職人の働き方〜自分にあった仕事の選び方(測量士補とは)〜

引用:pixabay
建築工事や土木工事で行われる測量の仕事。小さい望遠鏡に似た器具を使って地形などを測定する様子は、誰もが一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。今回は、測量に関する資格のひとつである測量士補についてご紹介します。

測量士補って、どんな仕事?

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測量士補とは

測量士補とは、測量の業務を行ううえで必要な国家資格です。上位資格に「測量士」があり、測量士が作成した計画に従って測量を行うのが「測量士補」とされています。実際の現場では、厳密には役割を区別せず、測量士の資格を持つ人も測量士補の資格を持つ人も互いに協力しあって業務を遂行していくこともあるようです。

関連する資格に「土地家屋調査士」があります。簡単に言うと、工事のための測量を行うのが測量士、家屋などの登記のための測量を行うのが土地家屋調査士です。測量士補や測量士の資格取得後、次なるステップとして土地家屋調査士を目指す人も少なくありません。

日本全国で測量士補として働く人の数、男女比

平成29年度の測量士補試験の実施状況を見ると、合格者数は6,639名、うち男性が5,921名、女性が718名となっています。実に約9割と、圧倒的に男性が多くなっています。

ちなみに、測量士も同様で、合格者数351名のうち男性が314名、女性が37名と、男性が約9割という状況です。

実際に測量会社などで働く測量士補の男女比率も、男性93.9%、女性6.1%となっています。測量士の場合はさらに男性の割合が高く、98.4%が男性で女性はわずか1.6%です。

年齢構成を見てみると、測量士の半数以上が50歳以上というデータもあり、高齢化が進む様子が伺えます。これからの時代に向けて、若い世代や女性の測量士・測量士補を積極的に確保していきたいと考えている企業も多いようです。

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測量士補の平均年収

平成28年の賃金構造基本統計調査によると、測量技術者の平均月給は32万2600円、年間賞与は70万1600円となっています。ここから計算すると年収は400万円〜450万円程度ということになり、一般的なサラリーマンとほぼ同等の額になっています。

常に一定程度の需要があり比較的安定した環境で働けることを考えれば、年収の水準としては高い方と感じる方もいますし、体力勝負的なハードな面もある仕事内容を考えると収入は低いと感じる方もいて、この収入水準の感じ方は人によって異なります。

さらなる高収入を目指して独立開業する測量士もおり、なかには年収1000万円以上を稼ぐ人もいるようです。

測量士補になるにはどうしたらいい?

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測量士補に向いている人の性格、能力

測量の仕事に必要なものは、なんといっても正確性です。コツコツと地道に正確な作業を積み上げていける、真面目で根気強い性格の人に向いています。

長時間の仕事に耐えられる十分な体力

現場は基本的に屋外になるので、真夏の暑さや真冬の寒さのなかでの長時間の仕事に耐えられる十分な体力が求められます。車の入れない場所へ重たい機材を自力で運び込むこともしばしばで、若い頃にスポーツなどを経験していた人はそこで培った体力を活かせることも多いかも知れません。また、作業は基本的に朝から夕方にかけて日の出ている時間帯に行われるので、夜型の人にはきつい面もありそうです。常に安定した生活リズムを保っていく自己管理能力も必要です。

数字や図形に強いことも重要

もちろん、数字や図形に強いことも重要です。特に、測量では角度を扱うために三角関数が必須です。現在はソフトウェアなどの発達によって自分の手で計算しなければならない場面は少なくなりましたが、データを解釈したり、必要な判断を下したりするためには基本的な概念は必ず理解しておく必要があります。

また、測量は一人で行う仕事ではなく、社内の同僚や外注業者など多くの人と連携して行います。そのため、良好な人間関係を維持できるコミュニケーション能力も外せないポイントのひとつです。

必要な技術、資格

測量士補になるには、国土地理院が年に1度実施する測量士補試験に合格するほか、「大学で測量に関する単位を取得して卒業する」「高等専門学校の土木科等を卒業する」「測量に関する養成施設で1年間の知識及び技能教育を受ける」といったことでも資格を得られます。どちらかというと、未経験から試験を受けて測量士補になるよりは、関連する学校で学んでから実際に現場で経験を積むコースをたどる人のほうが多いようです。

資格を得たうえで、測量士補名簿への登録を申請すると、晴れて測量士補になることができます。

測量士補の試験はマークシート式で、28問出題されます。700満点中450点以上で合格です。

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測量士補のここがすごい!

測量の仕事は、他の職人仕事と比べて比較的機器類の進歩が早いと言われています。かつては目視や手作業が中心でしたが、最近は光波測距機やGPSの活用も進み、次々と登場する新しい機器の扱い方を覚えるのも仕事の一部となっています。常に新しいものへの好奇心を持ち、より効率的な仕事の進め方を模索していく姿勢が重要です。

これができれば一人前!

多くの場合、現場で先輩の作業の補助を経験することからスタートします。

測量と一口に言っても、業界によって仕事内容は少しずつ違います。測量士・測量士補の活躍の舞台の大半は土木業界・建設業界で、建築物を作るのに必要なデータを取るための土木測量という仕事になります。このほかに地図を作成するための地図測量という仕事もあります。地図測量の場合は範囲が土木測量に比べて広く、データを取る方法や使用する機器も変わってきます。

測量作業には基準点測量・水準測量・路線測量・河川測量・用地測量などさまざまなものがあり、それぞれ目的や手法が異なります。

このように、会社によっても違う仕事のやり方を先輩のもとでひとつひとつ覚えていき、やがて、仕事全体のスケジュールや人員の計画・配分を考え、現場をまとめていけるようになれば測量士として一人前です。

仕事のたいへんなところ、おもしろいところ

仕事の難しさ、辛さ

測量の仕事とはただ測るだけではなく、例えば現場が住宅地であれば、周辺住民の家を回って挨拶し理解と協力を得ることも仕事のうちです。山での測量の場合、クマやマムシ・スズメバチなどを警戒しながら現場にたどり着くこともあります。このようなケースでは登山の装備も必要になるなど、幅広い知識が求められます。

仕事のおもしろさ、やりがい

測量はあらゆる工事の基礎となる重要な仕事です。結果が目に見えるまでは年単位の時間がかかることもありますが、自分が測量した土地に実際に道路やビルが建つのを見ることは大きな喜びです。もちろん、一日の仕事を終えた後の冷えたビールも日々の楽しみのひとつです。
(出典:平成若者仕事図鑑)

まとめ

Hikaru.Oharaさん(@hikaruyane0625)がシェアした投稿

普段目にする建築物や何気なく通行する道路など、身の回りの多くのものが測量士補や測量士による測量を元に作られています。時代が変化しても、何かを作るときにはまず正確な測量が必要なことには変わりなく、これからも安定してニーズのある仕事です。縁の下の力持ちとして暮らしやすい街づくりを支える専門職である測量士補について、今回の記事で一人でも多くの人に知っていただけたら幸いです。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

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