危険性もなくなります。女性や高齢の方にも向いているでしょう。前項の「立鎌の選び方」を参考にして、自分にぴったりの立鎌を見つけてくださいね。